名張市(なばりし)は、三重県西部、伊賀地方に位置する市である。
伊賀盆地南部に位置し、周囲を山野や赤目四十八滝や香落渓などの渓谷を含めた美しい自然に囲まれ、四季折々の鳥の鳴き声などの自然の音を感じながら暮らすことができる。
名張市は近鉄大阪線の沿線にあり、大阪府諸都市へ約60分の位置に存在する。そのため大阪府のベッドタウンとして発展し、長らく大阪都市圏に包括されていた。また、1980年代前半から名張藤堂家の家紋であった「桔梗」にちなんだ「桔梗が丘」の開発をはじめとした多くの大規模住宅地が造成され人口が急増した。初期に「桔梗が丘」と命名されたことから、その後に開発される住宅地についても「つつじが丘」「梅が丘」「百合が丘」「さつき台」「すずらん台」など、花の名を冠した住宅地が造成されることになった。
しかし、2000年(平成12年)頃以降、より大阪方面へ至近の奈良県香芝市等で住宅開発が進んだほか、都心回帰傾向もあり、世帯・人口ともに減少傾向が継続し、高齢化も進んでいる。その結果、近年の国勢調査では大阪都市圏に含まれなくなっている。
万葉の昔から宿駅として開け、壬申の乱に際して大海人皇子が東国へ逃れる際にも当地を経由した。
墾田永年私財法の施行以降、東大寺の荘園として人口の増加が始まり集落として発達しはじめた。その後自治勢力が武装し「黒田の悪党」と呼ばれ荘園支配から逃れようと地主に対抗したことで中世日本史に名を残す地域である。荘園支配に抵抗してはいたが、実際に東大寺との関係は深く、年中行事であるお水取りでは当地で伐採された木材が使用されるなど名残を残す。しかし、宗教文化が実際にこの地に花開いているわけではなく、華々しく飾られた今風の宗教施設のほかは山村地域に枯れた風景を彩る山寺が散見されるのみとなっている。
悪党は独特の戦闘知識や薬学体系を背景に、後に忍者と呼ばれる存在となる。その中でも伊賀忍者の名前はあまりにも有名であるがゆえに、発祥の地は北に隣接する伊賀市であると誤解を受けているが、実際は伊賀地域全体に広く忍者の生活・活動した跡が見られる。伊賀忍者の技・術・道具などの展示は赤目四十八滝入り口付近にある展示施設にて行われている。
1579年(天正7年)から1581年(天正9年)にかけ、忍者による陰謀が発端となり織田信長親子による伊賀忍者殲滅作戦、天正伊賀の乱が二度にわたって展開され、名張の地は文字通り焦土と化した。現在は「天正乱れ太鼓」などの伝承により当時の様子が物語られている。
現在の街は、伊勢参りの宿場町が原型。明治以降も1922年に伊賀上野駅からの局地的な地方鉄道が通じただけだったが、1930年に参宮急行電鉄(現在の近鉄大阪線)が開通して、大阪方面との交通の便が向上して、発展の礎となる。1954年(昭和29年)3月31日に市制施行。
その後、大阪方面への通勤者のために大規模な団地が形成され、それに呼応するように郊外型の大型商業施設も相次いで開店した。このため、伊賀市(旧上野市)とともに伊賀地方の商業の中心となっている。
3代目市長・富永英輔の金銭問題の反省を受けて、以降の市制は情報の開示を積極的に行っている。
市役所が旧市街地から現在の鴻之台に移転し、それに伴い主要な役所も相次いで旧市街から移転したため、それまで経済の中心地だった旧市街地域は古いたたずまいを残すも経済の中心地たる地位を維持できず、商業地域の中心は国道165号沿線地域および大規模造成地である桔梗が丘へと移り変わって行った。現在、市はこの旧市街区の経済活性化を目標に、文化・観光資源としての利用を検討している。
現伊賀市エリアとの合併賛否を問う住民投票否決により、今後の安定した市制施行のための財源を確保するためあらゆる支出の見直しを市当局は行っている。
任期:2022年4月10日から2026年4月
2023年1月1日現在
※なお、衆議院議員選挙の選挙区は「三重県第2区」、三重県議会議員選挙の選挙区は「名張市選挙区」(定数:2)となっている。
1999年(平成11年)の市制執行45周年記念に制定された。一覧
稲作・ぶどう・いちごなど。ぶどう・いちごは、観光農園として青連寺湖周辺で行われている。京阪神・名古屋方面からの集客もあり。また、水が綺麗で日本酒づくりも行われている。酒蔵複数あり。
関西圏と中京圏の中間にあるという地理的利点を生かして、市内に工業団地が複数造成され(八幡工業団地、蔵持工業団地など)、エナジーウィズ、コクヨ、藤森工業、ノーベル製菓、ニッタ、フジシール、LIXILなどが工場を建設、稼動。
宿場町であったことと、数ある観光資源、自然が残っていることを生かした観光関連業。関西と東海の中間点であることから、関西系(万代、サンディ)、東海系(イオン・マックスバリュ東海、ユニー【アピタ】、ビバホーム)がそれぞれ出店。日清食品のどん兵衛きつねうどん・天ぷらそばの東日本仕様と西日本仕様が同じ市内で買える。同様に、関西限定品と東海限定品が同時に購入可能なことも多い。ソースも関西系のイカリソースと東海系のコーミソースの両方が販売されている。
人口急増が十年以上続いたため、成長市場として国道165号沿線に大店舗の出店を計画する企業があとを絶たない状況が続いているが、人口、および商圏の拡大が昨今伸び止まりの傾向が見られたことや大店舗同士の競争の激化などで人知れず閉店している店舗も数多い。
(2015年3月現在)
市内の公立小中学校では2020年までに全校で小中一貫教育を導入する計画がある。2015年秋より、名張市立南中学校と名張市立つつじが丘小学校をモデル校に指定し、中学校教員が小学校で授業を実施する、中学校の体育祭に小学校5・6年生を参加させるなどの取り組みを行っている。
廃校となった小学校
市の中心となる駅:名張駅
全国紙は、三重県内では名古屋市で発行されたものが販売されているが、名張市では大阪本社(大阪市)で発行されたものが販売されている(伊賀市および熊野市以南も同様)。中部地方のブロック紙である中日新聞も販売されている。またスポーツ新聞も、名古屋市で発行する中日スポーツを除き、大阪版が販売されている。
※産経新聞、伊勢新聞は支局・通信部とも置いていない。
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