『SENSE』(センス)は、日本のバンド・Mr.Childrenの16枚目のオリジナル・アルバム。2010年12月1日にトイズファクトリーより発売された。
背景とリリース
通常盤のみ1形態で発売。アリーナツアー『Mr.Children Tour 2011 SENSE』チケット先行抽選予約のためのシリアルナンバーが封入。アルバムのジャケットはザトウクジラがブリーチングしている写真で、アートワークは森本千絵率いるgoen°が担当。
前作『SUPERMARKET FANTASY』から約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。メジャーデビュー作の『EVERYTHING』以来となる全曲がCD初収録のアルバムで、前作以降、配信限定シングル『fanfare』やCMソングとなった「365日」など新曲の発表はあったものの、CDシングルの発売が1枚もない状態での発売だった。
「一切の先入観なく音を受けとめて欲しい」というバンドの意思から、発売日の2日前までタイトル・収録曲などは一切告知されず、テレビや雑誌への出演といったプロモーション活動も一切行われなかった。
アルバムのコンセプトは“Mr.ChildrenがMr.Childrenを超えること”であり、前作『SUPERMARKET FANTASY』とは異なり「大衆に向けての意識が薄いのかもしれない」「より自分達(Mr.Childrenと小林武史の5人)の演奏の充実、グルーヴの充実っていうものに向かってた気がします」と桜井和寿は語っている。
プロモーション用として、アナログ盤「Mr.Children SENSE LIMITED "LP JACKET" EDITION」が限定100枚で存在する。
チャート成績
初週で50.2万枚を売り上げ、オリコンウィークリーチャート初登場首位を記録。2週連続首位も達成したものの、オリジナルアルバムとしては9thアルバム『Q』以来6作品ぶりにミリオンに届かない結果となった。累計売上は78.4万枚。
収録内容
楽曲解説
- I
- 桜井和寿は、この曲と2曲目の「擬態」と6曲目の「ロックンロールは生きている」が出来たことがアルバム制作への自信に繋がったと語っている。
- 擬態
- 本作のリード曲で、発売に先駆け11月29日よりラジオ限定でオンエアが解禁された。
- 本作のCMで流された「トビウオニギタイ」というキーワードはこの曲の歌詞から採られたものである。“擬態”という言葉自体は、桜井が伊集院光のラジオ番組を聴いた際に印象に残った言葉だったという。
- 桜井は「例えば『エソラ』がサウンドに寄せた歌詞なのだとしたら、『擬態』は文学に寄せて書いている」と語っている。
- 元々はSalyuへの提供曲として書かれた楽曲であるが、桜井が「人に提供するのではなく、自分たちで歌いたいと思うようになった」ため、バンドのレパートリーとなった。なお、Salyuにはこの曲の代わりに「青空」を提供している。
- 後にベスト・アルバム『Mr.Children 2005-2010 <macro>』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』にも収録された。
- HOWL
- I'm talking about Lovin'
- 365日
- NTT東日本・NTT西日本CMソング。2009年からオンエアされ、ライブでもドームツアー『Mr.Children DOME TOUR 2009 SUPERMARKET FANTASY』で初披露されていたが、本作に収録されるまでCD音源化されていなかった。
- 2017年にはNTTドコモ「NTT docomo group × Mr.Children 25th Anniversary コラボキャンペーン」ブランドCMソングにも起用された。
- 元々、桜井は“ラブチェック”というエイズ検査促進運動に関するイベントをクリスマスなどに行ってアピールしたいと考えており、「そうしたらたまたま、クリスマスにMr.Childrenのドームツアーの追加公演を行うのはどうかという話があって。それで、命の尊さや、相手を思いやる気持ちの大切さといった、ラブチェックの根底にある思いを込めた曲を、観に来てくれる人たちに伝えたいと思って作った。」と桜井は述べている。
- シングルとしてリリースされていないのにもかかわらず、Mr.Childrenが2010年代に入ってから人気のある代表曲の一つとして挙げられ、結婚式でもよく用いられている。後にベスト・アルバム『Mr.Children 2005-2010 <macro>』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』にも収録された。また、2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER & MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは29位に選ばれた。
- 2023年9月、総ストリーム数が5000万回を突破。日本レコード協会よりゴールド認定を獲得した。
- ロックンロールは生きている
- 発売に先駆け11月18日よりラジオ限定でオンエアが解禁されたほか、本作のCMでもわずかに使用されている。
- ロザリータ
- 同年4月に行われたファンクラブ限定ライブで披露されていた楽曲。
- 蒼
- fanfare
- 2nd配信限定シングル。
- 本作唯一のシングル曲。表記はないが、ミックスし直されたアルバムバージョンとなっている。
- ハル
- Prelude
- この曲の歌詞について桜井が「Mr.Childrenの音楽をすごく好きで聞いてきてくれた人にちょっとずつ『ちょっかい』出しながら書いてました」と話すとおり、歌詞の中にMr.Childrenが過去に発表した曲名や歌詞が登場する。
- Forever
- ドキュメンタリー映画『Mr.Children / Split The Difference』エンディング曲。
参加ミュージシャン
- Mr.Children
- 桜井和寿:Vocal, Guitar
- 田原健一:Guitar
- 中川敬輔:Bass
- 鈴木英哉:Drums
- 小林武史:Keyboards
- 安達練:Computer Programing
テレビ出演
前述のとおり発売当時はテレビ出演は行われなかったが、ベスト・アルバム『Mr.Children 2005-2010 <macro>』の発売のタイミングで本作の収録曲も披露された。
ライブ映像作品
SENSE PROJECT
アルバムの情報解禁前には「SENSE PROJECT」というウェブサイトが設立されており、アルバム発売日前までは黒地に「SENSE」と書かれたものでクリックするとテレビ上で放映されていたCMの一部が流れたり、携帯電話が置いてある部屋が映し出され書いてある番号に電話をすると画面内に映っている携帯電話に着信が入る、など謎に包まれていた。情報が解禁されると黒地だった部分にこのアルバムのジャケットが映し出されるようになった。また、発売から約1年後にも、20周年に向けた取り組みとして行われた。
- 2010.11.16
-
- SENSE #01 illusion
- SENSE #02 space
- SENSE #03 mirror
- SENSE #04 words
- SENSE #05 voice
- 2010.11.21
-
- 2011.10.21
-
- 2011.10.24
-
- 2011.10.26
-
- 2011.11.13
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- 2012.4.7
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- SENSE #16
- SENSE #17
- SENSE #18
- SENSE #19
- SENSE #20
脚注
注釈
出典
外部リンク
- ライブ映像
- Mr.Children「I」from Mr.Children Tour 2011 SENSE - YouTube
- Mr.Children「擬態」from Mr.Children Tour 2011 SENSE - YouTube
- Mr.Children「365日」Mr.Children TOUR POPSAURUS 2012 - YouTube
- Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25 「365日」(1h26m41s〜) - YouTube
- Mr.Children「ロックンロールは生きている」from Mr.Children Tour 2011 SENSE - YouTube
- Mr.Children「ロックンロールは生きている」Mr.Children TOUR 2011 "SENSE" - YouTube
- Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸 In TAIPEI 「ハル」(1h01m36s〜) - YouTube
- 歌詞
- 「I」 - 歌ネット
- 「擬態」 - 歌ネット
- 「HOWL」 - 歌ネット
- 「I'm talking about Lovin'」 - 歌ネット
- 「365日」 - 歌ネット
- 「ロックンロールは生きている」 - 歌ネット
- 「ロザリータ」 - 歌ネット
- 「蒼」 - 歌ネット
- 「fanfare」 - 歌ネット
- 「ハル」 - 歌ネット
- 「Prelude」 - 歌ネット
- 「Forever」 - 歌ネット
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