鳥取県西部地震(とっとりけんせいぶじしん)は、2000年(平成12年)10月6日13時30分に鳥取県の西部で発生した地震である。地震の規模はマグニチュード7.3で、鳥取県西部で最大震度6強を観測した。地震空白域とされる地域で発生した。
同日、気象庁はこの地震を平成12年(2000年)鳥取県西部地震と命名した。
1996年の震度階級改正以来初めて震度6強を記録した。気象庁マグニチュードが7を超える大地震だったにもかかわらず、何人かは生き埋めとなったが救助され死者は無かった。これは、震源地が山間部であったことや、市街地の一部を除き人口が密集していない地域であったことや、積雪の多い地域のため頑丈な造りの民家が多かったこと、そして地盤が比較的強固であったことも挙げられる。
鳥取県では、この地震の2か月前に震度6強の震災が鳥取県西部で発生することを想定して防災訓練を実施しており、訓練の成果として地震発生から10分後には行政および消防当局が対策を実施することができた。しかし、境港市街の液状化を始め日野町、米子市などで住宅の倒壊、損壊など物理的な被害は顕著であった。なお、震源地が大山にほど近い事もあり大山の噴火も懸念されたが、全く火山活動はなく津波は観測されていない。
発震機構は横ずれ断層型。既知の断層の活動によるものではなく、未確認の地下断層の活動による地震であった。地表には地下の変位に伴い複数の地割れが現れた。
余震域は本震の震源断層に沿って分布し、島根県の安来市から鳥取県の日野郡まで南南東 - 北北西方向に長さ約30 km、深さは約15 kmまでに分布している。
この地震に先行し断層の深部延長線上で1989年、1990年、1997年にはM5程度の群発的地震活動が発生している。本震発生の約12時間前には、震源域でM1.7が観測されている。トレンチ調査により前回の活動は西暦800年 - 1200年であることが判明した。
このほか大阪府(大阪市など)・兵庫県(神戸市・姫路市・豊岡市など)・京都府・山口県・愛媛県(松山市など)・広島県(広島市など)・島根県(隠岐島含む)・鳥取県(鳥取市など)・岡山県・香川県・徳島県・高知県など西日本の広い範囲で震度4を記録した。揺れは東は茨城県鉾田町まで、西は鹿児島市まで伝わった。また、兵庫県では兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)以来初めて震度5弱以上を観測した地震となった。
1980年代末以降、日本海沿岸域の広域で地震活動は静穏化していたが京都府北部から鳥取県西部地域のこの地震の震源域では、M5クラスの地震が数回(1990年、1991年、1997年)発生し1997年は群発地震の様相を呈していた、日本海沿岸の静穏域の中では活発な活動が起こっていた場所である。この様な静穏域中の活動域は、応力の集中しているアスペリティとして注目されていたが、2000年 M7.3 の地震の予見までには至らなかった。
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