東京市場駅(とうきょうしじょうえき)は、東京都中央区築地にあった日本国有鉄道(国鉄)の貨物駅。汐留駅から分岐していた東海道本線の貨物支線の終点だった。電報略号はトシ。
汐留駅の貨物ホームの脇から分岐していた全長1.1 km、単線の貨物支線の終点にあった地上駅。1935年の築地市場の開場の同日に開業した。
東京都中央卸売市場築地市場の外周に平行して大きなカーブを描いて線路が敷設されていた。市場の線路脇は、貨車から直接荷卸しができるようにプラットホームのような構造になっており、貨車から降ろしたその場でセリが行われていた(いわゆる大卸)。また一度にワム形貨車換算で、40両の貨車から荷役作業が可能だった。
取扱品は水産物、青果物などの生鮮食品で、市場を発着するものを専門に取り扱っていた。また、1966年10月1日のダイヤ改正からは、新開発された高速運転対応冷蔵車のレサ10000形貨車を使用、九州・中国地方を発駅とする特急貨物鮮魚貨物列車「とびうお」や、北海道・三陸地方を発駅とする鮮魚貨物列車「とうりん」の運行が開始された。
その後、トラックの普及や高速道路網の整備などのため取扱量が減少。1984年に駅としては廃止され、設備は汐留駅構内扱いとなる。その3年後の1987年1月31日、DE10 1553牽引の列車を最後に、築地市場の鉄道輸送は終了した。
線路は撤去されたものの、場内のプラットホーム等の設備は卸売場の一部として残り、2018年の築地市場閉場までそのまま利用された。また貨物支線の跡地は道路に転用され、都道316号との交点にあった「浜離宮前踏切」の警報機部分が、モニュメントとして現在も同地に残されている。一方、首都高速都心環状線(旧築地川)を跨いでいた橋梁は撤去され、同じ場所に「新尾張橋」という道路橋が改めて架設されている。
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