『ビューティフル・マインド』(A Beautiful Mind)は、2001年のアメリカ合衆国の伝記映画。
監督はロン・ハワード、出演はラッセル・クロウとジェニファー・コネリーなど。ノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描く物語。第74回アカデミー賞では作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞を受賞し、第59回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞を受賞した。
1947年。ジョン・ナッシュはプリンストン大学院の数学科に入学した。生まれつき数学一筋で人付き合いの苦手なナッシュだが、ルームメイトの陽気なチャールズとは気が合った。「この世の全てを支配できる理論を見つけ出したい」とチャールズに打ち明けるナッシュ。ひとり研究に没頭したナッシュは、在学中に「ゲーム理論」という画期的な論文を書き上げ、指導教授を驚かせた。
輝かしい功績によって、研究者の憧れであるマサチューセッツ工科大学(MIT)のウィーラー研究所(Wheeler Lab)に採用されるナッシュ。世間的にも有名になり、雑誌の表紙に写真が載り、国防省の要請でソ連の暗号を読み解くなど、ナッシュは目覚ましい活躍を続けた。
そんなナッシュに接触する黒尽くめの男・パーチャー。国防総省のエージェントと名乗るパーチャーは、ナッシュを秘密の基地に案内し、スパイとしてスカウトしたいと打ち明けた。ナチス・ドイツが開発した携帯原子爆弾がソ連の手に渡り、アメリカ国内で使用される恐れがある。ナッシュの任務は、雑誌や新聞に隠されたソ連の暗号を解読し、爆弾の在り処を探ることだった。
MITの教え子であるアリシアと結婚し、順風満帆のナッシュ。だが次第に本来の仕事を忘れ、ソ連の暗号解読だけに没頭して行った。時にはパーチャーと共に敵に追われ、カーチェイスや銃撃戦も経験するナッシュ。
ナッシュの異変に気づく妻のアリシア。実はエージェントのパーチャーはナッシュの妄想だったのだ。長年の友であるチャールズすらも妄想だと知らされ、混乱するナッシュ。学生時代にルームメイトは存在しなかったのだ。
1959年、ナッシュは統合失調症と診断され、MIT職員を辞職。妻や生まれたばかりの息子と共に、母校プリンストン大学の近くに転居した。治療に明け暮れ、時には幻覚に支配されながら、大学の図書館で数学的思索を続けるナッシュ。長い年月をかけて、彼は徐々に大学の授業を担当できるほどに回復していった。
1994年、ナッシュにノーベル経済学賞が授与された。若き日の「ゲーム理論」が評価されたのだ。授賞式の日、ナッシュには、まだエージェントのパーチャーやルームメイトのチャールズが見えていた。それでも折り合って、数学者として生きて行くナッシュだった。
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本作は高い評価を受けたが、史実と映画の間には違いがあり、これに関してはさまざまな指摘や批判がある。
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「演技が優れている『ビューティフル・マインド』は感動的なラブストーリーであるとともに精神疾患に対する見方を啓発するものである。」であり、213件の評論のうち高評価は74%にあたる158件で、平均点は10点満点中7.2点となっている。 Metacriticによれば、33件の評論のうち、高評価は22件、賛否混在は9件、低評価は2件で、平均点は100点満点中72点となっている。
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