東松島市(ひがしまつしまし)は、宮城県の中部に位置する市である。仙台湾沿岸にある。
地理
宮城県の中部に位置し、周りを石巻市、美里町、松島町に境を接する。また、南側は太平洋(石巻湾)に面している。野蒜は鳴瀬川の河口にあたり、北上運河、東名運河も通じる。市の南部には陸繋島の宮戸島が浮かぶ。
歴史
2005年(平成17年)4月1日、東松島市は桃生郡矢本町と鳴瀬町の合併(平成の大合併)によって発足した。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、津波の襲来で、死者1,000人以上が出て、市内全住宅の3分の2を超える約11,000棟が全半壊した。野蒜海岸では10.35メートルの津波が観測された。野蒜地区では、東側の石巻湾から押し寄せた津波が内陸2キロ弱を横断し、西側の松島湾に流れ込んだ。野蒜小学校の体育館で13人が、特別養護老人ホーム「不老園」の入所者56人が亡くなるなど、野蒜地区や大曲地区が壊滅的被害を受け、約1,100人が犠牲となった。航空自衛隊松島基地も冠水し、多くの航空機が破損した。一方、野蒜地区では民間人の佐藤善文が会社近くの岩山に10年かけて避難階段と避難小屋を作っていた。近所の住民は「津波なんてここまで来るわけがない」と佐藤を変わり者扱いし、この避難所を「佐藤山」と呼んでいたが、結果的に約70人が津波被害を免れた。死者は1,109人(2014年1月時点)、行方不明者は25人。浸水域は市街地の約65パーセントに達した。電気の復旧は約2週間、宮戸地区は津波被害が甚大のため復旧まで約3か月かかった。上水道は2週間以上かけて徐々に復旧したが、宮戸地区では3か月以上かかった。携帯電話の復旧には7日程度、固定電話の復旧には2週間程度を要した。仙石線の矢本駅と松島海岸駅の間が不通となり、バスによる代替輸送に変わり、野蒜北部の丘陵地区へ路線の変更が決定した。
2020年(令和2年)2月1日、市町境界変更が実施され、隣接する美里町の二郷字浦谷地の一部が東松島市に編入され、東松島市西福田字大日向の一部が美里町に編入された。
行政
市長
- 市長:渥美巌(あつみいわお、2017年4月29日就任、2期目)
総合支所
経済
商圏としては石巻商圏の範囲であるが、近年イオングループ系のショッピングセンター、イオンモール石巻が市内に完成したほか、三陸沿岸道路の開通もあり、仙台とのアクセスは向上した。
市内には航空自衛隊松島基地があり、曲技飛行隊のブルーインパルスはこの基地の所属である。
郵便局
- 矢本郵便局(集配局)
- 鳴瀬郵便局(集配局)
- 野蒜郵便局
- 宮戸郵便局
- 大塩郵便局
- 宮城赤井郵便局
姉妹都市・提携都市
日本国内
- 提携都市
- 富士見市(埼玉県)
- 2012年(平成24年)5月14日 災害時相互支援協定締結。
- 小牧市(愛知県)
- 2014年(平成26年)2月23日 災害時応援協定締結
- 北名古屋市(愛知県)
- 2014年(平成26年)2月23日 災害時相互応援協定締結。
- 豊山町(愛知県西春日井郡)
- 2014年(平成26年)2月23日 災害時相互応援協定締結。
教育
高等学校
- 宮城県石巻西高等学校
- 宮城県東松島高等学校
- 日本ウェルネス宮城高等学校
中学校
- 東松島市立矢本第一中学校
- 東松島市立矢本第二中学校
- 東松島市立鳴瀬未来中学校
小学校
人口
交通
鉄道
- 中心となる駅:矢本駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 仙石線:陸前大塚駅 - 東名駅 - 野蒜駅 - 陸前小野駅 - 鹿妻駅 - 矢本駅 - 東矢本駅 - 陸前赤井駅
- 仙石東北ライン:野蒜駅 - 陸前小野駅 - 矢本駅 - 陸前赤井駅
バス
- 路線バス(ミヤコーバス)
- 石巻駅前 - 石巻免許センター・石巻西高校前・イオンモール石巻・日赤病院前 - 石巻駅前
道路
高速道路
- E45 三陸沿岸道路(三陸自動車道)
- (宮城郡松島町)- (8) 鳴瀬奥松島IC - 矢本PA - (9) 矢本IC - (10) 石巻港IC -(石巻市)
一般国道
県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
史跡・名勝
- 奥松島
- 野蒜築港跡(明治政府が初めて建設した洋式港の遺構。台風の被害により廃港。)
- 里浜貝塚
- 儀兵衛・多十郎オロシヤ漂流記念碑
- 仙台藩大浜唐船番所跡
- 余景の松原
- 小野館跡
- 矢本横穴古墳群
- 赤井遺跡
レジャー
- 野蒜海水浴場
- 室浜海水浴場
- 大浜海水浴場
- 月浜海水浴場
- 蛤浜海水浴場
- 奥松島乗馬クラブ
- 奥松島運動公園
- 奥松島縄文村歴史資料館
- 鷹来の森運動公園
- 滝山公園
- 矢本海浜緑地
祭り・イベント
- 日本三景松島ツーデーマーチ
- 奥松島まつり
- 奥松島ビーチバレー大会
- 鳴瀬流灯花火大会
- 奥松島縄文まつり
- 青い鯉のぼりプロジェクト
- 野蒜海岸凧あげまつり(1月1日)
- やもとクロスカントリー大会(12月)
- 滝山桜まつり(4月中旬 滝山公園)
- やもと夏まつり(7月最終土曜日)
- 航空自衛隊松島基地航空祭(8月最終日曜日)
伝統芸能
- えんずのわり(月浜地区):2006年(平成18年)3月15日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
出身著名人
- 相澤タロウイチ - イラストレーター・絵本作家
- 阿部豊 - 俳優・映画監督
- 池田渉 - プロラグビー選手(三洋電機ワイルドナイツ→リコーブラックラムズ)
- 内海安吉 - 政治家
- 大内誠弥 - プロ野球選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 大槻俊斎 - 仙台藩医・幕府医(お玉が池種痘所を設立。初代西洋医学所頭取。東京大学医学部の初代総長とみなされている)
- 尾形貴弘 - お笑い芸人(パンサー)
- 大久秀憲 - 小説家
- 五ノ井里奈 - 柔道指導者、陸上自衛官時代の自身への性暴力被害を告発
- 白岩亮治 - 大相撲力士
- 富田鐵之助 - 外交官・実業家(日本銀行第2代総裁)
- ニードル - 伊藤政仁・石垣進之介(共に旧鳴瀬町出身)のお笑いコンビ(東松島ふるさと大使に任命されている)
- 山路嘉人 - 元プロサッカー選手(東芝サッカー部→ブランメル仙台)
- 矢本平之助 - 政治家
- 鹿嶋静 - ヴァイオリニスト(東松島ふるさと大使に任命されている)
- 太十郎 - 日本人として初めて、漂流も含め世界一周をした4名の船乗りのうちの1人(奥田多十郎とも書く)
- 儀兵衛 - 1793年 - 1804年に渡り、奥田太十郎らと共に世界一周した船乗り(奥田儀平とも書く)
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 地図 - Google マップ
- 矢本町・鳴瀬町合併協議会
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