柏市(かしわし)は、千葉県の北西部に位置する市。中核市、業務核都市に指定されている。
人口は約43万人で千葉県内では市川市に次いで第5位の人口規模である。 旧東葛飾郡、南相馬郡及び印旛郡。
1954年(昭和29年)市制施行。
首都圏の代表的なベッドタウン。柏駅を中心とした商圏を形成し、商圏人口は市調査で16市3町の237万人(2016年度調査)、県調査で6市144万人(2018年度調査、茨城県からの統計を含まず)に及び、千葉県屈指の商業都市である。環境未来都市、総合特区、新産業創造都市に指定され、つくばエクスプレス沿線の柏の葉エリアはスマートシティの先駆けともなっている。東京都へ通勤・通学する15歳以上就業者・通学者(いわゆる「千葉都民」)の割合は28.6%である(2015年度)。
江戸時代には水戸街道の宿場町である小金宿と我孫子宿の中間に位置する小さな集落であった。1896年の常磐線柏駅開業により柏の発展が始まった。ただし本格的な住宅地開発が始まるのは常磐線が電化された戦後からである。大正時代の北総鉄道(現在の東武野田線)開通により、大宮駅・船橋駅方面からのアクセスが向上し、柏駅は交通の結節点となった。
1960年代より東京のベッドタウンとして開発が進み、多くの森や農地が大規模な団地などへと転用され、人口は急激に増加した。乗降客数の増加に対応するため、国鉄は通勤五方面作戦にて常磐線の複々線化を行った。柏駅は70年代に日本初のペデストリアンデッキが建設されたことで知られ、そごう、髙島屋、丸井などの百貨店をはじめ多くの商業施設が進出し、遠く茨城県、埼玉県からも買い物客を集めた。1980年代以降は柏駅周辺に若者向けの商業施設が次々と開店し、千葉県の商都船橋市と並ぶ東葛飾地域(旧:東葛飾郡北部)随一の商業拠点となった。その賑わいから、「東の渋谷」と称されることもあるほどである。現在、中心市街地の柏駅周辺は、イオンモール、モラージュ柏、流山おおたかの森や柏の葉キャンパス、アリオ柏など周辺に大型SCが林立しており、柏駅前の商業にも柏そごうが2016年に閉店するなど競争激化による影響が出ており、駅前の市街地再開発の構想が進んでいる。JR柏駅の乗降客数は、常磐線のバイパス路線であるつくばエクスプレスが開業するまで千葉県内で第1位であった。
つくばエクスプレス沿線のほか、東武アーバンパークライン(東武野田線)沿線などでは、新興住宅地の開発が加速し、東京都区部へのアクセスの良さからも、大規模マンションや住宅街が林立し、商業施設の充実、整備された公共施設、自然豊富な住環境が整っている。買って住みたい街 においても、首都圏第7位を記録するなど定住を目的としたファミリー層を中心に支持を受けている。特に柏の葉キャンパスは千葉県の住みここち(駅)ランキング(2021年度版)で「海浜幕張駅」や「印西牧の原駅」を押さえて3年連続で1位の人気となっている。柏の葉キャンパス駅周辺には研究・教育施設が集約し、公共団体・企業・大学が連携して国際学術都市、次世代環境都市構想が進行している。英国の名門パブリックスクール「ラグビー校」の日本校も開校。
市中央部は東武アーバンパークライン(東武野田線)・JR常磐線、国道6号・国道16号が交差する交通の要衝となっている。市北部はつくばエクスプレスが通り、大学、研究所、産学連携施設などが置かれ、文教地区としての顔を持つ柏の葉地域が中心となっている。また、高齢化率が40%を超える豊四季台団地では柏市と東京大学、UR都市機構の三者による共同プロジェクトが始まり、これを皮切りにした超高齢化・長寿社会に対する一連の対策は「柏プロジェクト」としてしばしば話題となっている。健康都市連合加盟都市。
千葉県の北西部に位置し、県庁所在地である千葉市から約30キロメートルの距離である。東京都の都心から25 - 35キロメートル圏内である。都市雇用圏における東京都市圏(東京都区部)のベッドタウンとしての性質が強く、高層マンションや住宅街が林立している。東京都特別区部への通勤率は42.3%(2015年国勢調査)。鉄道での千葉市へのアクセスが悪く、常磐線やつくばエクスプレスなどで東京への移動が便利なことからいわゆる「千葉都民」が多い。
松戸市、野田市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市、印西市、白井市、茨城県取手市、守谷市に隣接する。
関東平野の中に位置し、市域の大半は下総台地と谷津田から構成され、北端の利根川沿いの地域や、東端の手賀沼に近い地域は低地となっている。海抜が最も低い地点は手賀沼周辺低地で約5メートル、最も高い地点は市南端(台地部)で約32メートルである。
柏市には〜ケ(が)丘という地名が5つあるが、表記は混在する。
うち大津ケ丘は、旧:沼南町の地区である。
東葛地域では明治以前に栄えていたのは水運の便がある松戸・流山・野田などであり、現在の柏の中心市街地に当たる柏村は水戸街道沿いにありながら宿駅ではなかった。1479年1月2日(文明10年12月10日)、下総国葛飾郡境根原(現:千葉県柏市酒井根)にて上杉定正の重臣太田道灌が、下総の土豪千葉氏の内紛に絡む形で境根原合戦が始まった。柏市酒井根には「合戦場」と称する箇所が多数あり、またかつては多くの塚があり、原、木内など千葉孝胤軍の将兵の墓であると伝えられていた。光ケ丘の開発などでこれらの塚も埋められてしまったが、現在も団地の隙間など一部箇所に塚が残っている。また、柏市中央図書館の正門前にある柏市の地図の中に「境根原合戦古戦場」と書かれてある。
利根川・江戸川の水運が栄えた江戸時代には、川沿いの集落が栄えた。現在の市域北部に位置する布施村(現:布施)は加村河岸(現:流山市加)と結ぶ鮮魚の輸送ルートとして賑わった。旧柏村は明治時代の初めに至るまで水戸街道の小金宿と我孫子宿の間に位置する村落であった。
1896年(明治29年)の常磐線開通、続く大正時代の北総鉄道(現:東武野田線〈東武アーバンパークライン〉)開通により柏駅は乗り換え駅となり、同駅を中心に市街地が形成される。1960年代より東京のベッドタウンとして人口が急増した。1964年東京オリンピックの後ごろから柏市では市街地再開発の機運が高まり、1969年(昭和44年)に施行された都市再開発法の第1号の指定を受け柏駅前再開発事業を開始。1970年代以降はそごう、髙島屋、丸井などの百貨店をはじめ多くの商業施設が進出し、東京の衛星都市的な商業地として栄える。1980年代の前後には柏駅周辺に若者向けの商業施設が次々と開店し、東葛地域(旧:東葛飾郡北部)の商業拠点となった。
2005年(平成17年)には首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスの開通を契機として市北部の柏の葉地域で東京大学、千葉大学、産学連携施設を中心とした文教地区が形成され、筑波研究学園都市とは異なる未来の学園都市の姿を現出。柏の葉においては、産官学連携によって「国際学術研究都市」に加え、ICTを活用したスマートシティを目指す街づくりが行われている。更に郊外型ショッピングモールやマンション開発も活発化し、若い世代を中心に人口が増加している。
柏町設置後
柏市改称後
柏の名の由来は諸説あるが、河岸(杭の意)場に由来するという説が有力とされている。
1990年代以降、周辺市町との合併による政令指定都市移行を目指すべきとの議論が一部から提唱されており、2001年(平成13年)に流山市・我孫子市・東葛飾郡沼南町との合併研究会を設けるも、流山市および我孫子市は相次ぎ離脱し、残る沼南町とは2003年(平成15年)に合併協議会を設置して協議を進め、2005年(平成17年)3月28日に同町を編入した。これにより人口は約38万人、面積は約115平方キロメートルに拡大、中核市に移行するための面積要件を満たすことにより、2008年(平成20年)4月1日に千葉県内では船橋市に続き中核市に移行した。なお合併直前の旧柏市の人口は333,519人、面積は72.91平方キロメートルであった。
なお現在も、柏市と野田市・我孫子市・流山市・松戸市・鎌ケ谷市のいわゆる「東葛6市」での合併による政令指定都市構想があり、この6市で構成されている東葛広域行政連絡協議会が、2006年(平成18年)5月に 政令指定都市問題研究会 を設置し、2006年度(平成18年度)・2007年度(平成19年度)の2ヵ年をかけて、今後の政令指定都市の議論に役立てるため、構成市である6市の基礎データの収集や分析、広域的課題の整理などを行うとともに、政令指定都市制度の研究や東葛地域におけるシミュレーションなどの調査・研究を行ったが、同会は「合併を前提とはしていない」とした。また、2008年(平成20年)7月には、政令指定都市移行による効果や影響、意義などについて、より具体的な検証を行うため、松戸市・柏市の2市による 松戸市・柏市政令指定都市研究会 を設立した。一方、船橋市や市川市でも似たような構想があり、松戸市や鎌ケ谷市ではこの方面との合併を模索する動きを見せた。4市合併による政令指定都市移行を研究する「東葛飾・葛南地域4市政令指定都市研究会」が2007年(平成19年)4月に始まり、2009年(平成21年)3月に報告書を出し、終了した。千葉県庁は2000年(平成12年)に策定した市町村合併推進要綱では政令指定都市構想に全く言及しなかったが、2006年(平成18年)に策定した市町村合併構想では、枠組みこそ決めなかったが「合併による政令指定都市移行でステップアップを目指すべき地域」とした。
2015年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、2.46%増の413,954人であり、増減率は千葉県下54市町村中5位、60行政区域中7位。
2020年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、3.04%増の426,552人であり、増減率は千葉県下54市町村中12位、60行政区域中13位。
グラフ・統計
柏市では、一部の全域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。
特記なき場合「歴代市長の一覧」による。
厚生労働省
法務省
国土交通省
財務省
文部科学省
防衛省
独立行政法人
千葉県
特殊法人
夕刻に防災行政無線で児童の帰宅を促す放送(「夕焼け小焼け」のイントロ)を流しているが、柏市内では「パンザマスト」という呼称で親しまれている。柏市内の小・中学校で「パンザマストが鳴ったら帰宅」するよう指導するほか、市の広報でも以前は「パンザマスト(防災行政無線)」と記載していた。ただし「パンザマスト」とは本来、防災行政無線機などを設置する柱のことであり、日鉄建材が商標登録している名称である。
警察
消防
柏の葉地区には、東大柏ベンチャープラザ、東葛テクノプラザといった先端産業のためのインキュベーター施設があり、ベンチャー企業の育成が行われている。また、柏の葉キャンパスシティとして、公民学の連携で新しい都市づくりが三井不動産の主導により進められている。このユニークなプロジェクトは、2008年に千葉県、柏市、東京大学、千葉大学により発表された柏の葉国際キャンパスタウン構想で構成されている。 一つは、スマートシティ構想で、ITにより社会インフラを管理する環境型都市づくり。太陽光発電やスマートグリッドを設置し、次世代環境都市を目指す。 もう一つは、公民学の連携による新たなイノベーションを生みだす国際学術研究都市の創設が目標。UDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)をプロジェクトの中心とする実際の街を使ったフィールドテストを段階的に実施中である。柏市、三井不動産株式会社、柏の葉アーバンデザインセンターが幹事を務める「柏の葉スマートシティコンソーシアム」が、国土交通省のスマートシティモデル事業の先行モデルプロジェクトに選定された。
市北部に十余二工業団地、東部に根戸工業団地、中部に柏三勢工業団地、柏機械金属工業団地があり、根戸工業団地内には伊藤ハム東京工場、イチカワ(旧:市川毛織)柏工場がある。市南部増尾地区にはニッカウヰスキー柏工場がある。
農業ではカブ、ネギ、ホウレンソウなどの野菜栽培が盛んで、1975年(昭和50年)ごろに日本で初めて中国野菜チンゲンサイ、ザーサイが栽培された。チンゲンサイは老舗中華料理店の知味斎が種を日本に持ち込み、地元農家の西川述夫氏らと栽培法を確立した。
農業協同組合
※かつては、テレビショッピングで有名だった二光(現:西友リテールサポート)も柏に本社があったが、2008年(平成20年)に東京都品川区に移転している。
※かつてはそごう柏店もあったが、2016年9月30日に閉店。跡地は三井不動産により、解体し、土地を売却することも含めて方向性を協議したいとの表明があった。
南柏駅前の主な大規模商業施設
郊外の主な大規模商業施設
柏市に本店・支店を置く金融機関一覧(店名省略)。
日本国外
日本国内
市内には、34地区に地区計画が指定されている。
住宅地
文化施設
郵便番号は以下が該当する。2集配局が集配を担当する。
通信
二次医療圏(二次保健医療圏)としては東葛北部医療圏(管轄区域:鎌ヶ谷市を除く東葛地域)である。三次医療圏は千葉県医療圏(管轄区域:千葉県全域)。
医療提供施設は特筆性の高いもののみを記載する。
保健施設
2020年より、小学校でのプログラミング教育が必須化されることが決まっている。それに先駆け、2017年より、千葉県柏市にある全ての小学校(42校)でプログラミング教育が実施されることになった。1年生ではコンピュータの初歩、3年生ではローマ字入力の教育を行っているが、4年生になると全員を対象に、週2時間のプログラミング教育を実施している。なお、柏市は従前よりプログラミング関連の教育を行っており、既に1987年には田中北小学校などで、BASICの教育が行われていた歴史がある。
これらの教育成果を発揮する場として、柏市教育委員会協力のもとで「GPリーグ」が発足。3人の小学生がチームを組み、プログラミングの知識と技とチームワークを競い合う場として行われることになった。千葉テレビ放送(チバテレ)およびフジテレビKIDSの共同制作により、GP LEAGUE プログラミングコロシアムが、柏市内にあるモラージュ柏で開催の「GPリーグ」の模様を何週かに分けて放送されていた。
※そのほか、キャンパスではないが、柏の葉スマートシティ内に研究者や同窓会の拠点としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLAジャパンセンターがある。
公立
私立
県立
市立
私立
市立
スポーツ施設
柏を本拠地とするチーム
その他、JR東日本硬式野球部は野球場を含めた新練習場を、プロバスケットB.リーグのサンロッカーズ渋谷は練習ホームコートを市内(日立台にある日立製作所が所有する体育館、三協フロンテア柏スタジアムの隣)に置く。ジャパンラグビーのリーグワンの1部リーグ所属のNECグリーンロケッツ東葛は柏の葉公園総合競技場をホームスタジアムとしている。
過去に柏を本拠地としていたチーム
マスコット
ご当地アイドル
柏駅前のダブルデッキ(主に旧そごう本館前)での路上ライブや文化施設ではアミュゼ柏、柏市民文化会館でのコンサートが行われている。
旧柏市域の市外局番は04716(市内局番なし)となっていたが、1964年(昭和39年)7月26日より、0471(市内局番は67)に変更。2002年(平成14年)2月11日には、柏市を含めた0471区域(柏MA)の市内局番の不足に伴い、04(市内局番は71XX)に変更された。旧沼南町も同様に04となったが、高柳新田・しいの木台の一部は047となっている。これは当該地区が隣接する松戸市と同じ市川MAに含まれ、同MAが1997年(平成9年)1月1日に0473から047に変更されたためである。
収容局は以下の6ビルが該当し、市内局番は以下の通り。
下記地域は柏市外の収容局が管轄となる(特記以外は柏MA)。
自衛隊施設
近隣の空港
旅客空港は、千葉県成田市の成田国際空港(成田空港)および東京都大田区の東京国際空港(羽田空港)が最寄りとなり、約30 - 40キロメートル圏内の距離に位置する。
東日本旅客鉄道(JR東日本)、東武鉄道、首都圏新都市鉄道の駅が設置されている。柏駅はJR東日本の乗車人員ランキング上位100位内(第27位)にランクインする。また、特急「ときわ」全列車、特急「ひたち」の一部列車、臨時特急「踊り子」が停車する。
北総鉄道北総線・京成成田空港線は新鎌ヶ谷駅 - 西白井駅間で旧沼南町の市域を通るが、駅は設置されていない。また、流山市と接する地域では流山市にある東武野田線(東武アーバンパークライン)流山おおたかの森駅・初石駅・江戸川台駅、南部の松戸市と接する地域では松戸市にある新京成線常盤平駅・五香駅なども利用できる。
東日本旅客鉄道(JR東日本)
東武鉄道
首都圏新都市鉄道
中心となるバス停:柏駅バスターミナル(東口・西口)
路線バス
東武バスセントラルが市内全域に、阪東自動車が東部を中心に路線バスを運行する。また市域の一部をちばレインボーバス、松戸新京成バスの路線が発着し、京成バスが後述するコミュニティバスを運行している。
高速バス
コミュニティバス
常磐自動車道が市の北部を南北方向に通り、柏ICで国道16号と交差する。JR常磐線に沿って国道6号が通り、市の中東部から北部を通る国道16号と呼塚交差点で交差する。この呼塚交差点は6号線が上を通る立体交差になっており、渋滞情報がしばしば報道されるため、美女木ジャンクション、穴川インターチェンジと並んで渋滞の名所となっている。また、千葉県道8号船橋我孫子線には道の駅しょうなんが置かれている。
高速道路
一般国道
国道294号が起点(呼塚交差点=国道6号上、国道16号交点)となっている
手賀沼の水上に遊覧船が運行されている。ただし定期便ではないため運行期間と運行状況の確認が必要である。道の駅しょうなんと手賀沼フィッシングセンターに遊覧船発着場があり、この二つの発着場を結ぶ。
柏駅周辺はストリートミュージシャンが多く、連日多くの若者が集まり、若者層をターゲットとした商店も多い。このため「東の渋谷」と表されることもあり、特に柏駅東口側(柏神社・柏郵便局付近)は個人商店が多く、裏原宿のようになっていることから、それに倣って「裏かしわ(通称:裏カシ)」などと呼ばれることもある。
温泉
国・県指定および国登録文化財一覧。
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