『私立探偵 濱マイク』(しりつたんてい はまマイク)は、映画監督林海象による、同名の探偵を主人公とするハードボイルド探偵ドラマのシリーズの総称である。主演は永瀬正敏。映画3作が制作され、後にテレビドラマ化された。
タイトルはミッキー・スピレインのハードボイルド探偵小説『マイク・ハマー』シリーズを捩ったもの。主人公のマイクは横浜の下町、黄金町に実在した映画館・横浜日劇の2階に事務所を構え、妹と共に暮らしているという設定である(なお、横浜日劇は2005年2月をもって閉館し、2007年4月に解体された)。
永瀬の代表作としても知られる。
三部作として1993年から1996年までに3本が製作・劇場公開された。いずれも監督は林海象、脚本は林と天願大介の共作である。古き日本映画へのオマージュとして、1作目はモノクロで撮影され、2作目は1950年代のカラーの日本映画のようなシネマスコープサイズ・総天然色で撮影する予定だったが、製作当時は既に総天然色の技術適用が困難になっていたため、2・3作目は通常のカラーフィルムで撮影された。
「私立探偵濱マイクシリーズ」
2002年7月1日から9月16日まで、日本テレビ系列で毎週月曜22:00 - 22:54(JST)に全12回が放送された。制作はよみうりテレビとPUG POINT JAPAN。製作は私立探偵濱マイク プロジェクト。平均視聴率は6.5%。
マイク以外の設定が一新されているが、星野(南原清隆)など映画版のキャラクターが客演することもあった。
それぞれのエピソード毎に異なる監督が担当し、映画版の助監督や新鋭の映像作家が多数起用された。脚本家も全話異なっている。また、全話ともVTRではなく、当時の連続テレビ現代劇としては異例の16mmフィルム撮影で製作された。これは映画人である永瀬がフィルムにこだわったことや、過去のテレビ映画へのオマージュも込められている。小道具にも凝り、タイトルバックにおけるタイトルロゴの色や絵柄も毎回変更されていた。
最初に撮影が始まったのは第6話の「名前のない森」。当時は設定が決まっていない部分が多く、レギュラーはマイクの他山本のみ出演し、舞台も黄金町でなく山梨になっている。この作品は2002年2月の第52回ベルリン国際映画祭にも出品された。
VHSは放映版と同一内容だが、DVDはディレクターズ・カット版となっており、放映版と異なる場面がいくつかある他、未公開映像も収録されている(第4話「サクラサクヒ」のDVD版では歌舞伎ジャケットを着たマイクが登場する)。また主題歌の部分のみ音声がカットされていた。
出演者の豪華さでも話題になり、当時テレビドラマから遠ざかっていた永瀬が主演したのはもちろん、当時の夫人であった小泉今日子が共演したことでも、大きな話題を呼んだ。
放映開始日の7月1日には、同じくよみうりテレビ制作・日本テレビ系で放送中だったテレビアニメ『名探偵コナン』第284話「中華街・雨のデジャビュ(前編)」に、永瀬正敏が濱マイク役として出演を果たした(サングラス姿で登場して会話するだけで、事件解決には関与しない)。
放送開始直前の6月8日から19日までの期間限定で、大阪心斎橋アメリカ村・ビッグステップに『濱マイク・カフェ』がオープンし、探偵事務所のセットや小道具などが展示され、関連グッズが配布された。
2021年2月17日から23日までヒューリックホール東京にて公演された。星野光 役だけ回替わりのダブルキャストだった。当初は19:00公演も検討されていたが、中止に変更され、合計10公演となった。シリーズ第1弾の映画「我が人生最悪の時 THE MOST TERRIBLE TIME IN MY LIFE」を原作としている。
2022年12月15日から18日までサンシャイン劇場、12月29日から30日まで森ノ宮ピロティホールにて公演された。星野役の矢部昌暉は東京公演のみ、宮本弘佑は東京・大阪はどちらにも出演する。 朗読劇と同様にシリーズ第1弾の映画「我が人生最悪の時 THE MOST TERRIBLE TIME IN MY LIFE」を原作としている。劇中ではアクションや歌、ダンスを交えた物語が展開。寺西拓人や矢部昌暉のように朗読劇版から続投しているものも居る。
1996年から1998年にかけて「ビジネスジャンプ」に漫画版(作画は井上紀良)が連載された。林海象 原作による完全オリジナルストーリーであり、映画版とは異なる(単行本は集英社ヤングジャンプ・コミックスBJより刊行、全2巻)。
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