『うたって・ゴー』は、1974年4月12日から1996年3月13日までNHK教育テレビジョンで放送されていた小学校2年生向けの学校放送(教科:音楽)である。1991年度からはステレオ放送を実施していた。
昭和48年度(1973年度)まで、小学校向けの音楽教育番組は、低学年向け「うたいましょうききましょう」、中学年向け「みんなの音楽」、高学年向け「音楽教室」が放送されていた。昭和49年度より、視聴対象を1-3年生に集約し、各学年1本の音楽番組に組み替えることとなった。「うたいましょう ききましょう」の時間帯に1年生向け「ワンツー・どん」、「みんなの音楽」の時間帯に2年生向け「うたって・ゴー」、「音楽教室」の時間帯に3年生向け「笛はうたう」(翌年より「ふえはうたう」に改題)が一斉にスタートした。
「うたって・ゴー」は他学年の音楽番組の出演経験がある出演者が多い。堀江美都子は1972年度、細野高裕は1974~1978年度「なかよしリズム」に出演していた。クニ河内は「ワンツー・どん」、宮内良は1979年度~1980年度「おかあさんといっしょ」(未就学児向け)、藤井秀亮は「ふえはうたう」の出演経験がある。1985年度の冬休み、7年にわたって出演してきた立川清登が急逝したため、3学期から加賀清孝が急遽引き継いだのが唯一の途中交代である。クニが10年間、立川が7年弱、加賀が5年強と、息の長い男性出演者がいる一方、女性出演者は1年限りも多い。また、基本的に複数年度出演している場合出演期間は連続しているが、合計2年間出演した堀江のみ1978年度と1981年度に出演と、別年度での単年度出演となっている。出演者の立場は「お兄さん・お姉さん」とは自称せず、「○○さん」であった。数少ない例外は、アニメ歌手として「ミッチ」の愛称が確立していた堀江くらいである。児童の斉唱を重視する「ワンツー・どん」に対し、「うたって・ゴー」では杉並児童合唱団や多摩少年少女合唱団を主とした児童の真似っこ・掛け合い・重唱を多用した。中には主旋律よりも高い高音パートを設定した重唱編曲やシンプルながら1曲踊り続ける長い振り付けもあり、難度の高い演奏を展開した。曲目は文部省唱歌や既存の愛唱歌、邦訳した海外の愛唱歌、70年代には「今月の歌」と称した新作など幅広い。日本語詞「ゆかいな牧場」が知られているにもかかわらず、あえて原曲「Old MacDonald Had a Farm」の邦訳を演奏したこともある。それに加えて、クニ河内や白石哲也が楽器紹介や楽典学習を仕込んだゲームを展開するコーナーを持ち、座学に陥りがちな基礎学習に刺激を与えてきた。
22年間にわたり、リニューアルされながら放送が続けられたが、平成8年(1996年)度より1・2年生向けの新番組「まちかどド・レ・ミ」を立ち上げることになったため、「ワンツー・どん」とともに1996年3月をもって番組を終了。1・2年生を分離した「ワンツー・どん」と「うたって・ゴー」が並立した22年間は、1・2年生共通番組であった前番組「うたいましょう ききましょう」の19年、「まちかどド・レ・ミ」と「ドレミノテレビ」を合わせた10年より長いものとなっている。
いずれも日本標準時、別の時間帯での再放送あり。
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