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日本の離島架橋


日本の離島架橋


日本の離島架橋(にほんのりとうかきょう)では、日本の離島に架けられた橋について扱う。また、構想中の橋にも言及する。

概要

離島架橋によって特別な振興策を進め、離島地域の悩みである後進性と隔絶性を解消することができ、他の陸地を架橋して互いに24時間移動できる陸上交通を確保し、生活圏を一体化することで医療・福祉・教育・産業の向上などを図ることができるとされている。各地域の離島架橋については、離島振興法の離島振興計画によって行われている。現在もいくつかの離島において架橋工事が行われもしくは計画されており、今後も上記の離島振興法指定地域の数は徐々に減少していく見込みである。

淡路島の連続架橋の完成後には、徳島~関西方面への高速バス路線が増え交通の利便性が増した。その一方で、架橋と並行する航路を有していたフェリー会社が航路の減便・廃止によって経営難に陥ったり、フェリー発着所の地域の拠点として恩恵を受けていた地域の衰退が見られることがある。隔離されていた時代には島ごとに公立学校が必要であったが、架橋され交通手段ができると公立学校の統廃合が進むこともありうる。これに対して雇用対策にバス会社を設立したり(本四海峡バス)、フェリー発着所をバスターミナルにしている地域(平戸港フェリーターミナル)もある。自治体の中には港湾利用料を大幅に割り引くことでフェリー会社を支援する動きもある。

天草五橋のように予想を超える需要を得て建設費の早期償還を実現した元有料路線もあれば、未だに高い建設費の償還で経営が難しい有料の離島架橋もあるので、離島架橋がどれだけの効果を生むのかは一概に言えず、地域によって異なる。

北海道・東北・関東・中部地方

青森県

東津軽郡外ヶ浜町の龍飛漁港内にある帯島(無定住島)は、漁港側の埋め立てにより近接しているが、漁港を隔てる水路があり、小さな橋が架橋され本土側と結ばれている。

宮城県

気仙沼市にある気仙沼大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋が震災後に計画され、2018年に完成した。

東松島市にあり、陸繋島である宮戸島は、潜ヶ浦水道(かつぎがうらすいどう)をまたぐ松ヶ島橋(宮城県道27号奥松島松島公園線)によって、本土と結ばれている。

宮城郡松島町の松島にある、福浦島(無人島)は福浦橋(人道橋)で本土と結ばれている。島全体が県立自然植物園に指定されており、橋を渡るには通行券(有料)が必要であり、渡島には時間の制約がある。そのほか松島湾内には、瑞巌寺五大堂がある五大堂島(無人島)には透橋が、近隣の雄島(無人島)には渡月橋があり、それぞれ人道橋として渡島できる。

女川町にある出島は、住民が本土と結ぶ架橋計画を陳情し、2024年の完成に向けて整備中である。

神奈川県

藤沢市には、江の島を結ぶ江の島大橋(神奈川県道305号江の島線)がある。

横須賀市には、本土と天神島を結ぶ天神橋がある。

三浦市には、本土と城ヶ島を結ぶ城ヶ島大橋がある。

石川県

七尾市にある、七尾湾に浮かぶ能登島は、和倉温泉地区から能登島大橋(石川県道47号七尾能登島公園線)が、中島地区から中能登農道橋が架橋されている。

福井県

坂井市の雄島には、人道橋の雄島橋によって結ばれている。

静岡県

下田市にあるいくつかの小島は、架橋により本土と結ばれている。
雁島は小さな吊り橋、犬走島は堤防通路、恵比須島は人道橋、赤根島は下田海中水族館のスタジアムプールや駐車場設置のため本土側の大半が埋め立てられているが、本土と島を隔てる細い水路があり、車両通行可能な小さな橋で結ばれている。

浜松市中央区舞阪町にある弁天島は、浜名湖の河口(今切口)の北に位置し、弁天大橋、中浜名大橋により本土と結ばれているほか、東海道本線・東海道新幹線も同島に架橋されている。

愛知県

蒲郡市にある竹島は、島の全域が八百富神社の境内となっており、竹島橋(387m)で本土と結ばれている。基本人道橋だが車両も通行できる幅がある。

近畿・中国・四国地方

三重県

志摩市にある英虞湾内の賢島と本土は、賢島橋(国道167号・近鉄志摩線)と賢島大橋(三重県道17号浜島阿児線)で結ばれている。

鳥羽市にある答志島には、本土と結ぶ答志島架橋構想がある。2012年(平成24年)度に東京大学公共政策大学院が鳥羽本土の小浜半島から日向島(イルカ島)の上を通過し、桃取町につながる橋梁を架けることを想定して費用便益比(B/C)を計算したところ、0.464となり、1を下回った(=事業効果が低い)。答志港の付近には、八幡神社が鎮座する小島があり、八幡橋で結ばれている。

和歌山県

東牟婁郡串本町にある紀伊大島は、くしもと大橋(和歌山県道40号樫野串本線)が無人島の苗我島を経て本土と架橋されており、バス路線が開通している。くしもと大橋は本土側から、苗我島ループ橋、苗我島と大島を結ぶくしもと大橋(アーチ橋)の2つの橋で構成されている。

西牟婁郡すさみ町にある、陸繋島である江須崎島は、コンクリート通路および海面を跨ぐ小さな人道橋で結ばれている。島中央には春日神社があり島全体は神域となっている。

兵庫県

一部徳島県と連なる架橋情報も記載する。

淡路島

淡路島は播磨灘や大阪湾、紀伊水道等に挟まれた離島であるが、北側の明石市と隔てる明石海峡に明石海峡大橋が、南西の徳島県鳴門市と隔てる鳴門海峡にある鳴門市大毛島を挟んで大鳴門橋(淡路島~大毛島)と撫養橋(大毛島~鳴門市)が架橋されている。これらは本州四国連絡道路(本州四国連絡橋)の1つで、兵庫県神戸市の山陽自動車道神戸西ICを起点とし、徳島県鳴門市の高松自動車道鳴門ICに至る高規格道路を神戸淡路鳴門自動車道という。

大鳴門橋は鉄道道路併用橋として建設されたが鉄道は設置されておらず、明石海峡大橋は高騰する工費を抑えるために道路専用橋になったため、淡路島内には島外に通じる鉄道が建設されていない(島内ではかつては淡路鉄道が存在したが1966年廃止)。明石海峡大橋の開通に伴って経営が厳しくなったフェリー会社の離職者対策会社として本四海峡バス等が設立されている。しかしながら、架橋を通して近畿地方や四国地方各地へのアクセスバスが開通したため、淡路島だけでなく四国地方側においても高速バスで島外に出る人が増えた。

さらに南東側の和歌山県和歌山市の田倉崎と、兵庫県洲本市の生石鼻の間の紀淡海峡に架橋しようという紀淡連絡道路構想があるが、海峡プロジェクトに対する批判があり進捗していないだけでなく、海峡を渡航するフェリーが元々無く、その北側の大阪湾を航行していた南海淡路ラインも休航されている。区間に道路が建設されれば、関西国際空港と四国間の移動の時間短縮・走行距離短縮が可能となる。

島根県

松江市八束町の中海にある大根島は、本土側から大海崎橋を経て、堤防道路で結ばれている。

同じ中海に存在する江島は、前述の大根島と堤防道路で結ばれているほか、本土側とは“ベタ踏み坂”のCMで知られる江島大橋や、堤防道路と森山橋を経て北部の松江市美保関町と結ばれている。

浜田市にある瀬戸ヶ島は、島の浅瀬埋め立てにより面積を広げているが、水路によって隔てられており、浜田マリン大橋(1999年開通)や、港橋(島根県道33号浜田港線、2001年架替)が架橋され本土側と結ばれている。

岡山県

備前市の一部が属する日生諸島(ひなせしょとう)にある鹿久居島と頭島を結ぶ頭島大橋が2004年11月に開通し、さらに2015年4月に本土と鹿久居島を結ぶ備前♡日生大橋が開通した。

また、日生諸島ではないが瀬戸内市にある長島と本土を結ぶ邑久長島大橋が1988年に完成している。さらに長島を二つに分ける運河には、船越橋が架橋されている。

広島県

一部愛媛県と連なる架橋情報も記載する。

備後群島

福山市にある備後群島の田島は内海大橋により本土の沼隈半島と結ばれている。田島とその南西に位置する横島とは睦橋が架橋されている。(ともに広島県道53号沼隈横田港線)

西瀬戸自動車道(しまなみ海道)周辺

西瀬戸自動車道(しまなみ海道)は、広島県尾道市の尾道福山自動車道(国道2号松永道路)西瀬戸尾道ICを起点とし、本土~1.新尾道大橋、2.因島大橋、3.生口橋、4.多々羅大橋、5.大三島橋、6.伯方橋、7.大島大橋、8.来島海峡第一大橋、9.来島海峡第二大橋、10.来島海峡第三大橋~四国本土を経て愛媛県今治市の今治ICに至る(すべて西瀬戸自動車道となる)。

同架橋により本土とつながった島は、順に向島、因島、生口島、大三島、伯方島、見近島、大島、馬島の8島である。
うち、無人島は「見近島」で、橋脚が立っており、歩行者・自転車は橋上から島に降りることが出来る。

その他、一般道として本州と向島の間に尾道大橋(国道317号)が架橋されている。さらに、生口島と高根島とは高根大橋、向島と岩子島と間には向島大橋が架橋されており、御幸瀬戸をまたいでいる。

芸予諸島

安芸灘諸島

安芸灘諸島連絡架橋(安芸灘とびしま海道)は、広島県呉市川尻町の本土と安芸灘諸島を8つの橋で結ぶ連続架橋構想で、既に7つの橋が供用されている。西側から順に、本土~1.安芸灘大橋(広島県道74号下蒲刈川尻線)、2.蒲刈大橋、3.豊島大橋(広島県道356号豊浜蒲刈線)、4.豊浜大橋、5.平羅橋、6.中の瀬戸大橋、7.岡村大橋、8.未定~広島県大崎上島である。なお、安芸灘大橋有料道路は広島県道路公社が管理している。

架橋により本土とつながった島は西側から順に、下蒲刈島、上蒲刈島、豊島、大崎下島、平羅島、中ノ島、愛媛県岡村島の7島である。

大崎上島は大崎発電所がある長島との間に長島大橋が架橋されている。また、島の北西部に位置する鍋島には堤防通路があり、徒歩で渡島できる。

東広島市安芸津には、本土と大芝島を結ぶ大芝大橋がある。

安芸群島

呉市本土と倉橋島との間を隔てる音戸の瀬戸には音戸大橋(国道487号)が架かり、倉橋島と江田島との間には早瀬大橋(国道487号)が架橋されている。さらに倉橋島は鹿島と鹿島大橋で架橋されている。音戸大橋の渋滞緩和のために、さらに本土と倉橋島を結ぶ新たな4車線の第二音戸大橋(国道487号警固屋音戸バイパス)が架橋されている。 能美島側には、沖野島があり、沖野島橋で結ばれている。

なお、広島湾内の元宇品(旧宇品島)と広島市本土との間には暁橋がかかっている。地図上では海で隔てられているが、元々陸続きであった。

山口県

下関市豊北町にある角島は、角島大橋(山口県道276号角島神田線)により本土と結ばれている。また、同市内の彦島は、関彦橋(山口県道250号南風泊港線)、下関漁港閘門、彦島大橋(山口県道252号福浦港金比羅線)により本土と結ばれている。また、彦島の北西に位置する竹ノ子島は竹ノ子島橋(山口県道250号南風泊港線)で彦島と結ばれている。

長門市にある青海島は、青海大橋(山口県道283号青海島線)により本土と結ばれている。

防予諸島

防予諸島においては、室津半島の上関町にある長島と本土が上関大橋(山口県道23号光上関線)よって結ばれている。また、柳井市本土と屋代島(周防大島)を隔てる大畠瀬戸に大島大橋(国道437号)が架けられている。架橋前は国鉄の大島連絡船が結んでいたが廃止された。周防大島から沖家室島まで沖家室大橋(山口県道362号白木漁港佐連線)によって結ばれている。

周南諸島

周南諸島 では本土と笠戸島を結ぶ笠戸大橋(山口県道174号笠戸島公園線)が架橋されており、この橋は下松市のシンボルにもなり、笠戸島の観光産業を活性化するきっかけとなった。鉄道車両の製造で有名な日立製作所笠戸事業所は、笠戸島ではなく対岸の本土にある。粭島(すくもじま)も本土間に小瀬戸橋(山口県道170号粭島櫛ヶ浜停車場線)が架橋されている。防府市の向島は錦橋(山口県道185号防府停車場向島線)により本土と結ばれている。

徳島県

鳴門市の大毛島は前述の大鳴門橋と撫養橋以外にも、四国本土との間の小鳴門海峡に小鳴門橋と小鳴門大橋(ともに徳島県道11号鳴門公園線)が架橋されている。また、大毛島と西隣の島田島との間に堀越橋、島田島と四国本土との間に小鳴門新橋(ともに徳島県道183号亀浦港櫛木線)がある。

阿南市の橘湾に浮かぶ小勝島には橘湾火力発電所があり、橘マリンブリッジ(徳島県道288号小勝島公園線)によって四国本土と結ばれている。

海部郡海陽町の竹ヶ島は竹ヶ島橋により四国本土と結ばれている。

香川県

小豆島

小豆郡土庄町内の小豆島には、ギネスブックに認定された世界で最も狭い海峡である土渕海峡があるため、厳密には二つの島であるが、古くから橋で陸続きであり、慣例的に一つの地域として扱われている。特に区別する場合は、小さい方の島(海峡を挟んで西側の島)を前島(まえじま)と呼ぶことがある。両島には、オリーブ大橋(国道436号)・永代橋(香川県道26号土庄福田線)・ふれとぴあ橋など数本の橋が架かっている。

小豆島の周囲にある島のうち、沖之島は小豆島との架橋工事が進められている。一方で本州や四国本土との架橋構想はない。

塩飽諸島

坂出市にある塩飽諸島(しわくしょとう)のいくつかの島には本四連絡橋の1つである瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)が建設されている。順に、岡山県倉敷市の本土側から1.下津井瀬戸大橋、2.櫃石島橋、3.岩黒島橋、4.与島橋、5.北備讃瀬戸大橋、6.南備讃瀬戸大橋~香川県坂出市の四国側と連続架橋されている。なお、瀬戸大橋線が通過している架橋離島には駅はない。

架橋により本土とつながった島は北側から順に、櫃石島(ひついしじま)、岩黒島、羽佐島(わさじま、無人島)、与島、三つ子島(無人島)の5島である。
そのうち、櫃石島・岩黒島は許可車両のみ島内に瀬戸大橋から乗り入れが可能である。与島は与島パーキングエリア駐車場から与島北部の与島港へ行くことが出来る。それ以外の区域は許可車両のみが島内道路を通じて、乗り入れることになる。羽佐島・三つ子島は瀬戸大橋からのアクセスは徒歩を含めて不可である。

なお、櫃石島の属島として歩渡島(ぶとじま、無人島)があり、堤防通路を介し徒歩で渡島できる。

愛媛県

#西瀬戸自動車道(しまなみ海道)周辺も参照。

関前諸島

今治市にある岡村島は、愛媛県側でなく、広島県の中ノ島の間で架橋されており、広島県側と連絡している。元々は大下島や小大下島とともに関前村という自治体を構成していた。しかし、それらの島々を結ぶ村営フェリーの赤字が財政を圧迫していた。大合併後に、引き継いだ今治市営フェリーも運営が厳しいものとなっている。

上島諸島

上島町の上島諸島 のうち、弓削島と佐島を間に弓削大橋(1996年)、2011年2月7日には佐島と生名島の間に生名橋(ともに愛媛県道338号岩城弓削線)が開通している。さらに、岩城島と生名島を結ぶ岩城橋も2022年3月20日に開通した。(詳しくは上島架橋を参考にされたい)

なお、生名橋の開通により瀬戸内クルージングの尾道~弓削航路が立石港までとなった。その4ヵ月後には弓削港までに戻ったものの、さらにその8ヵ月後には全区間が廃止となった。

上島町以外の陸地と接続するわけではないので、上島架橋が完成した現状でも上島町が海上交通に依存する環境は変わらない(但し、瀬戸内しまなみ海道が架橋されている広島県尾道市因島と上島町生名間で、生名公営渡船は頻繁に出ている)。

宇和海諸島

宇和島市にある九島には、2016年4月3日、全長468メートルの九島大橋(愛媛県道313号九島循環線)が架橋された。最も近い本土の坂下津との距離が約400メートルで、また九島フェリーの老朽化が市の財政に影響することから、以前から九島架橋構想があった。2010年度政府予算の社会資本整備総合交付金として調査費1000万円の配分が決まり、国費が初めて投入された。

高知県

宿毛湾奥部に位置する宿毛市大島は、大島橋により四国本土と結ばれている。また同市内には丸島があり、同じく架橋されている。

幡多郡大月町にある柏島は、宿毛湾の南に突き出た大月半島の間に柏島橋と新柏島大橋(高知県道43号柏島二ツ石線)が架橋されている。

九州・沖縄地方

福岡県

福岡市東区にある志賀島は、砂州により本土と陸続きになった陸繋島であるが、砂州部分には志賀島橋が架橋されている。

佐賀県

唐津市呼子町にある加部島には、無人島である弁天島に橋脚を立て、呼子大橋が架橋されており、唐津大手口バスセンター・唐津駅から昭和自動車(昭和バス)のバス路線が開設されて通勤通学に使われている。

藤津郡太良町にある竹崎島は、竹崎島橋によって本土と結ばれている。

長崎県

壱岐・対馬

壱岐島の本島と新壱岐発電所がある青島との間には、青島大橋が架橋されている。属島である長島と大島との間には、1999年に珊瑚大橋が架橋されている。また、本島の南西部にある嫦娥島には堤防道路があり、車両で渡島できる。

対馬は、対馬島(つしまじま、つしまとう)を主島とし、属島としては5つの有人島がある。このうち、主島とつながっているのは、沖ノ島(住吉橋)、赤島(赤島大橋)、島山島(浅茅パールブリッジ)であり、赤島は沖ノ島を経由する。なお、赤島の北西部には、有人島である泊島がある。かつては赤島と泊島との間は離れていたが、架橋されることなく埋め立てにより陸続きとなった。

なお、主島である対馬島は、元々1つの島であったが、人工運河である万関瀬戸によって隔てられ、これより北を上島、南を下島と呼び、この運河に万関橋(国道382号)が架橋されている。また同じように人工運河である大船越瀬戸に大船越橋が架橋されている。

松浦市周辺

松浦市の伊万里湾にある福島は、1967年に佐賀県伊万里市波多津町との間に福島大橋(全長225m)が架橋され(長崎県道・佐賀県道103号喜内瀬鍋串辻線)、西肥自動車(西肥バス)が伊万里駅前から福島港まで運行している。

同じく松浦市にある鷹島は、2009年に鷹島肥前大橋(長崎県道・佐賀県道109号鷹島肥前線)が建設されて佐賀県唐津市肥前町と結ばれた。同区間を結ぶフェリーは廃止され、同年4月20日からは昭和自動車(昭和バス)により肥前町と鷹島を結ぶ路線バスが運行開始されている。ただし鷹島と松浦市本土を結ぶフェリー航路は、陸路ではかなり遠回りになるため現在も存続している。

このようにこの2島は長崎県でありながら距離的に近い佐賀県との間に架橋されたが、2004年、離島自治体だった福島町(福島)と鷹島町(鷹島)は、もともと同じ旧北松浦郡だった松浦市と合併している。

平戸市周辺

平戸市にある平戸島と、本土を隔てる平戸瀬戸には、1977年に平戸大橋(国道383号)が架橋され、さらに平戸島と生月島を隔てる辰ノ瀬戸に1991年に生月大橋(長崎県道42号平戸生月線)が架けられている。もともと長崎県道路公社が運営する平戸大橋有料道路、生月大橋有料道路という有料道路であったが、2010年4月1日に無料開放された。

これらの架橋によりフェリー航路が減少した平戸港フェリーターミナルは、西肥自動車の「平戸桟橋」バスターミナルとして活用されており、佐世保市の佐世保バスセンター(佐世保駅前)や松浦市とのバス路線の基点となっている。また平戸桟橋からは平戸島内各地や生月島(生月自動車)へのバス路線も運行されている。

佐世保市周辺

佐世保市南部にある針尾島は、早岐瀬戸を挟んで佐世保市本土側と接しており、観潮橋(国道202号)や瀬戸中央橋(長崎県道222号平瀬佐世保線)、早岐瀬戸大橋・新早岐瀬戸大橋(ともに国道205号針尾バイパス)等の架橋がされている。さらに同島から大村湾側には江上大島があり、1988年に江上大橋が架橋された。なお、針尾島は針尾瀬戸を挟んで西彼杵半島(西海市)とも接しており、1955年に西海橋(国道202号)が、2006年には新西海橋が西海パールライン有料道路の一部として建設され、長崎~佐世保間を結ぶ重要な島となっている。なお、針尾島内で帰結するが、西海パールライン有料道路を構成するパール1号橋2号橋は兎島(無人島)を介し架橋されている。

佐世保市小佐々町にある、前島(まえじま)は、1972年に架橋された。同島に隣接する鼕泊島(とうどまりじま)は1976年、前島との間に「鼕泊橋」が架橋され、前島を通じて本土とつながった。

大村市・西海市・長崎市周辺

大村市にある長崎空港は、大村湾のほぼ中程、海岸から約2kmに浮かぶ自然島の箕島(みしま、無定住島。開発前は有人島)全域を開発し埋立拡張することで、1975年5月1日に世界初の海上空港として開業し、箕島大橋(長崎県道38号長崎空港線、長さ970m、幅員8.5m)によって結ばれている。

西海市にある寺島は、西彼杵半島との間で、大島大橋(長崎県道52号大島太田和線)によって結ばれている。さらに寺島と大島を寺島橋(長崎県道243号寺島馬込港線)で結び、大島と蛎浦島を中戸大橋、蛎浦島と崎戸島を本郷橋で結ばれている(ともに長崎県道15号崎戸大島線)。大島大橋は長崎県道路公社が運営する大島大橋有料道路であったが、2011年4月1日に無料開放された。

西海市にある南串島は、西彼杵半島と狭い水路で隔てられており、国道202号が島の東から南西に向かい、七釜大橋でつながっているほか、二つの橋で結ばれている。

長崎市琴海町の西彼杵半島にある尾戸半島の南端には、鵜瀬島があり、幅10mほどの小口瀬戸に小口橋が架橋されている。

その他、西彼杵半島には、大村湾に浮かぶ辰島との間で架橋があるが、日本では珍しい海峡越えのコースがあることで知られる『オーシャンパレスゴルフクラブ&リゾート』の企業私有地であり、辰島はゴルフコースとして整備されているため、一般的に同ゴルフクラブでプレイしない限り、私設橋の辰島橋を使用して島に渡ることができない。

長崎市香焼町と大中瀬戸で隔てられた沖之島を結ぶ伊王島大橋(長崎県道250号伊王島香焼線)が2011年3月27日に開通した。沖之島の先に一般的に知られる伊王島があり、通常は2つの島を合わせて伊王島と呼んでいる。両島の間は幅数十mしかなく、2つの島を結ぶために栄橋・賑橋・祝橋の3つの橋が架けられている。

長崎市の東部にある牧島は、牧戸橋によって本土と結ばれている。

旧西彼杵郡野母崎町の長崎市脇岬町と樺島は、樺島大橋(長崎県道251号樺島港脇岬線)によって、樺島沖合の中島(上陸可、無人島)を介して結ばれている。

五島列島

五島列島 のうち、福江島のある下五島地域(五島市)では、南西部の玉之浦地区と島山島が玉之浦大橋によって結ばれている。

中通島のある、上五島地域(新上五島町)では、中通島と休港中の上五島空港がある頭ヶ島との間に、頭ヶ島大橋(長崎県道62号上五島空港線)が1981年に架橋されている。

中通島の南西にある若松島は、上中島(無人島)を介して、1991年に完成した若松大橋(長崎県道46号若松白魚線)によって結ばれている。また若松島と漁生浦島の間には漁生浦橋(長崎県道169号日ノ島猿浦線)があり、さらに漁生浦島から有福島、およびその先の日島まで防波堤でつながっていて陸路で通行できる。

その他、中通島と桐ノ小島とは1961年に架橋された橋で結ばれている。

小値賀島の小値賀町では、黒島が金比羅大橋で、小値賀島と斑島が斑大橋(長崎県道225号斑浜津線)で結ばれている。

今後の課題として、福江島から久賀島、奈留島、若松島までを結ぶ五島列島縦断架橋の構想も検討されている。

大分県

同県では、有人離島および無人離島への架橋はないが、保戸島及び大入島については、架橋構想があるものの、建設の目途は立っていない。

津久見市の保戸島は、本土の四浦半島との距離が約100mであり、2010年9月に策定された『津久見市都市計画マスタープラン』では、四浦日代線と保戸島とを結ぶ架橋構想について、基盤整備推進のために関係機関に働きかけることが挙げられている。

佐伯市の大入島は、佐伯湾の湾奥に位置しており、佐伯市中心部の市街地との距離が約700mであることから、大入島と本土とを結ぶ架橋構想(大入島連絡道路、大入島架橋)がある。1981年(昭和56年)に大入島架橋建設促進期成会が発足。1994年度(平成6年度)から1996年度(平成8年度)にかけては、大分県と佐伯市が「大入島連絡道路基本計画検討調査」を実施し、建設手法、架橋位置、費用などの検討が行われたが、具体化の目途は立っていない。

熊本県

天草諸島

天草諸島は、九州の有明海・八代海(不知火海)と天草灘によって囲まれている。天草上島と天草下島を主島とし、さらにいくつもの有人離島がある。そのため海上交通が盛んであり、多数のフェリー会社が存在する。しかし戦後から架橋が進み、熊本県の宇土半島先端の三角から天草上島を経て天草下島に至る国道266号・国道324号で結ばれて一体化している。また、並行して熊本県本土から天草市にかけて熊本天草幹線道路という地域高規格道路が構想されており、一部区間が松島有料道路(有料)と松島有明道路(無料)として供用され、熊本市から天草への所要時間と走行距離の短縮に貢献している。

本土から天草上島にかけて、真珠養殖が盛んなところから「天草パールライン」と呼ばれる天草五橋という連続架橋があり、本土(三角)~1.天門橋、2.大矢野橋、3.中の橋、4.前島橋、5.松島橋~天草上島と結ばれている。元々は償還期間39年を見込んだ有料道路であったが、開通により天草への観光客が急増し、モータリゼーションの進展なども含めた交通量の増大により、わずか9年で償還を完了して無料化されたという逸話も残っている。

架橋により本土とつながった島は北側から順に大矢野島、永浦島、大池島(無人島)、池島(無人島)、前島の5島である。

天草上島と天草下島の間には本渡瀬戸が隔てられており、天草瀬戸大橋(国道266号)と本渡瀬戸歩道橋が架橋されている。これらの架橋により、熊本市から天草市への陸上交通が活性化され、あまくさ号という特急バスが走っている。

上記以外にも離島架橋がある。(熊本本土側から記載)宇土半島の南側に戸馳島と本土の間を隔てるモタレノ瀬戸に戸馳大橋が架橋されている。大矢野島には、西側にある野釜島と野釜大橋、東側にある野牛島と更に東にある維和島との間に、それぞれ西大維橋と東大維橋が架橋されている。永浦島には、樋合島との間に樋合永浦橋が架橋されている。天草上島には、南側の上天草市龍ヶ岳町高戸から椚島、坊主島(無人島)~樋島を結ぶ椚島橋・樋島大橋が架橋されている。また、姫戸港に浮かび、島全体が「小島公園」になっている周囲300メートルの小島は、堤防通路で渡島できる。

天草上島の南側にある御所浦島と牧島の間には、中瀬戸橋が架橋されている。また御所浦島と前島の間には前島橋が架橋されている。

天草下島には、北部にある通詞島と結ぶ通詞大橋が架橋され、南部の下須島との間に通天橋・牛深ハイヤ大橋の分岐橋が架橋されている。

なお、天草上島を通過する熊本県道333号龍ヶ岳御所浦線は、上天草市龍ヶ岳町を起点とし御所浦島に至るが、横浦島と前島を経由する 御所浦架橋計画 がある。

島原天草長島連絡道路(計画)

島原天草長島連絡道路は、長崎県島原半島から熊本県天草を経由して鹿児島県長島・阿久根に至る地域高規格道路計画である。島原と天草を隔てる早崎瀬戸と、天草と鹿児島県長島を隔てる長島海峡を2つの長大橋で架橋して、九州西岸地域を一体化する構想とされる。近年は、海峡横断プロジェクト(六大架橋)に対する批判があり進捗していない。

八代・芦北

八代市の球磨川河口の堤防近くにあるにある水島は、人道橋で本土と接続されている。

水俣市にある湯の児島は「観月橋」(吊り橋・人道橋)で本土と接続されている。

鹿児島県

長島町周辺

出水郡長島町は、長島(長島本島)の全域と諸浦島、伊唐島、獅子島などの島からなる。本土の阿久根市と隔てる黒之瀬戸には黒之瀬戸大橋(元は有料橋)が、長島と諸浦島の間に乳ノ瀬橋が、長島と竹島の間に竹島大橋が、長島と伊唐島との間に伊唐大橋が架橋されている。
長島町では、諸浦島と獅子島を結ぶ獅子島架橋が望まれている。

甑島列島

甑島列島は、鹿児島県薩摩川内市にある列島で、上甑島、中甑島、下甑島の主な3島と、付属するいくつかの島から構成される。

上甑島と中甑島は、鹿児島県道351号鹿島上甑線として中島という小島を挟んで上甑島側の甑大明神橋と中甑島側の鹿の子大橋によって連結された。のちに薩摩川内市が中心となった「藺牟田瀬戸架橋建設促進期成会」が活動をし、中甑島と下甑島の間に藺牟田瀬戸を橋を架ける構想が2006年度(平成18年度)に新規事業として採択され、2008年度(平成20年度)から工事を着手し、2020年8月29日「甑大橋」として開通した。

奄美群島

海峡で分断されている瀬戸内町の奄美大島南部と加計呂麻島を結ぶ架橋構想はあるが、諸事情により進んでいない。

なお、奄美市の名瀬港に浮かぶ小島、山羊島(やぎじま)には、2013年7月に『奄美山羊島ホテル』が開業しており、同島を結ぶ長さ約3~40mほどの山羊島橋がホテル開業前年の2012年1月に竣工している。

沖縄県

沖縄諸島

沖縄諸島の新沖縄県離島振興計画を参照。

沖縄本島北西部、本部町の瀬底島は、瀬底大橋(沖縄県道172号瀬底健堅線)で結ばれている。同じ北西部名護市の屋我地島東部と奥武島が屋我地大橋(沖縄県道110号線)で結ばれており、奥武島と名護市真喜屋の沖縄本島が羽地奥武橋(沖縄県道110号線)で結ばれている。また、2010年12月に屋我地島西部と今帰仁村運天側との間がワルミ大橋(沖縄県道248号屋我地仲宗根線)で結ばれている。さらに屋我地島北部にある今帰仁村にある、古宇利島が古宇利大橋(沖縄県道247号古宇利屋我地線)で結ばれている。伊江島(伊江村)と本島を架橋する構想があるが着工は未定である。そのほかにも北部地区には宮城島と沖縄島を結ぶ宮城橋と塩屋大橋(ともに国道58号)がある。

沖縄本島勝連半島沖、うるま市の平安座島、宮城島、伊計島はこの順に海中道路(平安座海中大橋、世開橋)、桃原橋、伊計大橋により結ばれている(沖縄県道10号伊計平良川線)。平安座島とその南の浜比嘉島との間に浜比嘉大橋(沖縄県道238号浜比嘉平安座線)があり、4島は沖縄本島と連結されている。うるま市には他に、藪地島(農地だけがあり、無定住島)に藪地大橋が1985年に建設され沖縄本島と結ばれている。

本島南部、南城市の奥武島は本島と奥武島橋で結ばれている。

久米島町にある久米島と奥武島の間は、新奥武橋(海中道路)で結ばれている。

伊平屋村にある、伊平屋島と野甫島の間に野甫大橋(沖縄県道179号田名野甫線)が架橋されている。伊平屋村の野甫島と伊是名島を結ぶ架橋構想があるが着工は未定である。

慶良間諸島では、座間味村にある阿嘉島、慶留間島、外地島の3島が、それぞれ阿嘉大橋と慶留間橋で結ばれている。

宮古列島

宮古列島では、宮古島市にある宮古島と、北西部にある池間島との間で1992年に池間大橋が、南西部にある来間島との間で1995年に来間大橋が、それぞれ架橋されている。

宮古島の西側約5kmには伊良部島、下地島があり、両島は狭い水路で隔てられているのみで、6本の橋によって連絡している。2015年に宮古島と伊良部島との間に伊良部大橋が開通し、2005年に完成した古宇利大橋を抜き、通行料金を徴収しない橋としては日本最長となった。伊良部大橋が完成し、下地島に所在する下地島空港や観光資源等の有効利用が期待されている。

八重山列島(構想)

八重山列島には、有人および無人の離島への架橋はない。

主島である石垣島から最も近い有人島の竹富島まででも約6kmと伊良部大橋の倍近い距離があるなど、各島間の距離が離れている。本土復帰前の1968年(昭和43年)に元石垣市長の石垣喜興が琉球新報新年号で、石垣島から竹富島、嘉弥真島、小浜島を経て西表島に至る「夢の懸け橋」構想を提唱したことがある。また、1989年(平成元年)に竹富町役場の西表島移転に向けて小浜島 - 西表島間のヨナラ水道に農道橋を架橋する計画があったが、イトマキエイの回遊場所であったためダイビング業者等が反対したことや、十分な経済効果が見込めなかったことから、計画は頓挫した。しかし、2023年になって、地元の建設業の団体により構想が再び提案されている。

なお、西表島は島内の道路が整備されていないため、同じ島にあるにもかかわらず海上交通でのみ移動可能な集落があり、船浮海運が定期航路を運航している。また、西表島と由布島の間はわずか400mであるが、水牛車で移動することが観光上の名物となっており、干潮時には徒歩や車でも移動できるため両島間に橋はない。

架橋等により渡島できる離島リスト

  • 上記構文をまとめた一覧表。自動車による渡島や、人道橋により渡島できる架橋離島を記載。一島に複数架橋されている場合は代表的な橋を1橋記載。無名島や岩礁など、通常の離島と分類できない架橋はまとめ2に記載。架橋ではなく堤防通路・道路により渡島できる離島は、まとめ3に記載。-印は不明。
  • 岩礁・無名島・防波堤等の連繋など、上記と分類できない架橋
  • 架橋ではなく、海を遮断した堤防通路(歩道)や堤防道路(車道)によって渡島できる離島を記載。

脚注

関連項目

  • 離島振興法
  • 離島航路整備法
  • 本州四国連絡橋
  • 一本列島
  • 島の一覧
  • 自動車損害賠償責任保険 - 同保険は離島に登録されている車両に対しては割安な保険料率が適用されるが、離島架橋により本土の道路網と接続された場合、以降当該離島に対しては本土の保険料率が適用されるようになる。

外部リンク

  • 離島振興 - 国土交通省
  • しましまネット - 財団法人日本離島センター
  • 離島の生活構造改善に関する調査(概要) (PDF)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 日本の離島架橋 by Wikipedia (Historical)



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