『兎-野性の闘牌-』(うさぎ やせいのとうはい)は、伊藤誠による日本の麻雀漫画である。アーケード、家庭用ゲーム、パチスロ化もされており、本編同様高い人気を誇る。Vシネマと映画で2回実写化された。話数は『Cage.○』。
1996年に『近代麻雀オリジナル』にて連載開始。2001年からは近代麻雀オリジナル増刊の季刊誌『WINNING』に連載を移動するが、2002年には『近代麻雀』に連載を移動。美麗な絵と、超能力じみた特殊能力を持った個性的なキャラクターが人気となる。しかし、作者の筆が遅いために掲載ペースは年に数回で、2005年11月15日号以来1年以上掲載されていなかった。『近代麻雀オリジナル』2007年1月号から『兎-裏社会血闘編-』と題して連載が再開された後はしばしば休載を挟むも、2017年6月15日号をもって21年の連載に幕を閉じた。2017年7月時点で累計発行部数は300万部を突破している。
2004年にはイラスト集『ビジュアルファンブック』も刊行されている。
スピンオフ作品として、『シャモア』(作画:渋沢サツキ)、『ユキヒョウ-白銀の闘牌-』(作画:あしか望)、『カナ-丹花の闘牌-』(作画:あしか望)が存在する。
いじめられっこの高校生・武田俊が高校生代打ち集団ZOOに入り、麻雀を通して成長していく。
ZOOのメンバー(団員)はそれぞれの打ち手が、天性の能力や独特の打ち筋を持っており、それらを駆使して麻雀を戦い抜くのが特徴。
危険察知の能力を持つ俊は、同じ高校に通うZOOの一員である山口愛にその能力を見出され、渋るZOOのリーダー風間巌をよそに、入園試験をクリアしメンバー入りする。ZOOは、同じテリトリーで代打ちをしている広域指定暴力団山城組の代打ち集団から仕事を奪いつつあった。それが不服だった代打ち集団のリーダー仙道真澄は愛に罠をかける。
「勝った方が山城組の代打ちの仕事を総取りする。負けた方は解散」という条件で、山城組の代打ち集団と全面対決を行う。代打ち側からは風間の師匠の新庄直樹、新たに代打ちに加わった柏木成俊らが参戦しZOOは苦戦を強いられる。準決勝では新庄を抑えるために自分の勝利を犠牲にした風間が敗退、決勝では武田・愛組が仙道・柏木組を下しZOOの存続が決まる。
ZOOに敗れた新庄は現役復帰を宣言し、山城組からの組抜けのための「山城麻雀」に挑むが、山城雷蔵らに敗北し処刑されてしまう。新庄の娘・香那はその仇を討つべくZOOのメンバーを選別し、巌以下8名に仙道、柏木を加えたメンバーで山城麻雀に挑戦する。ZOOのメンバーは4つめの関門までなんとかクリアし、最後の関門では武田・柏木組が山城側の打ち手として登場してきた風間巌・優の兄弟組と対決する。山が読める優の能力で半荘1回勝負に持ち込まれた末に、武田のサシコミで柏木が逆転勝利を収める。本来のルールであれば最下位の武田が処刑されるはずだったが、巌が混乱に乗じて山城会長を拉致したため有耶無耶になり、結果武田も生き残る。
巌が行方不明になった後、仙道の指揮のもとで存続していたZOOの代打ちの拠点が、謎の外国人代打ちの集団によって奪われるという事態が起こる。残り7都県にまで追い詰められたときに「D・Dとゆかいな仲間たち(D・D軍)」と称するグループより「七夕の日に7箇所同時開催の代打ち勝負を行い、負け越したらZOOは消滅」という条件で、強制的に勝負させられる。仙道、香那と優が加わった14人のメンバーで参戦するが、武田・こずえペアを除き全敗しZOOの解散が決定すると同時に、D・D軍が武田の身内だということが明かされる。
ZOO解散の責任を感じていた武田は、D・D軍を敵に回して戦っている存在を知り、自らも対局に強引に割り込んで次々とD・D軍のメンバーを破っていく。D・D軍に勝ち進むうちに、D・D軍を打ち破っていた打ち手が巌であることを知り、共闘後ZOOへ呼び戻した。巌が復帰したZOOのメンバーのところへD・D軍より「招待状」が届くと同時に様々な形で襲撃を受ける。招待を受けることを決意したメンバーは、巌・仙道の特訓を受けて2人の実力を超える。「勝てばZOOを七夕祭り以前に戻す。負けたらメンバーの生殺与奪権の行使」という条件の決戦に挑むメンバーはD・D軍によりヘリコプターで離島に搬送され、決戦が開始される。
ZOO同士での潰し合いである予選を経て、本戦、決勝と対局が進む一方で、ケイト・キャンベルが島にいる全員を殺害するべく暴走状態になる。「何人にも対局を止めさせない」と意を決した加藤優子は、自らリミッターを解除しケイトと激しい格闘戦を繰り広げる。これをきっかけに、敗退したZOOメンバーとD・D軍との間で同時多発的に格闘戦が勃発し、対局室を除いた島中が大混乱となる。結局、格闘戦と、並行して行われていた対局の双方でZOO側が勝利し、メンバーは全員無事に帰還を果たす。
ただし、アーケード版ゲームでは東風戦となっている。
ZOOメンバーが参加(複数名での挑戦)した際のルール・取り決めは以下の通り。
D・D軍が用意した離島内にある対局室で行われた。
豪運とは、作者伊藤誠の造語。風間巌や仙道真澄などが持つ。D・Dによると大きく分けて5種類ある。
上記5タイプとは別種の能力として運気支配がある。運の吸収・放出を操る才能を持つ者のこと。
PlayStation 2用ソフト
『兎 USAGI 〜野性の闘牌〜』(1998年製作、ミュージアム発売)
『真・兎 野性の闘牌』(2013年7月6日公開、ソリッドフィーチャー配給)
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