『東京喰種トーキョーグール』(トーキョーグール、英: Tokyo Ghoul)は、石田スイによる日本の漫画作品。略称は「TG」。石田のデビュー作として『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2011年41号から2014年42号まで連載された後、新編となる『東京喰種トーキョーグール:re』(トーキョーグール リ)が、同誌2014年46号から2018年31号まで連載された。2021年1月時点で全世界シリーズ累計発行部数は4700万部を突破している。
2013年7月から十和田シンによる小説版が発売された。2013年8月から同年9月までデジタル漫画雑誌『ジャンプLIVE』にてスピンオフ漫画『東京喰種トーキョーグール [JACK]』(トーキョーグール ジャック)が連載され、また『週刊少年ジャンプ』(集英社)2014年31号に読み切り作品『東京喰種トーキョーグール [JOKER]』(トーキョーグール ジョーカー)が掲載された。2014年からテレビアニメ化、2015年から舞台化、2017年から実写映画化された。
人間社会に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人喰種(グール)が蔓延する東京。
上井大学に通う主人公・金木研は女性の喰種・神代利世に襲われ瀕死となるが、工事現場から落下した鉄骨がリゼに当たったことで捕食を免れ、一命を取り留める。しかし事故による手術の際に、喰種であるリゼの臓器を移植されたことで、カネキは半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。
本編開始の12年前。13区の高校に通う不良少年・富良太志は幼馴染たちをカボチャの仮面を被った人物に殺傷され、彼自身も殺されそうになるがクラスメイトの転校生・有馬貴将に助けられる。幼馴染の仇討ちを誓った富良は、有馬から仇が喰種という存在で、カボチャの仮面の喰種が“ランタン”と呼ばれていることを聞き、有馬と共にランタンの行方を追う。富良と有馬は順調に喰種を狩る中、ランタンの意外な正体を突き止める。
第一部終了後から第二部『:re』開始までの間、二等捜査官・阿原半兵衛を主人公とし、パートナーである上等捜査官・鈴屋什造との物語が展開する。臆病な半兵衛が骸骨のマスクをした喰種たちに追われ逃げ惑っているところをジューゾーの介入で救われ、彼から軽い叱責を受ける。CCG13区支部に戻り「スカルマスク」という集団の調査・討伐の報告の最中、「スカルマスク」の犯行の報告があり、現場である暗敷通りへ向かう。死体を見たジューゾーは、無駄のない殺し方からここでの犯行は「スカルマスク」のボスの仕業であると確信する。半兵衛が捜査中、電車内で身長や行動、香水の匂いがしたなどとプロファイリングしている最中に痴漢の現場に遭遇。助けるべきか否か葛藤している間にジューゾーによって痴漢行為が止められるが、この際ジューゾーは"鉄臭い"という理由で痴漢を追いかける。移動中、近くに居たのになぜ止めなかったのかをジューゾーに問われ、半兵衛は臆病であることの原因を語り、一区切りついた時に悲鳴が上がる。現場に駆けつけると、先ほどの痴漢が「スカルマスク」に襲われていた。ボスであることをジューゾーが確認し、宣戦布告をしたところで「スカルマスク」のメンバーに囲まれてしまう。腰を抜かしている半兵衛をよそに、ジューゾーはクインケ[13'sジェイソン]でメンバーを掃討、ボスにあと一歩というところでわざとらしく[13'sジェイソン]を弾き飛ばされてしまう。ボスの追撃に対して動かないジューゾーに半兵衛が焦り、勇気を振り絞ってボスを背後から一突きの元に葬る。ジューゾーになぜ「スカルマスク」が現れるのがわかったのか問うと、電車内でした香水と血の匂いが暗敷の現場の匂いとが一致したためとのこと。ボスのマスクを外すと、そこには電車内で痴漢されていた少女が横たわっていた。
本作品の登場人物は特に必要とされる場合を除き、片仮名で呼称されるのが基本である。声の項は、アニメ版の声優。演の項は、舞台版 / 映画版の順である。
各々の階級は現職の捜査官は最新巻時点で記述。殉職、あるいは事実上離脱した捜査官においては最終的な階級で記述している。
食性が人肉のみに限定された肉食の亜人種。反社会的な食性から公的に駆逐対象とされており、喰種対策局と呼ばれる専門の行政機関が設立されている。通常時は人間との外見的な差異が無く、条件付きで交配も可能であるなど、限りなく人間に近い種として描かれている。その反面、身体能力は極めて高く、数mを跳躍する脚力や素手で人体を貫く膂力を有し、個体差はあるが成体ではヒトの4 - 7倍の筋力があるとされる。程度の軽い擦過傷や切傷であれば一瞬、骨折でも一晩程度で治癒する回復能力を有し、また銃弾や刃物などの一般武器では傷一つ付かないほど耐久性にも優れている。感覚器官も非常に鋭く、遠方から近づく人物の体臭を嗅ぎ分けられ、雑踏の中から足音を聞き分けることもできる。寿命は明言されていないが人間のように老化した喰種が登場しており、主要器官に致命傷を負えば死ぬことから不老不死ではない。捕食もしくは交戦時には赫眼という状態になり、身体から赫子が発現するため人間と見分けやすくなる。喰種対策法においてもこれらの確認を以て対象を喰種と判断する旨を定めている。
水やコーヒーを除けば基本的に摂食できるのは人肉のみであり、一度の摂食で数週間ないし1か月程度の活動ができる。常人が摂食する食品を喰種が口に含むと味覚に嘔吐中枢が刺激されるほど不快に感じ、無理に摂食すれば体調悪化などの不調が発生する。重篤な飢餓状態に陥ると激しい頭痛や幻覚、判断力の低下を伴い、相手が友人や肉親であろうとも捕食することを躊躇しなくなる。経験者はこの苦痛を「地獄のような苦しみ」と表現している。歯が生え揃っておらず、捕食器官が未発達な乳幼児の場合は、同種の母乳を飲むことで栄養を摂取できる。
生来の意識や感情は人間と変わらず、同じ社会性をもっているため、日常は人間社会に溶け込んで生活している。しかし、人間しか食べられない喰種としての苛烈な環境から、強弱はあるが心に闇をもつ傾向にある。大半は人間に対して複雑な感情を抱いたり、喰種である自分に苦しんだりする程度であるが、人間を単なる食べ物と考えるようになった喰種は気軽に捕食を行い、彼らが無秩序に起こす捕食殺人事件は社会問題に発展し、喰種対策局から注目を浴びることになる。反面、健全な人格を備えた喰種も少なからず存在し、あんていくメンバーや笛口親子のように人間が店舗で食材を買うように自殺者などを加工した食肉を入手して、人と変わらぬ生活を営んでいる。
社会から追われる身分であるため、多くの喰種が戸籍を持っていない。同様の理由から定住は極めて困難であり、住所や姓名を頻繁に変えることも多々あるが、親からつけられた名前は綴りを変えつつも同じ読み仮名を使い続ける者が大半とされている。そのため、リゼのように姓名を完全に変え、以前の身元が一切不明である喰種はかなり少数。幼少のころから人間を装う訓練を受けるが、その中でも普通の食品を表面上は当たり障りなく摂取し、体内で消化される前に嘔吐する練習はかなり重要視されている。
喰種は社会的に存在が許されない立場から様々な目的で組織を形成し、人間とは異なる独自の社会を作り上げている。
半喰種同様に喰種を片親に持つ交雑種であるが、赫包を持たず、通常の食事で生命を維持できる。性質的には人間であるが、雑種強勢の影響により常人を遥かに凌駕する身体能力を持つ。反面、肉体の劣化速度が著しく速く、短命であるという特徴もある。有馬を始めとする白日庭出身の捜査官全員がこれに該当する。
喰種対策法を背景に活動する国の行政機関。英語名「Commission of Counter Ghoul」の頭文字を取って通称「CCG」と呼ばれている。主な活動内容は喰種の捜索および駆逐であるが、捕食殺害事件で身寄りを失った児童の保護や教育も行っている。保護された児童はその生い立ちからか、18歳になるとその半数以上がアカデミーに入学するとされる。
現実の東京と似ているが、裏路地には人肉を狙う喰種が潜み、地下には「地下道」と呼ばれる喰種によって築かれた広大な迷宮が広がる危険な都市である。区部は24区までが確認されており、区名は実世界でいうところの市町村コードで呼ばれている。
連載版の原型となった作品。「第113回MANGAグランプリ」で準優秀賞を受賞し、『ミラクルジャンプ』のNo.2(2011年4/12号)に読み切り作品として掲載された。単行本には未掲載ではあるが、それらの要素は2巻から3巻にかけて再構成され、演出や台詞、テーマなども人物や場所を変えつつ再現されている。
ストーリーは、喰種の喫茶店員カネキと彼の正体を暴こうと来店する喰種捜査官の篠原を中心に繰り広げられる捜査劇で、正体を見ぬかれたカネキが篠原を捕食して決着をつけるというものだった。
登場人物は連載版と共通しているが、「カネキは生来の喰種で、食人本能に苦悩している」「トーカは天真爛漫に捕食殺人を繰り返す」「篠原は喰種を憎悪している」など、設定は異なっていた。
2014年7月より9月までTOKYO MX他にて第1期が放送され、2015年1月より3月まで第2期『東京喰種トーキョーグール√A』(トーキョーグール ルートエー)が放送された。2期は原作者の石田がストーリー原案を手がけ、カネキが「アオギリの樹」に参加するという漫画とは異なる展開が描かれた。
2018年4月から6月にかけては第3期『東京喰種トーキョーグール:re』が放送された。同年10月から12月まで、『re』の第2期(最終章)が放送された。
『ラジオ『東京喰種トーキョーグール』-グルラジ-』は、2014年7月9日から2015年4月8日まで音泉にて配信されたWebラジオ番組。毎月第2、4水曜日更新。パーソナリティは花江夏樹(金木研 役)、豊永利行(永近英良 役)。
2015年9月30日にスピンオフコミックを原作とした『東京喰種トーキョーグール【JACK】』が発売された。同年9月5日から9月18日に全国7地域の映画館で期間限定上映を実施。
同年12月25日には小説版『東京喰種トーキョーグール [日々] #003 [写真]』を原作とした『東京喰種トーキョーグール【PINTO】』(トーキョーグール ピント)が発売された。
2015年7月、舞台 『東京喰種トーキョーグール』と題し、AiiA 2.5 Theater Tokyoと京都劇場で上演。
DVD、Blu-rayは、2015年11月27日に発売。
2017年6月29日から7月4日まで舞台 『東京喰種トーキョーグール』 〜或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録〜と題した続編がシアター1010と梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演。
2017年7月29日公開。日本のみならず、アジアや米国、ドイツなど約23か国での公開が決定している。PG12指定。
ヒロインの霧嶋董香は原作者である石田スイの希望で清水富美加が演じた。
2018年9月22日、2作目の製作が発表された。主演は窪田が続投するほか、ヒロインのトーカ役は清水富美加に代わって山本舞香が、初登場の月山は松田翔太が演じることが発表された。2019年7月19日公開。2019年4月11日に、タイトルが『東京喰種 トーキョーグール【S】』(トーキョーグール エス)に決定したと発表された。なお、映倫区分はR15+指定となる。
『映画”東京喰種“ presents あんていく Midnight Café』は、2017年6月8日から2か月間限定でInterFM897にて放送されたラジオ番組。番組コンセプトは東京の某所で深夜に開店する「喫茶あんていく」。パーソナリティは井手大介で、映画のスタッフ・出演者がゲスト出演し、作品の世界観や見どころを紹介する。
ゲストは第1回、第2回共に監督の萩原健太郎とプロデューサーの永江智大。
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