『コードギアス 反逆のルルーシュ』(コードギアス はんぎゃくのルルーシュ、CODE GEASS Lelouch of the Rebellion)は、サンライズ制作の日本のSFロボットアニメ。
2006年10月より毎日放送ほか10局で放送され、2007年9月以降TBS系列16局の放送で、地上波26局のネットとなり(#放送局を参照)、BS-iでも放送された。
そして、2008年4月より続編となる『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(コードギアス はんぎゃくのルルーシュ アールツー、CODE GEASS Lelouch of the Rebellion R2)が毎日放送製作・TBS系列日曜夕方5時枠にて全国ネットで放送された。
現実とは異なる歴史を辿った架空の世界において、世界の3分の1を支配する超大国「神聖ブリタニア帝国」に対し、一人の少年が野望を抱き戦いを起こす物語である。舞台は、神聖ブリタニア帝国の植民地とされ、呼称が「日本」から「エリア11」に、「日本人」から「イレヴン」と変わった近未来の日本となっている。
主人公であるルルーシュは、殺された母の復讐と妹の未来のため、いかなる手段を使っても帝国への反逆を遂行する。これまでのアニメ作品ではあまり無い、主人公の立ち位置が悪役側となるアンチヒーローであり、その敵役となるのは「正しい力でもって中から帝国を変えたい」とブリタニア軍に所属する、ルルーシュの親友である枢木スザクである。
主人公と敵役の信念や戦い方がよくある物語の構造と逆転しており、悪役側に立つルルーシュ視点から世界を見ることで、単純な正義と悪の話ではないことが分かる。
ロボットアクション以外にも、政治ドラマや学園物の要素を取り込んでいるのが特徴だが、それらの要素はあくまでエンターテイメントとして取り入れているだけとしており、ジャンルはピカレスクロマンと定義している。
ガンダム、トランスフォーマー、エヴァンゲリオンなど、それぞれの世代で革新的な設定であったロボットアニメ作品に続く、新たな世代のロボットアニメーションとして、ロボット、学園、神秘、超能力など、さまざまなジャンルを併せ持つ作品としても知られている。
当初は『土6』枠で放送する構想であり、2005年春ごろに毎日放送へ企画が持ち込まれたが、当時の土6枠は次期作品が既に決定していたという事情により断念している。
PR特番として2006年9月29日深夜以降に、土田晃之を司会に迎えて『コードギアス 緊急ナビニュース』(TBS系列)を放送(DVD第1巻に一部が収録される)。
第1期は2006年10月から2007年3月まで全10局体制で放送され、第23話で一旦終了。第24話と第25話は2007年夏に各地で放送が実施された後、第1期終了直前に続編の制作が発表された。最終2話を後日放送とした背景には、制作現場の混乱があったとプロデューサーの河口佳高は語っている。
2007年9月以降は山陰放送(BSS)・長崎放送(NBC)を除くTBS系列局16局およびTBS系列BS放送局であるBS-iでも放送。MBSでは2007年10月27日から2008年3月22日まで土曜17時30分枠、2008年3月29日・4月5日に『アニメシャワー』枠にて再放送。
2008年春からはカートゥーンネットワークのアダルトスイム枠で放送された(2007年12月に開催されたニューヨーク・アニメ・フェスティバルにおいて発表)。
続編『コードギアス 反逆のルルーシュR2』は2008年1月に正式に放送予定などが発表された。TBS系列全国ネットの日曜夕方5時枠にて2008年4月6日から9月28日まで全25話を放送。全国ネット枠への転換にあたっては「ルルーシュというキャラクターはチャレンジャーだから面白い」「(当初構想を破棄して)もう一度、主人公が力を取り戻すところからスタートした」と河口は語っている。
2008年6月1日に『アキバで対決!コ―ドギアス祭』として、有野晋哉を司会に特別番組が放送された。
2022年4月1日から同月25日まで、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」と本作品とのコラボイベントが開催されている。このコラボでは、AqoursのコラボUR部員が登場しているほか、本作品の主題歌も配信されるライブアリーナが開催されている。
皇暦2010年8月10日 、世界唯一の超大国神聖ブリタニア帝国は日本と地下資源サクラダイトを巡って対立し宣戦布告、日本に侵攻した。日本は占領され、ブリタニアによって「エリア11」と呼称される。日本人は「イレヴン」と蔑まれ、自由を奪われブリタニアの総督により支配された。ブリタニアは「ナイトメアフレーム」と呼ばれる人型兵器により世界の3分の1を支配下に収めた。
日本侵攻から7年後、日本に住むブリタニア人の少年・ルルーシュ・ランペルージは、謎の少女C.C.(シーツー)から、他人に自分の命令を強制出来る絶対遵守の力「ギアス」を授けられる。ルルーシュは暗殺された母親の仇をとり、妹のナナリーが安心して暮らせる場所を作るため、仮面で素顔を隠して「ゼロ」と名乗り、レジスタンス組織「黒の騎士団」を結成、ブリタニア帝国に対して戦いを挑む。
ルルーシュの前に立ちはだかるのは、皇女コーネリア率いるブリタニア軍、そして最新鋭のナイトメアフレーム『ランスロット』を駆る幼馴染の枢木スザクだった。黒の騎士団は、ルルーシュの知略とギアスの力、日本の反帝国ゲリラやその支援者たちの協力を得て、次第にその勢力を拡大させていく。
コーネリアの妹ユーフェミアはスザクを選任騎士に任命し、富士エリア一帯に「行政特区日本」を設立することを宣言、ゼロに和解を呼びかける。開設記念式典の日、ルルーシュはユーフェミアとの密談で協力に応じるも、ギアスの暴走でユーフェミアは日本人の大量虐殺を始める。ルルーシュはやむなくユーフェミアを討ち、「合衆国日本」の設立を宣言。
各地で決起した暴徒と黒の騎士団を率いたゼロは、トウキョウ租界に進軍する「ブラックリベリオン」を引き起こす。しかし謎の少年V.V.(ヴイツー)がナナリーを連れ去る。ルルーシュはナナリーを探して神根島に向かい、指揮官を失った黒の騎士団は総崩れとなる。ルルーシュは神根島の遺跡で、後を追ってきたスザクに素顔とギアスの秘密を暴かれる。ルルーシュはナナリーを探すため共闘を呼び掛けるが、スザクはこれを拒否。逆上した二人は、お互いに銃口を向け撃ち合う。
ブラックリベリオンから一年たった日本。「黒の騎士団」の団員たちは捕縛され、ゼロは処刑されたことになっていた。
ルルーシュ・ランペルージは弟のロロ・ランペルージと平和な学生生活を送っていたが、賭けチェスで訪れたバベルタワーで、黒の騎士団の残党に襲撃され、C.C.(シーツー)と再会、自分がゼロであることを思い出す。神根島でスザクに拘束されたルルーシュは、皇帝シャルル・ジ・ブリタニアのギアスでナナリーやギアスの記憶を改ざんされ、偽りの弟ロロと暮らしていたのだった。
記憶を取り戻したルルーシュはゼロとして復活し、中華連邦総領事館から「合衆国日本」の建国と、打倒ブリタニアを再び宣言し、囚われていた黒の騎士団のメンバーたちを救い出す。スザクは皇帝直属部隊ナイトオブラウンズに任命され、復学。ナナリーはエリア11新総督として来日し、再び「行政特区日本」の設立を呼び掛ける。ゼロと黒の騎士団は中華連邦に亡命、武官黎星刻と協力し国内の政情不安を平定。さらにV.V.(ヴイツー)率いるギアス嚮団を殲滅する。
ゼロと黒の騎士団は各国と連携して「超合集国」を設立。決議に基づき、黒の騎士団は「第二次東京決戦」に突入するが、スザクが放った大量破壊兵器・フレイヤでトウキョウ租界は壊滅状態となる。ブリタニア第二皇子シュナイゼルは黒の騎士団に休戦を申し込むとともにゼロの正体とギアスの秘密を伝え、これによりルルーシュは弾劾され失脚。ロロの命と引き換えにルルーシュは辛くも脱出する。
その後、単身シャルルと決着をつけるべく思考エレベーターに赴き、亡くなった母・マリアンヌと邂逅。シャルルとマリアンヌは世界を作り替える「ラグナレクの接続」計画を遂行しようとしたが、ルルーシュは「それでも明日が欲しい」と集合無意識にギアスをかけ、二人を消滅させる。
1か月後、ブリタニアにスザクを連れたルルーシュが現れ、皇族・貴族たちにギアスをかけて皇帝即位を宣言、スザクをナイトオブゼロに任命する。シュナイゼル率いるブリタニア帝国残党軍や黒の騎士団との激しい戦いを征したルルーシュは、世界を統べる独裁者となって君臨することになる。
それから2か月後、日本で行われたルルーシュのパレードに「ゼロ」が現れ、ルルーシュを刺殺する。それは世界の憎しみを集めたルルーシュが、ゼロに成り代わったスザクに殺される計画「ゼロレクイエム」だった。人々は独裁者の死に歓喜し、世界に平和が訪れた。
本作品の世界では、現実の世界とは大幅に異なる歴史および技術発展を歩んでいる。
などが、大きな違いとして挙げられる。
また、社会描写面では、史実において民主制は競争原理・市場経済を促し専制君主制や貴族階級制度は競争原理と相反するものだが、皇歴世界はそれと全く正反対で、民主制が競争原理を滞らせ専制君主制や階級差別が競争原理を促すことになっている。純粋なブリタニア人の血筋ではないため、騎士候の地位を得ることで家の格の向上を目指していたヴィレッタの例などもあり、人種による格差もそれなりにあると思われる。
神聖ブリタニア帝国の支配下である租界を含むエリアにおいては、英語が使用されており、登場する人物の会話はほぼ英語で行われている。
ただし、イレヴンの間では日本語も使用されている。黒の騎士団内部でも同様(黒の騎士団再編時の組織図など)。また、R2ではナナリーによる行政特区日本設立に際して日本語で書かれたPRポスターが配布されている。
C.C.やV.V.のような不老不死のコードを持つ者の手で発現する、「王の力」と呼ばれる他者の思考に干渉する特殊能力。名前は「強制」「誓約」の意味。その本質は個々の能力者が持つ素質や願望そのものであり、それらがコードを持つ者によって特殊能力として発現したもの。そのため能力の詳細は人によってそれぞれ異なる。能力発動の際は能力者の片目に、「赤い鳥のような紋様」が浮かび上がる。命令型の場合、かけた本人が能力を失った状態でも効果は続き、ギアスの有効期間は寧ろ無いに等しい。また、『コードギアス 亡国のアキト』では、時空の管理者と呼ばれるC.C.やV.V.より上位の存在が登場しており、ギアスを歪んだ形で発現・悪用するシン・ヒュウガ・シャイングの抹殺をジィーン・スマイラスに命じている。
ギアス能力者に対しても使用は可能だが、コード所有者には不可能。能力を使用し続けるに従ってその力は増大していき、能力者がその力に負けてしまった場合は増大したギアスを制御しきれなくなっていく。しかしギアスを一定以上に増幅させた者はギアスを失うかわりに、不老不死のコードを持つ者からコードを奪い取ることが可能となる。
アニメとは全く異なる展開のアナザーストーリーである漫画版「ナイトメア・オブ・ナナリー」では以下の他にもギアス能力者が存在している。ただし、この作品中ではギアスの位置づけが多少異なる。詳細はナイトメア・オブ・ナナリーを参照。またニンテンドーDSのゲーム版とPlayStation 2・PlayStation Portableのゲーム版『LOST COLORS』にもオリジナルのギアス能力者が登場する。詳細はLOST COLORSを参照。
なお、各ギアス発動時や継続時に虹彩周辺で赤い輪郭が浮かび上がったり、放射状に円形の結界らしいものが展開しているが、これらは映像効果上の観点であり、実際には誰にも見えていない。
この他、オーストラリアが名称のみ作中登場する。
2007年9月以降に放送を開始した地上波追加放送局およびBS-i・BS11では8.5話と17.5話は未放送。
テレビシリーズのDVDとBlu-ray Discの累計出荷枚数は、2010年4月22日時点で発売された全巻で170万枚を超えている。
第2期・第1巻の『コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01』は、2008年9月1日付のランキングにて、初の同一アニメ作品のDVD・BD両メディアダブル首位となった。
ドラマCDについてはコードギアスを参照。
1期と『R2』をベースにしつつ、全セリフを新規アフレコし、『R2』の「先の時代の物語」に繋げる形に再構成される劇場版総集編。主要キャストは基本的にテレビシリーズと同じ声優がキャスティングされているが、逝去した人物や当時子役を配役していたキャラクターについては新たな声優に変わっている。
第1作目『コードギアス 反逆のルルーシュ I 興道』(コードギアス はんぎゃくのルルーシュ 第1部 こうどう)は2017年10月21日より全国79館でロードショー公開(以下、タイトルの読み「コードギアス はんぎゃくのルルーシュ」部分は省略)。
第2作目『コードギアス 反逆のルルーシュ II 叛道』(第2部 はんどう)は2018年2月10日に公開。
3部作完結篇『コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道』(第3部 おうどう)は2018年5月26日に公開。
原作アニメにあたるテレビシリーズ本編(テレビ版)との変更点や追加描写は以下の通り。
(出典)
以下、第2部より出演する主なキャスト
(出典)
2019年2月9日に全国約120劇場で公開された。テレビ版の続編ではなく、劇場版3部作の続編に当たる内容となっている。
ゼロレクイエムから1年後、光和2年。世界は再編成された超合集国を中心にまとまり、平和な日々を謳歌していた。しかし、仮面の男ゼロとして、ナナリーの難民キャンプ慰問に同行したスザクは、シャリオ国王率いるジルクスタン王国が仕掛けた罠に敗れ、二人は連れ去られてしまう。
シュナイゼルから「ハシュベスの戸惑い」と呼ばれるナナリー拉致事件の偵察任務を受けたカレン、ロイド、咲世子は潜入したジルクスタン王国で「敵と味方の認識を入れ替える」ギアス能力を有する暗殺部隊の隊長クジャパットに襲われる。カレンにギアスを使い咲世子との同士討ちを狙うが、元嚮主様と呼ばれるC.C.が介入したことにより撤退。C.C.に協力することにしたカレンとロイドと咲世子は、Cの世界へアクセス出来る遺跡、アラムの門がある嘆きの大監獄へと向かう。
C.C.はルルーシュとの「約束」を信じて、シャーリーとジェレミアに協力を仰ぎ、シャルルからコードを受け継いだ可能性があるルルーシュの遺体を回収して貰っていた。ルルーシュが集合無意識にかけたギアスの影響で『Cの世界』の理が乱れ、不完全に継承していたコードにより身体は蘇ったものの、心をCの世界に置いたままの虚ろな形で蘇生されてしまう。C.C.はルルーシュの精神を再構築しようとCの世界へのアクセスを試みたが、自由に入ることは出来なくなっていた。
ルルーシュの心を取り戻すべく、C.C.は肉体だけの虚ろな彼の世話をしながら『Cの世界』へアクセス出来る遺跡を巡り、世界中を旅した末にジルクスタン王国を訪れる。そこで偶然再会したカレン達の協力を得て、アラムの門へと辿り着く。
『Cの世界』へ入ったC.C.が見たものは、どこにも行けない人々の意識と、障壁となりルルーシュの魂を引き留めるシャルルの「欲望の残滓」だった。 残ったルルーシュの意識も集合無意識に呑み込まれかけるが、かつて自分に寄り添ってくれた人々の魂に助けられ、コードとギアス両方を保持した状態で復活した。
監督の谷口悟郎は、オープニング歌である家入レオの「この世界で」はC.C.の心情を表しており、そしてエンディング歌のUNIONEの「リバイブ」はそれに対するルルーシュの返事で、アンサーソングのようになっていると語っている。
(出典)
(出典)
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou