『さよなら絶望先生』(さよならぜつぼうせんせい)は、久米田康治の漫画『さよなら絶望先生』を原作とした一連のアニメシリーズ。
本稿で解説する作品は以下の通り。また、状況に応じて以下の略号を用いる。
『週刊少年マガジン』連載の漫画『さよなら絶望先生』を原作としたアニメシリーズ。コンセプトとしては「学園ブラックコメディー」と称されている。アニメーション制作はシャフトが担当し、2007年にテレビシリーズ第1作がアニメ化されてから現在までの時点でテレビシリーズが3作、OVAが2作製作されている。
監督の新房昭之曰く『パタリロ!』をやっていた時代の東映動画を意識したという。
テレビシリーズはチバテレビなどの独立U局などで放映された。OVAは受注限定生産方式のDVDで講談社によりOAD(オリジナル・アニメーション・DVD)という呼称がつけられ、OVA第1作の中巻以外はいずれも原作単行本の初回限定版に付属となっている。
声優の人選、静止画やアイキャッチの多用、パロディの多用、黒板への書き込みネタ(本作では久米田も参加)など、『ぱにぽにだっしゅ!』以降定番化したシャフト・新房昭之作品の特徴が本作でも見受けられる。龍輪直征などアニメスタッフに原作ファンがいることもあって、原作の和風レトロな雰囲気を壊さないように配慮がなされた。例えば、字幕を漢字カタカナ交じり文で表記する、劇中の様々なパロディのなかに昭和の番組・CMのパロディを取り入れるなど。またアイキャッチや背景で、久米田作品の名物アシスタント・前田君の顔写真が多用された(顔写真は公式サイトで公開されている)。
その一方で、一部のきわどい時事ネタの削除・改変やストーリー展開の変更(原作複数話を一つの話に集約させる、「取材のため休み」のような漫画的表現をアニメでも不自然にならない演出に改変するなど)があったほか、多くのキャラクターを登場させるために原作一話時点で未登場の人物(原作十話までは不登校だった日塔奈美など)をアニメでは第一話から登場させたり、原作で出番の少ない小森霧と新井智恵をアイキャッチなどで多く登場させたりした。本編終了後に「次回予告」はなく、エンドカード(久米田と交流もしくは関わりのある漫画家の書き下ろし)を用いている。
オープニングは、第一話から第三話は白黒を基調とする暫定版。第四話以降カストリ雑誌風のエロチックな正式版となる(途中には久米田の「遺影」を挿入)。第十話と第十一話でサブオープニングを挟み、最終回では再び暫定版に戻された。
第一期を基にしているものの、原作により忠実な形に編集を加えた総集編『さよなら絶望先生 序〜絶望少女撰集〜』の続編として制作されたこともあり、第一期とは異なる点が幾つかある。第一話・第十一話を除いて、原作3本(アニメオリジナルが入ることもある)をAパート・Bパート・Cパートに盛り込む三部構成となった。
第一期でカットされた原作十話の奈美初登場エピソードを第一話で行い、放送しづらいネタも削除・改変せずに自主規制音でごまかすなど、第一期よりも原作に忠実となっている。スタッフロールには「東富耶子」(とうふやし・「シャフト」の逆さ読み)という架空のスタッフ名が表記されているが、各話の構成・脚本はシリーズ構成の小黒祐一郎が担当している。原作から取り上げられるエピソードの順番はバラバラで、作中で流れる時間は第一期のような時系列順ではなくなった(例えば第二話では七月→三月→五月)。その一方で、セリフをすべて架空の言語で収録する、様々なアニメ手法を取り入れるなど、毎話いずれかのパートで実験的な演出が行われた。
オープニングは、第一話と第二話は暫定版で、第三話以降『解体新書』の図版をモチーフとするグロテスクな正式版となる。回が進むごとに微妙な変化とシミやフィルムの傷などが加えられた。エンディングは、第七話から第十話のエンディングのほかは本編と全く違う演出がなされ、第一話から第六話は少女漫画風(九条キヨ調)、第十一話から第十三話はアメコミ風(マイク・ミニョーラ調)になっている。本編終了後は、単行本の「絶望文学集」を出演声優の一人が朗読した(第十話のみ水島大宙と上田陽司の二人による二部構成)。
第二期公式サイトの「裏」にはオリジナルゲーム「ペリー叩き」が存在する。
第一期が二部構成、第二期が三部構成だったのに対し、第三期は基本的に、A - Cパートの内1パートをパート1とパート2の二話分に分けて放送するという二・五部構成となっている。
原作準拠が徹底され、第一期、第二期よりも作画が原作に近くなっている。他にも、独特の擬音を声優陣に実際に読ませる、句読点を欠かさない千里の台詞では画面端に逐次句読点を表示させるなどの演出が行われた。また、作品の持ち味である時事ネタの鮮度を損なわないようにするため、雑誌掲載から間もない単行本未収録のエピソードが数本アニメ化された。一方で、アニメ化していない話のキャラクターや設定も、説明なく登場した。
アバンタイトルには斎藤千和によって単行本の「前巻までのあらすじ」(第二集以降)が毎回声音を変えて朗読された。本編終了後にはキャラクター2人ずつによる「絶望先生えかきうた」があり、キャラクターの担当声優による絵が披露された。
オープニングは第二話まで、これまでのアニメシリーズの画像を使用した暫定版で、第三話から宇宙をモチーフとする正規版(途中、劇団「天井桟敷」にちなむイラストを挿入)となり、何度か演出の細かな変更が行われた。
エンディングは、第一話から第九話までと最終回ではへ組生徒の夜の一コマを描くもの、第十話から第十二話は望ら教員の酒場での一コマを描くものだった。
さよなら絶望先生の登場人物も参照。
テレビシリーズのスタッフを主に記載している。基本的にOAD第1作(第二・五期)は第二期のスタッフが、OAD第2作(第三・五期)は第三期のスタッフがほぼそのままスライド登板している。
オープニング、エンディングはそれぞれOP、EDと表記。
さよなら絶望先生 Blu-ray BOX化記念 全巻購入者特典用『完全新作話オリジナル Blu-ray DISC』に収録のエピソード。隠し映像として短編アニメも収録されている。
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