![アーカム アーカム](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
アーカム(Arkham)は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトなどの作品に登場する架空の都市。
ラブクラフトの小説で、しばしば登場し、物語の舞台となった中心地である。マサチューセッツ州の都市であり、ミスカトニック大学の所在地でもある。他の作家によって書かれたクトゥルフ神話作品にも登場する。
駒形切妻屋根やジョージア風の欄干を備えた、築数百年を数える古い建築様式の家が立ち並んでいる。
ラブクラフトの死後、彼のストックした作品を発表するため、友人作家オーガスト・ダーレスとドナルド・ワンドレイが創設したホラーの出版社「アーカムハウス」の名前は、この地名が由来となっている。
アーカムは、1920年12月12日に執筆されたラブクラフトの小説『家のなかの絵(The Picture in the House)』で初めて名前だけが言及された。この作品は、文芸雑誌「National Amateur」の1919年7月号で発表された。両者の年が食い違っているがこれは、発刊が1921年に行われているためである。物語の舞台として本格的に登場したのは『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』が最初である。
モデルとなった町は、マサチューセッツ州セイラムおよびロードアイランド州プロヴィデンス。
ラヴクラフトが描いたアーカムの地図は、セイラムの地形とよく対応している。ラヴクラフトの作品にはアーカムとセイラムの両方が頻出する。実在のセイラムは、1692年のセイラム魔女裁判によって広く知られ、架空都市アーカムでも過去にセイラム同様の事件が起こったとされている。
またプロヴィデンスはラヴクラフトの故郷である。
セイラム魔女事件の年に住民が入植し始めた。このため隠し部屋を備えた家が建てられたり魔女狩りが横行したりしていた。カーター家、ウェイトリー家などラブクラフトの登場人物の先祖は、この頃にアーカムに移住している経歴を持つ。ミスカトニック大学の前身は、この頃に移り住んだ有識者の集会「セイラム・アカデミー」だったとも言われる。
17世紀終盤に入植が始まり、18世紀には西インド諸島との貿易を行い近隣のキングスポートと共に繁栄した。19世紀になると工業地帯として産業転換を果たした。
はじめアメリカ合衆国ニューイングランド地方の何処か、ミスカトニック渓谷にあると設定され、後の作品でマサチューセッツ州に属すとされた。
アーカムの北にはインスマスがあり、西にはダニッチ、南東にはキングスポートがある。アーカム中央を流れるミスカトニック川により南北に分けられ、ミスカトニック川の上流にはダニッチが、河口にはキングスポートがある。
実在の町としては、北にニューベリーポートが位置しており、また南方にエセックス郡セイラム、続いてボストンが位置する。正確な地理は不明ながら現実の地理と照らし合わせるとゴードン大学のある位置に推定されている。
ダニッチとの距離感が、ラヴクラフトとダーレスでは異なっており、ダーレスはアーカムのすぐ近くにダニッチがあると考えていた。
アーカムの西にある丘。セイラムにあるアン・ピューディエイターら、魔女の嫌疑をかけられた人々が絞首刑に処されたギャロウズ・ヒルに対応する位置にあり、アーカムがセイラムをモデルとした街であると指摘される特徴のひとつ。
『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』において初めて言及された。名前はミスカトニック川に由来する。1765年創立。地質学、医学、人類学、考古学などの研究機関を備え、アイビーリーグにも参加するなど各方面で活躍している名門大学である。付属図書館にはネクロノミコンをはじめとした稀覯本を収蔵する。
ラブクラフトの『戸口にあらわれたもの』に登場した施設。マサチューセッツ州ダンバースにあるダンバース州立病院(Danvers State Hospital)がモデルとされ、こちらも『ピックマンのモデル』『インスマスの影』などに登場する。
同じ名前の施設が『バットマン』にも登場するが別物である。
【凡例】
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