株式会社青二プロダクション(あおにプロダクション、英: Aoni Production Co.Ltd.)は、日本の声優事務所。略称は「青二プロ」「青二」。日本声優事業社協議会会員、日本音声製作者連盟正会員。
東京俳優生活協同組合(俳協)のマネージャー(組合員)だった久保進(愛媛県出身、日本大学芸術学部演劇学科卒業)が1969年(昭和44年)4月1日、日本で初の声優専門の芸能事務所として設立。1976年9月に有限会社から株式会社に改組。
名称の「青二」には以下の2つの意味が込められている。
基本理念は「優れた声優は優れた俳優でもある」。
日本芸能マネージメント事業者協会(設立時のメンバー)、日本商品化権協会などに加盟。
声優部門を維持し、ナレーションなどの他分野にも拡大・進出により、近年ではナレーター、アナウンサー、DJも所属。
創業の経緯は、久保進が東映動画(現:東映アニメーション)の仕事を中心にしていたため、その仕事中心の会社を設立したかったというもので、設立当初の1970年代より東映動画との関係が深く、1990年代半ばまで東映動画のアニメ作品に声をあてた声優の大半が青二プロダクション所属声優で占められていた。東映動画作品の声の出演者のクレジットタイトルには「協力:青二プロダクション」が必ずと言っていいほど表示されており、キャスティング業務を行っていた。しかし、1996年(平成8年)頃より東映の関連プロダクションである東映マネージメント(2011年3月までは東映アカデミー)も東映アニメのキャスティングを行うようになったために、それ以降は青二プロの独占ではなくなった。なお東映アニメ以外でも葦プロダクション、アニメーション・スタッフルーム、オフィス・アカデミー、ウエスト・ケープ・コーポレーション、国際映画社、日本サンライズ、スタジオぎゃろっぷ、スタジオコメット制作アニメのキャスティングを行っていたこともある。ゲームではコーエーテクモゲームス、日本ファルコム、任天堂、フライト・プラン製作のゲームに青二プロ所属声優が数多く声をあてている。
1979年夏に16名のメンバーが離反して、青二プロは分裂。富田耕生を中心とした脱退組はぷろだくしょんバオバブを設立した。以降、青二プロがキャスティングする番組には長くバオバブ所属声優が出演することはなかった。
1982年9月から付属養成所として青二塾をオープン。
2007年、古市利雄が社長に就任。
2018年2月6日、創立から会長を務めていた久保が死去(82歳没)。
2019年3月18日、創立50周年。新スローガンとして「生涯俳優宣言」を掲げる。本社所在地を東京都港区北青山の青山セント・シオンビルに移転した。
2020年4月1日、体制変更。竹内健次郎が社長に就任。前社長の古市利雄は相談役として残る。
2023年4月1日、創立55年目に向けての、一般公募による声優・ナレーター発掘オーディションを開催する事を発表。声優の竹本英史と徳山靖彦が共作で考案したオリジナルキャラクターが一般公募で募集すると発表され「あおっきー」に決定した。
2013年、オスカープロモーション・青二プロダクション・博報堂の3社が共同で立ち上げた「ブルーオスカープロジェクト」の一環で開催した声優発掘オーディション。2014年1月26日に受賞者を発表した。このオーディションで選ばれた数名は、オスカープロと青二プロの同時所属で活動している。このコンテストは1回目以降開催されていない。
太字は受賞者
在籍中に死去した人物については公式サイトで「In Memoriam」枠で掲載されている。
創立30周年を記念して1998年8月から2003年3月まで新宿区細工町・牛込神楽坂駅付近にあった、神楽坂分室の1階を利用して設置された資料館。名前は「ヴォイスフィア」で、「声の殿堂」を意味するVoiceとSphereの造語。
所属声優の関連グッズショップとイベント会場を兼ねており、朗読会や所属声優のファンクラブのイベントが開催されたほか、2000年に放送されたラジオ番組「ここは大江戸神楽坂」(パーソナリティ:松野太紀と有島モユ、放送はラジオ関西)の収録はここで行われていた。青二塾を卒業したばかりのジュニアメンバーが日替わりで来店してトークショーを行っていたこともあった。
さまざまなグッズが企画・販売されたが、中でも人気声優の声を録音した目覚まし時計(製造はリズム時計工業)は目玉商品の一つだった。ミュージアムのイベントが開催される度に声優と台詞のバリエーションが増え、ミュージアムへ時計を持ち込んで別の声優の声と台詞を録音してもらって楽しむことができた。テレビ東京系「出没!アド街ック天国」の神楽坂の回でこの時計が紹介されていた。
入口に鎮座していた黒いマスコットキャラクター「アミュー」は来館者やファンから名称を公募、娯楽を意味する「アミューズ」(Amuse)と「あおにミュージアム」を掛け合わせて命名された。ミュージアム末期にはインターネットテレビ「マミタケじゃナイト」(パーソナリティ:草尾毅・金月真美)にも登場し、非公式ながら女性バージョンの「アミュ子」も設定されていた。
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