『バラエティー生活笑百科』(バラエティーせいかつしょうひゃっか)は、NHK総合テレビジョンで1985年4月6日から2022年4月9日まで、37年間にわたって放送されたNHK大阪放送局制作の法律番組である。
1985年4月6日に放送開始。それまでも事件や事故を弁護士が解説するテレビ番組は存在したが(『テレビ三面記事 ウィークエンダー』(日本テレビ)等)、庶民の日常生活の身近な法的トラブルを扱う番組構成としては、のちの『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)の先駆である。
内容は、法律相談所という設定のセットで、日常生活に関するトラブルの質問を芸人が紹介し、レギュラー出演者の相談員が答え、最後に弁護士が解説を加えるというものである。
収録は原則として隔週月曜日に収録・2本撮りで大阪局のスタジオで行われている(観覧方法については大阪局の公式サイトに記載されている)。かつては、NHK大阪ホールや年に数回程度、地方のホールでの公開録画も行われていた。観覧客は近畿圏在住の高齢層が多く、出演ゲストも演歌歌手や落語家といった人物が多い。また、講談師や音楽家がゲスト出演する場合は、パフォーマンスを披露するコーナーが設けられることがあった。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため2020年3月28日放送分から2022年1月8日放送分まで無観客での収録を実施、このうち2020年5月9日から6月27日放送分までは全メンバーリモートでの放送となった。スタジオ収録再開後は2006年3月25日放送分までと同様に、パネラー配置がゲスト含めた3人並びに変更されており、相談は事前にスタジオ収録した映像を流す形式に変更されていた。その後、2022年1月15日放送分からは少数観客での公開収録を再開し、最終回を含めたラスト2回はNHK大阪ホールで収録を実施した。
放送ライブラリーでは1985年4月6日放送分(第1回)と2013年9月28日放送分(上沼恵美子の卒業回)が公開。
次番組『探検ファクトリー』(中川家司会)は基本的にロケーション番組であるため、1962年の『モダン寄席』を皮切りに足掛け半世紀続いた土曜日の大阪放送局のスタジオから公開生放送(後年は録画)の番組はここでいったん終止符を打った。
元々、この時間帯は1963年度より大阪局制作で『モダン寄席』(1963年度 - 1966年度)・『土曜ひる席』(1967年度 - 1977年度)・『三枝の笑タイム』(1978年度 - 1979年度)・『大阪発ユーモア列車』(1980年度 - 1981年度)・『土曜なにわ亭』(1982年度)と演芸バラエティ番組が放送されていた時間枠である。前身番組は1983年4月から1985年3月まで放送されたトークバラエティ『しゃべくりバラエティー 日本一』。番組のVTR送出は字幕放送を行う関係から東京・渋谷の放送センターからの送出となっていた。また大阪局制作でなおかつ全国放送番組であるため、NHKオンデマンドでも見逃し番組サービスとして開始当初から配信されていたが、2012年4月から配信が中止された。その後、2020年3月7日放送分からNHKプラスで同時ネット配信・見逃し配信が行われていた。
2010年4月10日放送分より、地上アナログ放送とNHKワールド・プレミアムでは16:9レターボックス映像に移行した。またこの回から仁鶴・相談員(ゲスト含む)・顧問の席に置かれていたネームプレートが廃止され、出演者の紹介をテロップで行うようになった。さらに、同年4月3日放送分までは漫才に入る前に仁鶴が「まず最初の相談は」(1組目)「続いての相談は」(2組目)と言って漫才の題目・出演者を紹介していたが、この回からは前述の仁鶴の台詞の後、観客席の後方にいるアシスタントが題目と出演者のイラストが描かれたボードを持ちながら紹介する形式に変わった。
仁鶴が高齢になってきた事に伴い、番組開始当初の漫才終了後に法律相談の要点を仁鶴が解説する形も、2012年4月7日放送分より予め別撮りしたイラストで要点を表した物をナレーターが解説する形に、立って行う進行も2014年4月5日放送分よりゲストと一体の机越しに座って行う形に変更された。さらに2016年4月9日放送分からは、かつてレギュラー相談員だった桂南光が「室長補佐」として15年ぶりに番組に復帰し、仁鶴に代わって相談意見の取りまとめをすることとなった。同時にオープニングでの相談員・ゲスト紹介も廃止となり、ゲストはオープニングで自己紹介する形となった。また、アシスタントも廃止され仁鶴が再び漫才の題目・出演者を紹介する形式に変更された。
2008年4月からしばらくの間、原則として毎月最終週に放送していたコーナー。視聴者からの投稿(ホームページ・FAX)により構成されるコーナーであった。このコーナーが放送されるときは、通常の相談は1組のみとなっていた。
2件の別途収録された漫才を流した後に通常の相談とは違って顧問が直接解説を行い、その後に相談員が顧問に対して疑問点を質問する構成となっていた。
2017年5月、放送開始以来32年間欠かさず出演していた仁鶴が初めて休演し、7月に一時的に復帰したものの、8月から病気療養のために再度休演の状態が続き、南光が仁鶴に代わって進行役を務めることも多くなった。
2018年3月1日、新年度となる同年4月7日放送分より仁鶴が「相談室長」のままで、南光が「相談室CEO」に"昇格"することがNHK大阪局から発表された。なお、ここで言う「CEO」とは「ちょっとええ感じのおっさん」の意味であり、本来の「最高経営責任者」の意味ではない。また、NHKによると上述の通り南光の代理が多いことから、番組の顔に相応しい新しい肩書として考えたという。プロデューサーの菅原健一曰く「CEOは昇格としていただいて結構です」としつつも「昇進後の番組で説明し、笑っていただきたい」と話している。これと同時に、不定期で出演していた桜 稲垣早希が「相談室秘書」という名義でレギュラーに起用した。
仁鶴は当番組へ復帰しないまま、2021年8月17日に骨髄異形成症候群で死去した(84歳没)。仁鶴の死去から約1ヶ月後、同年9月11日に仁鶴の追悼特別番組が放送されるとともに仁鶴を「名誉相談室長」として扱うことが発表された(詳細後述)。
そして、2022年春の編成抜本見直しにより、同年3月をもって番組が終了することが一部スポーツ新聞で報じられたが、最終的には同年4月9日放送分で終了することが正式に発表された。最終回の終盤で南光は「『生活笑百科』はご覧いただいた皆様とともに作り上げた番組でございます。これからも世の中をま〜るくおさめていきたいと思います」と視聴者に感謝の言葉を述べ、37年間の幕を降ろした。
後継番組は引き続き大阪局制作により、お笑いコンビ・中川家が司会を務める工場見学エンターテイメント番組『探検ファクトリー』が同年4月16日から開始された。
レギュラー相談員 - 「」の中は紹介時のキャッチフレーズで、2016年4月2日放送分を最後に廃止されている。
上沼の降板後は、みどりが準レギュラーとして月に1〜2回出演し、それ以外の週は複数の女性相談員が入れ替わりで出演する。
過去のレギュラー相談員・その他の特別相談員は以下の通りである。
相談者役の漫才師は吉本興業大阪(2007年10月 - 2019年6月は子会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシー)か松竹芸能に所属で中堅〜ベテランの漫才師の出演が多いが、不定期に若手が出演する場合もある。
漫才で使用されるスタンドマイクはNHKのロゴを付けたものとなっている。
毎週交代で1人が出演する。いずれも大阪弁護士会に登録している。
なお、過去にあった年末特番では、三瀬、野間、近藤の3人が同時出演したこともある。また、地上デジタル放送完全移行1年前となる2010年7月24日に放送された特別編『地デジ笑百科』では、いつもの顧問ではなく特別顧問として渡部晃(わたなべ あきら)弁護士が登場した。そして長年レギュラー放送では三瀬、野間、近藤が登場していたが、野間は2010年10月2日放送分で、三瀬は10月9日放送分で、近藤は11月6日放送分で降板した。2006年4月29日放送分で3人に加えて小島が、さらに2010年8月14日放送分で林が、8月28日放送分で澤が、9月4日放送分で伊藤が初登場している。
2014年4月以降、見解を問う場合は「弁護士の○○さん、どのようにお考えで…」となるが、ポイントを問う場合は「○○先生」と2つの呼称を使用している。2014年3月までは先生呼びは一切行われなかった。
2012年4月7日放送分以前はナレーター不在。
2017年5月6日より「弁護士の-」を当該放送分に出演する弁護士が担当。別撮りで行われ、4組のうちいずれかの芸人が相談内容における法律に関して弁護士により具体的な話を聞く。2021年3月6日より法律用語の具体的な中身を取り上げる「知っ得!?-」を併せて開始し、以降は何れかのコーナーを週替わりで行う。
上述の「弁護士の-」や「知っ得!?-」に併せる形で2021年11月27日より開始。相談内容における法律に関して桃月がその抜け道を探るべく弁護士とやり取りをするコーナー。
上述に併せる形で2021年12月11日より開始。契約に関する相談内容における法律に関してレギュラー弁護士とは別の専門の弁護士とリモートでやり取りをするコーナー。
2016年4月9日放送分からの室長補佐の配置によりアシスタントは廃止された。具体的な解説が必要な場合は、「弁護士の-」の芸人がフリップを手にして表したのを経て、その後はテロップでそれを行っていた。
テーマ曲はキダ・タローの作編曲による。現在流れているテーマ曲は3代目となっている。この曲が使われはじめた初期は、(オープニングに歌われている)歌詞がなくインストゥルメンタルのみであった。2006年4月からエンディングテーマが若干短縮されて、2007年4月からタイトルバックが16:9画面に対応したものにリニューアルしたのと同時にオープニングは3代目の曲のベースに、キーの半音高いヴァージョンになり翌月からはエンディングも同様に変化している。2017年1月28日放送分では、当日が仁鶴の80歳の誕生日であったことから、ゲストの西村由紀江演奏によるピアノバージョンが流れた。最終回の最後には歌詞のついたフルコーラスバージョンが披露された。
以前は宮川泰が担当していた(番組開始初期の宮川泰作曲の本番組テーマ音楽はCD「懐かしのNHKテレビ主題曲集」に収録されている)。
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