夕張メロン(ゆうばりメロン)は、北海道夕張市を生産地とする赤肉系メロンで、夕張市農業協同組合(JA夕張市)の登録商標(登録番号:第2591067号)である。品種名は夕張キング(ゆうばりキング)。
「スパイシーカンタロープ」を父、「アールスフェボリット」を母とするF1品種(一代交配種)である。そのため、夕張キングから取った種を植えても同じメロンはできない。
形状は長円形で、ネットを形成する。果皮色は収穫時は緑~灰緑色で、食べごろには黄色となる。芳醇な香りが強く、果肉は繊維質が少なくジューシーで柔らかいオレンジ色で、糖度は10度以上である。
夕張市農業協同組合(JA夕張市)に集荷され、ブランドを守るため、厳しい品質検査に合格したものだけが「夕張メロン」のラベルシールが貼られて出荷される。検査員は生産者の中から選出される。外観が基準を満たさないものは加工用となる。
夕張メロンは登録商標であるため、隣接する市町村産のメロンは、夕張メロンの名を冠することはできない。そのため、90年代前半まで北海道内で栽培されていた夕張キングを箱詰めした場合、その地域ブランド名を記したケースや箱で販売されていた。但し、箱に記載の品種名は「夕張キング」と表示がなされていた。
日持ちに難点があり、大手宅配業者、フットワークと提携。当時としては、画期的な産地直送システムを導入。それまで北海道内でしか食べられなかった夕張メロンを、産地直送化することにより、道外への出荷が可能になる。
夕張メロンの種は、農協の金庫で厳重に保管されている。ハウス栽培とトンネル栽培があり、ハウス栽培は7月中旬までに出荷し、トンネル栽培は9月までに出荷する。いずれも地這え栽培を主として、一つの株から二本の蔓を伸ばして3 - 4個収穫する。受粉はミツバチによって行われ、受粉からの日数は40 - 46日位である。しかしながら、条件によってはその日数も異なり、気温が高いときのほうが、収穫は早まって糖度も落ちる傾向にある。
札幌キング、キング系と呼ばれている赤肉メロンも、夕張メロンとほぼおなじ掛け合わせで交配されている(アールス・フェボリットには種類が色々あり、そのうちの一つを親としている)。一方、ルピアレッドに代表されるレッド系と呼ばれるものは、食感と糖度が違う別の品種である。
毎年5月中旬に札幌市中央卸売市場で行われる初競りは全国ニュースとなる。近年、2玉入1箱で100万円以上の値を出し、夕張市の財政破綻後も、高額値を叩き出す。初セリ時の落札者上位10名には、落札者の証として、夕張市農協より時計付きのパネルが贈呈される。
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