府中市(ふちゅうし)は、広島県の南東部に位置する市であり、備後都市圏を構成する市の一つ。「府中」は国府所在地を表す一般名詞で日本各地にあり、東京都には同一市名の府中市(武蔵府中)が、広島県内にも安芸郡府中町(安芸府中)が存在する。広島県府中市は備後国の府中であり、他の府中と区別するために「備後府中」とも呼ばれることがある。また県内では一般的には「府中市」または「備後府中」と「府中町」または「安芸府中」で呼び分けられている。
盆地を形成する市域を、一級河川芦田川が貫流する。中心市街地は隣接のかつて同じ芦品郡だった福山市新市町とは完全に連続して集積しており、旧上下町地区は離れている。
特に中山間地域では過疎高齢化が急速に進んでおり生活インフラが崩壊した地域も見られる。
府中市の地に、大化の改新以後、律令時代に備後国の国府が置かれたとする説がありそれに由来する。
同じ名称の市が複数存在する例は、1955年(昭和30年)1月1日に福島県若松市の改称により若松市が一つになってから、2006年(平成18年)1月1日に福島県伊達市が成立し北海道伊達市と同一市名になるまでのあいだは、府中市が全国で唯一であった。
主な組織 - 2019年(平成31年)4月1日時点
府中市議会の慣例で議長と副議長の任期は2年が通例。
第7代伊藤吉和市長が導入した小中一貫教育を全市で推進しており、学習指導要領に基づく9年間を見通したカリキュラムを編成している。初等・中等教育機関は、小中一体型2学園(府中学園・府中明郷学園)、小中併用型1学園(府南学園)および小中連携型1学園(上下学園)の4学園体制となっている。
1970年代より、同和団体による教育への過剰な干渉が広島県で問題となった。府中市は福山市や芦品郡、世羅郡などとともに、それらの問題が激かった地区である。国会で問題視され文部省による是正措置が行われた後は解消しつつある。
以下は市内の教育機関のリストである。
2023年7月13日現在。
内陸工業都市であり、備後都市圏の一翼を担っている。地場産業としての家具づくりには江戸時代からの伝統があり「府中家具」として知られる。特に府中タンスは桐の高級家具とされている。また、「府中味噌」の産地となっている。他は、リョービ、北川鉄工所、ヒロボーなどが当地を発祥とし当地に本社を置く企業も複数ある。また、青山商事、ハローズ、ジーベックの発祥地であるが、この3社は本社を府中市外に移している。
府中は福山城下郊外の手工業地域であった。特に綿作・加工が盛んで、市村に福山藩の木綿運上所が置かれていた。明治~大正期にかけ、煙草製造業・織物製造業・染料工業および家具製造業が興隆し、内陸工業都市への発展につながった。
製造業が盛んで、特に非鉄金属ダイカスト製品、ミーハナイト鋳鉄製品、府中タンス、ラジコンヘリコプター、プリント配線板用大型真空プレス、テルペン樹脂(接着剤)、桐材取扱等ではシェア全国トップクラスの企業が存在する。また福山市新市町と同様、備後絣から始まる繊維工業も盛んで、ユニフォーム、ワーキング、カジュアルウェアのデザイン開発などを扱う企業も集積している。
明治中期以降、製造が盛んになったタンスなどの指物、琴、下駄などの制作には桐材が利用され、部材を順にとっていく一種のコンビナートが結成された。
JA府中総合病院があったが、JAの経営撤退により2012年より地方独立行政法人府中市病院機構府中市民病院と改称となる。また上下町との合併により、国保上下病院が府中北市民病院に組織変更されているが、医師不足のために単独での診療ができなくなり、府中市民病院と一体で医師の派遣を受けて診療体制を維持している。その府中北市民病院も、精神科の病棟廃止、出産の受け入れ中止、眼科・耳鼻科・小児科・外科・精神科の常勤医の退職など診療体制の縮小が続いている。他にも市内に入院可能な病院が存在するが、2011年に北川病院が組織移譲を経て診療所になるなどして入院可能な施設数も減少している。
内陸部における産業集積地であった府中では、1899年(明治32年)に備後銀行が開業し、芦品郡府中町に本店が置かれた。設立当時の資本金20万円払込準備金5万円のうち半額は上下町側が負担したとされる。その後昭和恐慌の影響を受け、1934年(昭和9年)に藝備銀行(現、広島銀行の前身)に吸収合併され解散した。
高度経済成長期からバブル期、特に1970年中頃から1980年中頃に多くの橋梁が建設された。市内を流れる芦田川には幅の狭い橋や老朽化した橋が多く、特に交通事故の多発する扇橋の架け替え工事は府中南北道路の整備とともに、至急の課題とされている。市内には沈下橋もわずかに残存しているが、2018年(平成30年)西日本豪雨により損壊し通行できなくなった落合大橋と鴫谷橋の2橋について、府中市が2020年度以降撤去する方針を固めた。
日本一の石灯籠のデザインマンホールが府中市により発注された後に反対の声が出て設置中止となった。
芸備線対策協議会、福塩線対策協議会、新見市鉄道利用促進協議会の3者が連携して、芸備線・福塩線全70駅の駅カードを製作された(配布期間:2021年10月から2022年3月)。
駅カード発行記念 スタンプラリー - 開催期間に3エリア以上のシール・スタンプを集め応募すると、抽選で駅カードが収納できる特製カードフォルダをプレゼントされた。
長らく、府中市ではマンホールカードの配布は行われたことはなかったが、令和5年12月15日に「マンホールカード」第21弾として「府中焼き」が配布開始される。配布場所は(一社)府中市観光協会(府中町 キテラス府中)。
市外局番は0847(府中MA:市内局番40 - 69)となっている。同一市外局番の世羅町など(甲山MA:市内局番20 - 39)及び神石高原町(東城MA:市内局番80 - 99)は、MAが異なる(隣接区域)ため、市外局番 (0847) が必要である。
郵便物の集配は、以下の局が行っている。2006年10月16日の再編に伴い、変更された。
五十音順で掲載。
ロケ地
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou