本項では、東海道本線(とうかいどうせん)のうち、東日本旅客鉄道(JR東日本)が管轄する東京都千代田区の東京駅から静岡県熱海市の熱海駅までの区間について、主にこの区間で運行される中距離旅客列車(いわゆる湘南電車)の運転系統を中心に記述する。
東京から南西へ伸び、横浜市・藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市・小田原市など神奈川県の太平洋(相模湾)側の各都市を経由して熱海市へ至る。
ラインカラーは通称「湘南色」と呼ばれる車体の色の一部であるオレンジ(■)で案内されている。日本国有鉄道(国鉄)の運営であった時代は、この区間の普通列車を指して湘南電車の語が旅客案内において用いられていた。駅ナンバリングで使われる路線記号はJT。
新橋駅 - 横浜駅(現在の桜木町駅)間は、日本最初の鉄道路線として1872年(明治5年)に開業した。東京駅 - 横浜駅間は京浜東北線が並走しており、同区間は主に各駅停車の京浜東北線に対して当路線は普通列車も含めて快速運転の役割をもつ。品川駅 - 横浜駅間は京急本線と並走しており、競合関係にある。日本最古の幹線路線として沿線は早くから工場や住宅地などの開発が行われ、東京駅から80 kmを超える小田原駅まで市街地が連続して続いている。また、一部の列車は東海旅客鉄道(JR東海)管轄の東海道線を経由して沼津駅まで直通している。沿線各都市から東京都心への通勤路線となっているほか、伊東線・伊豆急行線に直通して東京・横浜から伊豆半島へ向かう特急列車「踊り子」「サフィール踊り子」も運転されている。また現在ではJR線唯一の定期夜行列車となった中国・四国地方への寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」も運転されている。
朝ラッシュ時の利用者が1日の普通列車利用者数の半数を占め(1989年時点)、また遠距離通勤客の増加による混雑の激化を背景に、JR東日本はラッシュ時の輸送改善に力を入れており、東海道貨物線を有効活用した通勤ライナー(現在の特急「湘南」)の増発や2階建てグリーン車の連結による着席サービスの向上、15両編成による長編成化、座席のロングシート化による定員増や4ドア普通車の導入などによる混雑緩和が図られている。
21世紀に入ってからは新たな運行体系として2001年に「湘南新宿ライン」として、新宿駅経由で高崎線との直通運転が開始され、さらに2015年に「上野東京ライン」として、東京から北関東方面へ向かう東北本線(宇都宮線)や高崎線、常磐線との直通運転が開始されている(常磐線系統の上野東京ラインは品川駅止まり)。
東京駅 - 品川駅間は東京の古くからの中心市街地を抜け、横浜駅 - 大船駅間は丘陵越え、小田原駅 - 熱海駅間は海岸沿いのトンネルが連続する区間を走るが、敷設条件から線形はあまりよくない。また、東海道本線の中でも最初期に建設された区間を含めて平地を走る幹線としては曲線半径が小さく、速度制限を強いられる箇所がいくつかある。一転して湘南地域の大船駅 - 小田原駅間は相模湾に沿って線路が敷設され線形は概ね良く、最高速度120km/hでの運転が行われており、JR東日本の首都圏向け電車は落成後同区間で試運転を行うことが恒例となっている。
本節では、“湘南電車”の通称を持つ80系電車の登場以降の普通列車の沿革について記述する。
東海道線東京駅 - 熱海駅間における運行形態の詳細を以下に記す(2021年3月13日ダイヤ改正時点)。
かつてはほぼすべて東京駅を起終点として運転されていたが、2001年12月1日の改正からは横須賀線の線路と山手貨物線新宿駅を経由して高崎線へと直通する湘南新宿ラインの運転が始まり、2015年3月14日の改正からは宇都宮線・高崎線・常磐線の始発駅となっていた上野駅までの間に東京駅から列車線が新設(厳密には復活)され、これを経由して上野東京ラインとして前述3路線との直通運転が開始された。
東海道線列車は、東京駅 - 大船駅間では専用の複線の線路(列車線)を走行する。並行する山手線・京浜東北線や横須賀線の線路よりもホーム設置駅が少なく、この区間では普通列車も含め、事実上速達輸送の役割を担っている。湘南新宿ラインは山手貨物線 大崎駅から連絡線(大崎支線)を通って戸塚駅まで横須賀線の線路で運転されるが、この線路上では東海道線・高崎線直通列車は横浜駅・武蔵小杉駅にのみ停車する。また東京駅 - 小田原駅間では貨物列車が走行する東海道貨物線とも線路が分離されており、貨物列車のダイヤに影響されることなく、多数の旅客列車を運転することができるようになっている。
なお、川崎駅付近の人身事故など、品川駅 - 川崎駅( - 鶴見駅 )- 横浜駅間が不通になった場合、東海道線系統の列車が品鶴線を経由し、武蔵小杉駅に臨時停車することがある。また、横須賀線系統が運転を見合わせている場合、東海道線系統の列車が横須賀線線路に転線して保土ケ谷駅・東戸塚駅に臨時停車することがある。
上野東京ラインおよび東京駅(以南)発着系統は東海道列車線の各駅に停車する“普通”が中心である。湘南新宿ラインは特別快速(戸塚駅以西快速運転)と快速(戸塚駅以西各駅停車)の2種別が東海道線に乗り入れる。詳細は後述するが、東京駅以南発着系統は早朝・夕夜間の一部列車のみで、大半の列車が上野駅経由または新宿駅経由で赤羽・浦和・大宮方面の宇都宮線・高崎線と直通しており、東海道線(鶴見駅 - )横浜駅 - 大船駅間と宇都宮線赤羽駅 - 大宮駅間は運転系統としてほぼ一体化している(この記事では詳述しない湘南新宿ライン横須賀線系統も含む)。
平日朝ラッシュ時は、上り(東京・新宿方面)の列車が上野東京ライン普通と湘南新宿ライン快速とあわせて最短2分30秒間隔の過密ダイヤとなっており、下りは7 - 10分ほどの間隔である。土休日の朝は平日よりも間隔が長くなる。
日中の時間帯は特急を除くと東京駅が始発・終着となる列車は運転されておらず、上野東京ライン(常磐線直通を除く)は1時間に普通6本の運転である。宇都宮線・高崎線とも3本ずつが直通する。下り列車は1986年3月3日改正で確立されたダイヤを現在も継承するかたちで10分間隔発車となっており、上り列車についても2015年3月14日改正より東京着がほぼ10分間隔に揃えられた。湘南新宿ラインは特別快速と快速が1時間に1本ずつ運転されており、これらを合わせた東海道列車線上の特急を除いた日中1時間の運転本数は、東京駅 - 横浜駅 - 戸塚駅間が6本、戸塚駅 - 平塚駅間が8本、平塚駅 - 国府津駅 - 小田原駅間が5本、小田原駅 - 熱海駅間が3本である。
横浜駅 - 戸塚駅 - 大船駅間は、湘南新宿ラインの高崎線 - 東海道線系統(毎時2本)や、保土ケ谷駅・東戸塚駅にも停車する横須賀線(毎時6本)および湘南新宿ラインの宇都宮線 - 横須賀線系統(毎時2本)も合わせ、1時間に14 - 15本(特急列車を除く)運転されているが、間隔は均等ではない。また、戸塚駅では対面乗り換えができるが、終電間際を除き、相互接続は考慮されていない場合が多い。
夕方以降は上野東京ライン(常磐線直通を除く)が1時間に6本ほどの運転で、ピーク時の18時台はこれより本数が多くなる。湘南新宿ラインは快速が1時間に2本の運転となる。なお、上野東京ラインの運転は23時ごろに東京駅を発着する列車で終了し、それ以降は東京駅または品川駅の発着となる。
年末年始における終夜運転は東海道線では行われないが、東京駅 - 川崎駅 - 横浜駅間で京浜東北線が、品川駅 - 武蔵小杉駅 - 横浜駅 - 大船駅で横須賀線や湘南新宿ライン宇都宮線直通列車が実施している。
昼行の特急列車として、東京都心と伊豆半島とを結ぶ特急「踊り子」「サフィール踊り子」が定期列車で1日5往復設定されている。また、臨時列車の中に新宿発の列車も設定されている。東京発の列車は9時から13時まで毎時00分に東京駅を発車する。
朝夕のラッシュ時には湘南地区の通勤客を対象とした特急「湘南」が運転される。これらは全列車が横浜駅を通過し、一部の列車は東海道貨物線の横浜羽沢駅(貨物駅)経由で運転されるため横浜駅を経由しない。なお貨物線経由の列車は、藤沢駅・茅ケ崎駅で貨物線上に設けられた「湘南」専用ホームに停車する。
また、常磐線特急「ひたち」・「ときわ」が朝ラッシュ時の一部を除き上野東京ライン・東海道線経由で品川駅まで乗り入れる。
夜行列車は、岡山経由四国・山陰方面の寝台特急「サンライズ瀬戸」・「サンライズ出雲」が1日1往復運転される。
このほか多客期には臨時列車として以下の列車が運転される。
停車駅などの詳細は各列車記事を参照。
以下では普通列車・快速列車について解説する。
現在、東京駅・品川駅を発着する日中の全列車は、東京駅 - 上野駅間の上野東京ライン、さらに上野駅 - 大宮駅以北の宇都宮線・高崎線へ直通している。東京駅を始発・終点とする普通列車は、5・6時台の下り普通と23時台の上下線普通に限られる。また、後述の快速アクティー廃止により、東京駅方面に乗り入れる東海道線内快速の列車はなくなった。
東海道線(列車線)の線路上にホームのある駅すべてに停車する。E233系で運転される場合、種別カラーは緑。早朝の東京始発および品川始発の下り列車と東京駅を深夜23時台以降に発着する列車(上り品川行きも含む)を除いて上野駅まで乗り入れるか宇都宮線・高崎線と直通する。朝の上り(北行)列車のみ、宇都宮線内で快速「ラビット」・高崎線内で快速「アーバン」として運転される列車が各2本ある。
日中は宇都宮線(宇都宮駅・小金井駅・古河駅)・高崎線(高崎駅・籠原駅) - 東京駅 - 平塚駅・小田原駅・熱海駅間の運転が基本である。一部列車は、高崎線高崎経由で上越線新前橋駅・両毛線前橋駅まで直通する。以前は宇都宮線宇都宮経由で氏家駅や黒磯駅を発着する列車もあったが、2022年3月のダイヤ改正で廃止されている。
日中以外の時間帯には、上野・東京方面から国府津駅までの区間列車が設定されているほか、熱海駅を越えて伊東線の伊東駅まで1日5往復、東海旅客鉄道(JR東海)東海道線の沼津駅まで1日9往復が東京駅から(その多くは上野方面から)直通運転している。かつては東京駅 - 静岡駅・島田駅間などの直通列車が設定されていたほか、伊東線直通が日中にも設定されていたが、2004年10月16日の改正で静岡駅発着が1往復になり、沼津駅発着も朝晩のみに見直された。2012年3月17日の改正ではその1往復のみ残っていた東京駅 - 静岡駅間の列車が東京駅 - 沼津駅間に短縮、伊東線直通が下り6本・上り5本に見直され、2013年3月16日の改正で伊東線直通列車1本が東京発熱海行きに見直されて現在に至っている。
平日朝ラッシュ時は二宮・辻堂始発の列車がそれぞれ1本ずつ設定されているほか、毎日朝夕には上野駅発着の東海道線列車や、宇都宮線・高崎線から品川行きの列車も設定されているほか、平日朝1本のみ高崎線からの大船行き列車が設定されている。また、朝には下り2本の平塚発熱海行きと上り1本の沼津発で小田原駅で乗り継ぎになる列車、深夜23時台には熱海発国府津行きの区間列車が設定されている(熱海発の上り方面最終列車)。このうち、平塚始発の下り区間列車はグリーン車無しの付属編成5両のみで運転されている。
東京駅 - 熱海駅間の所要時間は、日中約100 - 120分、ラッシュ時約110 - 120分と列車によって開きがある。
東京駅 - 品川駅間では、上野駅経由で常磐線(快速)と直通する列車も東海道線の線路で運転されている。土浦・水戸方面と直通する中距離列車は6時台から23時頃までの終日に渡り運転され、日中は1時間に3本運転される。ほとんどが普通列車だが、特別快速が運転される時間もある。朝および夕方から夜間は普通列車が1時間に1 - 2本程度が乗り入れる。また、朝の上りおよび夕方以降には取手駅および我孫子駅経由・成田線成田駅発着で運転される快速電車が乗り入れる。いずれも東京駅・新橋駅・品川駅に停車する。
湘南新宿ラインは、快速と特別快速の2つの種別が東海道線に乗り入れ、これらはすべて高崎線に直通する。西大井駅 - 戸塚駅間は横須賀線用の線路を経由するが、西大井・新川崎・保土ケ谷・東戸塚の4駅を通過する。最高速度120km/h運転を実施している。全列車高崎線籠原駅 - 小田原駅間は15両編成での運転となる。
2004年10月16日のダイヤ改正より運転開始。東海道線内は快速「アクティー」と同じ停車駅である。E233系で運転される場合、種別カラーは青。
東海道線内では日中1時間に1本運転される。北行の1本目が平塚発である以外は全列車が高崎線高崎駅 - 新宿駅 - 小田原駅間で運転されるが、2010年度までは多客時には土休日ダイヤで2往復が小田原駅 - 熱海駅で延長運転を行う日があった。一部を除き南行は平塚駅で、北行は大船駅(一部は平塚駅)で上野東京ライン普通に接続する。北行に関しては、接続相手の普通列車は宇都宮線直通である。また、北行は小田原駅で熱海方面からの普通から接続する列車がある。
2001年12月1日の湘南新宿ライン運転開始以来運転されている種別。E233系で運転される場合、種別カラーはオレンジ。この“快速”は同じ線路上で保土ケ谷駅・東戸塚駅に停車する横須賀線・総武快速線電車および湘南新宿ライン横須賀線・宇都宮線直通系統の“普通”に対する“快速”であり、横浜駅以西では東海道線の普通列車と同じ駅に停車する。南行は戸塚駅から終点までの東海道線内では「普通」と案内されるが、北行は始発駅から大崎駅への到着まで「快速」と案内される。日中は高崎線籠原駅 - 新宿駅 - 平塚駅(一部国府津駅)で1時間に1本が運転されている。特別快速の設定がない朝や夕方以降は国府津駅・小田原駅発着も設定されており、本数も1時間に2 - 3本に増える。
日中(10時台〜14時台)の東海道線は、直通路線・発着駅ごとに1時間あたりの運行本数がパターン化されている。上野東京ライン普通列車(東京駅経由)は、常磐線(快速)直通・品川駅発着が毎時3本、宇都宮線直通・平塚駅発着が毎時2本、高崎線直通・小田原駅発着が毎時1本、高崎線または宇都宮線直通・熱海駅発着が毎時3本となっている。湘南新宿ライン高崎線直通(小田原駅 - 戸塚駅間が東海道線)は小田原駅・高崎駅発着の特別快速、平塚駅・籠原駅発着の快速(東海道線内各駅停車)がそれぞれ毎時1本となっている。
なお、直通運転区間の発着駅の( )に示す南北表記は、主にその方向での運行しかないものを示す。
通勤時間帯に運転されていた座席定員制の列車で、1986年11月1日の国鉄最終年度のダイヤ改正から運転を開始した。運転区間は東京駅・新宿駅 - 小田原駅間。
朝は東京・新宿方面の上り方向、夜は小田原方面の下り方向に運転された。列車名は東京駅発着系統が朝晩とも「湘南ライナー」、新宿駅発着系統については当初は「湘南新宿ライナー」、後に朝は「おはようライナー新宿」、夜は「ホームライナー小田原」となった。現行の特急「湘南」と同じく全列車が横浜駅を通過し、一部の列車は東海道貨物線の横浜羽沢駅(貨物駅)経由で運転されるため横浜駅を経由しなかった。
2014年3月17日から、下り列車で大船駅および藤沢駅より先で料金不要の快速列車として運転されるようになった。ただし停車駅は改正前と変わらず、通勤快速や快速「アクティー」とも停車駅は異なり、旅客線経由の場合は通勤快速や快速「アクティー」が通過する辻堂駅・二宮駅(一部)にも停車、貨物線経由の場合は通勤快速や快速「アクティー」が停車する大船駅・平塚駅・国府津駅を通過していた。
2021年3月13日のダイヤ改正を以て廃止された。
1990年3月10日改正から2021年3月12日まで、平日夜間に東京始発小田原行きの下り方向のみ運転されていた快速列車。E233系で運転される場合、種別カラーは紫。1989年3月11日改正にて夜間の遠距離速達を目的に快速「アクティー」として登場したが、混雑が激しく本来の利用目的に合わないため、通勤快速として再編された。快速「アクティー」の停車駅のうち、遠距離通勤者の便宜を図る目的から川崎駅・横浜駅・戸塚駅を通過し、それ以外は同一の停車駅である。上野東京ライン開業後も通勤快速は東京発で運転されていた。土休日は通勤快速の運転はなく、この時間帯に快速「アクティー」が運転された。
設定当初は1日4本運転されており、19時台から22時台のそれぞれ50分に東京駅を発車していたが、2009年3月14日のダイヤ改正で22時台の列車が廃止され、1日3本の運転となった。全列車が東京駅10番線から発車し、大船駅で先行の普通列車と連絡していた。東京駅19時台の列車は国府津駅・小田原駅、20時台の列車は小田原駅でも先行の普通列車と連絡していた。東京駅 - 小田原駅間の所要時間は70-73分と日中の下り快速「アクティー」より、2-5分程度所要時間が短縮されていた。
2021年3月13日のダイヤ改正を以て廃止された。
2021年3月13日のダイヤ改正からは夜間に東京発小田原行きで下りのみ1日2本運転されていた快速列車。E233系で運転される場合、種別カラーはオレンジ。廃止された通勤快速に代わって平日も運転された。なお、東京以北との直通は行われていなかった。
快速「アクティー」は元来、1989年3月11日のダイヤ改正から東京駅 - 熱海駅間で日中を中心に運転されていた。平日に藤沢駅・茅ケ崎駅・平塚駅・真鶴駅に停車するが休日には通過(真鶴駅には毎日上下2本ずつ停車)していたエル特急「踊り子」の停車駅を削減し、通過駅を快速が代替する形式で設定された。
当初の通過駅は戸塚駅・辻堂駅・大磯駅・二宮駅・鴨宮駅・早川駅・根府川駅の7駅であったが、早川駅・根府川駅には1998年3月14日改正で一部列車が停車、2004年10月16日改正で全列車が停車するようになり、小田原駅 - 熱海駅間は各駅停車に統一された。2007年3月18日改正では横須賀線・湘南新宿ラインとの乗り換えの便を図ることや湘南新宿ライン特別快速に合わせる形で戸塚駅にも全列車が停車し東京駅 - 藤沢駅間も各駅停車となり、通過駅は辻堂駅・大磯駅・二宮駅・鴨宮駅の4駅となった。
2021年3月12日までの運転頻度は1時間に1本程度。平日は下りが東京発8 - 16時台、上りが平日東京着11 - 23時台の運転だった。日中の下り列車は設定当初、東京駅の発車時刻が毎時40分であったが、後に毎時37分となった。上り列車は毎時10分前後に熱海駅を発車していた。上野東京ラインの開業以降は東京始発・終着列車以外は宇都宮線と直通し、宇都宮線内は普通として運転していた。主に宇都宮線(宇都宮駅・小金井駅) - 熱海駅間で運転されたが、平日の午前中に上野始発、午後に小田原止まり、夜間に東京行き、土休日の朝夕に東京駅・小田原駅発着や古河止まりが設定されていた。
土曜・休日には日中時間帯以外に、下りが平日の通勤快速に代わる列車として東京発19 - 21時台に運転されていた。これらの「アクティー」は、かつては通勤快速と同様に東京駅毎時50分発であったが、2007年3月18日改正で戸塚駅停車となったことで所要時間が伸びたため、この改正からは毎時48分発、2010年12月4日改正からは47分発と早くなった。2015年3月14日改正では19時48分・20時48分・21時49分発となった。これらの列車は上野東京ラインの開業以降も東京始発で運転されていた。
湘南新宿ライン運転開始以前は「湘南ライナー」で運用されていた全車2階建ての215系も一部の列車で使用されていたが、現在ではすべて普通列車と共通の車両で運用されている。2006年3月18日のダイヤ改正以降、一部列車を除いて宇都宮線内も含め全区間で15両編成での運転となっている。
国鉄時代には、横須賀線との分離運転開始後の1981年10月ダイヤ改正より、休日を中心に伊東線・伊豆急行線や御殿場線に直通する快速が運転されていた(臨時列車扱い)。1984年2月・1985年3月改正時点では東海道線内のみで平日に運転される列車も上り・下り1本ずつ存在したが、平日の快速は1986年3月3日改正でいったん廃止となっている。現在の「アクティー」との違いは、新橋駅・戸塚駅・茅ケ崎駅・早川駅・根府川駅を通過する点であった(一部例外あり)。
2023年3月18日のダイヤ改正を以て廃止された。
以下では、1950年の湘南電車の登場以来、東京駅 - 熱海駅間の普通列車(快速を含む)で使用されてきた車両について解説する。
太平洋戦争終戦直後まで客車によって運転されていた東海道本線東京駅発着の普通列車は、1950年(昭和25年)に登場した80系により電車化された。当時、電車は都市近郊の近距離区間でのみ運転されるものであった中、長距離での電車運用は前例のない画期的なものであり、普通列車のほかに準急列車にも充当された。その後、1958年には80系の後継として153系(新製時は91系)が登場。普通列車から準急、急行までの幅広い運用をこなした。しかし80系・153系は片開き2ドア・クロスシートの車両であり、混雑による遅延の慢性化が問題となった背景から、1962年(昭和37年)以降は両開き3ドア・セミクロスシートの111系・113系が登場。国鉄末期から民営化直後(1980年後半-1990年代前半)にかけて登場した211系も3ドア車体を引き継いだが、定員の多いロングシート車の比率が高くなった。21世紀に入ると扉の数をさらに増やした4ドアのE231系・E217系・E233系が投入され、2012年4月の211系運用終了によって普通列車用車両は4ドア(2階建てグリーン車は2ドア)に統一された。
現在使用されている車両には、80系から代々引き継がれている車体色である、通称「湘南色」と呼ばれるオレンジと緑のツートーンカラー(■■)の帯が巻かれている。複々線区間ではこれによって並行する横須賀線電車との区別が可能となっている。なお湘南新宿ラインに使用される車両も同じ湘南色が使われている。編成は一部を除いて15両または10両であり、熱海寄りから1号車、2号車…の順に号車番号が付けられている。4号車・5号車は2階建てグリーン車(自由席)、それ以外は普通車となっている。
113系ロングシート改造車以降、ラッシュ時の混雑対策のためにロングシート車の割合が増えたが、E217系・E231系・E233系では編成の一部車両をセミクロスシート車両としている。15両編成の場合普通車13両中4両ないし6両、10両編成の場合普通車8両中2両ないし4両、E217系では同3両がセミクロスシートである。また、バリアフリー対応の洋式トイレが設置されている。
以下では、これまで普通列車として使用されてきた車両について解説し、一部準急・急行にも混用されていた形式を含む。ここで列挙する車両はすべて電車である。以下のうち、現在一般列車で使用されている車両はE231系とE233系であり、2015年3月から両形式の併結も行われている。なお常磐線に直通する車両については「その他」にまとめている。
東海道線東京口における「湘南電車」運行車両の変遷を以下に示す。
2022年度の朝ラッシュ時最混雑区間は川崎駅 → 品川駅間であり、ピーク時の混雑率は134%である。
東京駅から営業キロで60km以上離れた平塚駅までの各駅は一日平均乗車人員が5万人を越えている。1997年度まで混雑率が220%を上回っていたが、2001年度に湘南新宿ラインが開業すると輸送人員が減少し、2010年度に混雑率が190%を下回った。2014年度に上野東京ラインが開業すると輸送人員が増加に転じている。
2000年に運輸省(現在の国土交通省)は、全国各都道府県について年間の都道府県間鉄道流動量の調査を行った。このうち、関東地方に関する調査結果を見ると、南関東 - 北関東間の鉄道需要が非常に高いものであることを示した。こうした背景を踏まえ、2001年12月1日に湘南新宿ラインが開業、さらに2015年3月14日に上野東京ラインが実現した。
かつては熱海駅以西のJR東海管轄区間への直通列車が少なからず存在したが、2004年10月16日のダイヤ改正で多くの列車が熱海駅で系統が分離され、熱海駅を跨いで直通する列車が減便された。これは、丹那トンネルの東西で流動の太さに差異が認められるためであり、JR東日本も直通列車の削減について需要が少ないためと説明している。実際、東京・横浜方面からの観光・保養客の流動を見ても、東京の奥座敷として知られる熱海や湯河原、箱根(小田原経由)、伊東線・伊豆急行線方面が主な目的地となっているとともに、この区間の移動は東海道新幹線の利用よりも在来線の列車の利用が優勢となっている反面、丹那トンネル以西への広域移動は新幹線の利用が一般的ないし優勢となっており、通勤者の状況を見ても、熱海市までは東向きの流動が多く、関東大都市圏を構成する市町村も熱海市までとなっているのに対し、丹那トンネル以西の地域では、熱海駅を越える流動よりもJR東海管内で完結する流動が大部分を占めている。しかしながら、熱海駅をまたがる流動も一定数存在しており、このような乗客への便宜を図って、付属編成5両を用いた修善寺駅発着の特急「踊り子」や朝夕には沼津駅発着の直通列車の運転も行われている。
2019年(令和元年)度の乗車人員(降車人員含まず)は次の通り。
東京駅 - 熱海駅間の列車線(旅客線)のもの。東海道貨物線は除く。
東京駅 - 品川駅間が首都圏本部、川崎駅 - 熱海駅間が横浜支社の管轄であり、品川駅 - 川崎駅間に支社境界がある。
この節では、東京駅 - 熱海駅間の東海道線の停車駅と営業キロ・接続路線・停車列車を一覧で示し、また過去に存在した接続路線についても列挙する。廃駅・廃止信号場については「東海道本線」を参照。
2022年度の時点で、JR東日本自社による乗車人員集計から除外される駅(完全な無人駅)は根府川駅のみである。
大船駅 - 藤沢駅間に、村岡新駅(仮称)が設置される予定。2021年2月8日にJR東日本横浜支社と神奈川県、藤沢市、鎌倉市の4者が駅を設置することで合意した。今後は2021年度に4者で駅設置に関する基本協定を締結し、翌年度から詳細設計に着手する。開業は2032年度を予定している。
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