『ウルトラマンタロウ』は、1973年(昭和48年)4月6日から1974年(昭和49年)4月5日までTBS系で毎週金曜19:00 - 19:30に全53話が放送された、TBSと円谷プロダクションが製作した特撮テレビドラマとその劇中に登場するヒーローの名前である。
タイトルロゴは「ウルトラマンT」、「T」に「タロウ」のルビがある。
ボクサー志望の青年・
港を襲った超獣オイルドリンカーを撃退した勇気と行動力を見込まれ、光太郎は宇宙科学警備隊
光太郎は死線をさまようが、ウルトラ5兄弟によってウルトラの国に運び込まれ、彼らとウルトラの母に導かれてウルトラマンタロウと合体。こうして、ウルトラ6番目の弟が誕生した。
地球に帰還した光太郎は、左腕に装着したウルトラバッジを掲げてタロウに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。
「ウルトラマンシリーズ」第5作目にして、『帰ってきたウルトラマン(以下、帰マン)』や『ウルトラマンA』に続く第2期ウルトラシリーズ第3作目。『ファイヤーマン』(日本テレビ)や『ジャンボーグA』(毎日放送)同様、「円谷プロ創立10周年記念番組」として制作された。
本作品の大きな特徴として、それまでは神秘的存在として描かれていたウルトラマンに、親しみやすい印象を付加している点が挙げられる。その最たる例が、主人公の「タロウ」という名称である(詳細は後述)。それまでのウルトラマンシリーズに比べ、同じ円谷作品の『快獣ブースカ』(1966年・日本テレビ)で見られたようなおとぎ話や寓話などを題材としたエンターテインメント性を重視したストーリーが多く見られる。
本作品ではウルトラの母の存在が初めて明らかにされ、「ウルトラ兄弟」の概念に加えて文字通り「ウルトラファミリー」の構想を付加した結果、ホームドラマ的な作風が濃くなっている。
主題歌がそのまま特撮場面の挿入歌となっており、2クール以降はエレクトーン演奏を用いた主題歌のインストゥルメンタル版も使用されている。
前作の『ウルトラマンA』同様、本編撮影は主に東京映画撮影所で撮影され、特撮は東宝撮影所のNo.3・5ステージや東京美術センターのオープンスペースで撮影されていたが、第3クールから最終話までは仙川スタジオで撮影された。
特撮作品としての本分もおざなりにされていない。躍動感のある戦闘アクション、当時としては精巧に制作された秘密基地や戦闘機などの各種プロップやミニチュアセット、光線技に見られる光学合成などは、円熟された特撮の妙味を醸し出している。
それまでのウルトラマンシリーズは、オープニング映像にキャラクターのシルエット映像が使用されていた。しかし、本作品はZATのメカニック紹介映像(主にそれぞれが格納庫から現れて基地から発進する様子)となっている。
放送話数が全53話と昭和ウルトラシリーズの中では最多となっている。また、第2期ウルトラシリーズの中で本作品のみが4月に放送を終了したが、この理由には「次作『ウルトラマンレオ』の企画難航によって本作品を1話分追加撮影した」「4月から放送開始する他の特撮ヒーロー番組と競合する編成を避けるためだった」という2説が存在する。
本作品の企画は、『ウルトラマンA』放送中の1972年10月ごろからスタートしている。TBS側からは『ウルトラマンA』が息切れしたため、ウルトラシリーズは1年間休止する案や『ウルトラマンA』で終了させようとの声もあった。
「ウルトラマン・シリーズ第5弾!! ウルトラマンスター」「特撮空想科学シリーズ ウルトラジャック」「特撮空想怪獣シリーズ ウルトラマンジャック」の3冊の企画書が作成され(内容は同一)、タイトルは「ウルトラマンジャック」が選ばれた。しかし、「ジャック」が当時世界的に大きな問題となっていたハイジャックを連想させるという事情から負のイメージを避けるために正式決定直前に取り止めとなった。この「ジャック」が西洋のおとぎ話の主人公の名前としてよく使用される名前だったことや熊谷健が「ジャック」が長すぎると感じていたことから、それに対応する「ジャック」の意味合いを和風な名称に置き換えた日本の名称として満田かずほがタイトル会議で「○○太郎」にちなむ「タロウ」と名付けられたという。
基本的には、ウルトラマンタロウとZATの活躍を描いている。
第8話以降、児童(東光太郎を兄のように慕う白鳥健一少年の友達や同級生)の抱えるエピソードに、奇怪な事件およびその主犯となる怪獣とZATの闘いが交差したものが多くなっていき、ZATの事件解決に終始している作品はほとんどない。これは第2期ウルトラシリーズの特徴といえるが、本作品で最も顕著に表れている。
メイン脚本家の田口成光は本作品を結果論として『ウルトラマンA』の変遷を受けた上での「皮膚感覚」を強く意識しており、ファンタジー色とファミリー性が強い昭和のおとぎ話である「ネオメルヘン(ネオファンタジー)」と捉えた作品世界となっている。そのため、「ネオメルヘン」という要素は宇宙怪獣の怪奇設定やヒーローのミステリアスなイメージといった前提条件により、各エピソードがリアル方向に触れすぎないようにするためのバランサーとなっており、演出や設定も陽性の方向へ流れるように誘導していたものと思われる。
前半の敵は怪獣のみで、本作品の怪獣は前作『ウルトラマンA』の「超獣(怪獣を超える存在)」の設定を覆し、「超獣を超える怪獣」であると設定されていた。第1話では超獣オイルドリンカーが怪獣アストロモンスに捕食されるシーンが存在し、この「超獣よりもさらに強い怪獣」をアピールしていた。企画案では超常能力を持った宇宙怪獣の登場が想定されており、初期に登場した怪獣にも反映されている。また、実在の生物をモチーフとした怪獣が多いのも初期の特色である。怪獣の生態が細かく設定されている回が多く、この点も本作品のストーリーにおける特徴の1つとなっている。
第27話でのメフィラス星人(二代目)の登場を皮切りに宇宙人も多く登場するようになり、終盤では独特で奇抜な怪獣が多く登場するようになった。なお、タロウやZATが怪獣、とりわけ人類と対立する意思を持たないものの生存権を尊重する描写も多く、回が進むごとに顕著になっている。
第29・30話に改造巨大ヤプールが登場するなど過去の人気怪獣が多く登場したが、これはTBSでは10月は翌春の新番組を決定させる時期のためだからである。
『ウルトラマンA』や『ミラーマン』(1971年・フジテレビ)でブルマァクから発売された怪獣ソフトビニール人形が不振だったため、本作品の怪獣はほとんど商品化されていない。しかし、『ウルトラマンA』のタックファルコンや『ミラーマン』のジャンボフェニックスなどのメカ類は好調だったため、本作品はメカ類を売り出すことに注力しており、前述のようなオープニングになった。さらに、オープニングのみの登場メカや本編未登場のメカなども商品化され、どれも子供受けする派手なデザインとなっていた。
また、「ウルトラ兄弟セット」や「ウルトラファミリーセット」などの形式で、過去のウルトラマンソフトビニール人形がセット売りされた。こうしたヒーローやメカ重視の潮流の中で怪獣のデザインは商品化を前提としないため、『帰ってきたウルトラマン』初期のように売れる怪獣をデザインするという縛りから解放され、自由なデザインの怪獣が生まれるようになった。
他の第2期ウルトラシリーズとは異なり(各作品の路線変更については各記事を参照)、放映延長に当たっての番組強化に関する文書が作成されず、第19話でタロウがウルトラの母からキングブレスレットを授かったり、第27話から宇宙人が登場したり、レギュラー俳優の交代などはあったが、制作方針に関わるような路線変更がなかった。しかし、それまでのウルトラシリーズと異なり、コミカルなストーリーが多くなるなど作風に顕著な変化が見られたため、旧作ファンには本作品を否定する向きもあった。
後発のウルトラマンシリーズ出演者が、幼少時に見ていた作品として本作品を挙げている。萩原佐代子(『ウルトラマン80』の星涼子 / ユリアン役)はリアルタイムで、原田隼人(『ウルトラマンX』の三日月マモル役)と石黒英雄(『ウルトラマンオーブ』の主人公クレナイ・ガイ役)は再放送で本作品を見ていた。また、杉浦太陽(『ウルトラマンコスモス』の主人公・春野ムサシ役)と宮野真守(映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』以降のウルトラマンゼロの声)は、幼少時はタロウが好きだったと語っている(杉浦は七夕の短冊に「タロウになりたい」と書いたこともあると自身のブログで明かしている)。
『ウルトラマンマックス』以降のシリーズに参加している脚本家・小林雄次は本作品の第1話を評価しており、『ウルトラマンマックス』第1話執筆時の参考にしている。
ウルトラの父とウルトラの母の実子。ウルトラセブンの実母(故人)がウルトラの母の姉であるため、セブンとは従兄弟(セブンがタロウの従兄)だが、この設定は現在では使用されていない。孤児でウルトラの父と母に養育されたウルトラマンAは義兄、ウルトラマンタイガは実子に当たる。また、主題歌の歌詞では「ウルトラマンNo.6」と呼ばれている。光の国では「タロウ」という名前は「勇気を持ち正義を愛する者」という意味が込められている(命名したウルトラの父は後に地球にも同じ名前があると知ったという)。企画書では「11の技を持つヒーロー」とされている。
ウルトラ兄弟が集結した第33・34話で「兄に頼りがち」や「増長しやすい」と演出されているが、これは第33・34話のみのことである。
エースの後を受けて地球防衛の任務に就き、地球では宇宙科学警備隊ZATの東光太郎と一体化して超獣以上の力を持つ怪獣や宇宙人と戦う。空に飛び立つ時の掛け声が第22話までは短く低めだったが、第23話からやや長く高めになっている(第5話でセブンが空に飛び立つ時の掛け声の流用)。また、光太郎のボクサーとしての資質が変身後も引き継がれている。戦闘時は無言で戦うことが多い。胸のタロウプロテクターは、セブンのプロテクター同様にあらゆる攻撃から身を守る。また、セブンのような真紅の体はスーパーボディと呼ばれ、全身にストリウムエネルギーが流れている。
巨大化カットに登場している白い円環は、ミルクのクラウンのイメージである。
頭部のウルトラホーンは超戦士の証と言われ、それを証明するかのように他のウルトラ兄弟を超えた能力を誇る。例を挙げると以下の通り。
第53話でウルトラバッジをウルトラの母に返し、光太郎としてバルキー星人を倒した後、光太郎の姿のまま旅立っていった。
後の『ウルトラマンメビウス』では、
と新たに設定された。
光太郎がタロウと合体前、緑のおばさんの姿に変身したウルトラの母からお守りとして授けられた変身アイテム。光太郎は持ち歩かず、常に隊員服の左肩の袖側面に装着しているため、変身は常に隊員服姿で行われており、私服での変身は第40話での1回だけであった。
ウルトラスチール製で光波エネルギー吸収装置(3つのポール)、エネルギー電導チューブ、ウルトラダイオード、エネルギー増幅回路、ウルトラルビー、テレパシー受信器が備わっている。光波エネルギー吸収装置には電気エネルギー、太陽エネルギー、ウルトラエネルギーが蓄えられており、光太郎からの変身テレパシーを受信することでバッジの中央に流れ出して変身エネルギーとなり、光太郎をタロウに変身させる。
前半ではエースのウルトラリング同様、変身のタイミングが訪れるとウルトラルビーが一瞬光って光太郎に変身を促していたが、後半ではこのプロセスが見られなくなった。
前述の通り、光太郎は第53話でウルトラバッジを空の彼方に投げてウルトラの母に返している。
ウルトラバッジを右手に持ち、両腕を左右に開いて、額に当ててから天にかざして「タロウー!」と叫んで変身する。このパターンが基本だが、変身ポーズを省略したことも何度かあった。また、第43話ではモットクレロンが飛ばしてきたと思われる大根を左手に持ち、そのままバッジを持った右手と頭上でクロスするという珍妙な変身場面もあった。
学年誌での設定に基づくが、すべてが現在も活かされているとは限らない。
デザインは井口昭彦。セブンの姿をベースとし、セブン同様、額のビームランプと大きな突起を持つ。ウルトラホーンはウルトラの父の角が好評であったことから取り入れられた。デザイン画では、耳の後ろから後頭部にかけて段差が存在し、最初期に作られたスーツには画稿どおりの段差があったが、以降の造型では省略されている。胸にはカラータイマーを備えている。
マスクの原型は、『ゴジラ』などの石膏班スタッフだった照井栄が開米プロの依頼を受けて製作した。照井によれば「頭(マスク)が大きいので170センチ以上あるスーツアクターを入れてほしい」とプロデューサーの熊谷に伝えたとのこと。
姿が似ていることから俳優・京本政樹が、本作品の第40話と『ウルトラマンレオ』第1話のセブンの着ぐるみは、タロウの着ぐるみを改造して使用されたため、その名残で耳が付いていないと著書『京本政樹のHERO考証学』(1992年、バンダイ)で述べている。だが、昭和末期に発行された円谷プロファンクラブ会報誌に「アトラクション用セブンに電飾をした物」と記述されている。
初期のスーツは、スーツアクターの身長に合わせるための暫定的処理として、スーツの膝部分に繋ぎ目があった。中期からは目の全体が黄色に変更され、スーツの赤も濃くなり、繋ぎ目もなくなった。後期からは以前よりも胸の筋肉が強調していると思われ、カラータイマーや目の電飾などの発光用電池が左脇に内蔵された。
『ウルトラマンメビウス』以降の作品では主に石丸博也が声を充てている。本項では特に記載がなければ石丸が声を担当。
本部はニューヨークの国連本部内に存在し、支部はアメリカ、アルゼンチン(南米)、フランス(フランス)、南アフリカ連邦(アフリカ)、日本(極東)、北極の6ヵ所にある。
後述のようにアットホームな雰囲気を見せ、ユーモラスな作戦を展開するが、戦闘力と知力を兼ね備えた精鋭であり、コスモリキッド、再生前のデッパラス、シェルター、ムルロア、ベムスター(改造)、ベロクロン二世(改造)、ドロボン、バルキー星人といった強敵を撃破する実績をあげている。単独の巨大怪獣撃破数は、ウルトラシリーズの歴代防衛チームの中で科学特捜隊(10体)に次ぐ戦果を挙げている。また、他の防衛チームでしばしば見られた隊員同士の対立の構図がほとんどなく、基地の司令室で飲食したり、将棋を指しているところが描かれたり、市民と草野球やバレーボールに興じたりと、明るくアットホームな雰囲気が貫かれた。
極東支部も各国と連携をとりながら、作戦行動を行っている。宇宙ステーションも複数存在する。
既述の通り、隊員の交代が多いが、同時に劇中の世界がこれまでのウルトラシリーズに比べて広がっている。第13話でZATが九州で演習を行う時、宇宙ステーションに転勤した西田隊員が連絡係として再登場。さらに第27話では、マンダリン草を探すために世界各地のZAT隊員が登場、航空機ドラゴンには通常のZAT制服とは異なる隊員が搭乗していたり、ZAT基地にも森山隊員の他に多くの女性隊員が勤務していた。さらに、第40話では木星にも宇宙ステーションが確認されている。放映開始時における一般男性隊員の苗字は、主人公である東を始め、西田・南原・北島と方角にちなんで命名されている。
また、第5話には地球警備隊が登場しているが、ZATとの詳しい関係性は不明。劇中では極東支部所属の戦力として、空母を含む艦隊が登場した。また、キングトータスとクイントータスが棲息していたオロン島を管理下に置いている。
ZAT極東支部の一番の特徴は豊富な作戦である。個々の怪獣の特性を見極め、それぞれに対応する作戦を編み出して遂行していく。失敗も多いが、発想は実に柔軟である。
書籍『ウルトラ超兵器大図鑑』では、独自のSF的考証(本書注意書きより)でそれらの兵器はヤプール大戦中のTACの時代に盛んに行われた異星の技術研究から生まれたものであり、コンドル1号やスーパースワローの穴の開いた両翼は「重力制御コイル」という装備が搭載されているためと解説されている。
隊員たちは半年に一度、体力テストで審査される。これは科学的知識はもちろん、常に隊員たちが強靭な肉体を要求されるためである。ただし、隊長と副隊長は体力よりも指揮能力が問われるため、この審査は免除されている。
ZAT極東支部の所在地は、東京都千代田区霞ヶ関1丁目1番地1号にある。
円盤状の基地本体部と、地下に置かれた各メカの格納庫、本体部と格納庫を繋ぐシャフト状のタワー部で構成されている。本体部には、隊員たちの司令室をはじめ、コンピューター制御室、応接室、兵器開発区、居住区、情報区、発進ゲートなどがあり、各航空戦力はタワー内部の回転式エレベーターで本体部までリフトアップされる。緊急事態の際は、本体部が底面からジェット噴射を行い空飛ぶ円盤として機能し、危機を回避することが可能(下部タワー部分は地下へ格納される)。この機能は本来、地下格納庫から直接発進するアンドロメダの打ち上げを妨げないためのものと思われるが、第1話と第10話で怪獣に襲われた際にのみ使用された。
この基地の隣には、事務セクションのオフィスビルも存在する。
一般市民による本部の見学は可能だが、その際には1週間前までには申し出て怪獣や宇宙人が変身・憑依していないかのチェックを受けなければならない。
ZATの装備品(航空機、車両、隊員服、武器など)には、曲線、曲面を多用したラインと、先端部に設けられた球状の突起といったデザイン上の一貫した特徴がある。
白のラインが入った赤と紺の明るいイメージの配色のユニフォームで、上下セパレートタイプのつなぎ式。高い耐久・耐熱・耐寒性・防弾機能を持つが、光太郎の隊員服は激戦でボロボロになることが何度もあった。また、女性隊員の隊員服は赤と紺だけでなく、白も取り入れたミニスカートのワンピースタイプである。朝日奈隊長の物のみ、胸のラインが黒となっている。
各機の青い部分は初期はメタリックブルーであったが、後半は濃紺となった。
以下は独自の作戦の例である。日用品などをモチーフとしたユーモラスな印象の作戦が多く、ZATの特色を出している。
光太郎役に篠田が起用されたのは、彼が新たなウルトラマンシリーズの主役にふさわしいと考えたプロデューサー・橋本洋二の意向であり、撮影現場の雰囲気を知ってもらうための措置として『ウルトラマンA』第20話に篠田一郎役でゲスト出演させている。篠田はオーディションで選ばれたが、松平健も光太郎役のオーディションを受けていた。本作品への出演が決定した篠田は『ウルトラマンA』第20話出演時に北斗星司役の高峰圭二が白いマフラーを巻いているのを見て自分も使用したくなり、本作品の撮影でもマフラーを使用することになった。本作品の本放送時にはNHKの『天下堂々』でも主演を務めたため、終盤は出番の少ない回が存在する。
名古屋は『帰ってきたウルトラマン』でナレーションを担当。篠田同様、名古屋は橋本の指名で、副隊長を設定して名古屋を口説き落としたという。名古屋も多忙だったため、最初から「毎回は出演できないと思うがそれで良ければ」という契約で、第1 - 8、10、35、51、53話(最終回)の計12回しか登場していない。第51話以降はナレーションも担当している。また名古屋は他のインタビューでは「私の子供が、ヒーローものを見ている世代だったので、子供に喜んでもらおうと、いわば、プレゼントみたいな気持ちで、引き受けました」とも語っている。
東野は第50話の撮影終了後にスキーで脚を骨折して入院したため、三谷が新登場(三谷も『帰ってきたウルトラマン』第22話でゲスト出演している)。東野は第49話や第50話でのアフレコにも参加しておらず、代わりに沢が声を担当。
三ツ木は主演作『白獅子仮面』の撮影がクランクアップした後に本作品に臨んだものの、『だいこんの花』『国盗り物語』のレギュラーが入ったため、スケジュール調整が不可能になり降板。光太郎役の候補だった。
西島は所属事務所の方針で歌手に転向し、同じTBSの『ぎんざNOW』にレギュラー出演が決定したため、第35話を最後に降板。
あさかは本作品がデビュー作だが、当時の事務所との契約に従い第16話で降板したため、第20話から小野に交代。
瑳川は『ウルトラマンA』で竜隊長を演じた。急病のために事実上降板し、第51話の予告から名古屋が代理を務めた。当初の台本(第2話)のスタッフ欄には、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』でナレーションを務めた浦野光の名が記載されていた。
白鳥船長役には、企画時は『ウルトラQ』で関デスクを演じた田島義文がキャスティング候補に挙がっていた。
タロウのスーツアクターの長沢寛は、長身のスーツアクターを起用したいという要望から、同時期『ファイヤーマン』に扮していた西条満が、同じ事務所に所属していた長沢を推薦した。西条は、激しいアクションシーンなど一部のシーンでタロウに扮している。
※すべてノンクレジット
助監督の中に、後に小説家となる打海文三がいる。
いずれも「ウルトラマンスター」「ウルトラジャック」「ウルトラマンジャック」の企画書に掲載されている。
東京レコード(AMONレーベル、ディスコメイトの前身・販売元はビクター音楽産業)からEPが発売。初版約30万枚という当時としては高い売り上げを残した。
上述のように、本作品のBGMは白井多美雄(ノンクレジット)が選曲しており、中には流用されたものが存在。
第11話と第15話で使用された「舞踏組曲 笛吹き地蔵」は、1964年にバレエ用に日暮が作曲。
フランスのライブラリー音楽提供レーベルのMontparnasse2000からの音源が、第24話で使用されたのを皮切りに第40話、第43話、第46話、第48話で使用。
『東宝チャンピオンまつり』にてテレビ版を劇場用にブローアップ再編集した作品が3シーズンにわたって公開された。なお次作『ウルトラマンレオ』は『チャンピオンまつり』では公開されなかったので、「ウルトラシリーズ」が同企画で公開されるのはこれが最後、さらに円谷プロ作品が同企画で公開されるのもこれが最後である。
創立60周年を記念しセレクト上映。Part2は2023年12月1日に公開。同時上映は『空想特撮シリーズ ウルトラマン 4Kディスカバリー「生命のものがたり」』を先行上映。
いずれにもウルトラマンタロウが登場する。
小学館が権利を持っており、学年誌や『週刊少年サンデー』に掲載された。高学年向けの学年誌には特撮の解説が掲載された。
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