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大和路線


大和路線


大和路線(やまとじせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)関西本線のうち、電化区間である京都府木津川市の加茂駅から大阪府大阪市浪速区のJR難波駅までの区間に付けられた愛称である。

概要

大阪市と奈良市・京都府南部を結ぶ、大阪への通勤・通学路線であり、また奈良へ向かう観光路線でもある。JR西日本のアーバンネットワークの路線の一つであり、ラインカラーは)で、選定理由は「古都の落ち着いたイメージと新しい開発エリアのイメージ」である。路線記号は Q であるが、木津駅 - 奈良駅間は奈良線の列車が乗り入れるため、重複して D も付与されている。

沿線の地形は変化に富んでおり、加茂駅 - 木津駅間は笠置山地の山麓部、木津駅 - 王寺駅間は奈良盆地の田園地帯、王寺駅 - 柏原駅間では生駒山地と金剛山地の間に挟まれた大和川沿いの渓谷、柏原駅 - JR難波駅間は大阪平野の市街地や住宅地の中を走る。

大和路線は、同じく大阪市と奈良市を結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)奈良線(大阪難波駅 - 近鉄奈良駅間)とは経路が大きく異なる。近鉄奈良線が生駒山地を新生駒トンネルで抜けて両都市間をほぼ直線で結んでいるのに対して、大和路線は大和川に沿うように南側へ生駒山地を迂回する経路となっており、近鉄線よりも大回りとなっている。このため近鉄とは途中区間では競合していないが、JRの奈良駅が近鉄奈良駅と比べて奈良市の中心部からやや離れていることもあって、大阪市 - 奈良市間においては近鉄奈良線が有利な状況になっている。JR西日本は大阪環状線に直通して大阪駅(梅田)に至る大和路快速を設定するなどして近鉄に対抗している。奈良駅 - JR難波駅間の2019年度の1日の平均利用者は68,043人で、近鉄奈良線(近鉄奈良駅 - 大阪難波駅間)の150,449人や近鉄大阪線(大和高田駅 - 大阪上本町駅間)の127,356人と比べて少ない。

2004年の近畿交通審議会答申第8号では「輸送力の強化等によるサービス向上に資する事業」として、加茂駅 - 木津駅間の複線化が盛り込まれたが、複線化の動きはない。しかし、この区間がダイヤ構成上のネックとなっている。

全区間を近畿統括本部が管轄しており、旅客営業規則の定める大都市近郊区間「大阪近郊区間」、奈良駅 - JR難波駅間が電車特定区間、天王寺駅 - JR難波駅間が電車特定区間の「大阪環状線内」に指定されており、それぞれ区間外より割安な近距離運賃設定となっている。また、全線がIC乗車カード「ICOCA」のエリアに含まれている。

路線データ

  • 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
  • 路線距離(営業キロ):加茂駅 - JR難波駅間 54.0 km
  • 軌間:1,067 mm
  • 駅数:22(起終点駅含む)
  • 複線区間:
    • 複々線:天王寺駅 - 新今宮駅間
    • 複線:木津駅 - 天王寺駅・新今宮駅 - JR難波駅間
    • 単線:加茂駅 - 木津駅間
  • 電化区間:全線電化(直流1500 V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 保安装置:
    • 加茂駅 - 王寺駅間:ATS-PおよびATS-SW(拠点P)
    • 王寺駅 - JR難波駅間:ATS-P(全線P)
  • 運転指令所:大阪総合指令所
  • 運行管理システム:大阪環状・大和路線運行管理システム
  • 最高速度
    • 加茂駅 - 奈良駅間・天王寺駅 - JR難波駅間:95 km/h
    • 奈良駅 - 天王寺駅間:120 km/h 
  • IC乗車カード対応区間:
    • ICOCAエリア:加茂駅 - JR難波駅間(PiTaPaポストペイサービス対象区間)
  • 2020年度の混雑率:快速列車 84%(久宝寺駅→天王寺駅 7:25-8:25)、普通列車 94%(東部市場前駅→天王寺駅 7:40-8:40)

運行形態

ダイヤ

2022年3月改正時点でのダイヤは以下の通りである。

平日朝ラッシュ時間帯下り(大阪方面)

1時間当たり、おおむね大阪環状線直通の区間快速が5本、おおさか東線直通の直通快速が2本、JR難波駅行きの快速が5本、普通が5本運転される。

かつては、快速と普通の本数が1:1であったが、需要に応じて、2:1に見直された。

昼間時間帯

1時間当たり、大阪環状線 - 加茂駅間の大和路快速が1本、大阪環状線 - 奈良駅間の大和路快速が3本、JR難波駅 - 王寺駅間の普通が4本運転される。久宝寺駅で大和路快速と普通が接続する。また王寺駅で普通と大和路快速を乗り継げる。

夕ラッシュ時間帯上り(奈良方面)

1時間当たり、大阪環状線直通の区間快速が4本、おおさか東線直通の直通快速が1本、JR難波駅発の快速が2本、普通が6本運転される。一部の区間快速・快速は王寺駅で分割し和歌山線に直通して高田駅・五条駅まで運転される。久宝寺駅で快速・区間快速と普通が接続する。また王寺駅で普通と快速・区間快速を乗り継げる。

列車種別

特急(定期列車は平日のみ)・大和路快速・快速・区間快速・直通快速・普通が運転されている。

各種快速はいずれも、王寺駅 - 奈良駅・加茂駅間および直通先の和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)内は各駅に停車する。また直通先の大阪環状線を一周する天王寺行きの列車は混乱のないように天王寺までは西九条・大阪方面として案内される。

このほかに、木津駅 - 奈良駅間では奈良線のみやこ路快速・快速・区間快速・普通の全列車と片町線(学研都市線)の快速・区間快速の2往復が、新今宮駅 - 天王寺駅間では阪和線の「はるか」「くろしお」といった関西国際空港や南紀方面への特急や、関空快速・紀州路快速・快速などが、それぞれ乗り入れている。これらの列車についてはそれぞれの路線や列車の項を参照のこと。

特急

大和路線系統としての特急列車は、新大阪駅から梅田貨物線・大阪環状線を経て当線に直通する通勤特急「らくラクやまと」(287系使用)が、平日朝に奈良発新大阪行きで1本、平日夜に新大阪発奈良行きで1本運転されている。

特急列車ではあるものの、大和路線線内は新今宮駅以外、各種快速列車と停車駅が同一となっているが、「らくラクやまと」は全車指定席で運行されるため、通勤時間帯のホームライナー的要素が強くなっている。

また2019年(令和元年)からは、主に春季・秋季の土休日を中心に、臨時列車として「まほろば」も運行されている。(「臨時列車」の節を参照)。

大和路快速

大和路快速は大阪環状線に直通して大阪環状線 - 新今宮駅 - 奈良駅・加茂駅間で運行されている。天王寺駅では大阪環状線ホームに発着し、大阪環状線を一周して再び天王寺駅を通り大和路線へ入る運転系統となっているが、京橋駅発着の列車も設定されている。大阪環状線内では、天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅間は各駅に停車し、大阪駅 - 弁天町駅 - 新今宮駅間は快速運転を行う。大阪駅 - 加茂駅間では福島駅・西九条駅・弁天町駅・大正駅・新今宮駅・天王寺駅・久宝寺駅・王寺駅からの各駅に停車する。

日中と土休日ダイヤの夜間は1時間に4本(奈良駅 - 加茂駅間は1 - 2本)が運行されている。関西本線と大阪環状線を直通する快速列車は1973年10月7日から運転されており、当初は休日のみであったが、1974年7月20日からは平日の日中にも20分間隔で運転されるようになった。「大和路快速」の名が付いたのは1989年3月11日からで、この列車名は公募で付けられた。その後大阪ステーションシティのグランドオープンに先駆けて行われた2011年3月12日のダイヤ改正で1時間あたり4本に増発され(ただしこのとき、奈良駅 - 加茂駅間は逆に毎時3本が2本へ減便となった)、8両編成での運用も増えた。2015年3月14日のダイヤ改正では土休日の運転時間帯が21時台まで拡大された。

土曜・休日ダイヤの一部列車は、王寺駅で後ろの編成を分割し、和歌山線高田・五条方面へ直通運転をしている。加茂駅発着の列車の半数は加茂駅で関西本線伊賀上野・亀山方面の列車と相互接続を行う。過去には桜井線経由の定期列車も存在していた。

基本的に久宝寺駅で普通列車に接続する。また王寺駅では同駅折り返しの普通列車に接続する。

全列車221系を使用し、2020年3月14日のダイヤ改正より全列車8両編成で運転されている。

最高速度は後述の直通快速と同様120km/h運転である。

2024年3月16日のダイヤ改正より、土曜・休日朝時間帯の大阪方面行きの一部列車(加茂駅6時43分発・7時43分発・8時41分発)に有料座席サービス「快速 うれしート」が導入された。設定区間は加茂駅 - 天王寺駅間のみで、直通先の大阪環状線内はサービス適用外となる。

区間快速

大阪環状線に直通して大阪環状線 - 新今宮駅 - 奈良駅・加茂駅間で、平日ダイヤの朝・夕ラッシュ時間帯と土休日ダイヤの夜間に運行されている。大阪環状線内は各駅に停車し、大和路線では、大和路快速と同じく天王寺駅、久宝寺駅と王寺駅からの各駅に停車する。大阪環状線内の発着駅は天王寺駅または京橋駅であり、平日・休日ダイヤともに王寺駅で後ろ(天王寺寄り)の4両を分割し和歌山線高田駅や五条駅へ直通する列車もある。全列車8両編成で221系が使用される。2016年9月までは吹田総合車両所奈良支所所属の103系4両編成を2本併結した8両編成や森ノ宮支所所属の103系・201系も運用に入っていた。

夕方・夜間の奈良駅・加茂駅発の一部列車は新今宮駅で阪和線方面からの特急列車の通過待ちを行う。

大阪環状線に直通する区間快速は1989年3月11日に運転を開始し、当初は夜間のみの運転であったが、1990年3月10日からは朝ラッシュ時にも運転されるようになった。

2023年10月23日より、平日朝ラッシュ時間帯の大阪方面行き列車のうち2本(加茂駅6時29分発・7時29分発)において、有料座席サービス「快速 うれしート」が導入された。大和路快速同様、設定区間は加茂駅 - 天王寺駅間のみで、直通先の大阪環状線内はサービス適用外となる。2024年3月16日のダイヤ改正より、奈良駅6時36分発の列車にも設定された。

直通快速

直通快速は、2008年3月15日のおおさか東線部分開業により設定された列車である。おおさか東線が全線開業した2019年3月16日からは、おおさか東線経由で奈良駅 - 新大阪駅間において運転され、2023年3月18日からは大阪駅(うめきたエリア)地下ホームに乗り入れている。平日は朝に大阪行きが4本と夕方に奈良行きが4本、土休日は朝夕に2往復ずつ運転されている。停車駅は奈良駅 - 王寺駅の各駅と久宝寺駅・JR河内永和駅・高井田中央駅・放出駅・城北公園通駅・JR淡路駅・新大阪駅・大阪駅である。2023年3月18日のダイヤ改正より221系8両編成が使用されている。改正前までは網干総合車両所明石支所所属の207系と321系が使用されていた。

2019年3月15日まではおおさか東線・学研都市線・JR東西線経由で奈良駅 - 尼崎駅間の運転で、運行本数は毎日朝に尼崎行きが4本と夕方に奈良行きが4本、停車駅は奈良駅から王寺駅の各駅と久宝寺駅、放出駅、京橋駅から尼崎駅の各駅であった。

直通快速の運転開始により、朝の奈良方面から天王寺方面に直通する列車が減少するため、奈良発尼崎行きは、平日ダイヤの4本中3本が久宝寺駅で後述の柏原発の快速JR難波行きに、平日ダイヤの残りの1本と休日ダイヤの4本中2本が王寺駅と久宝寺駅で和歌山線からの快速JR難波行きに、休日ダイヤの残りの2本が王寺駅と久宝寺駅で王寺発の快速JR難波行きに同一ホームで乗り換えができるようダイヤが組まれていた。

運転開始当初は宮原総合運転所(現:網干総合車両所宮原支所)所属の223系6000番台が使用されていたが、北新地駅のホームドア設置に対応するため2011年3月11日の奈良行きから207系に置き換えられた。2012年3月のダイヤ改正からは321系も使用されている。2019年の運転区間変更後も、新たに停車するようになったJR河内永和駅に4ドア車用のホーム柵が設置されていたこと(現在は撤去済み)や、直通快速は大和路線内では大和路快速と同様に120km/h運転をすることから、引き続き207系・321系を使用していた。

2023年10月23日からは、平日朝ラッシュ時間帯の大阪行き列車のうち2本(奈良駅7時06分発、7時30分発)において、有料座席サービス「快速 うれしート」が導入された。区間快速と異なり、設定区間は全区間となる。2024年3月16日のダイヤ改正より、対象列車が土曜・休日ダイヤを含めた、大阪方面行き全列車となった。

快速

快速は、大和路快速とともに速達輸送を担う列車である。朝と夕方・夜間に、JR難波駅 - 王寺駅・奈良駅・加茂駅間で運転される。和歌山線に直通する列車のうち、夕ラッシュ時の一部の列車は、奈良行きと連結(多層建て列車)して王寺駅で切り離しを行っており、この場合に限り221系が限定運用されている。なお、朝ラッシュ時には桜井線(万葉まほろば線)から直通列車が運転されており、過去には夕方の桜井線直通列車や和歌山線橋本方面に直通する列車も設定されていた。天理教の祭典があるときは桜井線の天理駅まで臨時延長される列車がある。

停車駅は、JR難波駅・新今宮駅・天王寺駅・久宝寺駅と王寺駅からの各駅である。

ラッシュ時には吹田総合車両所奈良支所所属の201系6両編成(ウグイス色)も運用に入る事がある。ただし、201系での運用は非常に少ない。

2011年3月12日のダイヤ改正では日中時間帯のダイヤでJR難波駅 - 王寺駅間は1時間4本(15分間隔)に増発され、高田駅発着は2本(30分間隔)に変更された。2014年3月15日のダイヤ改正で、日中時間帯の王寺駅発着の系統が廃止され、この時間帯は現行の1時間2本に削減された。2015年3月14日のダイヤ改正では大阪環状線からの直通(大和路快速・区間快速)が増発された一方で夕方以降も1時間2本に減便された。また土休日ダイヤでは19時台から20時台にかけて運転されない時間帯も出てきている。2020年3月14日のダイヤ改正で日中の高田駅に直通する快速は廃止された。

2008年3月15日のダイヤ改正で一部の快速を振り替えて直通快速を設定したことから、本数減となる久宝寺駅から天王寺・JR難波方面への救済として、快速停車駅ではない柏原駅を始発駅とするJR難波行きの快速が平日朝に3本設定された。この快速は、3本とも久宝寺駅で直通快速尼崎行きと同一ホームで乗り換えができるようになっており、奈良・王寺方面から直通快速を利用しても久宝寺駅乗り換えで天王寺・JR難波方面へもアクセスできるよう配慮されている。2011年3月11日までは森ノ宮電車区所属の201系または103系の8両編成が使用されていたが、翌12日に行われたダイヤ改正後初の平日である14日からはすべて221系8両編成で運転されるようになった。なお、2019年3月16日のダイヤ改正で直通快速が新大阪駅発着へと変更されたと同時に運転時刻も変更されたため、柏原始発の快速は1本減便され2本となっている。しかし、2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正で柏原駅始発の快速は廃止された。

2020年から土休日ダイヤのみ朝2本は京都駅まで運行する(奈良からみやこ路快速)。

快速列車の種別と停車駅

JR難波駅(湊町駅)- 加茂駅間での快速列車は、1961年12月10日から湊町駅 - 奈良駅間で運転を開始した気動車による「快速」である。日中1時間あたり2往復で、天王寺駅・王寺駅・郡山駅のみに停車して最速39分で運転を行っており、柘植駅・亀山駅へ直通する快速(奈良駅以東は各駅に停車)も1時間に1往復運転されていた。1973年10月1日に法隆寺駅が停車駅に加わり、1978年10月2日に大和小泉駅も停車駅に加えられた(停車駅に追加されるまでは、一部の列車も停車していた)。

1988年3月13日から日中の快速は大和小泉駅・郡山駅を通過するようになり、1989年3月11日のダイヤ改正で大阪環状線に直通する区間快速の運転開始に伴い、大和小泉駅・郡山駅に停車する快速を区間快速に変更した。1997年3月8日のダイヤ改正で大和小泉駅・郡山駅にすべての快速列車が停車するようになり、大阪環状線にも今宮駅が開業して大阪環状線に直通する区間快速は同駅に停車するようになった。これにより、JR難波駅発着と大阪環状線直通の「区間快速」と停車パターンが違う事象が発生したが、おおさか東線部分開業による2008年3月15日のダイヤ改正で、JR難波駅発着の「区間快速」は再び「快速」を名乗ることとなった。

1997年3月8日のダイヤ改正で「快速」が「区間快速」となった後でも、奈良電車区所属の103系には「快速」の幕は残された。これは平日の朝ラッシュに運転される奈良発桜井駅・高田駅経由の区間快速JR難波行きのうちの1本で使われていた103系または201系の方向幕に「区間快速 桜井・高田経由JR難波」の幕が入っていないためであり、該当列車は「快速 桜井・高田経由JR難波」と表示して運転されていた。これは、2008年3月15日のダイヤ改正でJR難波駅発着の区間快速が快速に種別が変更されるまで続けられていた。

普通

普通は全区間で各駅に停車する列車で、JR難波駅 - 王寺駅間で終日運転されている。王寺駅 - 奈良駅・加茂駅間は大和路快速・区間快速が各駅に停車するため、大和路快速・区間快速が普通列車の役割を担う。

日中時間帯はJR難波駅 - 王寺駅間で1時間に4本運行されている。この時間帯は天王寺駅で関空快速・紀州路快速と、久宝寺駅・王寺駅で大和路快速と接続するダイヤが組まれている。朝晩には柏原駅・奈良駅・加茂駅発着や和歌山線高田駅発着の列車がある。また、運用上の都合で、奈良駅 - 加茂駅間の区間列車や、早朝にJR難波発京都行きの列車(奈良駅からは奈良線の区間快速となる)もあるが、逆の京都駅から奈良駅を経由してJR難波方面に乗り入れる列車はない(いわゆる片乗り入れ)。2011年3月11日までは平日の朝に天王寺駅で折り返す列車も存在していた。

日中の運行系統は、1995年9月30日のダイヤ改正で、柏原駅折り返しの系統の大半が王寺駅まで延長され、JR難波駅 - 王寺駅間が6本となった。1996年3月16日のダイヤ改正で、日中の快速のうち1時間に1本が和歌山線高田駅発着に変更されたことに伴い、普通の1本が奈良駅まで延長された。1997年3月8日のダイヤ改正で、日中の区間快速(当時)がすべて高田行きとなったことに伴い、さらに普通の2本が奈良駅まで延長され、王寺駅・奈良駅発着がそれぞれ1時間に3本の運転となった。

2006年3月18日のダイヤ改正で、柏原駅 - 王寺駅間の各駅では6本から3本に減少した。2011年3月12日のダイヤ改正で、JR難波駅 - 王寺駅間が4本となり、この区間の本数が統一された。

車両は基本的に201系の6両編成での運転だが、早朝・深夜には103系・205系・221系の6両または4両編成で運転されている。奈良線に直通する列車は221系6両編成での運用である。また、奈良駅 - 加茂駅間の一部列車は大和路快速・区間快速の間合い運用を兼ねて、221系8両編成で運転されている。103系は1986年の国鉄時代最後のダイヤ改正において実施された編成短縮・編成数増加政策により、民営化後も暫くは3両編成で運転されていた列車があったが、6両編成の運用に変わる直前の夕方の上り列車は天王寺駅で積み残しが発生することもあった。1973年9月20日の電化以前には、湊町駅(現在のJR難波駅) - 柏原駅間運転の各駅停車(ただし久宝寺駅は朝晩の一部を除く大半の時間帯で客扱いを行っておらず、上下数本を除いて全列車が通過していた)のほかに天王寺駅 - 柏原駅間は平野駅・八尾駅のみに停車し、他は各駅に停車する「普通列車」が湊町駅 - 王寺駅・奈良駅間で運転されており、普通列車と各駅停車の間で停車駅が異なるダイヤが組まれていたことがあった。また、亀山駅・名古屋駅へ直通する普通列車もあった。

快速列車との接続・通過待ち

上下とも日中は久宝寺駅で大和路快速と緩急接続を行い、柏原駅で快速の通過待ちを行っている。平日朝ラッシュ時の下りと夕ラッシュ時の上りは平野駅でも快速列車の通過待ちが行われる。

1994年9月4日の関西国際空港開港時のダイヤ改正までは天王寺駅で緩急接続を行い、柏原駅で後続の快速の通過待ちをするダイヤが主体であった。しかし、関西国際空港開港に伴う大阪環状線 - 阪和線直通列車の増発(関空快速、特急「はるか」の登場)によって、天王寺駅では緩急接続が頻繁にできなくなったことや、大和路快速のスピードアップにより、日中は平野駅での快速の通過待ちが増やされた。ただし、上りに関しては城東貨物線の貨物列車との兼ね合いで運転間隔が不均等になる時間帯があった。

1997年3月8日のダイヤ改正で久宝寺駅に当時の区間快速が停車することとなったが、この時点でも通過待ちを行う駅に変化はなかった。下り線の待避設備は1997年9月1日に使用を開始し、日中時間帯は久宝寺駅で区間快速・普通の相互接続を行う形になった。1998年3月14日の改正では、久宝寺駅で上下線で相互接続を行うパターンに統一され、上り線では天王寺駅から八尾駅 - 三郷駅間の所要時間が短縮されることになった。ただし、普通奈良行きについては、王寺駅で当時の区間快速高田行きから乗り換えられるように引き続き柏原駅で通過待ちを行っていたが、わずか3駅先の駅で約10分後の後続の快速列車を待つため、柏原駅では以前よりも停車時間が長くなった。

2006年3月18日のダイヤ改正では、ダイヤの余裕時間の見直しによる影響で日中の王寺行きが柏原止まりとなり、天王寺駅基準で19時台までの上り普通列車はすべて柏原駅で通過待ちを行うようになり、所要時間が長くなった。

2008年3月15日のおおさか東線の開業により、久宝寺駅ではおおさか東線が副本線を使用することになったため、おおさか東線への影響を抑えるために大和路線普通が本線発着に、普通と緩急接続するほとんどの快速列車が副本線発着にそれぞれ変更された。王寺方面行きの普通は久宝寺駅で快速列車と緩急接続した後、続いて進入するおおさか東線の列車を待つダイヤが一部組まれるようになったため、その列車については久宝寺駅での停車時間が若干長くなり、柏原駅での停車時間が若干短くなった。一方で、天王寺駅での緩急接続は、阪和線からの直通列車が増加傾向にあり15番のりばを専有できないことから無くなった。

2011年3月12日のダイヤ改正以降、日中は上下列車ともに柏原駅で快速の通過待ち、久宝寺駅で大和路快速と緩急接続を行うダイヤとなった。日中は普通の間に快速列車が2本運転され快速の運転間隔が短いことから、柏原駅での停車時間は約2分に抑えられており、以前のような長時間停車はなくなった。ただし、夕方以降は引き続き柏原駅で5分以上停車する列車も存在している。

大晦日臨時列車

大和路線では沿線に春日大社や信貴山朝護孫子寺などの社寺があるため、大晦日深夜から元日午前3時ごろにかけて、王寺駅 - JR難波駅間ではおおむね30分間隔で、王寺駅 - 奈良駅間ではおおむね60分間隔で、それぞれ普通列車を増発している。

なお、2018年度までは元旦まで奈良駅 - JR難波駅間で終夜運転が実施されてきたが、2019年度は午前3時ごろで打ち切りとなり、終夜運転ではなくなった。また過去には、2000年12月31日から2001年1月1日にかけての終夜運転までは、普通を奈良駅から大和路快速・区間快速のような大阪環状線を一周して天王寺駅で折り返す運転ルートでおおむね30分間隔で運転していたほか、阪和線の終夜運転の列車がJR難波駅まで乗り入れしていた時期もあった。

臨時列車

2019年11月から12月上旬の土休日に、臨時特急「まほろば」が同年3月に全線開通したおおさか東線を経由して新大阪駅 - 奈良駅間にノンストップで1往復運行された。車両は287系3両編成(指定席2両、自由席1両)が使用された。2020年3月 - 6月(ただし、同年5月9日以降、6月まで全て運転取り止め)、8月下旬にも設定された。2023年3月18日からは、大阪駅地下ホーム完成に伴い、運行区間が大阪駅 - 奈良駅間に延長された(途中新大阪駅のみ停車)。

特急「まほろば」は、2010年に大阪環状線経由で運行されたことがある(「平城遷都1300年祭の対応」の節を参照)。

女性専用車

JR難波駅 - 奈良駅間では、平日・休日にかかわらず毎日、始発から終電まで、201系・221系6両編成の3号車に女性専用車が設定されている。乗車位置には女性専用車の案内が表示されている。なお、ダイヤが乱れた際は女性専用車の設定が解除されることがある。また、明石支所所属の207系・321系には、女性専用車のステッカーがあるが、大和路線には導入されていない。

大和路線では2004年10月18日から女性専用車を導入し、始発から9時00分と17時00分から21時00分まで設定されていたが、2011年4月18日からは平日・休日にかかわらず毎日、始発から終電まで女性専用車が設定されるようになった。

また、2021年10月2日より、221系6両編成の3号車にも女性専用車が設定されたが、4両編成または8両編成(4+4両編成を含む)には導入されていない。なお近畿圏での近郊型電車への女性専用車は、阪和線に続き2路線目となる。

過去の列車

関空快速

1994年9月4日に関西国際空港が開港したのに伴う同日のダイヤ改正で、京橋駅・JR難波駅 - 関西空港駅間で関空快速の運転を開始した。JR難波駅発着の列車は2両編成で、天王寺駅で京橋駅発着の6両編成と連結・切り離しが行われていた。1996年3月23日にJR難波駅が地下化されたことにより、大阪シティエアターミナル (OCAT) の機能を拡充させ、JR難波駅発着列車に荷物室を併設し、空港での機内持ち込み荷物の輸送を開始した。また、JR難波駅発列車に座席指定席を設定し、「関空快速X号」と号数が符番された。

1998年4月1日に OCAT での空港での機内持ち込み荷物の輸送が廃止されて、荷物室は客室に復元され、座席指定席も廃止されて、その後号数符番も廃止した。1999年5月10日に紀州路快速の新設によって、JR難波駅発着の関空快速は天王寺駅での京橋駅発着の関空快速との連結・切り離し作業を取り止め、単独でJR難波駅 - 関西空港駅間を運転するようになったが、利用客が少なかったことや大阪環状線大阪駅直通の関空快速・紀州路快速を増発するため、2008年3月15日にJR難波駅発着の関空快速は廃止された。

やまとじライナー

やまとじライナーは、通勤客向けの座席定員制の列車(ホームライナー)である。

1988年3月13日のダイヤ改正で設定され、木津発JR難波行き1本と大阪発加茂行き2本が運転されていた。2009年3月14日のダイヤ改正で平日のみの運転となり、2011年3月12日のダイヤ改正で廃止された。

車両は特急用の381系(日根野電車区所属の国鉄色またはくろしお色編成)が使用されていたが、「やまとじライナー」の種別は快速(普通列車の一種)であるため、乗車整理券を購入すれば普通列車専用の特別企画乗車券である「青春18きっぷ」での利用も可能であった。

JR西日本の近畿地区ではホームライナー廃止後、当該区間に特急列車を増発または新設して補填するケースが多く見られるが、当路線ではそれらの設定が行われず、代替列車として区間快速が増発された。

奈良シルクロード号

1988年4月23日から10月23日まで奈良県奈良市で開催されたなら・シルクロード博覧会に合わせて、当時日中に運行されていた湊町駅(現・JR難波駅) - 奈良駅 - 加茂駅間の快速列車の運転区間を一部変更(湊町駅 - 新今宮駅間を休止して大阪環状線および梅田貨物線経由とした)し、大阪側の始発・終着駅を新大阪駅に変更したものである。

やまとじハリウッド号

2002年10月13日から11月24日までの第3を除く土曜日に奈良発桜島線(JRゆめ咲線)桜島行で運転された臨時列車。森ノ宮電車区の103系USJラッピング車6両編成が使用された。停車駅は、奈良駅 - 王寺駅間の各駅・柏原駅・八尾駅・久宝寺駅・平野駅・天王寺駅・新今宮駅・ユニバーサルシティ駅・桜島駅。停車しない西九条駅では運転停車を行い、ホームのない通過線で桜島線に折り返していた。

なら歴史探訪号

JR西日本主催のなら歴史キャンペーンで2003年9月13日から12月20日までの土曜日に新大阪駅 - 奈良駅間に運転された臨時快速列車。翌2004年の秋のシーズンにも運転された。途中の停車駅は、天王寺駅・王寺駅・法隆寺駅で定期の快速停車駅よりも削減されていたが、柏原駅で運転停車を行い後続の大和路快速を待避するなど、所要時間は大幅にかかっていた。車両は宮原総合運転所の117系300番台6両編成が使用されていた。

奈良万葉レジャー号

春・秋行楽時の土曜・休日には、往路は大和路線内では大和路快速または快速に併結して天王寺方面から奈良駅・桜井線(万葉まほろば線)を経由して高田駅まで、復路は奈良発快速JR難波行を桜井駅始発として延長運転していたが、2011年春からは運転されていない。2009年度まで「山の辺の道レジャー号」として運転されていた。

平城遷都1300年祭の対応

奈良県では2010年が平城京に遷都されてから1300年目にあたり、これを記念した平城遷都1300年祭が行われた。

多くの利用客が予想されることから、利便性の向上のためにメイン会場である平城宮跡会場でのイベント開催(2010年4月24日 - 2010年11月7日)と、JRグループと奈良県が共同で実施する「奈良デスティネーションキャンペーン」(2010年4月1日 - 2010年6月30日)の観光キャンペーン中にあわせて、新大阪駅 - 奈良駅間で臨時特急「まほろば」が運転された。運転日は2010年4月 - 6月の土休日と4月1日で、停車駅は新大阪・天王寺・王寺・法隆寺・奈良の各駅。車両は、やまとじライナーでも使用されている日根野電車区の381系(国鉄色編成)を使用し、指定席4両と自由席2両(4月1日は全車指定席)となっていた。

なお、特急「まほろば」運転に伴い、天王寺駅 - 八尾駅間が新たにB特急料金の区間となった。

このほか、秋季期間(10月9日 - 11月7日)には、関西空港駅から天王寺駅・JR難波駅を経由して奈良駅を結ぶ貸切列車(奈良県は281系を要望していた)の運転を計画し、奈良県が2010年度の予算案に、チャーター料や調査費など850万円を計上していたが、この貸切列車は運転されなかった。

使用車両

現在の使用車両

大和路線ではすべて電車で運転されている。以下の各系列のうち通勤形電車の103系・201系は車体色が吹田総合車両所奈良支所所属車がウグイス(黄緑6号 )であり、2016年9月までは朝・夕ラッシュ時に森ノ宮支所所属の車両(車体色は朱色1号)も使用されていた。大和路線で使用する車両が配置されている奈良支所は、221系が大量投入されて以降は網干総合車両所からの221系・201系の転属にとどまり、通勤形車両は電化以来一度も新車が導入されていない。大和路線ではおおさか東線や片町線(学研都市線)からの直通列車でVVVFインバータ車両の287系・321系・207系が運用されているものの、奈良支所には2022年現在もVVVFインバータ車両の配置がない状況が続いている。

  • 287系(吹田総合車両所日根野支所所属)
    • 3両編成が臨時特急「まほろば」として奈良駅 - (おおさか東線経由)- 大阪駅間で使用されている。
    • また2024年3月18日からは奈良駅 - 天王寺駅 - 新大阪駅間の通勤特急「らくラクやまと」としても運用される。
  • 221系(吹田総合車両所奈良支所所属)
    • 1989年4月10日から営業運転を開始した大和路線の主力車両。全種別で運用され、和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)にも乗り入れる運用がある。奈良支所には1989年から1991年にかけて78両が新製投入された。1997年以降、琵琶湖・JR京都・神戸線系統の新快速の223系・225系増備に伴い、余剰となった221系の転入が始まり、103系などの置き換えや編成両数増強が進められた。4・6・8両単独のほか、4両を2本繋げた8両編成でも運行されている。
    • 2021年10月2日のダイヤ改正以降、後述の201系を順次221系に置き換えている。
    • 2023年10月23日以降は、8両編成のうち1号車の1 - 5番座席を指定席にした有料座席サービス「快速 うれしート」の対象列車として、221系8両編成が使用されている。サービス区間内の1号車車内中央部では、仕切りとして暖簾が吊るされる。
  • 201系(吹田総合車両所奈良支所所属)
    • すべて6両編成で2006年12月20日から営業運転を開始し、大和路線のほかに、早朝やラッシュ時には桜井線(万葉まほろば線)でも運用されている。おおさか東線・和歌山線の運用は2022年3月11日に、加茂駅 - 奈良駅間の運用は2023年3月17日をもって終了した。
    • JR京都・神戸線の321系投入に伴い2006年から2008年に明石支所と森ノ宮支所から転入してきた車両と、大阪環状線・JRゆめ咲線の323系投入とおおさか東線新大阪延伸による運用増に伴い2017年から2018年に森ノ宮支所から転属してきた車両が配置されている。
    • 2020年から2024年度にかけて、琵琶湖・JR京都・神戸線への225系の追加投入により、網干総合車両所に所属する221系が当線に転属し、201系を置き換える予定である。
  • 205系(吹田総合車両所奈良支所所属)
    • 2018年10月28日のダイヤ改正から0・1000番台が平日朝下りに1本のみ運転される奈良駅 - 王寺駅間の普通列車で運用を開始した。かつて阪和線向けに吹田総合車両所日根野支所に所属していた車両で、阪和線時代と同じ水色(青24号)の帯を巻く。現在は奈良線直通列車のみ木津駅 - 奈良駅で運用されている。
  • 207系・321系(網干総合車両所明石支所所属)
    • 木津駅 - 奈良駅間で学研都市線・JR東西線に直通する区間快速・快速として運転されている。かつては奈良駅 - 久宝寺駅間でおおさか東線に直通する直通快速として運転されていた。運行経路の関係上、奈良駅では学研都市線(木津駅経由)の快速・区間快速と、おおさか東線経由の直通快速で編成の向きが逆になっていた。
    • 2023年3月18日のダイヤ改正で直通快速が221系に置き換わり、奈良駅 - 久宝寺駅間の定期運用から撤退した。

過去の使用車両

国鉄分割民営化後の使用車両を記述する。名古屋駅・亀山駅方面や電化前の片町線との直通列車に気動車が使用されたほかは、すべて電車が使用されていた。

電車

  • 103系(吹田総合車両所奈良支所所属)
    • 6両編成は大和路線とおおさか東線、ラッシュ時には快速や和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)でも運用されていた。2006年から前述の201系転入により本系列の6両編成はすべて置き換えられる予定であったが、おおさか東線の開業で6両編成の運用数自体が増えたため、全面的な置き換えには至らず少数が残存した。2017年から森ノ宮支所から転入した201系への置き換えが進み、2018年1月で定期運用を終了した。
    • 4両編成は奈良線での運用が中心であるが、2016年9月までは大和路線でも2本連結して8両編成として大阪環状線へ直通する区間快速でも使用されていた。221系に置き換えられてウグイス色103系の大阪環状線直通は終了し、大和路線内の6両編成も2018年1月で運用終了したことで一旦は完全に撤退したが、2018年10月28日から再び4両編成が平日朝下りに1本のみ運転される奈良駅 - 王寺駅間の普通列車に205系4両編成と共通運用で充当されていた(但し平日1本のみなので日によって103系か205系のどちらかのみ。車両不足に伴う暫定措置)。2022年3月11日で205系に統一されて運用を終了した。
    • 奈良支所所属の車両は電化時に投入された101系の置き換えのため、1983年から1985年にかけて導入された。これらは京阪神緩行線(JR京都・神戸線)への201系投入によって捻出された明石電車区(現:網干総合車両所明石支所)の車両や淀川電車区(当時)・森ノ宮支所などからの転入組、101系からの改造車で構成されており、長年に渡り関西圏や首都圏の各地から寄せ集められたため1編成の製造時期と形態が1両ごとに違う編成が多い。1986年11月1日国鉄ダイヤ改正で編成両数を短くしつつ日中の運転本数を増やす施策が取られたため、国鉄末期から1994年にかけては3両編成も運用されており、単独運転やラッシュ時を中心に2編成を併結した6両編成で運転されていた。しかし乗客増に伴い、1994年にJR京都・神戸線に207系が投入されたことにより捻出されたサハ103形を組み込んで4両編成化された。2022年3月11日を以て運転が終了した。
  • 105系
    • 1994年まで奈良線用として木津駅 - 奈良駅間で使用されていた。
  • 113系
    • 1973年に奈良駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間が電化された際に、大阪環状線と直通する快速として運用を開始。1989年3月13日のダイヤ改正で大和路快速が設定され、221系が充当されていたが、しばらくは113系による大和路快速も運転されていた。1989年7月20日に大和路線の運用を終了した 。
  • 117系
    • 奈良線用として使用されていたほか、阪和貨物線の錆取り列車として、王寺駅と阪和線の鳳駅間を1日1往復していた。この列車には、王寺駅に日中留置されていた117系が使用されていたが、103系が代走する場合もあった。
  • 223系0・2500番台(日根野電車区(現:吹田総合車両所日根野支所、以下同じ)所属)
    • JR難波駅 - 関西空港駅間の関空快速で運用されていた。1994年9月4日から1999年5月9日までは2両編成で、1999年5月10日より5両・6両(3+3)・8両(5+3)のいずれかの編成で運転されていた。2008年3月15日にJR難波駅発着の関空快速が廃止されたことにより運用を終了した。
  • 223系6000番台(宮原総合運転所(現:網干総合車両所宮原支所)所属)
    • 2008年3月15日におおさか東線開業に伴って設定された直通快速として、4両編成を2本連結した8両編成で運転されていたが、2011年3月11日から北新地駅のホームドア設置に伴い207系に置き換えられた。
  • 381系(日根野電車区所属)
    • 加茂駅・木津駅 - JR難波駅・大阪駅間のやまとじライナーや、新大阪駅 - 奈良駅間の臨時特急「まほろば」で使用されていた。

気動車

  • キハ120形
    • 亀山駅 - 加茂駅間の運用が中心であるが、2001年3月までは、朝ラッシュ時に奈良駅まで乗り入れる列車が1日1往復設定されていた。
  • キハ75形
    • 1999年より名古屋駅 - 奈良駅間で急行「かすが」として1日1往復走行していたが、2006年に廃止されている。
  • キハ58形
    • 亀山駅 - 奈良駅間で1994年まで普通列車として使用されていたが、同年4月10日にさよなら運転を行い撤退。また、1999年まで名古屋駅 - 奈良駅間で急行「かすが」に使用されていた。

列車・編成の向き

関西本線は名古屋駅が起点であるため、大阪環状線直通列車は新今宮駅で列車の上りと下りが逆転するが、列車番号は全区間にわたって関西本線を基準としているため、大阪環状線内では他の列車が外回りが(上り列車に付ける)偶数、内回りが(下り列車に付ける)奇数であるのに対し、大和路線からの直通列車は外回りが奇数、内回りが偶数となっている。

吹田総合車両所森ノ宮支所と同奈良支所の103系は、それぞれの所属線区の上り・下りを基準にした編成の向きであるため、直通先において向きが逆になっていた(優先座席や号車表示は逆にならないようになっていた)。221系以降に配置された車両は、列車の上り・下りに関係なく東海道本線大阪駅基準に向きが統一されているため、直通快速を除いて他の列車と一致しなくなることはない。

電車前面の白線

大和路線に使用される103系・201系(ウグイス色の吹田総合車両所奈良支所所属車)は前面に白帯が塗ってあるが、これは踏切事故防止の目的で塗られている警戒色である。湊町駅(現在のJR難波駅) - 奈良駅間の電化開業時には黄色(黄5号)に塗られていた。1990年度には昼間にも前照灯を点灯するようになったためか、黄色帯が撤去された。しかし、保線従事者から車両と山の色が類似して識別が困難との指摘があり、1996年度に白色帯が前面につけられた。

歴史

東日本大震災による影響

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響により電動機に使用している部品を製作しているメーカーが被災して製造の見通しが立たず、使用できない車両が発生する恐れがあることから、2011年4月11日から日中の快速が大和路線内で運転休止になり、大和路快速が大阪環状線への直通運転を取り止める予定であったが、部品調達の目処が立ったのでこの措置は行われず、4月11日以降も通常のダイヤで運転されることになった。

駅一覧

  • :特定都区市内制度における「大阪市内」エリアの駅
  • 停車駅
    • 普通 … すべての旅客駅に停車
    • 快速列車 … ●印の駅は全列車停車、|印の駅は全列車通過
  • 木津駅 - 奈良駅間では奈良線および片町線(学研都市線)から、天王寺駅 - 今宮駅間では阪和線からの列車の乗り入れがある
  • 加茂駅 - 木津駅間は単線、天王寺駅 - 新今宮駅は複々線、それ以外の区間は複線
  • 駅ナンバーは2018年3月より導入。大阪環状線からの通し番号となっている。また、駅ナンバーのうち「JR-Q35」は後述の新駅に割り当てられる予定であるため、導入当初は欠番となる。
  • 平城山駅・郡山駅・三郷駅・河内堅上駅・高井田駅・東部市場前駅はJR西日本交通サービスによる業務委託駅で、あとはすべて直営駅である。
  • 駅はないが、大和小泉駅 - 法隆寺駅間で生駒郡安堵町を、法隆寺駅 - 王寺駅間で北葛城郡河合町をそれぞれ通過する。

過去の接続路線

  • 法隆寺駅:近畿日本鉄道法隆寺線 …近畿日本法隆寺駅
  • 八尾駅:関西本線貨物支線(阪和貨物線)
  • 天王寺駅:南海電気鉄道天王寺支線

鉄道高架化と新駅設置計画

奈良駅 - 郡山駅間(所在地は奈良市大森町 - 同市八条4丁目間)において鉄道高架化を進め、さらにこの区間内で、京奈和自動車道の奈良インターチェンジ(仮称)に隣接する南側付近に新駅を設置する計画がある。奈良県は、2016年7月19日付で国土交通省から都市計画事業の認可を取得した。2021年6月に工事を着手し、2028年度に完了する予定。事業認可取得時点では、2024年度までの予定であった。駅ナンバー「JR-Q35」は新駅のために欠番となっている。2024年4月14日から仮線での運行を開始した。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 『JR時刻表』交通新聞社。 
  • 『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 8 関西1、今尾恵介 監修、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790026-5。 
  • 今尾恵介『新・鉄道廃線跡を歩く』 4-近畿路中国編、JTBパブリッシング、2010年。ISBN 978-4-533-07861-3。 

関連項目

  • 日本の鉄道路線一覧
  • なにわ筋線
  • 大和路

外部リンク

  • 大和路線:JR西日本 列車走行位置
  • 関西本線でGO! - 関西本線複線電化促進連盟

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 大和路線 by Wikipedia (Historical)



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