小型船舶操縦士免許(こがたせんぱくそうじゅうしめんきょ)は、日本国内において小型船舶(プレジャーボート、モーターボート、ホバークラフト、エンジン付きヨット、ヨット(総トン数5トン以上)、水上オートバイ、漁船、旅客船(海上タクシー)など)の船長となるために必要な免許。小型船舶操縦士の保有を証明して交付される公文書を小型船舶操縦免許証という。海技士のみを有している者は小型船舶の船長とはなれない。なお小型船舶操縦士での乗船履歴は、六級海技士受験の乗船履歴に算入される。
合格基準は各科目50%以上、総合65%以上である。
1 小型船舶操縦者の心得及び遵守事項 (一級、二級、特殊は12問出題(6問以上合格)、二級(湖川小出力限定)は10問出題(5問以上合格))
- 一級、二級、二級(湖川小出力限定)、特殊は 水上交通の特性、小型船舶操縦者の心得、小型船舶操縦者の遵守事項
2 交通の方法 (一級、二級は14問出題(7問以上合格)、二級(湖川小出力限定)は8問出題(4問以上合格)、特殊は10問出題(5問以上合格)
- 一級、二級は一般海域での交通の方法、港内での交通の方法、特定海域での交通の方法、湖川及び特定水域での交通の方法、二級(湖川小出力限定)、特殊は一般水域での交通の方法、湖川及び特定水域での交通の方法、港内での交通の方法
3 運航 (一級、二級は24問出題(12問以上合格)、二級(湖川小出力限定)は12問出題(6問以上合格)、特殊は18問出題(9問以上合格))
- 一級、二級は操縦一般、航海の基礎、船体、設備及び装備品、機関の取扱い、気象及び海象、荒天時の操縦、事故対策、二級(湖川小出力限定)は操縦一般、航方の基礎知識、点検及び保守、気象及び海象の基礎知識、事故対策、特殊は運航上の注意事項、操縦一般、航海の基礎、点検及び保守、気象及び海象の基礎知識、事故対策
4 上級運航I (一級のみの科目。8問出題(4問以上合格))
- 航海計画、救命設備及び通信設備、気象及び海象、荒天航法及び海難防止
5 上級運航II (一級のみの科目。6問出題(3問以上合格))
- 機関の保守整備、機関故障時の対処
1 小型船舶の取扱い
- 一級、二級は発航前の準備及び点検、解纜(らん。係留を解く)及び係留、結索、方位測定、二級(湖川小出力限定)は発航前の準備及び点検、解纜及び係留、結索、特殊は発航前の準備及び点検、結索
2 操縦 (一級、二級は基本操作と応用操縦に分かれる)
- 基本操作は安全確認(見張り及び機関の状態確認)、発進、直進及び停止、後進、変針、旋回及び連続旋回、応用操縦は回頭(五トン限定無し)、人命救助、避航操船、離岸及び着岸、二級(湖川小出力限定)は安全確認、発進、直進及び停止、変針、旋回、人命救助、離岸及び着岸、特殊は安全確認、発進、直進及び停止、旋回及び連続旋回、危険回避、人命救助
実技試験は一級、二級は総トン数5トン未満、長さ4メートル以上、9メートル未満の滑走型船を、二級(湖川小出力)は推進機関の出力が15kW未満、総トン数5トン未満、長さ3メートル以上、9メートル未満の船外機船を、特殊は定員3名の水上オートバイを用いて行われる。
学科試験のうち「交通の方法」「運航(特殊の「運航」は除く)」「上級運航Ⅰ及びⅡ」が科目免除となる。
学科試験のうち「交通の方法」「運航(特殊の「運航」は除く)」「上級運航Ⅰ」が科目免除となる。
学科試験のうち「上級運航Ⅱ」が科目免除となる。
大きく分けて2つある。ひとつは通称「受験コース」と呼ばれるもので、もうひとつは「教習所コース」と呼ばれるものである。「受験コース」とは、試験機関(一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会)実施の身体検査・学科試験・実技試験を受ける方法のことである。
国土交通省に登録されている登録小型船舶教習所のこと。水産・海洋系高校(約40校)、海上技術学校及び海上技術短期大学校等(約7校)の他、一般財団法人日本船舶職員養成協会を代表に各種民間企業等(約50団体)がある。それらの登録小型船舶教習所に入校(学校においては入学)して、免許取得を目指すコースである。法では小型船舶操縦士養成施設と呼ばれる。
法律に定められたカリキュラムを履修し、国家試験と同じ内容の修了試験に合格すると修了となる。その修了証明書と必要書類を添付して一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会に受検申請を行うと、国家試験のうち、学科試験と実技試験が免除され身体検査のみの受検となる。
各教習所において値段はまちまちである。
1級進級における旧3級、旧4級及び2級所持者は学科教習12時間、実技教習免除、学科試験70分、実技試験免除。
水産・海洋系高校の場合、カリキュラムの中での講習となるため、講習料はかからない。1級または2級および特殊小型船舶操縦士あわせて 法定費用:計約3万円のみ。
ただし水産・海洋系高校の場合、卒業しなければ資格取得できない。1級、2級および特殊のどの登録小型船舶教習所として登録してあるかによって取得できる免許が異なる。なお、1級または2級の登録小型船舶教習所の認定を受けている水産高校では大抵、下の説明にある小型旅客安全講習をカリキュラムの中で講習するため特定操縦免許もついている。
各学校により条件が異なる。
防衛省と海上保安庁では運用する小型船舶を操縦する人員を内部養成している。費用は全て国が負担する。
防衛省では海上自衛隊第1術科学校が教習所の指定を受けており、海上自衛官に対し一級の教育を行っている。
海上保安庁では海上保安大学校と海上保安学校が教習所の指定を受けており、海上保安官に対し教育を行っている。
旅客を運送する小型船舶(旅客船、遊漁船等)の操縦者のために必要な資格。小型旅客安全講習を修了し取得する。
2003年6月1日から海難発生時における措置、救命設備その他の救命に関する講習を受けることが義務付けられている。
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