ウルトラマンの登場怪獣(ウルトラマンのとうじょうかいじゅう)では、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』に登場する架空の怪獣、宇宙人(ウルトラマンを除く)、その他の生物について詳述する。本項において並び順は、登場話数順である。ウルトラシリーズのメディアミックスを含む他作品での再登場についても解説する。
前作『ウルトラQ』での怪獣人気により、各話1体以上の怪獣が登場するようになった。造形面では、前作や東宝特撮からの流用・改造も多いが、次第に独自性を確立し、ウルトラ怪獣の基礎を築いた。
第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場。
「宇宙の平和を乱す、悪魔のような怪獣」として恐れられている狂暴な性質の宇宙怪獣。全身に鱗のような硬い皮膚と毒が含まれた鋭い棘が生え、小さな前肢と長い尾を持ち、2足歩行を行う。青い球体に変身して宇宙空間をマッハ1.3(竜ヶ森上空では約マッハ2)の速度で移動できるほか、水中でも活動できる。40万馬力の力を持つが、両腕が退化していることから接近戦は苦手である。武器は口から吐く青色の熱光線。
ウルトラマンによって宇宙の墓場へ護送される途中で逃走して地球に飛来し、竜ヶ森湖の湖底に潜伏して長旅の疲れを癒していた。科学特捜隊の上空と湖底の両面から攻撃を仕掛けるウルトラ作戦第1号によって水上へいぶり出され、その際にハヤタの乗るS16号も地上に引きずり上げて噛み砕こうとするが、彼の変身したウルトラマンと戦い、最後は青い球体に変身して逃亡を企てたところをスペシウム光線で爆破される。
本編に先立って1966年7月9日に杉並公会堂で開催されたイベント「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」(放映は翌10日)にも登場している。
第2話「侵略者を撃て」に登場。
故郷のバルタン星を狂った科学者が行った核実験によって失い、たまたま宇宙旅行中だったことから難を逃れた20億3千万人の同胞と共に、宇宙船で放浪していた異星人。「宇宙忍者」という異名どおり、多彩かつ特異な能力を持っている種族である。作中世界の火星に存在する架空の物質「スペシウム」を弱点としている。宇宙船内部ではほとんどの乗員がミクロ化されて地球のバクテリア大で眠っており、科特隊と接触することになる1名のみが、人間大のサイズで活動している。地球には重力バランスの狂った宇宙船の修理と欠乏した予備パーツのダイオードの調達のために偶然立ち寄っただけであるが、自分たちの居住できる環境と判明したため、移住を強行しようとする。
武器は両手のハサミから出す、赤色凍結光線と白色破壊光弾。足の内部には、物体を腐らせる液体が入った袋が存在する(設定のみ)。また、防御能力として数多の分身を作ることが可能。空間に姿を映す投影術を使用可能だが、影が攻撃されると影だけでなく本体もダメージを負う。そのほか、地球人の身体に乗り移り、その脳髄を支配して日本語を解するという能力も持つ。
手始めに科学センターに侵入し、緑の光とともに凝固させ、完全に生物の活動を停止させる赤色凍結光線で職員を仮死状態にして占拠する。この時点では地球の言語を理解できなかったため、同じく仮死状態にしたアラシの身体に乗り移ってイデやハヤタと会話し、自分たちの事情を説明した後に地球への移住について交渉する。前述のように最初の攻撃では人間を殺害しておらず、ハヤタから「地球の法律や文化を守るなら移住も不可能ではない」と言われた際には即座に丁寧語で話すなど、当初は地球人を尊重して共生する姿勢も見せていたが、バルタン星人の人口の多さを聞いたイデに難色を示されたうえ、スペシウムが存在する火星への移住をハヤタに提案されたことから、交渉を一方的に打ち切って移住の強行を宣言し、巨大化して侵略破壊活動に移行する。防衛軍の核ミサイル「はげたか」によって一度は倒されるが、すぐに脱皮によって攻撃を無力化して復活する。その後、コンビナートを破壊しながらウルトラマンと空中戦を繰り広げ、左のハサミを損傷させられつつも右のハサミから破壊光弾を発射して反撃するが、最後はスペシウムが含まれたスペシウム光線を浴びせられ、炎上して墜落する。
他のミクロ化したバルタン星人の乗っていた母船は、上空に潜んでいたところをウルトラマンに発見され、宇宙まで運び出された後にスペシウム光線で爆破されたとされている。
第16話「科特隊宇宙へ」に登場。
先にウルトラマンによって壊滅的な被害を受けたが、何とか生き延びた一部のバルタン星人たちは太陽系に存在すると言われているR惑星に移住していた。新たな仮の住まいを見つけたものの、地球侵略とウルトラマンや全人類への復讐の機会をうかがっていた者たちは、地球で毛利博士による人類初の有人金星探査が行われようとしていることを知ると、ロケットで旅立った彼を移動用の宇宙船である発光する青い球体で強制ドッキングして捕らえてボス格が憑依する。バルタン星人たちは科特隊とウルトラマンをおびき寄せた隙に大挙して地球を制圧しようと襲いかかるが、新兵器・マルス133を開発した科特隊とテレポーテーションを使用したウルトラマンにより、その計画は失敗に終わる。
当話においても、特徴として無数の人間大のミニバルタンに分身することが可能であることが描写されている。また、胸部にスペルゲン反射光を装備し、弱点のスペシウム光線を跳ね返すことが可能になった。さらには光波バリヤーを全身に張り巡らせることが可能になり、これによって八つ裂き光輪を防ぐ。武器はハサミから発せられる1000倍にした重力でダメージを与える重力嵐。テレパシーによって思い通りに重力バランスを操ることが可能。その他、分身が手から白色破壊光弾を発射する。
R惑星におけるウルトラマンとの1回目の対戦では、飛行中に放たれたスペシウム光線をスペルゲン反射光で反射して浴びせ、墜落させる。そこに重力嵐を浴びせ、動きを止めたウルトラマンに襲いかかろうと飛翔したところに八つ裂き光輪を受け、縦真っ二つにされる。地球では等身大の14体の分身が群れを成して襲いかかるが、迎撃に出たイデが小型ビートルのフロントグラス越しにマルス133で狙撃し、多数が撃墜される。R惑星からテレポーテーションで地球の羽田空港に戻ったウルトラマンに対し、分身状態から青い球体に吸い込まれて合体巨大化した2回目の対戦では、光波バリヤーにより一度は八つ裂き光輪を防ぐが、ウルトラアイスポットにより光波バリヤーを無力化された後、同じく飛翔したところを八つ裂き光輪で縦真っ二つにされ、寸断された半身はそれぞれスペシウム光線で爆破される。
第33話「禁じられた言葉」に登場。
地球人に対し、自分の力を誇示せんとしたメフィラス星人の手により、威嚇の目的で東京・丸の内の28番街に出現した。特に暴れ回ることはなく、すぐに消え去っている。
第3話「科特隊出撃せよ」に登場。
普段は体全体が透明化および半透明化した状態で眼に見えないが、電気を鼻先の太い一本角と左右に1本ずつある触角で十分に体内に吸収した時だけ姿を現す。透明化は電子イオンの働きによるものかもと、科学特捜隊のフジ隊員に推測されている。最大の武器は回転させた頭部の触角2本を前部に回転させて鼻先の一本角に接触させてスパークさせて発射する電撃であるが、人間のアラシ隊員に対してショックを与える程度の威力しかないため、ウルトラマンに対してはまったく効果がない。劇中の登場人物の会話では、かつて江戸時代に一度
第35話では怪獣墓場に眠っている姿が映っている。
特撮テレビドラマ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第3話「透明怪獣襲撃!」、第7話「怪獣を呼ぶ石」に登場。
第3話では惑星ボリスのテラフォーミング用発電施設を餌場にするが、それだけでは飽き足らずスペースペンドラゴンの電力も吸い取る。透明化してゴモラとの戦いを優勢に進めるが、レイの人間離れした鋭い感覚で位置を突き止められ、ゴモラに振り向きざまの零距離超振動波を叩き込まれて爆死する。
第7話ではブルトンに呼び出された別個体が出現し、肉弾戦のみでゴモラと戦うが、前回のゴモラを苦戦させた個体とは違って散々叩きのめされたうえ、ゴモラがかわしたテレスドンの火炎を受け、爆死する。
『ウルトラマンR/B』第16話「この瞬間が絆」に登場。
美剣サキによって怪獣クリスタルから召喚され、市街地に出現する。ウルトラマンロッソやウルトラマンブルと交戦するが、サキによって一時撤退させられた後、愛染ワンダーランドにて再びサキによって召喚され、ロッソとブルを暴君電撃と電気エネルギーのイオン化作用による透明化能力で追い詰める。アサヒの言葉で奮起したロッソとブルの共同作戦で砂を全身にまとわされて透明化能力を無効化され、最後は彼らが合体変身したウルトラマンルーブのルーブコウリンショットを受け、爆散する。
『ウルトラマンZ』第2話「戦士の心得」に登場。
過去の作品と同様に保護色で周囲の景色を捉えて同化して姿を消し去る能力と角から体内に貯めた高圧電流を放電する暴君電撃を有するほか、透明時に体温をサーモグラフィーでも感知不可なほどに周囲の外気温に同調できる能力が追加されている。
静岡県熱山市に初出現し、セブンガーを透明化能力によって翻弄した末、動力源の電気を吸収して活動停止に追い込む。その後、電気を求めて茨城県筑波にあるクリーンインフィニティ発電所を襲撃し、透明化と暴君電撃によってセブンガーやウルトラマンゼットに対して優位に立ち回る。しかし、ゼットとハルキが視覚に頼らなくなると次第に捕捉されるようになり、さらにセブンガーの電界放出弾によって角の根元と首付近の変圧器官に貯めていた電気を放電させられ、最後はゼットのゼスティウム光線を受けて爆散する。
戦闘後、散らばった破片はストレイジによって回収され、ウインダムの急速充電システムに活用される。
映画『シン・ウルトラマン』に登場。
禍威獣第7号として電気を求めて首都圏郊外の山中に出現し、善和変電所の電気を頭部から捕食してエネルギーを蓄えたことでその姿を現した、透過率ほぼ100パーセント、吸収率・反射率0パーセントの体表組織を形成可能な透明禍威獣。透明状態でもおおよその位置が周囲の粉塵で視認できるほか、形状も赤外線映像で明瞭に確認できる。電気を吸収して可視状態となるが、禍特対の指示によって変電所の送電が断たれたことに怒って電力設備を破壊し、再度透明となって次なる場所へ動き出す。防災庁に「ネロンガ」と命名された後、陸上自衛隊特科大隊に頭部を集中攻撃されたことによって可視化するが、特科大隊のMLRSから発射された誘導弾を角から吸収した電気を用いた放電攻撃で迎撃してすべて撃ち落とし、怒って周辺を無差別放電で壊滅させる。
その後、出現したウルトラマンに電撃を放射するもののまったく効かず、危機を察知して透明になるが、ウルトラマンの発射した光波熱線(スペシウム光線)によって瞬時に粉砕される。
データカードダスおよびそれを元にしたCGショートムービー『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』に登場。
プラズマソウルを取り込んだプラズマ怪獣として第1弾から登場するが、能力設定は初代と異なり、電気を吸うと一定時間だけ透明になる。角そのものがプラズマソウルになっているほか、触角の根元にもプラズマソウルがある。テレビ放送版「NERONGA Hunting」では、電気を放出し尽くして姿を現したところをバルタンバトラー・バレルに拘束された後、ガッツガンナー・ガルムの狙撃でプラズマソウルをすべて破壊され、倒される。
『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS EX』第12話「襲撃!宇宙有翼骨獣」に登場。
ギギの配下の怪獣として登場。エレキングと共に呼び出され、巨大化したギギと共に主人公を襲うが、バトルナイザーの怪獣に撃退される。
ステータスはバランスが取れており、ディフェンスとスピードを重視している。必殺技は角からの電撃「暴君電撃」、体を透明にして攻撃をしかける「インビジブルテールアタック」、「インビジブルアタック」が使用できる。NEO第3弾より、同じく電気攻撃を得意とするエレキングとのタッグ必殺技「サンダーコネクション」が追加された。
第4話「大爆発五秒前」に登場。関連書籍では巨大ラゴンとも表記される。
太平洋上に墜落した木星開発用原子爆弾の1個が日本海溝の深海5000メートルで爆発し、その放射能を浴びた影響で突然変異を起こして巨大化した雄の個体。左肩に未発見であった安全装置の外れた原爆をぶら下げている。小笠原海域を北上中に原爆捜索中の調査船を沈め、神奈川県三浦半島の葉山マリーナへ上陸して暴れ回る。放射能の影響で精神状態に異常を来しており、かつて大好きだったショパンのピアノ曲にも激しい嫌悪反応を示し、さらに凶暴化する。口から放射する白色光線と放射能の影響によって有した深海の水圧にも耐える強靭な体と凄まじい怪力でウルトラマンを苦しめるが、原爆が体から落ちた後、最後はスペシウム光線を浴びて深海へ飛ばされて沈む。起動した原爆はウルトラマンの手によって運ばれ、地球から遠く離れた宇宙空間で爆発した。
第5話「ミロガンダの秘密」に登場。
南洋のオイリス島に繁殖する食肉植物ミロガンダが、品種改良のために植物学者の山田博士が照射したガンマ線の影響で、幼年期の姿への退行を経て突然変異を起こして狂暴化し、動物の要素を併せ持ったことによって自らの意思で移動できるようになったもの。移動後にはムチンを含む跡が残される。
後述する理由からオイリス島の水を飲んで帰ってきた同島調査団の団員3人や団長の山田博士を次々と襲って捕食し、鉢植えサイズから等身大まで成長する。そして、調査団で唯一生き残った女性カメラマンの浜口節子を捕食しようと彼女の屋敷の階段に隠れ、パトロール中の科特隊アラシ隊員の足を掴み倒して襲いかかるものの投げ飛ばされて毒霧を噴射し、苦しむ彼に改めて襲いかかる。抵抗中のアラシ隊員のもとへ駆けつけたハヤタ隊員に蹴飛ばされ、スーパーガンで撃たれて川に沈むが、そのエネルギーを吸収して巨大化し、丸の内のビル街に出現する。武器は花弁奥のクロロフィル核から放射する霧状の緑色の麻酔液であり、これを浴びせてウルトラマンを麻痺させる。しかし、このクロロフィル核は弱点でもあり、最後はウルトラマンによってそこにスペシウム光線を浴びせられ、炎上して灰と化した。
ミロガンダは幼年期にオイリス島の河川周辺に沿って群生・繁殖して虫や動物を捕食するが、やがて自らの成長に欠かせない同島の川の水にのみ存在する特殊な珪素を栄養分として摂取するようになるため、同島の川の水を飲んで珪素が体内に残っていた調査団の団員たちが襲われる理由となった。一定の時期を過ぎると食虫植物の性質がなくなり、美しい赤い花を咲かせた成体が日本へ持ち込まれる。幼年期のミロガンダは自立して動くことこそないが、グリーンモンスと同一の形態であり、銃で撃たれておとなしくなる。
漫画『ウルトラマン THE FIRST』に登場。
基本設定は原作と同様。調査隊の隊員をほぼ全滅させた後、唯一残った研究員・浜口節子を科学特捜隊による護衛中に襲撃する。科特隊イデ隊員のスパイダーショットを吸収して巨大化し、浜口とムラマツの乗ったエレベーターを破壊して襲おうとしたところをウルトラマンに阻まれる。しかし、ウルトラマンが焦って放ったスペシウム光線を吸収してさらに巨大化すると、今度は彼の太陽エネルギーを求めて身体ごと吸収しようとするが、最後はウルトラマンによって宇宙へ運ばれ、太陽に投げ込まれて燃え尽きる。
第6話「沿岸警備命令」に登場。
南米ブラジルに生息する、カカオビーンズや害虫を好んで食べる水陸両棲のオオトカゲが、輸出されたカカオ豆とともに卵が日本へ運ばれてきて孵化して東京湾の工場廃液によって汚染された海水を飲み、その影響で怪獣化した。武器は口から吐くバネ光線。全身に生えている毛には猛毒が含まれており、自分より大きな敵をも倒す。また、大きな音や強い刺激に敏感で怒り狂うという性質があり、カカオを積んだ貨物船「コロンビア丸」の斧山船員の話によれば、怒ったゲスラはジャガーも倒すという。設定ではマッハ2.1で泳ぐとされる。
宝石密輸団のダイヤモンド・キックが発砲したピストルの音と刺激で狂暴化し、港のカカオ倉庫を破壊する。その猛毒でウルトラマンにも苦戦を強いるが、弱点である頭部のヒレ(劇中のセリフでは「触覚」と呼称)をもぎ取られ、弱体化して横浜の海に沈む。
映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に登場。
かつて初代ウルトラマンに倒されたゲスラに、スーパーヒッポリト星人が生体改造を施して強化復活させたものと推測されている怪獣。外見は以前のゲスラとあまり変わらないが、体毛が黄色がかった太い棘に、金色の背鰭の形状が王冠をあしらった形状に変化している。
怪力自慢で、得意技は横浜赤レンガ倉庫を一撃で破壊するほどの突進攻撃ゲスラ・ヘビーアタックと、体表の棘と全身の鰭から敵の体に流し込むことで相手を麻痺させたりショック死させるほどの猛毒ショッキング・ベノムがある。しかし、毒が集中している背鰭が弱点なのは改造前と変わっていない。
ミライの世界に迷い込んだマドカ・ダイゴの前に出現し、赤レンガ倉庫街周辺で暴れまわっていたところに駆けつけたウルトラマンメビウスと対決。ショッキング・ベノムでメビウスを追い詰めるが、少年時代にウルトラマンとゲスラとの戦いをテレビで見ていたダイゴから弱点を教えられたメビウスに背鰭をもぎ取られて戦闘力が低下した後、立て続けにメビュームシュートを受けて倒される。
その後、影法師の手によって悪意のエネルギーと他の怪獣軍団の残存エネルギーと融合させられ、ギガキマイラの下半身と化す。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。
ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力で怪獣墓場から復活し、ベリアルが操る怪獣軍団の1体となる。怪獣墓場の決戦では、バルタン星人やアントラー、ゼットンと共にウルトラマンと激突するが、ウルトラマンに投げ飛ばされ、頭を強く打ち絶命する。
『ウルトラマンX』第17話「ともだちは怪獣」に登場。
容姿は過去作品の登場個体と同様であるが、新たに頭部のとさかから棘を連射する能力ベノムショットが追加されている。
多々良町のショッピングモール付近にダークサンダーエナジーが落ち、そこの地中より出現。多々良町で暴れまわり、現れたウルトラマンエックスをショッキング・ベノムで苦しめたうえ、ベノムショットでベムスターアーマーをも破壊し、エックスを圧倒する。さらに弱点である背鰭もダークサンダーエナジーによって強化されており、スカイマスケッティやジオアラミスの攻撃も通用しないほどである。エックスがエクシードXに強化変身してもなお互角の戦いを繰り広げるが、エクシードエクスラッシュで浄化され、最後はザナディウム光線でスパークドールズに縮小された。
『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』episode 1「きらぼし 〜煌星〜」に登場。
惑星ザインにおいてサイキが、自らの元を訪れた王立惑星カノンのシンラに、ベゼルブの持つクグツの力を証明するための見せしめとして、アーストロンと共にベゼルブの毒牙にかかりクグツキングゲスラと化す。同じくクグツ化したアーストロン共々、ベゼルブを統率するクイーンベゼルブとサイキの意のままに戦いを始め、敗北した。
『ウルトラマンタイガ』第2話「トレギア」に登場。
ヴィラン・ギルドのレキューム人に操られる怪獣兵器。正体は、ヒロユキが12年前に育てていたチビスケが改造された姿である。全身から放つ赤い光弾ベノムショットを武器とする。
レキューム人により、怪獣オークション前のテストとして第三埠頭の倉庫群に出現し、カカオ豆を収蔵する六花製菓のチョコリッカの工場を襲撃する。その後、タイガと戦闘になり、チビスケのころの記憶と正気を取り戻すが、出現したウルトラマントレギアの放ったトレラアルディガイザーからタイガをかばって爆死する。
『ウルトラマンタイガ』第2話「トレギア」に登場。
12年前にヒロユキが保護して育てていたゲスラの幼体。レキューム人にさらわれ、行方不明となっていた。
『ウルトラマンZ』第23話「悪夢へのプレリュード」に登場。
ウルトロイドゼロの起動に反応して鶴賀湾から暴走状態で出現。暴走状態の影響で高熱火球を口から放つようになった。タッコングとともに上陸してウルトラマンゼットと戦い、港を破壊する。
『ウルトラマンデッカー』第10話「人と怪獣」に登場。
ネオメガスと戦闘するも、圧倒的な力の前に敗れる。
第7話「バラージの青い石」に登場。本編に先立ち、1966年7月9日に杉並公会堂にて開催されたイベント「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」(放映は翌10日)にも登場している。
中東・アララット山の麓にある幻の街・バラージ付近の砂漠の地中に太古から生息していた怪獣。5千年前に交易地として栄えていたバラージの街を襲ってシルクロードの交易を衰退させたことがあり、当時は初代ウルトラマンに酷似した姿の巨人「ノアの神」によって倒された。その姿はアリジゴクのようで、頭部には巨大な1対の大顎を持つ。砂漠にすり鉢状の巨大なアリジゴクを作り、獲物を捕食する習性を持つ。大顎の間から発射する、金属を含んだ物体だけでなく初代ウルトラマンさえも吸い寄せる強力な虹色の磁力光線により、航空機を墜落させる。
唯一苦手とするのは、かつてノアの神が持ってきたと伝えられる「青い石」だけである。現代に復活してバラージの街を襲撃した際には科学特捜隊のスーパーガンも受けつけず、逆に磁力で吸い寄せる。初代ウルトラマンとの戦いでも磁力光線や砂煙、大顎による締めつけなどで苦しめたうえ、スペシウム光線も硬い皮膚で平然と受けきる。激しい格闘戦で右の大顎をねじ切られても大ダメージには至らなかったが、青い石をムラマツキャップによって頭部へ投げつけられると体中から大爆発が起き、地面に倒れて絶命する。
第35話では、怪獣墓場に漂っている姿が描かれている。
第15話で名前を挙げられるまで、劇中で「レッドキング」の名は呼称されていない。
第8話「怪獣無法地帯」に登場。
地震と火山噴火の影響で有史以前の無人島となっていた多々良島に生息する怪獣として、チャンドラーやマグラーらと共に登場する。
チャンドラーの右翼を片手で引き千切って退散させたり、その咆哮を耳にしたマグラーが地中に姿を隠すなどの様子から、島に生息する怪獣のうち上位の存在であることが描写されている。自慢の腕力を使った岩石投げや頭突き、体当たりなどを得意とする。知能はそれほど高くなく、岩石投げを狙って行える程度の知能こそあるものの、頭上に掲げた大岩を自分の足に落として大袈裟なポーズで痛がるなど、コミカルな一面を見せる。また、自分より小柄なピグモンを岩石投げで殺害するなど、本質的には非常に狂暴な性質である。
ウルトラマンとの戦いでは、岩石投げの際にスペシウム光線を受けて岩石をまたもや足に落とし、首筋を掴まれてのチョップを一閃された後にネックハンギングを決められる。そのままウルトラスウィングで振り回され、地面に叩きつけられて弱ったところに首投げを受け、全身を震わせながら絶命する。
第15話では子供たちのイラストで登場している。
第25話「怪彗星ツイフォン」に登場。
初代とは別の金色の体を持つ個体で、新彗星ツイフォンの最接近によって地球上の水爆が爆発する可能性が生じた騒動の中、かつてオホーツク海の海底へ廃棄されていた6個の水爆を飲み込んで喉に詰まったまま、ギガスやドラコと日本アルプスの山中で激突する。初代と異なり、強靱な腕力を使った羽交い締めや怪力パンチなど、主にプロレス技を駆使して戦う。
当初はギガスとドラコの戦闘を第三者的立場で傍観しつつ、ギガスに戦闘の手本を見せる、ドラコの羽根を千切り取って戦いやすくするなど、ギガスに加勢するような動作を見せており、やがてドラコがギガスに対して優勢になると覚醒して戦闘に乱入する。水爆の存在に手をこまねく科特隊をよそにドラコを倒し、正面衝突したギガスを怒り任せに負傷させたうえ、ハヤタを腕を振り上げた際の風圧で崖から転落させた。ウルトラマンとの戦いでは、水爆の影響で迂闊に手出しできないウルトラマンを苦しめるが、最後はウルトラ念力とウルトラエアキャッチを併用した八つ裂き光輪で体を切断され、絶命する。切り離された水爆の詰まった首部はウルトラマンによって宇宙に運ばれ、爆破処理された。
第35話の怪獣供養では写真が遺影として飾られている。
第8話「怪獣無法地帯」に登場。
レッドキングやマグラー、ピグモンなど他の怪獣とともに多々良島に棲息しており、島の火山活動と地震によって復活した太古の生物と設定されている。両腕の翼で空は飛べないものの、風速60メートルの強風を起こせる。また、鋭く長い牙や手の爪も武器であり、レッドキングとの戦いでは肩に噛みついて負傷させるが、右側の翼を引き裂かれて戦意を喪失して敗走する。その後の消息は不明。
第8話「怪獣無法地帯」に登場。オープニング表記はマグラーだが、マグラと呼ばれることもある。
多々良島の地底に棲息する四足歩行の怪獣。二足で立つこともできる。鼻にある一本角のほか、頭部と背中にはそれに似た、ダイヤモンドよりも硬い棘が多数ある。大きく左右に裂けた赤い口以外の全身が黒い。臆病な性質で、設定では、普段は地下数百メートルに潜んでおり、頭部を地中から出して周囲の気配を窺い、地上に出た際は自らよりも強い存在を本能的に察知して戦闘を避けて弱そうな相手を攻撃するとされる。
地中から出現したところ、チャンドラーを倒した直後のレッドキングの咆哮を聞いて、恐れをなして再び地中に戻る。その後、測候所員の捜索中だった科学特捜隊のハヤタ隊員とムラマツキャップの前に現れ、捜索の邪魔になるとして2人に2発のナパーム手榴弾を投げつけられ、倒される。科特隊が初めて倒した怪獣となった。
特撮テレビドラマ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』第1話「レイオニクスハンター」に登場。
惑星ハマーに迷い込んだレイとヒュウガの乗るゴースタードラゴンの前へ、ゴメス(S)に続いて出現。ゴメスと死闘を繰り広げて蹴散らされた後、ゴモラとゴメスの戦いにも乱入するが、あえなく叩きのめされ、最後はゴモラの超振動波を受けて倒される。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。
怪獣墓場に漂っていた魂が、ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力で怪獣墓場から蘇ったもの。ベリアルが操る怪獣軍団の1体として、バルタン星人やゼットンなどと共に激突した初代ウルトラマンに投げ飛ばされ、爆散する。その後、百体怪獣ベリュドラの首を構成する怪獣の1体となっている。
第8話「怪獣無法地帯」、第26話「怪獣殿下(前編)」に登場。
自らの意志で自由に動かせる、無数に地上に出てジャングルの木に絡みついた長細い帯状の蔓を使って生物を捕らえて強く締め上げ、生き血や体液を吸い取る肉食植物。ワカメとウチワサボテンを融合させたようにも見える形状で、設定では動物の体温に反応するとされる。
第8話では多々良島のジャングル、第26話ではジョンスン島に生息が確認されている。根を焼くしか完全に倒す方法はないが、どちらの生息個体も絡みつかせた蔓をスパイダーショットの火炎放射で焼却されただけであり、アラシたち一行はその場を命からがら撤収していたので、倒されてはいない。ただし、多々良島の生息個体は第8話のラストまでに科学特捜隊によって退治されたことが、ラストにおける松井所員のセリフで明言されている。
『ウルトラゾーン』第11話・第12話「スフラン島の秘蜜(前編&後編)」に登場。
スフラン島に生育する食人植物で、島に上陸した探検隊を襲う。火が弱点。
第8話「怪獣無法地帯」、第37話「小さな英雄」に登場。
第8話では多々良島に生息しており、怪獣たちに襲われた測候所員の松井を助けるが、レッドキングに蹴り飛ばされた岩に潰されて命を落とす。
第37話では60匹以上の怪獣の復活を目論むジェロニモンによって再生し、その計画を科学特捜隊に知らせようと東京を訪れるが、松屋デパートのおもちゃ売場でマルサン商店製のガラモンのプラモデル(人形)を見つけて喜び、暴れ疲れて眠る。その後は科学特捜隊によって保護され、イルカの言葉を研究している権田博士によってその声を翻訳され、当初の目的に成功する。その後、科学特捜隊と共に怪獣たちのいる大岩山へ向かうがイデを庇い、再生ドラコに叩き潰されて命を落とす。この行動に感銘した科学特捜隊は、ピグモンに特別隊員の称号を贈る。
第9話「電光石火作戦」に登場。
大きく口が裂けた首の周囲にある6枚の赤いヒレを閉じて頭部を防護し、尖った頭部で好物のウラン235を求めて地底を掘り進む。皮膚は鋼鉄の5倍の硬度を持つ。武器は口から吐く高い放射能を含み、物体を一瞬で破壊する青い放射能光線。普段は四足歩行で行動するが、戦う際には後肢で立ち上がる。また、ウランを1日に1万トン食べ、食べる際には周囲に放射能を放出する。熱に弱い。
伊豆半島に位置し、台風13号からの復旧工事中のウラン鉱山がある宇浪利町の復旧工事現場に地盤沈下を起こし、地上に出現する。阿部町のウラン貯蔵庫を狙って進撃するが、防衛隊と科学特捜隊の戦車による火炎放射を経てウラン235を詰めたカプセルを吊るしたヘリコプターで阿部町から30キロ離れた山へ誘導され、これを撃墜して進行方向を変えてウランを食べようとするが、ウルトラマンの飛び蹴りにひるんだところでヒレを2枚むしり取られて弱り、連続パンチからの首投げで絶命する。
第10話「謎の恐竜基地」に登場。
元々はネス湖に生息していた恐竜の生き残りで、首の周りに大きな襟巻状の皮膜を持つ。「モンスター博士」の異名を持つ動物学者の中村博士(正体はネス湖で行方不明になった二階堂教授)によって日本へ運ばれ、ネス湖に酷似した環境を持つ静岡の北山湖で秘密裏に15年間育成された結果、怪獣化した。その際における体質変化に伴い、口から100万ボルトの青い熱線を吐けるようになっている。普段は北山湖の底に潜み、餌を与えられる深夜にのみ姿を現していたが、食べこぼした餌によって異常繁殖した魚を釣り人が捕ろうと撒いたカーバイドに刺激され、日中に姿を現す。
正体を現した中村博士を踏み潰してウルトラマンと交戦するが、接近戦の際に襟巻をもぎ取られ、それをムレータのようにひらつかせるウルトラマンへ突進しては回避され、翻弄される。最後はすれ違いざまのウルトラ霞斬りで急所を突かれて吐血しながら絶命し、襟巻はウルトラマンによって遺体に被せられる。中村博士はかろうじて生きていたが、ジラースの遺体にすがりながら絶命する。
着ぐるみは東宝のゴジラシリーズで使用されたゴジラのスーツを流用したもの。襟巻を付け、腹部、頭部、背びれを黄色く塗ったこと以外には目立った改変はない。ウルトラマンとの戦闘で襟巻を失った姿はゴジラのイメージをほぼそのまま残しており、デザインを担当した成田亨も「ゴジラに襟巻をつけた」と称している。鳴き声もまたゴジラの音源を早回ししたものであり、演じたスーツアクターも当時のゴジラと同じく中島春雄であった。ゴジラの流用は制作費削減のためであり、脚本もそれを想定したものであった。
頭部は『怪獣大戦争』のゴジラ、胴体は『モスラ対ゴジラ』のゴジラから改造された『ウルトラQ』のゴメスを経て、再びゴジラの意匠へ復元されたものを使用している。『怪獣大戦争』の撮影後、『モスゴジ』のゴジラの胴体に『怪獣大戦争』のゴジラの頭部を取り付けたものが上野の赤札堂で展示され、これが原型となった。その後、頭部は再び『怪獣大戦争』の胴体へ戻され、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のゴジラとして使用された。書籍によっては、ボディは『三大怪獣 地球最大の決戦』のものを使用しており、頭部は『南海の大決闘』と同様の型から作られたと推測している。
戦闘中に襟巻を剥ぎ取られる演出について、監督の満田かずほは「ゴジラの状態で東宝に返却する条件だったため、劇中で意図的に元へ戻した」と語っている。この演出は、結果としてゴジラとウルトラマンの対決を彷彿とさせるものとなった。
書籍『ウルトラ怪獣列伝』では、その容姿から映像作品での再登場は難しいものと推測していたが、2021年に『セブンガーファイト』で再登場を果たした。
第11話「宇宙から来た暴れん坊」に登場。
突如宇宙から飛来した、半径2メートル以内の人間の脳波や声を感知してその思い描く物体に変形する性質を持つ地球には存在しない未知の化合物である隕石が、金儲けを企み悪知恵が働く愉快犯の男性・鬼田によって盗まれ、彼が「怪獣になれ」と願ったためにその思念によって怪獣化した姿。棘だらけの全身に、金属質の左右で逆回転するアンテナ耳、マジックハンド状の磁石の手、トーテムポール風の腹部の模様が目立つ、脈絡のない二足歩行怪獣である。出現時は人間ほどの大きさであり、ホテル内で従業員を驚かせるなど他愛のない悪戯行為に利用されていたが、やがて増長した鬼田が「もっと大きくなれ」と言ったために巨大化する。しかし巨大化と同時にホテルを破壊し、それに巻き込まれた鬼田が昏睡状態に陥ったため、彼が意識を取り戻してギャンゴへの思念が消えない限り実体を保ったままという状況となる。また、有機体の生命ではないことから、体が傷ついても戦闘力は低下しない。出動した防衛軍の熱線砲によって右耳のアンテナを破壊されるが、そのまま暴れ続ける。
ウルトラマンとの戦いでは駄々っ子のように腕を振り回して殴りかかる一方、ウルトラマンを真似て空を飛ぼうとして転ぶ、スペシウム光線の構えを取った瞬間に両手を合わせたことでスパークして火花が飛び慌てふためくなど、コミカルな動きを見せる。ウルトラマンの方も、「腹部をくすぐる」「海水をかける」「跳び箱風に飛ぶ」「海へ蹴落とす」という同様の動きで応酬し、カラータイマーが赤に変わったところで意識が回復した鬼田が科学センターの山本博士に詰め寄られてギャンゴの思念が消えたため、隕石へ戻る。その後、隕石はウルトラマンの手で宇宙に返された。
第35話では怪獣墓場に漂っている姿が描かれている。
第12話「ミイラの叫び」に登場。
古代に描かれたとみられる壁画が発見された、奥多摩の鬼ノ台丘陵にある洞窟で、約7千年前の一種の冬眠状態にあったミイラとして発掘される。科学センターに保管された夜、自らの念動力で第一研究室のイオン化器を作動させ、その電流で蘇る。怪力で、ドドンゴのものと同様の両目から放つ怪光線と、念動力とテレパシーを有する。
警備員の1人・原田を絞殺し、もう1人・森を目から放つ怪光線で殺害して科学センターから逃走し、再び眠りにつくために洞窟へ向かう。出動した機動隊に下水処理場へ追いつめられ、不気味な咆吼で怪獣ドドンゴ(後述)を目覚めさせる。科学センターの岩本博士は生け捕りにこだわるが、ミイラ人間はさらに暴れて警官5人を殺害したため、スパイダーショットで射殺される。
第12話「ミイラの叫び」に登場。
ミイラ人間の伴侶動物であることがうかがえる怪獣。古代に描かれたとみられる壁画が発見された、奥多摩の鬼ノ台丘陵の洞窟に7千年眠っていた。最大の武器はミイラ人間と同じく両目から出す黄色い怪光線と口から噴射する有毒の黒煙。設定では水素が内部に含まれた羽根によってマッハ1.8で走るとされ、走る際には火を噴くと言われている。
同じ洞窟から発掘されたミイラ人間の呻き声(テレパシー)によって目覚め、その絶命と同時に洞窟から現れると、進路沿いの奥多摩化工工場を破壊しながらミイラ人間の遺骸を目指して東京へ向かう。科特隊アラシ隊員による攻撃で右目を潰されて怒り、彼を負傷させた後はイデ隊員に左目を潰され、両目の視力や怪光線を失って暴れ始める。そこへ現れたウルトラマンと交戦し、背中に馬乗りされるも何とか撥ね飛ばすが、最後はスペシウム光線を受けて絶命する。
第13話「オイルSOS」に登場。
2匹のヒトデが横に連結したような広い横幅の体格を持つ怪獣であり、身体の中心にコウモリに似た頭部を有する。オイルを常食としており、攻撃を受けると興奮して口から火炎熱線を放射する。海中を移動する際には、青い怪光(青い怪光線)を全身から発する。水中において、大きな耳(ソナー耳)は障害物を避けるためのソナーになり、上陸時の脚部(ペスターひれ)を用いて時速100キロメートルで移動する。
中近東諸国で油田やタンカーを襲うが、科学特捜隊中近東支部に警戒されて日本まで逃げ延び、東京湾から出現する。なおも油田やタンカーを襲い、タンクローリーを襲撃した際に酔っ払いに目撃され、通報を受けた科特隊にオイル缶でおびき出されて海上で攻撃されるが、生き延びて日本への上陸を果たす。京浜工業地帯の精油所を火炎で破壊した後、腹部にビートルのロケット砲を受けて致命傷を負い、瀕死状態に陥って炎の中に倒れる。ウルトラマンが精油所の大火災を消火するために現れると倒れたまま息を吹き返し、背後から火炎攻撃を浴びせて多少のダメージを与えるものの、すぐさま頭部にスペシウム光線を受けて止めを刺される。その後、大火災はウルトラマンのウルトラ水流によって消火される。
第14話「真珠貝防衛指令」に登場。
ガマガエルとクジラを足し合わせたような容姿の海に生息する怪獣。真珠のエッセンスを常食とし、50メートルある管のような舌を伸ばして先端から掃除機のように吸い取る。その食性に従い、世界各地の真珠貝の産地を襲って真珠価格の高騰を招く。また、背中から凄まじい勢いで上空100メートルまで噴射する高熱の汐も武器である。
三重県志摩市(英虞湾)、南伊勢町(五ヶ所湾)の真珠養殖場や輸送トラックを襲撃し、科学特捜隊の真珠爆弾による体内攻撃を受けるが、攻撃によってそれに対する耐性が口や胃袋に作られ、汐とともに同様の元素を噴き出すなど体質が強化され、同様の攻撃が通用しなくなるようになった。最後は科特隊の小型ジェット噴射器を尻に撃ち込まれて上空へ飛ばされ、空中でウルトラマンと激突し、爆発四散する。
第35話の怪獣供養では遺影として写真が飾られている。
第15話「恐怖の宇宙線」に登場。劇中では呼称の区別はないが、関連書籍などでは、最初に登場する魚のような形態をガヴァドンA、見た目の強そうな怪獣らしい容姿に描き換えられた方をガヴァドンBと表記している。放送当時発売された書籍の中にはガバドンと表記してあるものも存在する。
ムシバ少年が一人で遊び場の土管に描いた想像上の怪獣「ガヴァドン」の絵に、未知の宇宙線である新元素を含有する放射線と太陽光線が降り注ぎ、閃光とともに実体化して誕生する。この宇宙線は太陽光線と融合することでエネルギーが強まるため、実体化が起こるのは日中のみであり、日没とともに一番星が出るころには実体化が解け、元の絵に戻る。
悪意はまったく持っていないが、出現後は動かずに寝てばかりいるうえ、特にBは出現箇所が丸の内ということもあり、強風をも起こすそのいびきが酷い騒音公害となって東京の経済生活に悪影響を及ぼす。科特隊のイデ隊員は「夜のうちに絵を消せば現れなくなるのではないか」と提案するが、アラシ隊員による反論を経てムラマツキャップに却下される。科特隊と自衛隊火器部隊に武力で排除されることとなるが、「ガヴァドンを殺さないでほしい」との子供たちの願いを聞き入れたウルトラマンによって宇宙に運ばれ、星とされる。ウルトラマンは「毎年、7月7日の七夕の夜、きっとガヴァドンに会えるようにしよう。この星空の中で」と約束し、夜空にガヴァドンの星座を浮かび上がらせることで子供たちの気持ちに応える。しかし、その後にムシバ少年が発した「七夕の日、雨が降ったらどうなるんだよ」という疑問には、ウルトラマンは答えずに終わる。
第35話の怪獣供養では、遺影としてガヴァドンBの写真が飾られている。
『ウルトラマンブレーザー』第15話「朝と夜の間に」に登場。
地球に降り注いだ特殊な宇宙線を浴び、それに含まれていたある種の未知の元素が太陽光線と融合した影響で落書きが三次元に変動した二次元怪獣。ヒルマゲントの息子のジュンに絡む友人のアラタにより、「ガバッと出てきて、ビルをドーンとぶっ壊す」ことから「ガヴァドン」と命名された。基本的にはただ寝ているだけであり、太陽が沈むと同時に元の落書きに戻るが、防衛隊にはライフラインを阻害して市民生活を脅かす危険な存在と判断される。弾力性のある柔らかい身体は、防衛隊の誘導弾もウルトラマンブレーザーの攻撃も寄せつけない。なお、本作品の登場個体には「晴れた日に干した布団のような良い匂い」や「描かれた大きさのままに実体化」との設定も追加されており、それゆえに後述のような経緯をたどることとなる。
ジュンがアラタに勧められるまま描いた絵から実体化した当初は40センチメートル程度とまだ小さく、挙動も段ボールに印刷されたミカンを吸い込んで食べるなどに過ぎなかったが、彼らがスケッチブックをつなぎ合わせて描いた大きな絵から実体化した際には2メートル超となったため、大人たちに発見されて騒動に発展する。さらには、大人たちに捕まらないようにとアラタの妹のツムギも加わった3人が地面にさらなる大きな絵を描いた結果、30メートル超で実体化して美多摩市中央通りに出現したため、防衛隊に危険視され、起きて暴れ出す前に誘導弾で無力化すべく発動した作戦で攻撃されるが、誘導弾は跳ね返ってビル群を破壊し、パニックとなった自身ともども周囲を危機に陥らせてしまう。3人にも危機がおよびそうになったところへ駆けつけたブレーザーも攻撃がまったく通じないため、ひとまず3人から遠ざけようとスパイラルバレードをクレーンゲームのように変化させて吊り上げようとするが上手くいかず、ブレーザーが翻弄されるだけの肉弾戦は夕方までおよぶ。最後は、ガヴァドンを思いやって自分たちの浅はかさを謝る3人の言葉を聞き入れたブレーザーによって抱え上げられ、空の彼方へ運ばれた末にきらめく星と化した。
第17話「無限へのパスポート」に登場。
宇宙(無重力圏)から落下し、バローン砂漠で世界的な探検家のイエスタデイによって採取された青と赤の隕石が、科学特捜隊の基地で同じ場所に保管され、スペキュラー熱線を照射されたことによって引き合い、核融合結合して誕生する。
科特隊の基地を霧状の四次元空間で覆い、科特隊のメンバーを無限の階段に上がらせるなどの現象で翻弄した(青い隕石だけでも、刺激を受けると開いて人間を四次元空間に閉じ込めることが可能)後、出動した防衛軍も体表の孔から伸ばした四次元繊毛からの光線や発光で、「戦車が空を飛ぶ」「戦闘機が地面を這う」などの四次元現象を起こして全滅させる。
奇怪な攻撃でウルトラマンをも苦戦させるが、ウルトラマンのハイスピンで攻撃を狂わせられ、四次元繊毛を爆破されて空へ逃げようとしたところをスペシウム光線の2連発で小さくなる。最後はウルトラマンの手で握り潰され、宇宙へ運ばれる。
第18話「遊星から来た兄弟」に登場。
これまでにも多くの星を滅ぼしたザラブ星の工作員の1人。母星は第8銀河系にあると語る。ザラブ星人は他の星の文明や人々の命を滅ぼすことを目的としており、さまざまな惑星で暗躍している。短時間で地球の言語を翻訳する携帯用電子頭脳を完成させるなど、優れた知性と科学技術力を誇る。破壊怪音波とそれを利用した目から出す催眠光線、瞬間移動能力や飛行能力、指先から発射する光弾、肝臓で生成して凹凸状の皮膚から噴出する放射能霧に加え、高い耐久性ゆえに動くとより強力に拘束する拘束用テープを持つが、これは地球人の涙を浴びると劣化する性質を持つ。等身大時には、地球人の言語を理解するために箱状の赤い耳を出している。一人称は「わたし」。
突如として地球上に広まった放射能霧を簡単に除去したうえ、軌道を外れたという地球側の土星探検ロケットを地球まで誘導し、地球人に対して友好的であるかのような行動をとるが、それらはすべて演技であり、雄弁で尊大な態度をとる。イデ隊員を怪音による催眠術(念力)で意のままに操り、フジ隊員に化けてアラシ隊員に睡眠薬入りのコーヒーを飲ませて昏倒させ、秘密会議を盗聴する。ウルトラマンであるハヤタ隊員を捕獲してベーターカプセルを奪おうとするが、彼がそれを持ち忘れていたために失敗した後、にせウルトラマンに変身して街を破壊することにより、地球侵略の障害となるウルトラマンへの信頼を貶めて地球人の敵と思わせようとたくらむ。しかし、ハヤタのもとへ駆けつけたホシノ少年が流した悔し涙が拘束用テープを切った結果、彼にハヤタを救出されたために本物のウルトラマンと戦うことになり、スペシウム光線を撃ち込まれて変身が解け、格闘の末にスペシウム光線で倒される。
ザラブ星人が地球人とウルトラマンの関係を険悪化させようと化けた偽者。ただし、ウルトラマンの外見を真似ただけなので、スペシウム光線などの光線技の発射能力や、ウルトラマンに匹敵する戦闘力などは持っていない。本物よりも目が赤みを帯びて吊り上がっており、耳やつま先、頭部のとさか、顎が尖っていてボディの赤いラインに黒縁が見られるなどの異なる点が多いが、ムラマツたちは見分けが付かずに困惑していた。
ハヤタを拉致したうえで夜の市街地を破壊した後、彼を監禁しておいたビルに戻り、そこでハヤタとの脱出を試みているホシノ少年を発見すると、彼らの用いていたロープごと摘み上げて宙吊り状態で捕らえ、窮地に陥れる。しかし、出現した本物のウルトラマンにホシノ少年を奪還され、そのまま本物のウルトラマンと対峙する。本物のウルトラマンのチョップにひるむなど、格闘で敵わないと判断して空への逃亡を試みるが、スペシウム光線を受けて本来の姿に戻る。
第33話「禁じられた言葉」に登場。
地球侵略を狙うメフィラス星人に操られ、バルタン星人(三代目)やケムール人(二代目)と共に28番街に現れる。体色はメフィラス星人と同じく、黒と銀のツートンカラーとなっている。不思議な音を発しながら立っていたが、すぐに他の宇宙人と共に消え去った。
第19話「悪魔はふたたび」に登場。
3億5,000年前の超古代文明ミュー帝国で「青い悪魔」と恐れられ、液化されて円筒形のアンプルを収めたタイムカプセルに封印されていた青い古代怪獣。眉間が一本角状に伸びた巨大な頭部や大きく横に裂けた口が特徴であり、強靭な体力を持つ。口からは、何でも溶かす白い泡状の溶解液(溶解泡)を放射する。東京のビル工事現場で出土され、調査のために運ばれた鉱物試験場で高圧電流による10万ボルト以上の電気ショックを受けてアンプルが開けられた結果、復活する。
その後、都心部を横断して首都高速を進撃しながら、野獣の闘争本能によって引き寄せられるように先んじて復活した怪獣バニラと旧国立競技場にて激突する。科学特捜隊の原子弾で弱ったバニラを倒し、ウルトラマンと対決する。ウルトラマンに溶解液を浴びせてスペシウム光線を阻止するが、溶解液はウルトラマンに弾き飛ばされる。持ち前の体力で2発のスペシウム光線に耐えるが、3発目には耐えられず倒される。
第35話「怪獣墓場」の怪獣供養では、遺影として写真が飾られている。
第19話「悪魔はふたたび」に登場。
3億5千年前の超古代文明ミュー帝国に「赤い悪魔」と恐れられ、液状化された状態でランタン形のアンプルに封印されていた赤い古代怪獣。武器は体内に有した強大な熱エネルギーによって口から放射する2万度の高熱火炎で、周囲の生命体や物体を一瞬で焼却させる。外観は鼻がとがって口は横に開き、体は骨張ってやや平らで、大きく二股に分かれた尻尾は細く8の字状に絡み合っている。
土砂と共にダンプカーで郊外のビルの工事現場に廃棄されて風雨にさらされていた赤いアンプルから夜間に落雷の影響を受けたことで復活し、東名高速道路第四工事現場付近から進撃しながら防衛隊と科学特捜隊に夜通しで航空攻撃された末、同じく現代に復活したアボラスとオリンピック競技場で決戦を繰り広げる。アボラスの吐いた溶解泡を一度は火炎で相殺するが、その後はアラシの原子弾で右目を潰され、弱ったところをアボラスに溶解泡を吐きかけられて全身を溶かされる。
第20話「恐怖のルート87」に登場。
伊豆の大室高原に建っている高原竜ヒドラの石像に瓜二つの怪獣。先史時代から日本に生息する始祖鳥の一種とされるほか、半年前に国道87号線のトラックによる轢き逃げ事故で死んだ山鳥が好きなムトウ・アキラ少年の魂が乗り移っている、もしくはその化身や交通事故で亡くなった少年たちの化身や守り神とされる。大室山の火口から現れると、自動車を憎むアキラの意思のまま、轢き逃げ事故を起こしたトラックを探して事故現場となった国道87号線のトラックやタンクローリーを襲う。設定ではマッハ2の突風を放つとされる。ウルトラマンとの戦闘では、高熱火炎と嘴で攻撃したり、素早い動きでスペシウム光線を回避したりと優勢に渡り合う。やがて、ウルトラマンは空中へ逃げたヒドラにスペシウム光線で止めを刺そうとするが、その背中にアキラの魂が乗っていることに気付き、静かに見送る(魂はウルトラマンとフジ隊員にしか見えない)。轢き逃げ犯が自首した後、ヒドラは出現しなくなった。
第21話「噴煙突破せよ」に登場。
数千年前から死火山と思われていた大武山が火山活動を再開したことにより、突如噴火口から出現した怪獣。爬虫類的な外観を持ち、同様の外耳がない耳を持ち、どんな音も聞き分ける。ダイヤモンドの10倍の硬さを持つ背面の甲羅は打撃時に開閉し、内側の極彩色の部分を盾のように見せる。口から喉奥の発光とともに吐き出す黒い猛毒ガスが最大の武器であり、その成分は火山ガスと同じく高濃度の亜硫酸ガスの微細な粒子で構成されていることから、どこにでも浸透する。また、サソリのような二股になった尻尾の先から二条の破壊光線を発射する。見た目以上に強敵で、スペシウム光線が効かないほどの頑丈な皮膚を持つ。さらに、約100メートルはジャンプできる強い脚力を持つ。
当初は山頂付近の野鳥や魚を死滅させ、やがて観光客を襲うようになり、麓の街に出現して毒ガスをまき散らしたため、防衛軍が出動するが、撤退に追い込まれる。
急所は展開する甲羅に隠れた発光する心臓で、最後はここをイデ隊員が開発したマッド・バズーカで攻撃されて破壊され、瀕死の状態で火口へ落下して爆死する。
第35話では怪獣墓場を漂っている姿が描かれている。
第22話「地上破壊工作」に登場。
地下4万メートルの世界に生息し、地上への侵出を目論む地底人たちの地上侵略用の尖兵。主な武器は、口から放射する強力な火炎と毒を持つ手の爪。頭部以外の全身に渡って節状の皺が目立つ皮膚は、科学特捜隊のジェットビートルのナパーム弾を耐えきる硬さを持つ。
地底人たちがウルトラマンを洗脳するまでの間、科学特捜隊の注意を引きつけておくため、東京テレビセンター付近の地中から出現し、夜間に赤坂の都市部を破壊する。しかし、ウルトラマンとの戦いでは火炎を放射する暇を与えられないまま、投げ技の連続攻撃で地面に叩きつけられて絶命する。
第35話では、怪獣墓場で漂っている姿が登場する。
第37話「小さな英雄」に登場。資料によってはテレスドン(再生)とも表記される。
ジェロニモンの力で復活する。外見に変化はないが、以前と異なり、昼間でも活動できる。
同時に復活した再生ドラコと小競り合いを演じるが、大岩山から響くジェロニモンの唸り声を聞いておとなしくなる。決着がつかないまま再生ドラコと共に科学特捜隊と戦い、科学特捜隊のムラマツ、フジ、アラシのスーパーガン3丁によるトリプルショットで倒される。
第22話「地上破壊工作」に登場。
氷河期以前に発生した地殻変動によって地底に潜って暮らしていたとされる種族(地底人)であるため、目が完全に退化しており、瞼を閉じたような状態になっている。地上へ出る際は地上人と異なるこの特徴を隠すため、サングラスを着用している。リーダー格は地底人Xと名乗る。
科学特捜隊パリ本部から派遣されたアンヌ・モーハイム隊員を誘拐し、彼女に化けて科学特捜隊へ潜入する。まもなく拉致したハヤタを仮眠マスクで催眠状態にし、ウルトラマンに変身させることで自分たちの下僕怪獣であるテレスドンと共に地上を破壊させ、地上人に取って代わろうとする。アンヌに化けた地底人以外にも、地下4万メートルにある基地では十数名の地底人が登場する。当初からハヤタがウルトラマンであることを知っており、ハヤタを洗脳することやベーターカプセルのスイッチを押させることには成功するが、ベーターカプセルのフラッシュビームの眩しさに全員絶命する。
『ウルトラマンパワード』第4話「闇からの使者」に登場。
フード付きローブをまとった、人間の老人のような風貌の3体が登場する。眼は巨大で、白目がなく、真っ黒である。『ウルトラマン』の地底人と同様に、テレスドンを使役して都市を破壊させる。
ウルトラマンに酷似した「エルドラの神」像を崇拝しており、防衛組織W.I.N.R.(ウィナー)のケンイチ・カイ隊員を地底に誘い込んで語ったところによると、太古に地上を支配していたが、巨大な岩石が宇宙から落下して地上が破壊されるとエルドラの神の導きで地底に逃れ、「再び光が訪れる時を待て」と告げられた。太陽が地上を照らすようになってすでに長いが、彼らにとって「光」とは太陽でなくエルドラの神がもたらすものであり、パワードの地球来訪をきっかけとして、パワードに変身できるカイに「光」を感知して捕らえる。だが、奪った変身カプセルをカイの挑発に乗って渡して変身されてしまい、テレスドンは地底から脱出したパワードに倒される。カイは幽閉時、話し合えば地上人類は移住を受け入れるはずだと問うが、地底人は「人類が地上を汚して腐らせた」と不信感をあらわにしており、夜明けとともにテレスドンがいったん退却した後、マイクロ波通信で人類に降伏を要求している。
W.I.N.R.本部に生還したカイは、くぼみに落ちて地底をさまよっていたとだけ説明し、地底人について報告せず物語は終わる。
『ウルトラゾーン』第14話・第15話「東京ジュラ紀」(前編、後編)に登場。
怪盗赤色からオーパーツ「アカンバロの瞳」を守るために集められた4人の名探偵の1人、歩く百科事典探偵・西園寺ユウヤに化けて潜入する。常時サングラスをかけている。推理に集中する時は相棒役の腹話術人形と対話する。依頼人で元怪獣特捜隊の隊員だった白石深月に正体を見破られ防衛軍に連行されるが、エレキングとともに暴れるテレスドンに「すべてを破壊しろ」と笑いながら命令する。
『ウルトラマンX』第3話「夜を呼ぶ歌」に登場。
本編開始の2か月前に死亡したエステティシャンの間伏涼子になりすまし、「夜を取り戻す」ために、夜でも常に明るい(当人曰く「偽りの光に満ちている」)地上を破壊しようと暗躍する、謎の地底人類の女。絶叫により、テレスドンを操る。これまでの地底人と同じく眼が完全に退化しており、サングラスで隠しているほか、光線銃(謎の銃)を武器とする。
経営するエステサロンに潜入した大地とアスナによって正体を暴かれそうになると、拳銃で応戦して逃走する。再登場時はテレスドンを撃滅されて大地ら4人を襲撃するもワタルとハヤトに銃撃され、テレスドンのスパークドールズと着用していたサングラスを残し、姿を消す。
今回の事件現場では、「地底女が地底に人を引きずり込むという都市伝説が存在する」や「地下工事現場で何かが封印されていたことを示す500年前の石碑が発見された」など、意味深な要素が存在しているが、最後までこれらとの関係性は不明だった。
第23話「故郷は地球」に登場。
元々は、宇宙開発競争が頻発した時代に某国が打ち上げた人間衛星に乗る宇宙飛行士「ジャミラ」であり、正真正銘の地球人であった。事故に遭って水や空気のない惑星へ不時着し、救助を待つ間にその異常な気候風土に身体が適応して皮膚が粘土質に変化した結果、ずっと欲していた水を不要として生きられる怪獣と化した。ミッションの失敗を国際批判されることを恐れて事故を隠蔽し、救助を出さず自分を見捨てた母国へ復讐するため、修理・改造を施し常人には視認不可能な高速回転を可能とした見えないロケット(不可視の円盤)で地球へと帰還。国際平和会議の出席者たちを乗せた旅客機や船舶を乗機からの攻撃で次々と墜落させるが、科学特捜隊にスペクトルα、β、γ光線で乗機の位置を見破られて撃墜され、その姿を現す。最大の武器は、口から吐く100万度の高熱火炎(サッチファイヤー)と、インド象の5000倍の腕力。
前述の適応ゆえに火や熱には強いが、水が最大の弱点となっている。アラン隊員を介して「ジャミラが元は人間だった事実を公表せずにあくまでも1匹の怪獣として倒せ」とパリ本部からの命令を受けた科特隊による人工降雨弾攻撃には苦しみながらも耐えぬいた。しかし、ウルトラマンのウルトラ水流には耐えられず、這いつくばって国際平和会議会場の万国旗を潰し、絶命する。
その後、国際平和会議会場の傍らには生前の功績を称えた後述の墓碑が建てられるが、それを見たイデ隊員は「犠牲者(ジャミラ)に対する人間のエゴにすぎない」と唾棄し、最後にジャミラの鳴き声で本話は締められた。
『21世紀ウルトラマン宣言』では、ジャミラの身体が変貌した理由についての仮説が詳述されている。顔と肩と首が一体化したのは、肩に作った脂肪の
『ウルトラマンメビウス』における資料の一部では、CREW GUYSの保有するアーカイブドキュメント「ドキュメントSSSP」からジャミラに関する記録が大幅に削除されていることが示唆されている。また、朱川湊人の小説版『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では、ジャミラの死後にアラン(同作でのフルネームは「アラン・ビロッツ」)が科特隊を除隊してジャーナリストとなり、一連の事件の告発書籍『故郷は地球』を出版したものの、某国やフランス当局から起訴や冤罪などの妨害を受けて絶版に追い込まれたことが語られている。
第24話「海底科学基地」に登場。
海棲哺乳類に似たフォルムを有する、海底に棲む怪獣で、鼻先にある鋭い角はドリルのように高速回転して硬い岩盤にも穴を開ける。設定では光波バリヤーを張る能力を持つ。
水深200メートルに建設された海底センターのパイプラインとドックにドリルで大きな損傷を与え、同センターの救助に出動した科学特捜隊の前に現れて特殊潜航艇S25号を襲おうとするが、ウルトラマンの出現に方向転換して岩壁を掘り進み、地上に現れる。ドリル攻撃や背中の孔から出す強烈な潮吹きやフライングボディアタックでウルトラマンを苦しめ、八つ裂き光輪も高速回転させた角で受け止めて弾き返すが、最後はウルトラマンにチョップで角を折られて力尽き、スペシウム光線を受けて爆散する。
第35話の怪獣供養では遺影として写真が飾られている。
映画『ウルトラマンサーガ』に登場。
バット星人によって、怪獣墓場から捕獲されて連れて来られた個体。鼻先の回転ドリルを武器とする。1頭目はバット星人に操られて街で暴れ、タイガ・ノゾムとタケルに襲いかかったところに現れたウルトラマンコスモスと戦い、フルムーンレクトでおとなしくなる。その後、2頭目がゴメス(S)と共にバット星人に操られて出現し、コスモスや身長が約5メートルのウルトラマンゼロと戦う。1頭目と同様、コスモスに鎮められるが、それを良しとしないバット星人に粉砕される。
『ウルトラマンX』第16話「激撮!Xio密着24時」に登場。
ダークサンダーエナジーによって凶暴化した状態で生鮮市場に出現した。Xioでの分類ではタイプF。ドリル状の角を振り回して暴れ回るも、ウルトラマンエクシードXの前には為す術もなく、生鮮市場の屋根に横倒しで乗せられた後、エクシードエクスラッシュによってダークサンダーエナジーを除去され、ザナディウム光線によってスパークドールズに縮小された。なお、その戦闘の一部始終は、Xioの密着取材番組によってテレビ放送された。
『ウルトラマンオーブ』第8話「都会の半魚人」、第24話「逆襲の超大魔王獣」に登場。
餌を求めて日本沿岸に出現し、近海の魚を食い尽くして地底から海産物倉庫を狙って東京に上陸する。その際に遭遇したラゴンの母子を餌と認識して襲い、子供のラゴン(ラゴンJr.)を丸呑みにするが、ハリケーンスラッシュ形態で現れたウルトラマンオーブの連続パンチを受け、汐ごとラゴンJr.を吐き出す。その後、ドリルや怪力でオーブを追い詰めるもオーブスラッガーランスで押し倒され、最後はスペシウムゼペリオン形態に変身したオーブのシャットダウンプロテクトで海へ運ばれていく。
第24話ではラゴンの母子を乗せて日本近海から避難していく様子が、SSPによってインターネットで報道されている。
『ウルトラマンジード』第21話「ペガ、家出する」に登場。
ペガッサ星人ペガが朝倉リクと喧嘩して彼のもとから飛び出すも途方に暮れていたところ、突如深海から街中へ出現する。それに先行し、火浦海岸や街中では人々が原因不明の身体の痺れを訴える事件が起こっていたが、それはリトルスター発症の影響でグビラの背中から噴き出す光を帯びた汐ショッキングブロウに麻痺効果が加わるようになったためだった。そこへリトルスターを奪取すべくペダニウムゼットンと化した伏井出ケイが現れ、グビラを痛めつける。グビラが本来は深海に生息していることを知ったリクはウルトラマンジード プリミティブに変身し、ペダニウムゼットンに立ち向かうが、ロイヤルメガマスターすら圧倒するその強さに苦戦を強いられる。グビラは汐でペダニウムゼットンを痺れさせ、ジードの勝機を作る。まもなく、ジードの勝利を見届けたグビラの身体からリトルスターが離脱し、ゾフィーカプセルが起動する。その後、グビラはジードによって深海へ帰されたことがラジオで報じられている。
『ウルトラマンR/B』第13話「秘密はイヤです!」、第14話「お前は誰だ」に登場。
愛染マコトに怪獣クリスタルから召喚され、ロッソやブルと交戦してブルのアクアジェットブラストを口から飲み込むと鼻から吐き出して虹を作り出したほか、ロッソが投げてきた火球をドリルで受け止め、高速回転で空中に放った火球を花火のように爆発させるなどのコミカルな行動が目立った。また、虹を見てはしゃぐ、花火を見て拍手をするなどの仕草も見られたが、ロッソと直接戦おうとした途端に愛染のAZジャイロに不調が起こったことで全身から稲妻を放ち、鼻から蒸気機関車のように黒煙を吐きながら縮小する。自動車サイズまで縮んだ後もロッソの右足をドリルで攻撃し、ブルには可愛らしい踊りを見せていたが、時間切れで煙とともに消滅して怪獣クリスタルに戻った。
『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第4話「笑顔のために」に登場。
地底環境で適応するように進化したと推測されるグビラの同族種。地底を頭部のドリルで進み、敵の背後に出現して、ドリルで不意打ちするドリルアタック戦法を得意とする。
GUTS-SELECTが超古代遺跡から発掘した出土品の影響で覚醒し、イスタシティの地中から出現する。出土品を奪ったイグニスを追いかけ、駆けつけたウルトラマントリガーと戦闘になるが、最期はヒジリアキトが出土品を手に囮となった隙にパワータイプへチェンジしたトリガーに投げ飛ばされた末に、デラシウムクローインパクトを受けて爆死する。
第25話「怪彗星ツイフォン」に登場。
新彗星ツイフォンが地球に急接近した際、日本アルプスから現れた、巨大な雪男のような怪獣。上半身は白く、下半身は茶色で顔面は真っ黒。寒さにとても強く、設定上ではマイナス50℃の強力な冷凍光線を吐くことができるが劇中では使用されず、代わりに地面の雪をかけて相手の目をくらます。短気で、自身の縄張りへの侵入者を攻撃するほか、飛来したドラコに苦戦気味のところへ乱入してきたレッドキングに恐怖し、一時的にレッドキングと共闘してドラコと戦うが、レッドキングに翼をもぎ取られて弱体化したドラコにすら苦戦する。業を煮やしたレッドキングと2匹がかりでドラコを殺害した後、レッドキングと再戦するものの一方的に痛めつけられ、まったく敵わず逃亡する。最後は、科学特捜隊のアラシ隊員とイデ隊員が搭乗するジェットビートルから放たれたナパーム弾と強力乾燥ミサイルにより、粉砕される。
『ウルトラマンボーイのウルころ』第152話「熱血指導だ! エイティ先生の巻」、第153話「これがウルトラスピリッツだ! の巻」に登場。
ウルトラマン80の生徒ミノルとして登場。先生である80にスポーツ指導され、番長のサタンビゾーと戦う。
『ウルトラマンZ』第3話「生中継!怪獣輸送大作戦」に登場。
伊豆原高原の観測所近傍に出現し、セブンガーと交戦。怪力でセブンガーと互角に戦うも、ハルキの提案で実装された硬芯鉄拳弾を腹部に受けて爆死するが、観測所に激突したことで破壊してしまう。
『ウルトラマンブレーザー』第22話「ソンポヒーロー」に登場。
日本アルプス山中にてレッドキングと激闘を繰り広げていた冷凍怪獣。短気な性格で、主な武器は怪力による攻撃に加え、口からは強力な冷凍光線を吐く。
レッドキングに叩きのめされて力ずくで子分にされると、彼の言いなりで松本市庄米地区に出現して暴れ回る。出撃したSKaRDのアースガロンに追い込まれるものの、大地を割って出現したレッドキングとともにアースガロンを逆に追い込んでいく。駆けつけたブレーザーにも冷凍ガスを浴びせて凍りつかせるが、ファードランアーマーによって氷を溶かされると、最後はブレーザーとアースガロンの同時攻撃によってレッドキングとともに倒される。
第25話「怪彗星ツイフォン」に登場。
新彗星ツイフォンが地球の近くを通過した際、地球へ飛来した宇宙怪獣。1本の短い角とビニールよりも薄く丈夫な半透明の巨大な翼を持ち、体表は黒いタイルのような皮膚で覆われている。両手の鋭い鎌を武器としており、素早い動きで飛翔して敵を翻弄する戦法を得意とする。飛行速度はマッハ2。
日本アルプスの山中でギガスや途中から介入したレッドキングと三つ巴の戦いとなる。ギガスとの戦闘では互角以上に戦ったのに対し、レッドキングとの戦闘では一度目は空を飛んで攻撃を回避するが、二度目は足を捕まれて地上へ引きずり降ろされたうえ、翼をむしり取られて飛べなくなったことで弱体化する。その後はギガスとレッドキングによって逆エビ固めのように尻尾を持ち上げられて徹底的に痛めつけられる。
第37話「小さな英雄」に登場。資料によってはドラコ(再生)とも表記される。
ジェロニモンの力で復活した個体。体色が濃くなり、頭部の角が新たに4本増え、両手の鎌が外されて5本指となり、背中の羽が無くなるなど、外見が多少変化している。闘争本能は健在で、同時に復活した再生テレスドンと小競り合いになるが、大岩山から響くジェロニモンの唸り声を聞いておとなしくなった後、再生テレスドンと別れて科学特捜隊と戦う。再生テレスドンが倒された後、ウルトラマンの出現を当てにして助けを求めるばかりで戦おうとしないイデを襲った際、彼の身代わりになったピグモンを叩き潰して殺害する。それを見て激昂したハヤタから一喝されて正気に戻ったイデにより、新兵器「スパーク8」の攻撃を受けて体を削り取られるように粉砕される。
第26話「怪獣殿下(前篇)」、第27話「怪獣殿下(後篇)」に登場。
南太平洋のジョンスン島(架空の島)に生息していた、1億5千万年前の古代生物ゴモラザウルスの生き残りとして発見される。長い眠りで力が弱まっており、阪神大学(架空の大学)の中谷教授による指揮のもと、日本万国博覧会に生体展示するため、UNG麻酔弾で生け捕りにされる。
協力要請を受けた科学特捜隊のビートル3機による空輸中に麻酔の効力が切れて覚醒し、暴れだして上空2千メートルから六甲山に落下したショックで、本来の強い生命力と闘争本能が蘇る。地中を移動して千里丘陵へ出現し、ウルトラマンとの戦いでは強力な尻尾「メガトンテール」で叩きのめすと、スペシウム光線を発射される直前に地下へ逃亡した。
その後、大阪市内に住みついたところを科学特捜隊によってマルス133とスパイダーショットで攻撃され、逃亡する。攻撃で切断された尻尾は本体とは別に活動する。本体はまもなく大阪城前広場に出現して天守閣を粉砕し、ウルトラマンと再戦するが、尻尾を失っていたために初戦のような強さは発揮できず、科学特捜隊と自衛隊伊丹基地の火器部隊に援護されたウルトラマンによって頭部左側の角を折られ、スペシウム光線でとどめを刺された。
「孤島での人畜無害な生息中にあったところを、人間の都合で連れ出されて倒された」という悲惨な境遇は科学特捜隊に同情され、亡骸を剥製にして万博会場に飾るとの提案がなされている。
第35話では、怪獣供養の際に遺影として写真が飾られている。
第28話「人間標本5・6」に登場。
3種類の顔を持ち、それぞれを使い分けることが可能。物体をすり抜ける移動能力、人間への憑依や透明化、瞬間移動や奇妙な発光現象によって人間を硬直させるなどのさまざまな超能力を持つ。ただし、特殊重金属で造られた壁は通り抜けられない。常に心臓の鼓動のような不気味な音を発している。
劇中ではダダの1人271号が地球へ侵入し、母星にいる上司からの使命を帯びてダダ時間222以内に一定以上の生体反応とIQの数値を持つ地球人の人間標本を6体採取するべく暗躍する。奥多摩の日向峠山頂にある宇宙線研究所を占拠し、全所員のうち4人をミクロ化器で標本化した後、研究所に近い日向峠で路線バスの転落事故を引き起こし、失神した乗客の中から2人を標本化しようとテストを続けていた。研究所の動力室には小型のエレクトロニクス動力源やダダ星との転送システムを運び込んでおり、外部との一切の連絡を遮断する環境や、母星との交信・分子レベルに分解して再構成した物質の転送を可能にする環境を作り出している。
宇宙線研究所が271号に占拠されてから1週間後、イデが収容された病院へ助けを求めてきた所員の通報で事態が発覚するが、271号は研究データを取りに訪れた中央宇宙原子力研究所の秋川叶子技官が適性に合っていたことから、彼女を5番目の標本にしようと目論むと、3つの顔(赤目のA、青目のB、黄目のC)でダダが多数存在するかのように見せかけながら、超能力によってムラマツたちを追い詰めていく。しかし、ムラマツからの連絡で事態を知ったハヤタがウルトラマンに変身して宇宙線研究所に向かったため、271号はムラマツたちの追跡を後回しにしてウルトラマンの遊撃に向かうが、まったく歯が立たないうえにスペシウム光線で顔面に酷い火傷を負わされ、一時撤退する。
その後、271号は宇宙線研究所の屋上でムラマツたちにミクロ化器を突きつけて追い詰めるが、足を滑らせて屋上から落下した彼らはウルトラマンに救助される。苦しまぎれにウルトラマンをミクロ化器で人間大まで縮小するが、たやすく元の大きさへ戻られたうえ、顔面へのストレートキックでダメージを負う。最後は、透明化して逃亡を図ったところをウルトラマンにウルトラ眼光で暴かれ、再びスペシウム光線を受けて煙を上げながら墜落死した。
前述の通り多種多様な超能力を持っているが、戦闘力はかなり低く、肉弾戦ではウルトラマンはおろか地球人のムラマツにさえ呆気なく退けられている。
劇中では、271号のボスである別個体のダダが通信装置のスクリーンを通じて登場する。271号はウルトラマンやムラマツたちの前では「ダ・ダ…」という声しか発しないが、この上司との会話では日本語を用いており、「ダダ時間」なる概念の存在が語られる。主にこの上司は271号への指示や援助を行っており、代替のミクロ化器を転送したりウルトラマンの迎撃命令を出したりするが、部下の扱いはかなり荒く、ウルトラマンに敗れて一時撤退した271号に「だめだ、ウルトラマンは強い」と泣きつかれてもまったく意に介さず、人間標本の採集と転送を急ぐように命じていた。
第29話「地底への挑戦」に登場。
日本一の金埋蔵量を誇る大田山金鉱の地下から2体の同族が現れる。金の成分によって光り輝く黄金色の皮膚で覆われている全身に長くて太い首と先端が二又に分岐した長い尾を持ち、四足歩行する。金鉱石が常食で、1日に10兆円もの金を食べたこともあるという。地上より地底の方が動きが俊敏で、科学特捜隊の地底戦車ベルシダーの3倍の速度で地底を進む。1体目はベルシダーの光線銃を受けて地上に出たところを科特隊のコロナ弾とスーパーガンで倒され、2体目はベルシダーの地底魚雷を受けて地上に出たところをウルトラマンと戦い、体にのしかかったり、尾でウルトラマンの首を絞め上げたりするなどして苦しめるが、逆に尾で自分の首を絞められてウルトラスウィングで投げ飛ばされ、最後はスペシウム光線で倒される。
後日、死体から採集された150トン(15トン)の純金は、金鉱の麓にある、破壊された室生町の復興資金として進呈される。
第30話「まぼろしの雪山」に登場。
全身が白く長い毛で覆われた雪男のような怪獣。飯田山の麓の村に住む、孤児のゆき(雪ん子)が村人から迫害を受け、助けを呼ぶと、彼女を救うべく現れる。ゆきの危機を救うためにのみ現れるので、行き倒れになったゆきの母親の魂の化身ではないかとされている。また、当地では伝承で知られる存在であった模様である。
必ず吹雪と共に現れるうえ、怪獣出現の事実が観光客を遠ざけたことから、スキー場による観光収入で経済を成り立たせている当地にとっては死活問題であり、ついに科学特捜隊の攻撃を受けることとなる。
村の子供たちが掘った落とし穴をそのままにしていたため、酔った猟師が落ちて凍死した事故がゆきの仕業と決めつけられてしまい、村人に追われたのに激怒してスキー場のリフトやロッジを破壊し、ウルトラマンと戦う。身体にのしかかり首を絞め上げて苦しめるが、ウルトラマンがスペシウム光線の構えに入ろうとした直前にゆきが力尽きたため、彼女のウーを呼ぶ声と共に飯田山から姿を消す。
第31話「来たのは誰だ」に登場。
20年前に南米アマゾン奥地でゴトウ・ジロウ博士によって発見された吸血植物。正体は、短期間で高度な科学力と知能を身に付けて独自の文明を持つまでに異常進化して怪獣化した緑色の人型生命体で、同族を増やして人類に代わる知的生命の地位を得ることで地球を支配しようと企む。科学特捜隊日本支部へボリビア(南アメリカ)支部のゴトウ隊員(演:桐野洋雄)に化けて潜入し、高良市に幼年期の仲間を繁殖させんと暗躍する。体内で電気を起こすことができ、それを利用した通信機を開発している。最大の武器である両目から放つ破壊光線は、等身大時では人間を気絶させる程度だが、巨大化状態では戦車を破壊するまでに威力が向上する。精神感応で火を消すこともできるほか、その直後に薬品を注射して栄養補給する。また、戦車の砲弾をも跳ね返す硬い皮膚を持つ。
言動の怪しさから科特隊に目を付けられ、二宮博士に真相を見破られて正体を現すと、自ら製作したエアシップコンビナート(飛行メカの大群)を日本に呼び寄せて総攻撃を開始し、自らも巨大化してウルトラマンと戦う。スペシウム光線をものともしなかったが、最後はウルトラアタック光線とウルトラ念力で粉砕される。飛来したエアシップコンビナートも、科学特捜隊とウルトラマンの活躍によって全滅させられる。
幼年期のケロニアは焼却処分されるが、劇中のアラシの話によると、細かく砕くとよく燃えるという特性から、一部は住民たちが焚きつけ(燃料)として持ち帰ったという。
特撮テレビドラマ『ウルトラファイト』の新撮に度々登場。劇中ではケロニヤと呼ばれる。「イカルスの凱歌」「墓場からの使者」「岩上の死闘!」「この勝負は貰った!」「みな殺しの子守唄」「まぼろし怪獣ウー参上」「怪獣無常」「怪獣はつらいよ」「怪獣岬の絶叫!」に登場。
新撮分に登場する怪獣の中では比較的高い勝率を記録する。『ウルトラマン』登場時と違い、全身緑色になっている。敵に対しておびえるなど、やや弱気で口数が少ない。必殺技は飛行機投げ。
第32話「果てしなき逆襲」に登場。
高温で赤く光り輝く透明な背びれを有する4足怪獣。人間が自分の生息地を工場建設のために破壊したことに怒り、鎌倉の宮ノ森の民間住宅開発工事現場に突如出現して暴れだす。頭部・背中の突起を発光させて対象を爆発・炎上させる能力を持つ。これによって山火事を起こしたり鬼山の森の化学工場群を破壊して東京に進撃し、出動したM4中戦車を数台炎上させる。地底深くにいても地表では大火災が発生するほどの超高熱の体温(10万度)により、科学特捜隊の冷凍弾すら有効な手段とはなりえず、ウルトラマンにも熱光線を浴びせて一時は優勢に立つが、投げ飛ばされて気絶したところをスペシウム光線で倒される。
第33話「禁じられた言葉」に登場。
メフィラス星から地球にやってきた異星人。「暴力は嫌い」と自称しており、武力によらない地球征服にこだわる。知能も高く、そのIQは1万以上とされている。一人称は「私」。基本的に落ち着いた慇懃無礼な態度と、紳士的な口調で話すが、物事が自分の思い通りに運ばないと激昂し、暴力に訴える一面もある。
また、多数の凶悪宇宙人のボス的存在として、「ケムール人、バルタン星人、ザラブ星人は自分の配下に過ぎない」と称しており、「その気になれば地球征服など簡単である」と力を誇示していた。科学特捜隊のフジ・アキコ隊員を、記憶と言葉を喪失させたうえで怪獣サイズに巨大化して東京の28番街に出現させ、ムラマツ隊長らを困惑させる。地球人の代表としてフジ隊員の弟・サトル少年を選び、侵略の理由を得るために彼が永遠の命と引き換えに「あなたに地球をあげます」と自発的に言うよう穏やかな口調で仕向け、本人いわく「地球人の心への挑戦」を行う。だが、申し出を拒絶され続けたことに激昂してサトルを無重力のコントロールルームに監禁したところ、ハヤタ=ウルトラマンに「子どもでも地球を売り渡すような人間はいない」と指摘される。その後、ハヤタに対して「お前は宇宙人なのか、人間なのか」と問いかけるが、「両方さ」と返された。
武器は、拳を合わせて両腕を突き出して発射する波状の破壊光線ペアハンド光線、腕を突き出して発射するグリップビーム。攻撃や戦闘時は、「フワッ」というかけ声を発する。科学特捜隊と防衛軍によって宇宙船が破壊されると、巨大化してウルトラマンと対決する。ほぼ互角の戦闘力や超能力で渡り合った後、「宇宙人同士が戦ってもしょうがない。私が欲しいのは地球の心だったのだ。だが、私は負けた。子供にさえ負けてしまった。しかし、私はあきらめたわけではない。いつか、私に地球を売り渡す人間が必ずいるはずだ。必ず来るぞ。」と言い残して退き、テレポーテーションで地球を去る。
第33話「禁じられた言葉」に登場。
科学特捜隊のフジ・アキコ隊員が、メフィラス星人の超能力によって巨大化したもの。催眠状態で操られ、自分の記憶と言葉、意識は喪失しており、東京の丸の内28番街に出現して破壊活動を行うが、警官隊に発砲され、姿を消す。
第33話「禁じられた言葉」に登場。資料によってはケムール人二代目、ケムール人(再生)と表記している。
地球征服を目論むメフィラス星人の配下として登場。巨大化した姿でバルタン星人(三代目)、ザラブ星人(二代目)とともに東京の28番街に現れるが、何もせずに姿を消している。
第34話「空の贈り物」に登場。
宇宙から突如、東京港晴海埠頭の埋め立て地に赤い火の玉と共に降ってきた怪獣。口から高熱火炎を放射すること以外に破壊活動は行わないが、その体重ゆえに動くだけで道路に足が深くめり込むなど、経済上の被害が続出する。ウルトラマンでさえ持ち上げられず、馬乗りになってパンチを浴びせても、尻尾に取り付いて引っ張ってもびくともしないため、ウルトラマンは活動時間の限界を迎えていったん退散する羽目になる。科学特捜隊は宇宙へ送り返すための作戦を敢行し、「ワイヤーロックで釣り上げる」「オートジャイロで運び去る」「ロケット弾を撃ち込んで空に飛ばそうとする」などを経た後、「尻の穴に水素ガスを送り込んで風船のように膨らませる」という方法でついに空中へ浮遊させることに成功する。しかし、作戦のことを知らされていなかった航空自衛隊の練習機(F-86戦闘機)に未確認飛行物体として撃ち落とされ、再び地上に落下し始める。巨大な質量爆弾として地上に大惨事をもたらすかと思われたが、落下中に現れたウルトラマンの空中体当たりで粉砕される。
第35話「怪獣墓場」に登場。
宇宙にあるウルトラゾーンの中の、かつてウルトラマンに倒された怪獣の霊が漂う「怪獣墓場」と呼ばれる特殊空間から、月ロケット一号にしがみついて地球に落ちてきた怪獣。二足歩行型恐竜が白骨化したかのような姿をしており、骨のみで身体の主な部分が構成されている。また、吸盤が指先にあり、ビルを器用に登る。
科学特捜隊が怪獣墓場で遭遇した際には、「地球では見たことがないのでどこか別の惑星で倒されて追放された怪獣」と予想する。高層ビルの屋上から飛んで怪獣墓場に帰ろうとするが、飛行能力が備わっていないために失敗し、怪獣墓場に帰りたいがためにふてくされる。暴れたり科学特捜隊と戦う素振りも見せないことから、怪獣墓場に帰りたがっていることを察知した科特隊により、月ロケット二号にワイヤーで括り付けてもう一度宇宙に送還する作戦が実行されるが、失敗する。そこに現れたウルトラマンも宇宙へ運ぼうとするが、無重力圏に運ぶ途中でエネルギーが尽きて墜落する。再度、月ロケット二号をウルトラマンの姿に修理・改造したウルトラマンロケットで宇宙へ帰す科特隊の作戦が実行され、ウルトラマンの協力もあって無事成功し、怪獣墓場へ帰る。
『ウルトラファイト』第113回「墓場からの使者」から21回に亘って登場。
『ウルトラマン』に登場した時とは違い、性格は無責任でそそっかしい一方で、誰にでも突っかかっていく好戦的で粗暴な面倒くさいタイプ。ねばっこさがあるほか、怪獣界のサッカーの名手という一面も持っており、イカルスと親善試合に興じたりする。さらに不完全だが、セブンに対抗して同じ宇宙陰陽の構えを繰り出す。また、自らに仁義を切るイカルスに対し、それすら省みないで攻撃を仕掛ける狼藉ぶりを見せる。セブンに対抗し、宇宙陰陽の構えを真似て繰り出したりもする。
『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』劇中での特撮シーン撮影場面に登場。
当初は凶暴な怪獣という演出意図に沿って派手に市街地を破壊するが、主人公によって哀愁漂う怪獣へ変貌させられるメインエピソードであった。
データカードダス『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』に登場。
白骨化した体内から出現したプラズマソウルによって狂暴化したプラズマ怪獣。骨以外の全身がプラズマソウルになっている。5弾のボス怪獣として登場した。
第36話「射つな! アラシ」に登場。
突如空から降り注いだ6千万カンデラの閃光(ザラガスフラッシュ)と共に東京の児童会館の地下から現れた凶暴な怪獣。攻撃への耐性が非常に強く、一度外部からの攻撃を受けると赤い煙を口から吐きながら体質変化を遂げてダメージに対する耐性を付けて守備力が増大し、さらに凶暴化する。変身怪獣の別名が表すように、体質変化で姿を変えることもでき、第1形態は頭部・腹部・背中が殻で覆われている状態で頭部の角から閃光を放つ。第2形態は殻が外れて、頭部と背中の突起物型のフラッシュ発射口を展開し、そこからも閃光を放てるようになる。科学特捜隊のジェットビートル2機による連携攻撃(ウルトラ十文字作戦)で一度は倒されたかに見えたが、口から赤い煙を放ち、第2形態となり、再び立ち上がる。突起物からザラガスフラッシュを発して1万8千人の市民の角膜を損傷させて失明させるという甚大な被害を出したため、総合防衛委員会は科特隊に「1発で倒せる方法がない限り攻撃中止」と命令を下す。相手の脳細胞を一瞬で破壊するイデ隊員発明の新兵器「QXガン」を頭部に撃たれて全身が発光して強化するが、最後は接近するVTOLから口内へQXガンを撃ち込まれ、体質変化が間に合わないうちに、ウルトラマンのスペシウム光線で止めを刺される。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。
かつてウルトラマンと戦ったザラガスの別個体。本作品では最初から甲羅が外れた姿で登場する。初代と同様にザラガスフラッシュを得意とするほか、新たに口から火を吐く。ZAPが立ち寄った惑星デントに空から突如現れ、スペースペンドラゴンを襲撃し、レイのゴモラと死闘を展開する。ザラガスフラッシュでゴモラの目を眩ますが、レイを援護するために放たれたペンドラゴンのワイバーンミサイルによる攻撃を浴びて体質変化を起こす一瞬の隙を突かれ、最後はゴモラの超振動波(ゼロシュート)を受けて爆死する。
また、百体怪獣ベリュドラの左角を構成する怪獣の1体となっている。
『ウルトラマンギンガ』第8話「奪われたギンガスパーク」に登場。
ナックル星人グレイ(SD)が桑原伸吾をダークライブさせることで出現する。新たな戦力として第1形態では角から電撃光線を放つ。最初はギンガスパークを奪われて変身できなくなったヒカルを追い詰めるが、美鈴がウルトライブしたレッドキング(SD)が現れたためにこちらと対決し、序盤こそやや劣勢だったものの初代同様体質変化で甲羅を外した第2形態となり、ザラガスフラッシュを使用して優位に立つ。ウルトラマンギンガが登場してからはフラッシュ発射口からヤマアラシのような長く鋭い突起が生えた第3形態への体質強化を遂げ、これを突き刺して放射させる電撃でレッドキング(SD)を倒したほか、全身の突起から強力な電撃光線を放ってギンガにダメージを与える。その体質強化能力で善戦するが、最後はギンガクロスシュートを受けて倒される。スパークドールズを回収された描写はないが、第10話ではヒカルが集めたスパークドールズの中にザラガスの姿も確認できる。
『ウルトラマンX』第12話「虹の行く先」に登場。
ギナ・スペクターが所持していたスパークドールズであり、デマーガ復活の原因を調査するために現れたアスナたちの足止めとして実体化させられた。アスナがコントロールすることとなったサイバーゴモラと戦闘を繰り広げ、ザラガスフラッシュによって一時は優勢に立つもサイバー超振動波を受けて爆発し、スパークドールズに戻った。
『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第10話「揺れるココロ」に登場。
クワハラシティで鼓動がキャッチされた個体。ヒジリアキトは、高エネルギー体のエタニティコア活性化による影響で、他の怪獣たちと同様にそれに刺激されたと推測している。作中では攻撃を受ける度に、外骨格状の甲羅をパージして筒状の器官(フラッシュ発射口)から相手を失明させるほどの威力を持つ6000万カンデラの強烈な閃光(ザラガスフラッシュ)を放つ第二形態、さらに鋭利な棘状の光る突起から電撃を放つ第三形態に変化する。
クワハラシティの地中で休眠しており、初観測から数週間は動きがなくGUTS-SELECTの警戒監視下に置かれていたが、怪力闘士ダーゴンが地団駄を踏んだ衝撃で覚醒し、地上に出現する。トリガーやGUTS-SELECTの攻撃を受ける度に細胞を変化せて強化して攻撃を繰り出すが、アキトの発案でGUTSファルコンに搭載された液体窒素をトリガーの攻撃に合わせて散布したことで冷却作用によって細胞変化を抑制させられ、第二形態に戻る。その隙にパワータイプに変化したトリガーの猛攻を受け、最後はデラシウム光流によって撃破される。
第37話「小さな英雄」に登場。
死亡した怪獣を蘇生させる超能力を持ち、今までウルトラマンと科学特捜隊に倒された60体以上の怪獣を蘇らせて大岩山に集結させ、人間に総攻撃をかけようと目論む。手始めにテレスドン、ドラコ、ピグモンを甦らせるが、人間に友好的なピグモンを蘇らせたことが仇となり、自らの目論見を科学特捜隊に知られたため、60体すべての蘇生には失敗する。テレスドンとドラコを科学特捜隊に倒された後、大岩山から現れる。
頭頂部から尻尾にかけては大量の赤い羽根(白、青、黄、黒もわずかながら混じっている)が、顎から首にかけては大量の白い毛が生えているほか、尻尾にも少量の赤い羽根が生えている。ウルトラマンとの戦いでは頭部と尻尾から針のように鋭い羽根を飛ばし、脳波で遠隔操作して手裏剣のようにウルトラマンの胸板や背中へ突き刺すなどダメージを与え、口からは生物や物体を空中に浮遊させるガス状の無重力光線を噴射して攻撃する。しかし、ウルトラマンと組み合った際に背後を取られて頭部と尻尾の羽根の大半をむしり取られたうえ、逆上して放った無重力光線をリバウンド光線で跳ね返されて自身が空中に浮遊させられる。最後は、ウルトラマンに抱え上げられた状態でイデ隊員に新兵器「スパーク8」の一撃を浴びせられ、倒される。
第38話「宇宙船救助命令」に登場。
太陽系に存在する謎の惑星Q星に生息する、頑丈な皮膚に覆われた宇宙怪獣。最大の武器は複眼のまぶたを閉じて光熱を蓄積した後にシャッター音とともに大きく見開いて放射する強烈な閃光で、見た者の視力を一時的に失明状態にさせるほか、熱もともに浴びせるため、人工衛星のBMヒューズが焼き切れて故障したり、照射を受けた岩に爆発が起きた。科学特捜隊がBMヒューズを回収するために訪れる前には、同じくQ星に棲む怪獣サイゴと戦っていた。パワーではサイゴには劣りながらもかなりの実力を持ち、イデ自慢の新兵器ニードルS80もまったく通用せず、ウルトラマンの八つ裂き光輪を尻尾で弾き返し、スペシウム光線も通用しない。ウルトラマンのカラータイマーが鳴り始めたと同時に逃走を図るが、ウルトラサイコキネシスによって宇宙の彼方に放り出され、爆発する。
『ウルトラファイト』第151話「熱い子守唄」、第154話「狂熱のバラード」、第156話「俺の名はキーラー」、第158話「握手は終った」などに登場。本作品ではキーラーと呼ばれる。
ゴーロンとは旧知の仲である。ひょうきんでおせっかいな性格。時に雪山でゴーゴーダンスを嗜むほか、自分の名前や不意に飛んできた三度笠に異常な執着を見せる。殴られても蹴られても、取り憑かれたようにリンゴをかじり続ける場面もある。戦いの時には刀や斧を愛用する。特に刀を手に見せる居合いの技は、ほかの怪獣を寄せ付けない。「怪獣道とは、生きることと見つけたり」という言葉を残す。終盤参戦組の中では健闘し、中でも引き分けが多い。
第38話「宇宙船救助命令」に登場。
キーラと同じくQ星の砂地獄地帯の底に生息する怪獣。地面にアリジゴクのような罠を仕掛けて獲物を狩る。半分閉じた目をしており、口からは白いガス状の砂煙を吐きかけることで、相手の視界を奪うことができる。仲が悪いキーラとの戦いでは噛み付きや怪力、砂煙で圧倒する。しかし、砂煙を吐きかけて油断したところを反撃され、キーラのショック光線で視力を一時的に失い、キーラを跳ね飛ばして地中に逃げる。その後、砂地獄に捕らわれた科学特捜隊の宇宙タンクを襲うが、宇宙タンクのSNKミサイルの攻撃で青いクリスタル状に凝固して粉々に砕け散る。
第39話「さらばウルトラマン」に登場。
ゼットン星人の切り札ともいうべき地球侵略のための生体兵器。ゼットン星人が銃撃され、「ゼットーン」と断末魔の声を上げながら消滅すると、それに応えるように大型円盤の中央からふくらんだ風船状の青い球体が爆発した中から出現し、科学特捜隊基地の襲撃に取りかかる。
武器は顔の発光器官から放つ赤色の1兆度の超高熱を帯びた火球とされる。本編映像では頭部左右の突起及び発光部の下端から出た赤色の光が顔の前で収束した赤色の火球が放たれている。このほか、本編では2種類の光弾が放たれている。人間の顔に見立てると目に当たる頭部左右の突起部分から放たれる白色の光弾は貫通力に優れているようで、あらゆる熱線や光線に耐えうるという特殊合金が含まれる科特隊本部の外壁に大穴を空けている。発光器官から放たれる複数の白色の小光弾から成る塊状の光弾は科特隊本部の壁面を破壊し、内部に火災を発生させている。瞬間移動で相手の後ろを取ったり、体の前面に張ったバリアーで相手の攻撃から身を守れるほか、相手の光線技を胸と合わせた両手で吸収してエネルギーとして利用し、両手から波状光線として撃ち返す能力も持つとされる。
科特隊本部に迫ったところでウルトラマンにキャッチ・リングで腕と胴体を取り巻かれて拘束されるが、回転を続けるウルトラマンの足元に赤色火球を数回命中させ、そこから吹き上がる赤い煙状のものがウルトラマンを包むと、効力が弱まったのかキャッチ・リングはゼットンが腕を広げるとちぎれて分散され、ウルトラマンは回転が停止して転倒する。立ち上がったウルトラマンの背後を瞬間移動で取って左右の突起から白い光弾を発射し、それを回避したウルトラマンが放つ八つ裂き光輪もバリアーで防いで粉砕する。飛びかかってきたウルトラマンを弾き返したうえで押し倒し、格闘戦でも優位に立つ。さらにはスペシウム光線も平然と受け止め、波状光線を撃ち返してカラータイマーに直撃させたうえで波状光線をもう1発撃ち、ついにウルトラマンを完全に倒す。その後、塊状光弾で科特隊本部への攻撃を開始するが、岩本博士が個人的に開発研究していたペンシルロケット型の試作弾「無重力弾」をアラシによって撃ち込まれ、上空に浮き上がって爆死する。ゼットンの赤い断面の肉片はアラシたちのもとにも降り注ぎ、彼らに勝利を確信させた。
第39話は、完成品と準備稿で描写の違いが複数存在する。
また、当初はウルトラマンとの空中戦を予定していたが、メフィラス星人と被る部分が多く、尺的(分数)からも飛行能力は持たない怪獣とし、空中戦はゼットン星人対科特隊の特撮に変更された。
ゼットンがウルトラマンを倒すシーンも、準備稿では投げ飛ばされたウルトラマンが起き上がろうとしたところを、ゼットンがカラータイマーを潰し割るという展開だった。しかし、監督の円谷一が子供たちのヒーローたるウルトラマンを惨殺することに強く反対したため、現在の形に修正されたという。このシーンは、『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』(洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)では脚本にあるだけで撮影はされていないとされている。『小説 ウルトラマン』では、この準備稿に沿った展開になっている。
関連書籍では、過去の怪獣を組み合わせたものではないかとする説が存在している。
書籍『ウルトラマンベストブック』(竹書房、1993年)では、岩本博士の言葉として「これ以前に劇中に登場した怪獣の体の部分、能力を移植したサイボーグ怪獣ではないか」という説(角はアントラー、顔はサイゴ、腹の黄色い発光体はキーラ、手足の筋肉はレッドキング、背中の甲羅はケムラー、黒い体型はメフィラス星人、バリアー能力はバルタン星人〈二代目〉)が紹介されている。
上記の説については幻冬舎の書籍『21世紀ウルトラマン宣言』に、ゼットンの誕生に迫る記述がある。それは宇宙のさまざまな場所から集められた生物を戦わせ、生き延びた者同士を交配させる。以上の行為を気が遠くなるほど繰り返すことによって、感情を持たない戦うためだけの存在として生み出されたというその姿は、エレキング種のレーダーの役割を果たす角にレッドキング種の蛇腹皮膚と筋力を持ち、外皮色はメフィラス星人から受け継がれたとされる。
映画監督の河崎実は自著『ウルトラ THE BACK』の中で、「バルタン星人のVのイメージ」「レッドキングの体表」「メフィラス星人の発光部分」などの意匠を挙げ、ジャンボキングなどの合体怪獣の元祖かもしれないと考察している。怪獣造型に精通する歯科医師の小林晋一郎も、『ウルトラマン研究読本』で合成怪獣である可能性について言及している。
最終回「さらばウルトラマン」に登場。
ゼットンを操る謎の宇宙人。劇中で岩本博士により、「1930年代から約40年に渡る円盤の飛来は、彼ら(ゼットン星人)の地球偵察だった」「地球侵略のための準備が整ったと判断した彼らは、大円盤部隊を動員して地球征服の最大の障害である科学特捜隊日本支部とウルトラマンの抹殺を行うべく日本に侵攻した」と推測される。
20機もの円盤群は世界各国の人工衛星を破壊して日本へ侵攻し、航空自衛隊と交戦して一部が撃墜されるが、反撃して全滅に追い込む。科特隊の2機のビートルによって大型母船以外の全機が撃墜されていくなか、ゼットン星人の1人が科特隊日本支部の基地内へすでに潜入しており、新兵器を取りに部屋を出た岩本博士を気絶させて彼に憑依する。今度はフジを気絶させた後、謎の銃を使って基地の機器を破壊していく。フジから事情を聞いたアラシに殴られて変身が解けたところを、ハヤタにマルス133で頭を銃撃され、「ゼットン」と断末魔の言葉を残して消滅する。
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