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大阪市交通局20系電車


大阪市交通局20系電車


大阪市交通局20系電車(おおさかしこうつうきょく20けいでんしゃ)は、大阪市交通局が1984年より量産を開始した通勤形電車である。2018年(平成30年)4月の大阪市交通局民営化にともない、大阪市高速電気軌道(愛称:Osaka Metro)に継承された。

電機子チョッパ制御車である10系の試作車として1973年に製造された20系(初代)、1984年より量産が開始されたVVVFインバータ制御車の20系(2代)、1990年(平成2年)に登場したステンレス車体の新20系(21 - 25系)の3グループが存在する。

本記事では20系(2代)および新20系ならびに大阪港トランスポートシステムが1997年(平成9年)に導入した、新20系と同一設計の大阪港トランスポートシステムOTS系電車について記述する。

概要

1985年の4号線(中央線)深江橋 - 長田 間開業などに伴う所要車両数増加への対応や、老朽化や陳腐化が目立ち始めていた50系・30系などの抵抗制御車の置換えとこれに伴う保守の合理化、それに冷房化率の向上による乗客サービスの改善を目的として開発・量産された18.7m級4扉車群である。

三相交流誘導電動機をインバータ制御器で制御・駆動する当時最新のVVVF制御システムを搭載しており、大阪市交通局の第3軌条集電方式を用いる高速電気軌道全線で使用可能である。

その外観形状から、先行する10系のそれを踏襲したアルミ合金製車体を備える20系(2代:以降「20系」とのみ表記)と、軽量ステンレス製車体を備える新20系の2グループに大別される。

車種構成

本系列は20系、新20系共に以下の各形式で構成される。なお、形式の100の位の数字は先行する10系にならって付番されている。

  • 2000形
    • 両方の台車に集電装置を装備する電動車(Ma)。
  • 2100形
    • 片方の台車に集電装置を装備する電動車(Mb)。
  • 2200形
    • 両方の台車に集電装置を装備する電動車(Ma)。
  • 2300形
    • 片方の台車に集電装置を装備する電動車(Mb)。
  • 2400形
    • 両方の台車に集電装置を装備する電動車(Ma)。
  • 2500形
    • 主要機器を搭載しない付随車(T)。
  • 2600形
    • 空気圧縮機や補助電源装置などの補機を搭載する制御車(Tec)。6両編成以下(御堂筋線21系以外)の場合は両方の台車に集電装置を装備する。
  • 2700形
    • 片方の台車に集電装置を装備し、空気圧縮機を搭載する付随車(Tbp)。
  • 2800形
    • 主要機器を搭載しない付随車(T)。
  • 2900形
    • 空気圧縮機や補助電源装置などの補機を搭載する制御車(Tec)。4両編成(千日前線25系)の場合に限り両方の台車に集電装置を装備する。

なお、投入線区より編成両数が異なるため、御堂筋線用21系以外の各グループは、それぞれ未製造の形式がある。

編成

編成は両端に付随車あるいは制御車を、中央に電動車をそれぞれ置いた4両編成を2セット組み合わせた8両編成を基本に計画されており、以下のとおり各線の輸送状況に応じて車両数を加減している。

以下の例は20系・新20系の例である。編成の右側(2900形)は御堂筋線なかもず寄り・谷町線大日寄り・四つ橋線住之江公園寄り・中央線長田(学研奈良登美ヶ丘)寄り・千日前線野田阪神寄り・各線共通で緑木検車場寄りである。

なお、本系列は従来の30系や10系と同様に、車庫・工場内での入れ替え作業や保守の便を図り、編成を中間で分割可能なように設計されており、上記では簡易運転台付きの車両を ' 記号で表記している(編成図の枠内部を緑色にした車両が該当)。

20系

1984年に中央線用2601Fが、1985年末に中央線用2602F - 2605Fが、1989年には中央線用2606F - 2607F、谷町線用初の冷房車となる2631F - 2639Fがいずれも6両編成(計96両)で製造された。投入線区ごとに0番台と30番台に区分されたが、近鉄乗入れ関係の設備の有無とラインカラーが異なる以外は基本的に同一設計であり、警笛の変更、行先表示器への英字表記追加やその設定器の変更といった量産中に行われた数少ない仕様変更点も全て、両番台車の同時期製造分に等しく適用されている。

車両価格は先行して製造した2601Fの場合、1編成(6両)で7億3,000万円であった。

製造メーカー等は以下のとおりである。

開発経緯

本系列開発の基礎となった、大阪市交通局におけるVVVF制御の実用化研究は、元々石油ショックをきっかけとする建設費高騰に抗するべく1979年3月に局内に設置された「地下鉄小型化調査委員会」における地下鉄車両の小型化研究を出発点としている。

後に7号線(長堀鶴見緑地線)向け70系や8号線(今里筋線)向け80系として結実することになるこの研究の過程では、建設費高騰の最大の要因であるトンネル断面の縮小を目的として、車輪径や床面高さの縮小が重要課題として取り上げられた。これらの課題については、折からの半導体技術の進歩、特にインバータ装置の心臓部となる主回路のスイッチング素子とそのパターン制御に必要となるマイクロプロセッサの急速な進歩によって、解決の道が開かれた。

これらの技術革新により、従来は実用化が困難と見られていた、三相交流誘導電動機と小直径車輪を用いた駆動システムの実用化の目処が立った。

従来、三相交流誘導電動機は整流子を持たないため保守上問題となる摩耗部品が軸受に限られ、フラッシュオーバーの危険がなく軽量・コンパクトで高回転数化や大出力化が容易、しかも直流電動機を上回る再粘着特性が得られるという大きなメリットを備えていて、鉄道技術者からは「夢の電動機」とさえ呼ばれていた。

だがその反面、三相交流誘導電動機には一定周波数・一定電圧の下で一定回転数を保とうとする性質があり、起動トルクが小さいという問題があって長らく高速電気鉄道での利用は困難視されていた。この問題が、この時期になって実用段階に入りつつあった高速・高耐圧・大出力かつコンパクトなスイッチング素子と、これをプログラムに従って波形制御するマイクロプロセッサを組み合わせ、電圧型PWM制御によって可変電圧・可変周波数(Variable Voltage Variable Frequency:VVVF)制御を行うことで解決可能となったのである。しかも、この制御法により直流整流子電動機に近い、あるいはそれを上回る優れた出力・粘着特性を得ることさえも可能となった。

こうした周辺技術の進歩・成熟を踏まえ、高速電車用VVVF制御システムの開発が日立製作所、三菱電機、それに東京芝浦電気(当時)といった有力電機メーカー各社を交えて開始された。この制御システムについては大阪市交通局と同時期に日本国有鉄道や近畿日本鉄道と東京急行電鉄などが、それぞれの取引先である電機メーカー各社と共同で大規模な研究開発を実施していたが、直流1500Vの下での高速電車への適用にフォーカスしていた各社とは異なり、大阪市交通局のプロジェクトは低床のミニ地下鉄での使用を前提としてコンパクトな機器開発を重視していた点で一線を画していた。

もっとも、ミニ地下鉄の技術的可能性を探るというその開発経緯ゆえに、大阪市ではVVVF制御そのものの開発とスイッチング素子の開発が同時進行するという異例の事態となった。この点では単純に大形高速電車への適用に特化して研究を進められた他社とは状況が異なっており、これは後にVVVF制御車の営業運転開始時期で近鉄や東急の後塵を拝する一因となった。

この全く新しい制御システムの開発過程では、漏洩ノイズ等によるATSの軌道回路や変電所などへの誘導障害を調べるため、営業線上での機器の車載運用試験を行う必要があった。そこで、当時3号線(四つ橋線)から5号線(千日前線)への転用の過程で余剰車が発生していた100形(2代)がそのテストベッドに選ばれ、ミニ地下鉄を想定した低い床面高さに設けられた支持架に装架する形で試作機器を搭載して試験運転が実施された。

この試験運転では黎明期の低耐圧で動作の不安定なGTOサイリスタ素子を使用していたこともあって素子破壊が頻発しており、その開発は難航したという。もっとも、その後半は回路構成上の様々な対策や実装ノウハウの蓄積、それに何よりメーカー各社で量産がようやく軌道に乗り始めた2500V 2000A級GTOサイリスタ素子そのものの動作安定性および生産歩留まりの向上により、飛躍的に信頼性や動作安定性が向上して順調にテストメニューを消化しており、この一連の試験結果はミニ地下鉄実用化に当たっての技術的な裏付けとなり、また20系の搭載機器設計に貴重なデータを提供することともなった。

こうした技術開発の成果を受け、量産先行試作車としてメーカー各社が分担して製造した20系第1編成は1984年3月に竣工した。これは日本初のVVVF制御による誘導電動機搭載鉄道車両となった熊本市交通局8200形電車に続くものであり、したがって高速電気鉄道用として完成したものとしては日本初のVVVF制御車となっている。

車体

10系と同様に側窓として2段上昇窓を備える切妻構造のアルミ合金製車体である。

アルミニウム合金の製作方法の発展によって、外板と骨組みが一体となった大形押出形材を組み合わせて屋根や側構体を製作し、これらを自動溶接により接合することで省力化を実現している。床構体は中空構造のアルミ押出形材を組み合わせたもので、構体の横梁は省略されており、中空形材には一体成形されたカーテンレール状の機器のつり溝があり、特殊ボルトを介して床下機器を吊り下げている。このことは、機器吊り用の梁に左右されることなく、柔軟に機器の配置ができる構造である。さらに、中空形材内部を電線ダクトとして使用しており、電線ダクトの削減など合理的な構造となる。

また従来よりも105mm薄くなった新型冷房装置の開発によって当時の10系では1段低くなっていた両端部分の天井が他と同一平面とされ、冷房の吹き出し口も通常のスリット型となるなど内装もより洗練されたものとなっており、開発時期の相違を反映して10系より一歩進んだ設計となっている。

前面は10系と同様に周縁部に枠状のFRP製縁飾りを取り付けたいわゆる額縁スタイルであるが、ガラス窓が10系と異なり上辺が屋根との接合部まで届かず本来の窓枠上部に設けられた方向幕の部分で止められ、その代わりに窓周辺をブラックで塗装する当時流行のスタイルが取り入れられている。このため、前照灯と標識灯は前面窓上部の妻板左右に各1灯ずつ角形灯具を左右に並べて一体化したユニットを振り分けて埋め込まれており、10系に近いながらも固有性の高いデザインとなっている。

冷房装置は10系での実績を基に開発された新型の超薄型冷房装置である三菱電機CU-74Cおよび東芝RPU-4410を搭載する。開発当時の技術で極限に近い薄型化を実現していた10系用冷房装置であったが、その後の技術の進歩、特にスクロール型コンプレッサーの実用化によってより一層の薄型化が可能となり、20系開発に合わせて厚さ300mmと従来比約74%として実用化が図られた。外観上は屋根高さなどほとんど変化しておらず、薄型化の恩恵は全て客室内の天井高さ引き上げに振り向けられており、10系で圧迫感を与えていた車内両端部の冷房装置の露出部がなくなって通常部分と同じルーバーが設置されている。

主要機器

本系列は、日本の高速電車におけるVVVF制御技術開発の揺籃の一つとなった点で特筆される。

20系の段階では、GTOインバータの容量などの制約から、1台の制御装置で2基の主電動機を制御する1C2M構成のものを2セット搭載している。

制御装置は、東芝(BS-1408-A・-B)・日立製作所(同じ電動車にはVF-HR-103Aと103Bを合わせて「VF-HR-103」と呼ぶ)・三菱電機(第1編成の2301にはSIV-V564-M-1と-2、他不明)製。第1編成(2601F)には、3両の電動車の電装品を東芝(2101)・日立(2201)・三菱(2301)の3社がそれぞれ1両ずつ分担して担当するなど試作要素が多く見られ、各社が量産に必要なデータを収集するための量産先行試作車的な性質の強いものであった。なお、電装品のメーカーは、2601F以外については編成内で1社に統一されている。

主電動機は、VVVF制御のため、従来の10系までと比較して整流子が不要となり、主電動機容積に余裕が生まれて磁気回路の容量が増強され、10系の東芝SE-617Aと比較して10kW増の端子電圧550V時1時間定格出力140kW/1600rpmが実現された。また、製造メーカーはこれまで東芝の1社指名であったものが、制御器の製造に参加する3社全てから供給されるように改められており、このため東芝SEA-309、日立HS-34529-02RB、三菱MB-5012-Aと3種の4極自己通風式三相かご形誘導電動機が採用されている。

台車は、10系用インダイレクトマウント・ノースイングハンガー・軸ばね式空気ばね台車であるDS-10とほぼ同仕様のDS-20が採用されている。また、車輪内周部に異種金属による防音リングを圧入してきしり音の低減を図った、防音波打車輪を装着する。集電装置は10系と同様に離線等による回生失効を防止する目的で、隣接する2両の電動車の内一方(Ma車)の全台車ともう一方(Mb車)のMa車寄り台車の合計左右3カ所ずつに設置されている。ただしMa車とユニットを組まないMb車は隣接する制御車寄りに設置するためその制御車も全台車が集電装置を設置し、編成全体では左右各6か所となる。

ブレーキ装置は、10系に準じた全電気指令式であるが、小改良が施され形式に変更が生じた(OEC-3)。

改造工事

2000年からは車椅子スペースの設置が、2002年からは側面行先表示器と車内案内表示装置の設置が開始された。

中央線に配属された車両のうち、2601Fと2602Fは、車体側面全体に沿線の観光地である海遊館のジンベイザメなどを描いたラッピングフィルムが施された。この2編成はラッピングフィルムが剥がされたあとに側面行先表示器が取り付けられた。

ワンマン・高速化改造

2006年3月27日の近鉄けいはんな線生駒駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間開業時の同線における最高速度の向上に合わせて、2004年に第1編成の制御素子がGTOサイリスタ素子から日立製IGBT素子にASSY交換され、他の編成も順次交換された。

30番台車は、この近鉄けいはんな線延伸開業の際に、全編成が車両番号の変更を実施せずに谷町線から中央線に転用され、代わりに24系9編成が谷町線へ転用された。これは、20系がちょうど主要機器の更新時期を迎えていたため、近鉄線内での95km/h運転やワンマン運転への対応改造を同時に行うことにより効率化を図ったものである。

2006年までに全編成の制御装置の改造工事が完了し、けいはんな線内での最高速度は70km/hから95km/h、起動加速度は2.5km/h/sから3.0km/h/sにそれぞれ変更された。また、けいはんな線延伸開業時に近鉄線内でのワンマン運転が開始され、それに対応した機器が設置されている。

廃車

第1編成の2601Fは2014年8月21日の朝ラッシュ時の運用を最後に営業運転を終了し、同月25日付けで廃車となった。営業運転終了に際して、7月23日から「さよなら20-01編成 たくさんのご乗車ありがとうございました」と書かれた、20系のイラストの中に大阪城と海遊館も描かれたヘッドマークが掲出されていた。01編成と入れ替わる形で、23系06編成が2013年3月ダイヤ改正で運用が削減されていた四つ橋線から中央線に転属し、24系第56編成となった。

残る15編成についても、2022年7月より導入の新型車両30000A系及び2023年6月より導入の400系に順次置き換えられ、2023年度中に定期運行から撤退する予定である。

新20系(21 - 25系)

新20系(しん20けい)は基本設計の共通する21系22系23系24系25系の各系列の慣用的な総称である。5系列合計で87編成560両が製造、さらに2005年に24系をベースとした大阪港トランスポートシステムのOTS系2編成12両も新20系に編入され、2017年現在は合計89編成572両が在籍する。国際花と緑の博覧会が開催された1990年に登場し、最初に導入されたのは谷町線22系と四つ橋線23系で、第1編成はともに1990年4月に入籍し、同年中に順次営業運転に入った。

非冷房車である30系と50系の老朽取り替えを目的として1990年から1998年にかけて製造され、それぞれ1号線(御堂筋線)、2号線(谷町線)、3号線(四つ橋線)、4号線(中央線)、5号線(千日前線)に配置された。製造メーカーは日本車輌製造(21・23・24系)・川崎重工業(21・22・23系)・日立製作所(22・23・24系)・東急車輛製造(21・22・24・25系)・近畿車輛(21・22・25系)・アルナ工機(22・24・25系)の各社である。また、架空電車線方式の6号線(堺筋線)向けに、同じくステンレス車体、VVVFインバータ制御の66系も川崎重工業・近畿車輛にて製造されている。

この新20系では車両番号が5桁となり、万の位の「2」は20系を表し、千の位は投入線区の路線番号、百の位は車両の形式、十と一の位は車両番号を表す。

ただし、法規上の正式な形式称号は千の位の投入線区路線番号が省略された4桁となっており、いずれも20系の対応する形式と同一である(例、2X600=2600形)。

共通事項

車体

本系列では30系以来のステンレス車体が採用された。ただし、30系とは異なり、鋼製の構体にステンレスの外板を貼り付けたセミステンレス車体から、当時最新の有限要素法によってコンピュータ上で強度計算を行って設計された、高抗張力ステンレス鋼を全面的に用いる軽量構造ステンレス車体に変更され、在来のアルミ車に匹敵するスペックをより低廉な製造コストで実現している。

また、エクステリアデザインについては抜本的な改良が加えられており、側窓にはバランサ内蔵の1段下降窓が採用され、前面は従来通り縁取りを設けその内側をダークグレーに塗装するいわゆる「額縁」状のデザインとされたものの、新たに緩やかな曲面を描く「く」の字状の流線型デザインが取り入れられた。この新デザインでは2つの前照灯が前面中央に左右に並べて配され、LEDによる標識灯がFRP製外縁の窓高さに組み込まれた斬新なデザインとなって視認性の向上が図られており、シンプルな造形ながら冷房付きの新車登場を市民に強くアピールすることともなった。なお、側面には薄い板材が使用される外板の溶接ひずみを目立たなくするためにプレス加工によるビードが入っている。

さらにサービス向上のため、室内灯への50系以来久々となるグローブの取り付け、座席へのコイルばねによるクッションの追加、車体側面への行先表示器の設置(後に他系列の更新車にも設置)、 非常通報装置の乗務員と通話式タイプ化、それに客用扉上部への車内案内表示装置の設置などが実施されているのも大きな特徴であるが、これらの改良は以後の10系および20系の更新メニューに反映されている。

なお、保守に関係のない部分の設計や工作方法はある程度メーカー各社の裁量に任されており、近車と東急製は側構体と台枠の結合部がインダイレクトスポット溶接されているが他社製は栓溶接のうえカバーが被せられているといった相違がある。

主要機器

新20系ではGTOサイリスタの容量増大を受けて1台の制御器で4基の主電動機を制御する1C4M制御が実現しており、それぞれ東芝SVF-001-A0・-A1、日立VF-HR-129、三菱MAP-144-75V26に変更された。ただし、制御器が各メーカーでの競作となった20系とは異なり、新20系では細部は違うものの、日立製作所が設計主導の下、3社で制御器の設計をOEM方式で共通化した関係で、メーカーによる励磁音の違いはほとんどない。

主電動機は20系と互換性を持つが、東芝SEA-309B、日立HS-34529-04RB・-05RB、三菱MB-5012-A3・-A4に形式が変更された。

台車・集電装置は20系のものを踏襲した。ただし、新たに設定された4両編成では電動車が2両ともMb車であるため制御車2両が共に全台車集電装置付きとされ、9・10両編成には制御車2両が共に集電装置非装着となる一方でペアとなるMb車を持たないMa車(2400形)のために隣接する付随車(2700形)のMa車寄り台車に、それぞれ集電装置が設置されている。

21系(御堂筋線)

御堂筋線用の車両は21系と呼び、1991年から1998年にかけて10両編成18本(180両)が日本車輌製造・東急車輛製造・近畿車輛(2500形を除く)・川崎重工業(2500形増結中間車のみ)の4社で製造された。

製造担当メーカーは以下のとおりである。

この21系は10両編成での運行への対応のため、ブレーキ性能の確保を図って編成中央部の2700形に空気圧縮機が追加搭載され、さらに高密度運転線区への投入のため起動加速度が他の新20系各系列の2.5 km/h/sに対して3.0 km/h/sとされるなど、同時期製造の他線区向け新20系各系列とは一部仕様が異なる。

上掲表のように1991年から1994年にかけて製造された第1編成から第13編成は9両編成で落成し、1995年12月9日より10両編成の運転開始に伴い、付随車である2500形21501 - 21513が川崎重工業・日本車輌製造で新造され、それぞれの編成に組み込まれた。

1994年3月製の21613Fのうち、1号車(21913)1番ドア山側のドアは内側の帯状の金具のない複層ガラスドアの試験ドアである。ドア取っ手位置は変わっていない。

残りの5本は10両編成で落成した。なお、第14・15編成に組み込まれている2500形(21514・21515)は、当初は2800形(21864・21865)という扱いになっていたが1995年12月に2両とも2500形に改められた。この2本は10両編成で落成していたが、落成してから1995年12月8日までは前述の21864・21865が外された9両編成で営業運用されていた。これ以降に製造された車両のドアは、複層ガラスドアで内側の帯状の金具がなくなり、ドア取っ手の位置も下部に変更されている。

その後、1998年より開始された10系のリニューアル工事に伴う運用可能編成数の不足を補うため、第18編成10両が日本車輌製造で追加製造されている。また、同年12月より第12編成が連結面の転落防止幌の試験のために用いられ、その結果2000年より本格的に採用されることになり、全編成に設置されている。

1996年に製造された第16編成から、各扉の上部にLED式の車内案内表示器が設置された。その後1997年から2003年にかけて残りの15本に対して設置工事が施工されたが、第16・17編成が全ての扉の上部に設置されたのに対して千鳥(交互)配置とされ、1998年製造の第18編成でも千鳥配置となっている。

2012年より、第7編成を皮切りに中間更新が行われ、2021年の第18編成の更新工事をもって21系はすべての車両が更新を完了した。改造内容は後述のリニューアルの欄を参照。

2022年より、御堂筋線及び直通先の北大阪急行電鉄南北線の全駅に可動式ホーム柵の設置が完了したことから連結面の転落防止幌の撤去が進められているが、先頭車と次号車間の幌は撤去されていない編成が多い。

平日ダイヤの全列車で女性専用車となる6号車が、車体広告のラッピング車両とされている編成もある。

Osaka Metroによると、2026年以降に低床化による段差解消を目的として新型車両へ置き換える予定としている。

22系(谷町線)

谷町線用の車両は22系と呼び、1990年から1996年にかけて6両編成19本(114両)が近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機・日立製作所・川崎重工業の5社で製造された。1990年に製造された第1編成から第7編成までの42両は四つ橋線用23系の第1編成から第7編成までの35両とともに初期車の部類に入り、前面の車両番号表示が他の車両に比べて大きい(20系の前面車番表示と同じ大きさ)。

製造担当メーカーは下表のとおりで、全編成が6両編成で竣工している。

1997年から2004年にかけて、LED式の車内案内表示器が客用扉室内側上部に千鳥配置で全編成に設置された。この車内案内表示は、御堂筋線(21系)・四つ橋線(23系)のものと谷町線(22系)・中央線(24系)・千日前線(25系)のものと見た目は同じであるが、文字を表示するパターンやタイミングが若干異なっている。

2006年3月に延伸開業した近鉄けいはんな線への直通運転に備えて谷町線と中央線の間での大掛かりな車両の転属が2004年から始まり、OTS系から編入された2編成(後述)を含む中央線の24系の計9編成54両が22系に編入され、50番台の区分に分けられた。改番の際に、旧OTS系を除いて種車の番号にそって改番されているため、22652F〜22654Fは存在しない。この転属に際して谷町線では不要となる抑速ブレーキの無効化が八尾車庫にて行われている。また、24系時代には設置されなかった上記のLED式の車内案内表示器が、2008年から順次設置されている。20系との交換終了後は24系の9編成が22系となって、合計28本の体制となっていたが、2018年に第6編成がリフレッシュ改造と同時に23系(23656F)となって四つ橋線に転属したため在籍数は6両編成27本となった。また、2023年2月1日付で24系第1編成が22系第51編成に改番の上転入している。

2011年より、第3編成を皮切りに中間更新が行われている。改造内容は後述のリニューアルの欄を参照。

車両番号および編成番号の変遷は下表のとおりである。なお、※印をつけた編成は後に23系に編入された。

23系(四つ橋線)

四つ橋線用の車両は23系と呼び、1990年から1996年にかけて5両編成18本(90両)と6両編成4本(24両)の計114両が日立製作所・川崎重工業・日本車輌製造の3社で製造された。また、四つ橋線の列車の6両編成化に伴い、1996年から1997年にかけて簡易運転台付きの付随車である2800形23801 - 23818が川崎重工業にて製造され、5両編成で製造された第1編成から第18編成に組み込まれた。なお、組み込む際2300形の簡易運転台が撤去されている。1996年に23619F - 23622Fの導入に伴い、新30系ステンレス車冷房化改造車を谷町線に転出させた。

本系列の23613Fでは一時期試作台車が装着されていた時期があるが現在は元の台車に戻っている。

22系の節でも記したとおり、第1編成から第7編成は初期車(中間車の2800形は1996年度下半期製)の部類に入り、前面の車両番号表示が大きい。また、23656Fの種車となる22606Fも1次車だったのでこの部類に入る。

23系は1997年3月31日の6両編成化完了以降、2014年春までは6両編成22本(132両)が在籍していたが、2013年3月のダイヤ改正で朝ラッシュ時の列車減便によって余剰となっていた第6編成が更新工事も兼ねて中央線へ転出し、24系第56編成となった。しかし、22系の節で記述したとおり、2018年に22系第6編成がリフレッシュ改造の際に23系第56編成となって四つ橋線に転属、24系第56編成も2022年12月24日付で再転入し、車番も新製時のものに戻されている。

製造担当メーカーは以下のとおりである。なお、※印をつけた編成は後に24系に編入された。

この23系では住之江競艇開催時の住之江公園駅での混雑時の乗降分離のために1号車(2900形)と2号車(2200形)の片側4か所の客用扉のうち2か所のみを開閉(ドアカット)する機能があるが、ドアカットは中止している。23656Fは、ドアカット実施時代は四つ橋線に在籍していなかったため、最初から装備されていない。

なお、側窓の日よけのカーテンのカーテンレールは他路線同様取り付けられているものの、営業区間は全区間とも地下線のため、本系列についてはカーテンは設置されていない。また、谷町線より転入した23656Fも改造と同時にカーテンを撤去している(22系は日よけカーテンを設置している)。

製造時に車椅子スペースが設置されていなかった23601F - 23609Fは、2000年8月から2004年にかけて設置改造が行われた。最初に改造された編成は23608F 、最後は23606Fであった。また、2000年から2002年にかけて、全編成を対象に転落防止幌設置改造が行われた。

2006年には第11編成の客用扉室内側上部に千鳥配置でLED式の車内案内表示器が設置され、2014年の第2編成の更新工事完了をもって全編成に車内案内表示器が設置された。

2012年に第1編成がリフレッシュ更新工事を受け、営業運転を開始した。各車両ごとに号車を表すステッカーを車体側面に貼付した他、車内では千鳥配置でLED式の車内案内表示器とは対面の扉上に現在地を示す電光ランプの取り付け(第1・2・4編成)やロングシート中間部にスタンションポールの設置、運転台ではモニターの設置と速度計などの更新(アナログ化)などが行われている。なお、車体の高圧洗浄は実施されていない。2013年には全編成でドアガラスに貼られていた車椅子マークは、リニューアル更新工事の有無に関係なく、すべて剥がされた。谷町線在籍時代には1998年の設置改造以来、ドアガラスの車椅子マークが貼られていたままであった23656Fでは、2018年の転入・リニューアル工事時に剥がされている。

2022年6月現在、第1・4・2・3・7・8・9・5・10・11・12編成(施工順)、また谷町線より転入した第56編成でリフレッシュ工事が完了しており第3編成、第7編成、第56編成、第5編成、第10編成、第11編成は車内デザインが変更されている。2021年6月施工の第5編成を最後に、前面の車両番号の文字のサイズが大きい初期車のリニューアルが完了した。

Osaka Metroの第三軌条の車両の定期検査が四つ橋線の緑木検車場で行われているため、第三軌条の他線の車両が四つ橋線に入線することはあるが、23系が四つ橋線以外の路線を走ることはほとんどない。四つ橋線以外の路線を走行とした一例としては、2012年11月に第1編成が「おおさか市営交通フェスティバル2012」の一環として運行された臨時列車にて御堂筋線大国町―新金岡間を走行した実績がある。また第56編成の22系からの転属改造は中央線の森之宮検車場で実施されたため、試運転等では中央線を走行している。

前述のとおり、2014年に第6編成は大阪車輌工業で改造され、中央線に転属して24系に編入された。なお、2014年に四つ橋線と中央線との連絡線が本町駅構内に完成し、翌2015年より使用開始したためこの転属が大阪市営地下鉄においてトレーラー輸送を伴う最後の転属となった。

24系(中央線)

中央線用の車両は24系と呼び、1991年から1995年にかけて6両編成11本(66両)が日本車輌製造・日立製作所・アルナ工機・東急車輛製造で製造された。

製造担当メーカーは以下のとおりで、全編成が6両編成で竣工している。なお、※印をつけた編成は後述するように谷町線に転属し、22系に編入された。

2005年7月1日に大阪港トランスポートシステムの第一種鉄道事業が大阪市交通局に編入されたことに併せて、同社の所有であったOTS系2編成が本系列に編入された。編入される際に客室内の左右両側の客用扉上部にあったLED式車内案内表示器が千鳥配置に変更されたり、前面のOTSのシンボルマークが新20系の「VVVF 20 SERIES CAR」マークに変更されたりなどの軽微な変更がなされた。ただし、座席モケットの色はOTS時代のオーシャンブルーのまま存置されていた。OTS系時代の詳細は後述する。

2014年には、20系第1編成の廃車代替のため、四つ橋線から1990年製(中間車1両を除く)の23系06編成が転属して24系56編成として編入されることになった。転属に際しては、ラインカラーの青帯から緑帯への変更、近鉄けいはんな線乗り入れに対応した機能の追加、巻き上げカーテンの新設、2~5号車の4番ドア付近にあった優先席の1番ドア付近への移設など、中央線に必要な改造や仕様変更以外に、同年に大阪車輌工業でリニューアルが行われた第03編成に準じたリニューアル工事も行われている。

改造後も22・23系初期車の特徴である正面の大きな車両番号が存置されており、変更された十の位の5、千の位の4の文字も含めて大きな文字となっている。4号車の24856は、四つ橋線在籍時に追加で製造された車両のため、ドアの形状等が異なっている。

前述のとおり、24系第5編成から第11編成とOTS系から編入された2編成の合計9編成は、2006年のけいはんな線延長に際して、谷町線に所属していた20系30番台9編成と入れ替わる形で転属したため、2021年現在、中央線に在籍するのは引き続き残留した第01編成から第04編成と上述の四つ橋線から転入した第56編成の合計5編成30両である。この5本についても20系と同様、室内の客用扉上部に千鳥配置でLED式車内案内表示器の設置(リフレッシュ工事後はLCD式に交換)、行先表示幕の交換、冷房機横に車外スピーカー設置、近鉄線内での最高95km/h運転・ワンマン運転への対応、起動加速度の向上、機器の高速運転対応化、ワイパーの形状・位置の変更などの改造が行われている。これらはリニューアル工事前に行われたものである。

2014年に第3編成を皮切りに開始されたリニューアル工事は、2016年の第4編成の更新工事をもって24系のすべての車両が完了した。第2・4編成は車内デザインが変更されている。なお、24系は全編成が2014年度以降にリニューアル改造が施工されているため、同年度のリニューアル工事施工車から設置されたLCD式車内案内表示器が全編成に設置されており、路線案内表示器、LED式車内案内表示器を持つ車両はない。

2022年7月以降、中央線に新型車両「30000A系」及び「400系」の導入で谷町線と四つ橋線への転用が進んでいる。2022年12月24日付で第56編成が四つ橋線へ、2023年2月1日付で第1編成が谷町線へ転出した。OsakaMetro公式YouTubeチャンネルで2023年11月9日に公開された動画において、2023年度中に400系及び30000A系に統一され、24系は撤退予定であることが発表されている。

25系(千日前線)

千日前線用の車両は25系と呼び、1991年から1995年にかけて4両編成17本(68両)が近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機で製造された。

製造担当メーカーは以下のとおりで、全編成が4両編成で竣工している。

千日前線で開業以来運用されてきた50系と1979年から運用された100形(2代目)は、ともに他線区からの転用車であり、これまで新車が直接投入されたことはなかった。それゆえ初の直接新製投入で、かつ乗客から待望の冷房車となった本系列は歓迎された。

なお、全区間地下線のため、同様の使用条件にある23系と同様、日よけのカーテンは設置されていない。

千日前線ではATCにCS-ATCが採用されているため、本系列には工場への出入庫に必要となる従来型のWS-ATCに加え、CS-ATC対応機器が別途搭載されている。

また、2008年に第10編成の客用扉室内側上部に千鳥配置でLED式の車内案内表示器が設置され、2014年の第2編成の更新工事完了をもって全編成に設置された。

さらに、同年の第8編成の更新工事をもって25系はすべての車両が更新を完了した。なお、第8編成は2014年度に施工されたが改造内容は2013年度までのと同一メニューとなっている。このため、25系にはLCD式車内案内表示器および開扉時の盲動鈴鳴動機能が設置されている車両はない。

リニューアル

新20系についても竣工から約25年が経過したため、更新工事が実施されることになった。第一陣として千日前線用25系25607Fの更新工事が完了し、2011年1月14日に営業運転を開始した。

更新工事の主な内容は次の通りである。

外装

  • 車体外板の洗浄
  • 車体屋根部分の洗浄、塗装(検車場外で施工の場合のみ)
  • 側面前後の号車番号表示追加
  • 前照灯のLED化(2018年度施工車から)
  • 行先表示幕の更新(英文字は頭のみ大文字・2文字目以降は小文字化したものにそれぞれ変更、2018年度施工車からは側面幕のみ、字体をゴシック体に変更、併せて行先に駅ナンバリング記号も記載)
  • ワイパーの形状、位置変更(21系・25系のみ)
  • 冷房機横の車外スピーカー設置(22系第3・4・7編成、23系第1・2・4編成は除く)
なお、下3つの改造内容は、24系ではけいはんな線乗り入れ対応工事の際に既に実施されている内容である。また、リニューアル改造とは別で、側面の駅ナンバリング記号が記載された幕に交換された車両もあり、中にはリニューアル改造を受けていない車両で交換されている車両もある。また、20系は全編成で交換された。

内装

  • 座席のモケット交換、バケットシート化
  • 床クロスの交換(茶色 → グレー)
  • 座席中央部のスタンションポール設置
  • 吊り革の増設、改良
  • 乗降扉床面の黄色ライン追加
  • 車内照明器具を蛍光灯からLEDに交換の上、蛍光灯カバーを撤去(2014年度施工車から)
  • 運客仕切戸をガラスの大きいものに交換(2013年度施工車から)
  • 扉開閉予告灯の設置
  • 路線案内表示器、LED式車内案内表示器の設置(2013年度施工車まで)
  • LCD式車内案内表示器の設置。21系(第5編成以降の改造施工車)、22系(第1編成以降の改造施工車)、23系(第3編成以降の改造施工車)、24系(2014年度施工車から)
    • 21系は第11編成以降の2017年度施工車より、阪急1000系などと同サイズの横長32インチLCDが採用されている。
  • 開扉時の盲動鈴鳴動機能追加(2014年度施工車から。音色は30000系や新幹線700系電車後期車、新幹線N700系電車と同じ)
  • 扉横の手すりを下方向へ拡大(21系は第4編成以降の改造車、22系は第1編成以降の改造車、23系は第3編成以降の改造車、24系は第2・4編成に施工)
  • 荷棚の更新(21系の2015年度施工車(第8編成以降の改造施工車)から)
  • 女性専用車両の荷棚と吊り手の高さ変更(21系の2016年度施工車(第6編成以降の改造施工車)から)
  • 御堂筋線用30000系第10編成以降と同様の防犯カメラの設置(21系の2020年度施工車(第17編成以降の改造施工車)から)

内装デザインの変更

これまでもリニューアル施工の際は車内において、座席のバケット化や手すり・吊革の増設などを行ってきたが、細かい点が多く利用者から「大きく変わり映えしない」との声が多かったため、新しい発想として利用者に楽しく喜んでいただけるものをコンセプトとして、2015年度からリニューアルの際に内装のデザインを御堂筋線、谷町線、四つ橋線、中央線の車両を対象に一新することとなった。このデザイン変更は上記4路線の新20系の他にも堺筋線の66系、長堀鶴見緑地線の70系でも行われている。

21系は御堂筋線の号線カラーでもある赤色で大阪市営地下鉄の大動脈を表し、御堂筋の伸び行く新緑のイチョウ並木を表現。2018年10月以降にリニューアルされた第12 - 18編成は、ドアの部分に木目を採り入れるなど、変更後の内装デザインが同編成より前に施工された編成とは異なった新しいデザインとなっている。

22系は歴史的な史跡や神社、寺院が立ち並ぶ歴史がある路線で、沿線で開催される天神祭の壮大な花火と谷町筋のゆかりのある梅の華で華やかさと伝統を融合した車両空間を表現。

23系は上繋橋、下繋橋、炭屋橋、吉野家橋の四つの橋をモチーフにした「四ツ橋柄」と、路線カラーと水をイメージした「ブルー」を取り入れたデザイン。

24系は朝日の昇る生駒山から太陽の沈む大阪港へ号線カラーであるグリーンベルトでつなぎ、そのまわりをかわいい魚が泳ぎまわるデザインで明るくかわいい車内を表現。

25系は2014年度までに全編成でリニューアル工事が完了していたため、内装デザインの変更の対象となった編成はない。

その他

  • 自動運転装置、可動式ホーム柵関連機器の設置(21・22・23系ホーム柵対応車、25系のみ)
  • マスコンのワンハンドルタイプへの交換、ワンマン運転対応機器の設置(25系のみ)など、運転台上にある運転操作部の改良(21・22・23系ホーム柵対応車、25系のみ)
  • 各種計器類(速度計や圧力計など)のアナログ化
  • 制御装置・ブレーキ装置などの交換・補助電源(MG)のメーカー整備
  • ATO出発ボタンの追加(25系のみ)

大阪港トランスポートシステムOTS系

OTS系は、かつて大阪港トランスポートシステムが保有していた通勤形電車で、前述したように中央線用の24系に系列・形式称号変更された後、谷町線への転属で、22系22662F、22663Fに変更された。

ここではOTS時代について記述する。

この車両は1997年12月18日のOTSテクノポート線開業に際し、日立製作所で6両編成2本(12両)が落成した。車体や主要機器は乗り入れ先の中央線24系と同一仕様であるが、客室案内表示は全扉に設置された。

また、落成時の編成は以下のとおりである。

塗装はOTS線の海浜をトータルイメージとしており、前面扉がモーニングブルー、それ以外がオリンピアブルーとされ、ラインカラー帯もこの2色の塗り分けの上下を白い細帯が挟む独自のものであった。また、車内のカラースキームも独自色の強いものであり、海浜をイメージした青系統でまとめられている。

OTSテクノポート線開業時には同車両に漫画「少年アシベ」のキャラクターである「ゴマちゃん」のシールが貼付されていた。

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脚注

注釈

出典

参考文献・出典

  • 「VVVFインバータ制御 20系電車」1985年 大阪市交通局作成
  • 鉄道ピクトリアル 1993年12月臨時増刊号、2004年3月臨時増刊号 特集「大阪市交通局」 電気車研究会
  • 伊原 薫『大阪メトロ誕生』かや鉄BOOK
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻534号(1990年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「II 民鉄車両 II-3 1989年度 (1)新造車」1990年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻612号(1995年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「II 民鉄車両 II-2 1994年度 車両動向」1995年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻628号(1996年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「II 民鉄車両 II-2 1995年度 車両動向」1996年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻644号(1997年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「II民鉄車両 II-2 1996年度 車両動向」1997年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻660号(1998年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「民鉄車両 II-2 1997年度 車両動向」1998年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻767号(2005年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「民鉄車両 III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧」2005年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻881号(2013年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「III-2 民鉄車両III 車両データ2012年度」2013年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻896号(2014年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「III-2 民鉄車両III 車両データ2013年度」2014年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻909号(2015年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧(2014年度)」2015年10月。 
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻923号(2016年10月臨時増刊号)
    • 電気車研究会「III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧(2015年度)」2016年10月。 

外部リンク

  • 大阪市交通局21・24系 - 日本車輌製造

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 大阪市交通局20系電車 by Wikipedia (Historical)