『NIGHT HEAD』(ナイトヘッド)は、1992年10月9日から1993年3月19日まで毎週金曜日0:40 - 1:10(木曜日深夜)に、フジテレビ系で放送されたSF特撮テレビドラマ。全21話。超能力をもつ兄弟(兄・豊川悦司、弟・武田真治)の過酷な運命を描き、カルト的な人気を得た。後に映画、小説、漫画、テレビゲーム、テレビアニメ、舞台などのメディアミックスも制作された。
原案となっているのは、『世にも奇妙な物語』で飯田譲治脚本&演出で放送された「常識酒場」「トラブル・カフェ」である。このときの兄弟を演じているのは、霧原直人に今井雅之、霧原直也に東根作寿英である。「常識酒場」のストーリーは、そのまま第1話に流用された。後に今井雅之は、テレビ番組の好評を受けて製作されたスペシャル番組「NIGHT HEAD THE OTHER SIDE」(後述)で主演の刑事を演じている。
山奥のある研究所に隔離されていた霧原兄弟がそこを飛び出すところから物語は始まる。ストーリーは霧原兄弟を中心に動いていき、二人に対して過酷な運命が次々と襲いかかってくることとなる。最初から最後まで見ると納得できる骨太な構成となっており、超能力用語も多用されている。また番組冒頭の映像ではロンゴロンゴが映し出されるなど、超古代文明や精神世界などの要素などもストーリーに組み込まれている。
超能力ものというのは当時使い古されていた手法で、決してヒットしないだろうと製作者側で言われていたのだが、ワンシーズン終了後、深夜の時間帯にもかかわらず女性層を中心に圧倒的な人気を得た。その理由は、それまでの超能力ものは、超能力を持つことが本人にとって益となるような肯定的な描かれ方をしたものが多かったが、本作品は(当初は)超能力を持つことで人が苦しみ、悲しみ、不幸になるような、否定的な描かれ方をしたところが斬新であり、その逆説的なリアリティの中に精神世界の未来を構想し、最終的に正義を重んじる内容で、兄弟の行為、演出、演技内容が、過去作とはかけ離れた崇高な内容一線を画したことが要因。主演には兄(霧原直人)豊川悦司、弟(霧原直也)武田真治の美男子二人を起用し、どこまでもシリアスに悲劇的に演じさせ多くの視聴者の共感を得た。特に女性層からの支持が得られたことも人気の要因であったとされる。視聴率も良く、その後、映画化やメディアミックス展開されるという社会現象を巻き起こした。
小説では、原作者の飯田によって続編が書かれている。
「NIGHT HEAD」(ナイト・ヘッド)……それは、人間が使用していないとされている脳の容量である70パーセントの部分を指す言葉である。人間が持つ不思議な「力」は、この70パーセントの部分に秘められていると言われる。
サイコキネシスなど攻撃的な超能力を持つ霧原直人、リーディングやヒーリング、予知などの超能力を持つ霧原直也の兄弟は、15年前の幼いころから両親と離れ、人里離れた山の中にある御厨研究所に隔離されていた。研究所は絶大な超能力をもつ岬老人によって結界が張られており、霧原兄弟は脱走しようとしても跳ね返されるばかりであった。
ある日、研究所に張られていた結界が無くなり、兄弟は研究所を脱走することに成功する。しかし彼らの持つ超能力は、外の世界にあふれていた「マイナスのエネルギー」を引き寄せることとなる。二人に降りかかる事件の数々。そんな二人を導くかのように現れる謎の少女、双海翔子。「変革」とは何なのか。そして「ミサキ」とは。
『NIGHT HEAD THE OTHER SIDE』のタイトルで製作されたスペシャル番組。1992年12月24日、1時間枠で放映された。本編のサイドストーリーである。そのため、霧原兄弟はわずかしか出てこない。主人公の刑事を演じているのは、「常識酒場」「トラブル・カフェ」で霧原直人を演じた今井雅之である。
廃ビルで発見された3人の惨殺死体。燃えた跡もあり、一部は炭になっていた。検視の結果、互いに殺し合ったという。妻との不仲に悩む剱木刑事のもとへ、松井刑事が横倉絵里という女性を連れてきた。絵里は透視能力を持つと自称し、現場を見て殺人の状況を言い当て、さらに、真犯人として神津貞男の名前を出す。そして、信用しない剱木に対して、妻との不仲も言い当てるのであった。
超能力など信じない剱木は、絵里を調べるうちに、ある宗教団体に辿り着く。教祖である百目鬼は、かつて御厨と旧ソ連で超能力を研究していた。
『NIGHT HEAD 劇場版』のタイトルで東宝より配給され、1994年11月3日より公開された。上映時間107分。ストーリーはテレビシリーズの完結編となっている。配給収入は1.5億円。
女子高生の天元早紀枝には、自分の感情を周囲の人々に感染させる超能力があった。イジメに悩み、強く自殺を考えた早紀枝は、感染したイジメっ子らを巻き込んで集団自殺を引き起こし、霧原兄弟に救われた。
霧原直人と直也は強い超能力を持ち、閉じ込められていた研究施設から脱出した兄弟だった。兄の直人は、怒りに任せて殺人をも引き起こす破壊の能力を「無意味」だと感じ、弟の直也は、憎しみを知らぬ優し過ぎる性格ゆえに、人々から伝わって来る醜い感情に苦しめられていた。
早紀枝と心で繋がり、助けたいと強く願う直也。だが、早紀枝は晶子の屋敷に収容された。早紀枝の能力によって、全人類の心を思う通りに統一しようと目論む晶子。それは晶子にとって、いつか未来に接触する「宇宙の大きな意識の流れ」との戦いを意味していた。
晶子の部下の三雲と戦う直人。他人の心に入り込む能力者の三雲は、直人の怒りの感情を利用して、弟を含む大量虐殺のイメージの中に直人を閉じ込めた。現実世界では意識不明で昏倒する直人。
動かない直人を隠れ家に残し、一人で早紀枝に会いに行く直也。血まみれの妹・知美を発見して、卒倒する早紀枝。晶子は早紀枝の精神を崩壊させることで超能力を覚醒させる為に、三雲に命じて知美を襲わせたのだ。どうすることも出来ずに、心で兄に助けを求める直也。その感情は兄の心に届き、直人は覚醒した。
無駄だと思った破壊の力も、弟を助ける為に使えば役に立つ。そう悟って三雲を倒す直人。直也は知美を助けたいと強く願い、傷を完全に癒して命を救う力を手に入れた。
自身の強い能力で、来たるべき未来について新たなビジュンを見た晶子は、混乱し、ショックで息を引き取った。晶子の死と同時に、能力を失う早紀枝。だが、早紀枝は直也のことも忘れていた。再び二人きりとなり、旅立つ兄弟。宇宙精神との接触による「変革」は、あした来るわけではないのだ。
ドラマ版のサウンドトラックCDとしてリリースされている。
映画版のサウンドトラックCDとしてリリースされている。
ドラマ、映画版の監督である、飯田譲治本人により執筆された小説。1話完結のオムニバス形式であったドラマ版に比べ、全体として話が繋がる1本の長編物語として形成されている。一部、ドラマでは登場した人物やエピソードが、未登場であるものの、小説という媒体を生かしたより深い心理描写が特徴で、未使用のエピソードもところどころ改変され本編に生かされている。
原作に登場する双海翔子にまつわるサイドストーリー。3Dポリゴン描画のアドベンチャーRPG。月額315円会員のみプレイ可能。アクセスはiMENU>メニューリスト>ゲーム>ミニゲーム>ウリキリアリmobGame
ドラマ終了後に出版された小説を原作とする作品。2006年7月から12月まで放送された。
2021年7月から9月までフジテレビ『+Ultra』枠ほかにて放送された。飯田が原作および構成・脚本を担当しており、2041年を舞台とする新たな物語が描かれる。登場人物には霧原兄弟に加えて、彼らを追い詰める黒木タクヤ・ユウヤの兄弟が新キャラクターとして登場する。
当初、飯田は24話2クールで脚本を書き上げたが、最終的に12話に短縮された。次元移動など過去作よりもSF要素が強くなっている。
部隊全員が能力に目覚めるとされており、正幸の事件をきっかけに能力を発現させた。
政府と戦うレジスタンスで霧原兄弟の両親の工場を拠点にしている。
インターネットではFODにて地上波放送と同時に独占配信される。
2021年4月28日より2022年8月24日まで『ヤンマガWeb』(講談社)にて連載。作画は小川慧。
NIGHT HEAD 2041-THE STAGE-というタイトルで、2022年7月1日から10日まで東京ドームシティ シアターGロッソにて上演。
※一部Wキャスト(☆=TEAM WHITE、★=TEAM BLACK)
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