大阪難波駅(おおさかなんばえき)は、大阪府大阪市中央区難波四丁目にある、近畿日本鉄道(近鉄)・阪神電気鉄道(阪神)の駅。駅番号は近鉄がA01、阪神がHS 41。
近鉄の難波線と、阪神の阪神なんば線が乗り入れており、それぞれの終点となっているが、両路線は当駅を介して相互直通運転を行っている。両社の共同使用駅であり、近鉄の管轄駅である。難波線は奈良線と一体的な運行形態であるため、旅客案内上は難波線も含めて「奈良線」と呼称される。阪神なんば線については、阪神は自社で線路を保有しない第二種鉄道事業者となっており、線路を保有している第三種鉄道事業者は西大阪高速鉄道である。
1970年に近鉄難波線の「近鉄難波駅」として開業し、2009年に阪神なんば線が当駅に乗り入れるとともに駅名を「大阪難波駅」に名称変更した。大阪・ミナミの玄関口である難波の千日前通の地下に位置しており、南海難波駅やOsaka Metro難波駅、JR難波駅との乗り換え駅である。当駅の周辺には難波や道頓堀、千日前といった大阪・ミナミの繁華街が広がっている。
近鉄奈良線の列車は全て難波線に直通するため奈良線における大阪側の実質的なターミナルとなっており、奈良線方面に直通する列車は特急を含めて全ての種別が発着する。大阪線方面に直通する列車は名古屋・伊勢志摩方面に向かう特急列車のみとなっており、特急以外の列車は2駅隣の大阪上本町駅地上ホームから発着している(一部の伊勢志摩方面の特急も大阪上本町駅を起点としている)。このため、当駅から特急以外で大阪線方面へ行くためには大阪上本町駅 - 布施駅間のいずれかの駅での乗り換えが必要である。
近鉄難波線開業により、近鉄奈良線・大阪線系統のターミナル機能が大阪上本町駅から当駅に大きく移譲された。大阪 - 名古屋間を結ぶ名阪特急は全て当駅を始発としている。1994年から2003年の間は夜間を除き、伊勢志摩方面に向かう大阪線特急は全て大阪上本町駅地上ホームから発着していたが、2003年のダイヤ改正より阪伊特急賢島行き列車の始発駅が難波線を介して一部当駅へと変更され、2004年のダイヤではさらに増発された。現在は多くの阪伊特急が大阪上本町駅ではなく当駅を始発としており、当駅のターミナルとしての役割はますます増加していった。
2009年3月20日、阪神西大阪線が西九条駅から当駅まで延伸開業されるとともに路線名を阪神なんば線に改称し、近鉄奈良線(難波線)と直通運転を開始した。当駅を介して神戸三宮駅 - 近鉄奈良駅間を快速急行が70分台で結んでいる。なお、阪神なんば線の開業後も当駅は近鉄の管轄駅となっている。
「近鉄難波駅」から「大阪難波駅」に駅名改称する前も、近鉄特急においては当駅行きの列車に関しては(名古屋など遠方の駅では)当駅が大阪側のターミナル駅であることを強調するため、「大阪・難波行き」と案内することがあった。これは同じく特急の始発・終着駅である「大阪上本町駅(旧・上本町駅)」でも同様「大阪・上本町行き」であった。上記のような慣例的な呼び名が広く定着していることや、阪神との共同使用駅となることから、直通運転開始に合わせて駅名を「近鉄難波駅」から「大阪難波駅」と改称された。なお、ホームに電車が到着した時などに自動放送される駅名は「大阪難波、難波です」となっている。
阪神では大阪梅田駅(旧・梅田駅)と共に大阪側のターミナルと位置づけているが、大阪梅田駅は旧梅田駅時代から放送上と駅構内案内看板と共に「大阪 梅田」と案内しているのに対し、当駅は放送上は正式駅名の「大阪難波」で、当駅以外の阪神の駅構内案内看板では『難波方面』と表記されている。
2004年まで存在したプロ野球球団の大阪近鉄バファローズの、1997年から最後の年となった2004年までの本拠地大阪ドーム(京セラドーム大阪)には、近鉄の管轄する駅の中では最も近い駅だった。
地下通路を通り、以下の路線との乗り換えが可能である。
なお、近鉄けいはんな線とOsaka Metro中央線の連絡乗車券は、長田駅経由と指定されているため、Osaka Metro難波駅を経由することはできない。
隣の近鉄日本橋駅も地下街「なんばウォーク・虹のまち」で結ばれており、以下の路線とも乗り換え可能。
島式ホーム1面・単式ホーム1面による2面3線の地下駅で、南北に貫くOsaka Metro御堂筋線・四つ橋線の下を通るために、東西に並行する千日前線ホームと同じ地下3階にある。改札口は東西2か所に設けられている。桜川側に引き上げ線が1本あり、近鉄難波線方面からの折り返しに用いられている。
桜川側の引き上げ線は1線だが、当駅発着の列車は多数設定されている。そのため、特急列車はメイン乗り場をホーム前寄り(大阪上本町側)にし、後ろ寄りの空いたスペースに次の列車をいち早く待機させる縦列停車の手法を採ることもある。なお、かつて3本あった引き上げ線のうち2本は、西九条駅から延伸された阪神なんば線に転用されたため、代替として桜川駅のドーム前側に2本の引き上げ線が設置され、回送列車は桜川駅で折り返す形態がとられるようになった。そのため、当駅での乗務員交代は行わず、近鉄の乗務員が桜川駅まで担当する。
ただし一部の当駅発特急列車は近鉄日本橋寄りの渡り線を使用して直接1・2番線に入線する(折り返す前が回送列車の場合のみ)。
自動改札機は全てPiTaPa・ICOCA対応。PiTaPaや相互利用できるIC乗車券を利用する際乗車記録として表示される表示は阪神電鉄線を利用した場合は「阪神 大阪難波」で、近鉄線は「近鉄 大阪難波」となる。
自動券売機は西口には阪神専用の自動定期券発売機も設置されている。なお、自動券売機で近鉄全線・阪神全線(大阪梅田駅を除く)の乗車券、神戸高速線(花隈駅を除く)・山陽電気鉄道・神戸電鉄への連絡乗車券が購入可能なのは当駅のみである。近鉄の特急券、定期券は共に有人窓口および専用の券売機にて即時購入が可能。
自動精算機は当駅設置の阪神専用自動精算機でもICカードが使用できる。
日中時間帯では、毎時00分発の近鉄名古屋行き甲特急「ひのとり」、10時以降の10分発の賢島行き、30分発の近鉄名古屋行き乙特急「アーバンライナー」が発着している。毎時50分台の宇治山田・鳥羽行き乙特急は大阪上本町駅地上ホームからの発着であるが、6時40分発宇治山田行き特急、20時 - 22時の毎時50分には当駅から松阪、名張行きの乙特急が運行している。夕方以降は奈良行き特急が増発され、伊勢志摩方面へも賢島行き特急の代わりに鳥羽・松阪・名張行きの特急が発車することにより、日中時間帯と同様に近鉄名古屋行きの毎時00分発甲特急と30分発乙特急と合わせて、1時間当たり5 - 6本の発車となる。
当駅を境に奈良方面・尼崎方面とも「下り」となる。このため奈良方面から来た列車は上りで、阪神に直通となる列車は下りとなるが、列車番号は隣の桜川駅で変わる。阪神なんば線から来る列車は一部を除いて東花園駅以東へ直通となるが、尼崎方面行きは5時03分当駅始発の一番列車以外は東花園以東からの列車となる。
急行は当駅までの乗り入れとなっており、阪神なんば線方面には設定されていない。
日中は1時間あたり快速急行が3本、急行3本、区間準急3本、普通が6本発着する。そのうち上りは急行と区間準急は当駅で折り返し、下りは急行と半数の普通が当駅始発電車として設定されている。
朝と夕方のラッシュ時は区間準急から準急となり、大半が当駅で折り返す。一部の快速急行が当駅始発電車及び終着として設定されているほか、阪神側からも当駅終着の快速急行が準急、普通に変更して運行する列車や終電帯には当駅終着の普通電車が到着後、回送列車もしくは一晩停泊する電車が設定されている。
近年の1日乗車・乗降人員は下表の通りである。
難波新地(現・中央区難波)の概ね中央、御堂筋と千日前通が交わる難波交差点に近接し、大阪ミナミの繁華街が広がっている。
その他、なんば界隈を発着するバスなどは難波駅 (南海)・大阪シティエアターミナル・JR難波駅を参照。
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