パスピエ(Passepied)は、日本のロックバンド。2009年結成、2012年メジャーデビュー。所属事務所はユニバーサル ミュージックアーティスツ合同会社、所属レコード会社はユニバーサル ミュージック。所属レーベルはNEHAN RECORDS。
東京藝術大学でクラシック音楽を学ぶ傍ら、バンド音楽に傾倒したキーボーディストの成田ハネダが作曲、ボーカリストの大胡田なつきが作詞とアートワーク全般(ジャケットデザイン、ミュージッククリップの制作など)を担当する。
バンド名の由来は、成田が好きなクロード・ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』の第4曲「パスピエ」から。また、そのドビュッシーの音楽や絵画の分野でも知られる「印象派」という言葉をキーワードに、音楽だけでなくカルチャー全体としての多面的なアプローチを試みている。
クラシック音楽のバックグラウンドを持つ成田が生み出す楽曲と、大胡田のセンスやアートワークが話題になり、2011年11月に発売した1stアルバム『わたし開花したわ』がほぼプロモーションなしの無名の新人としては異例のロング・セールスを記録した。
音楽的なコンセプトは、成田のバックグラウンドとなる印象主義音楽のアプローチと、ニュー・ウェイヴやテクノポップを上手に融合させること、それらを最終的にバンドサウンドとしてポップ・ロックの形で表現すること。
楽曲制作は、前述の通り成田が作曲を行い、大胡田が作詞をし、スタジオに持ち込んで成田を中心に編曲する。成田の「いい意味で予想外になるのがバンド」という考えのもと、まず個人から出てきたアイデアを大切にしている。曲を持ち込んだ段階で成田はある程度のイメージを持って臨むが、バンドでアレンジしていく流れに基本的には任せており、行き詰まったときにアイデアを出すというスタンスをとっている。結果的に、メンバー一人ひとりのアイデアがまとまった楽曲が生まれる一方で、成田のイメージが色濃く出ている楽曲もあるという。
また、アイデアは鮮度が大事だという成田の意向で、楽曲を必要以上に煮詰まらせることがないため、レコーディング期間はほかのバンドより比較的短い。
作詞を担当する大胡田は、空想上の人物が動き回る様子を文字に起こしたり、あるいは聴く人が想像できる余白を残しながら歌詞を書くことが多い。ことわざ、故事成語、標語、常套句、などを多用する。
ボーカルの大胡田が、CDジャケットのイラストやPV用のアニメの絵を描いたりホームページにマンガを載せたりと、バンドのアートワーク全般を手掛ける。
パスピエを「いろんな聴き方が出来るバンド」とし、音楽以外のカルチャーにも通じたいろんな人に愛されたいとしている。
成田も、メディアの発達に伴って、自分たちの音楽が唯一無二であるためには新しい発信の仕方を探る必要があると考えており、CDという枠を越えて自分たちの音楽を知ってもらいたいと考えている。
メジャーデビュー以来4年もの間、本人が出演するPVやアーティスト写真の多くはシルエットや俯瞰、暗転、ピントが合っていない、顔の一部が画面外に見切れている、お面をつけているなど、はっきりと顔が確認できないようになっていた。しかし顔を非公開にしている訳ではなく、短い時間ではあるが顔を確認できるカットもPVには挿入されている。オフショットでは大抵、顔の半分を手やCDジャケットなどで隠していた。しかし2016年5月13日に突如として、7枚目のシングル『永すぎた春/ハイパーリアリスト』の発売告知とともに顔を全く隠さない新しいアーティスト写真が公開された。以後アーティスト写真及びテレビ番組への出演、ミュージックビデオ、ラジオ番組・公式サイト・SNSなどで公開されるオフショットなどもいわゆる「顔出し」の状態で撮影されたものが使用されている。
その他、オータコージ、対馬祥太郎(NICO Touches the Walls)、伊藤彬彦(androp)がドラムス担当で一部ライブをサポートしている。
成田が「印象派×ポップ・ロック」というバンドのコンセプトを立てたあと、それに賛同してくれるメンバーを集めようと、大胡田をはじめとしてバンドを通じた知人に声をかけていった。残りのメンバーを集めるにあたって、大学の卒業を控えた成田は、「いまさらフィーリングがどうこうというよりも、あらかじめお互い噛み合った共通言語がある人とやった方がバンドのコンセプトを具現化しやすい」と思い三澤を勧誘、その三澤が露崎を連れてきて、偶然成田の小学校の同級生であったという岸本を加えて2009年にパスピエを結成。下北沢を拠点とし、『パスピエpresents食後の余韻』と題した自主企画ライブを、結成二年間で6度に渡り開催するなど、精力的にライブ活動を展開する。
3月、5曲入りの自主制作盤『ブンシンノジュツ』をライブ会場限定でリリース。28日に岸本が脱退。
8月、やおたくやが加入。自主企画の第五回目にあたる「食後の余韻 special」では、初のワンマンライブを開催。インディーズバンドの枠を超えたパフォーマンスを行い、大成功をおさめる。
Q;indivi(キュー・インディヴィ)の新レーベル「COCONOE RECORDS」の第1弾アーティストとして契約。
11月23日、初の全国流通作品となる1枚目ミニアルバム『わたし開花したわ』をCOCONOE RECORDSからリリース。同日よりYouTubeのオフィシャル・チャンネルにボーカルの大胡田なつき制作のオール・アニメーションPV「電波ジャック」が公開される。ノンプロモーションながらも話題を呼びロングセラーに。
6月、ワーナーミュージック・ジャパン内のレーベル「unBORDE」から2枚目アルバム『ONOMIMONO』をリリースし、メジャーデビューを果たす。同月1日よりYouTubeのオフィシャル・チャンネルに大胡田なつき制作のオール・アニメーションPV第2弾『トロイメライ』が公開される。その後7月に『プラスティックガール』、9月に『デモクラシークレット』、12月にはワーナーのチャンネルから大胡田制作のオール・アニメーションPV第3弾『脳内戦争』が公開された。
1月、iTunes による「今年ブレイクが期待できる新人アーティスト」の1組として『ニューアーティスト 2013』に選出され、iTunes限定配信曲『名前のない鳥』のリリースと同時に初めてアーティスト写真を公開。
2月、TOKYO FMのキャンペーン「TOWER OF LOVE」に、タイアップソング『ON THE AIR』を書き下ろしにて提供。
3月、山下智久のシングル『怪・セラ・セラ』の楽曲プロデュースを手掛ける。
3月20日、メジャー1stシングル『フィーバー』を発売。iTunesデイリー配信チャートで6位を獲得。MVは初のメンバーが出演する実写映像で、大胡田によるアニメーションもふんだんに取り入れられた。
4月2日に渋谷WWW、3日には梅田Shangri-Laにて、メジャーデビュー後初の自主企画「印象A」を開催。両公演ともチケット完売。
7月3日に恵比寿LIQUID ROOM、5日に東心斎橋JANUSにて、自主企画「印象B」を開催。両公演ともチケット完売。
10月26日に梅田CLUB QUATTRO、名古屋ell.FITS ALL、LIQUID ROOMにて、自主企画「印象・日の出」を開催。初のワンマンツアーとなった。全公演チケット完売。
また、「印象・日の出」の追加公演として、「印象・日の出 外伝」を開催。新潟、宮城、北海道、広島、香川、兵庫、福岡、東京の8ヶ所で行われた。
4月17日、名古屋CLUB QUATTRO、18日に大阪BIG CAT、21日に東京SHIBUYA-AXにて「印象C」を開催。全公演チケット完売。
夏公開の映画『アップルシード アルファ』に楽曲参加。『トーキョーシティ・アンダーグラウンド』の英語詞が挿入歌として使用される。
10月から、J-WAVEで放送されているラジオ番組『THE KINGS PLACE』の火曜パーソナリティーを担当する。
4月29日、NHK Eテレ系テレビアニメ『境界のRINNE』エンディングテーマである通算4枚目のシングル『トキノワ』を発売。
7月29日、『境界のRINNE』の後期オープニングテーマとなる通算5枚目のシングル『裏の裏』を発売。
9月9日、通算3枚目のフルアルバム『娑婆ラバ』を発売し、11月にはアルバムを引っさげたリリースツアー「娑婆めぐり」を開催した。さらに12月22日には同ツアーのファイナル公演として自身初の単独日本武道館公演となる「GOKURAKU」を開催、大成功を収めた。
4月6日、前年開催の日本武道館公演の模様を収めた初の映像作品『Live at 日本武道館 “GOKURAKU”』を発売。
4月27日、通算6枚目のシングル『ヨアケマエ』を発売。
7月27日、通算7枚目となる両A面シングル『永すぎた春 / ハイパーリアリスト』をリリース。これに合わせ、顔を完全に公開した新しいアーティスト写真が公開された。
11月23日、デビュー5周年となる日にあわせ、8枚目のシングル『メーデー』をリリース。
12月には東名阪で「パスピエ 5th Anniversary Hall Tour」と銘打って初となるホールツアーを開催した。
1月25日、メジャー4thフルアルバム『&DNA』(読み:あんどでぃーえぬえー)をリリースした。また、リリースツアーとして「DANDANANDDNA」(読み:だんだんあんどでぃーえぬえー)を開催。ツアーファイナルは初となるNHKホールで行われた。なおツアータイトルは成田考案によるもの。
3月を以って火曜日の放送を担当していた『THE KINGS PLACE』を卒業(4月より同枠はフレデリックが担当)。
5月13日に出演した「森、道、市場2017」をもってやおが脱退。以降佐藤謙介らをサポートに迎え、4人体制での活動を開始。
6月30日、新体制初となる作品として配信限定シングル『あかつき』をリリース。
8月23日、5月のNHKホール公演の模様を収めた2枚目の映像作品『パスピエTOUR 2017 “DANDANANDDNA” - Live at NHK HALL -』を発売。これがやおがパスピエに参加した最後の作品となった。
10月18日、ミニアルバムとして通算4枚目、メジャー2枚目となる『OTONARIさん』がリリースされた。またリリースツアー「OTONARIさんのONOMIMONO」を全国3都市4公演で開催。
4月4日に通算5枚目、メジャー3枚目のミニアルバム『ネオンと虎』をリリースし、5月からリリースツアー「カムフラージュ」を開催。このツアーは全国15都市で自身最大となる21公演が行われ、うち6都市12公演については2日間で「ネオン編」「虎編」という異なるテーマを設定した2DAYS公演が行われた。
10月、初となる東阪野外公演ツアー「印象H」を開催。6日に東京・日比谷野外大音楽堂で、14日には大阪・服部緑地野外音楽堂でそれぞれ公演を行った。
2月、結成10周年を迎える。
5月22日、メジャー5thフルアルバム『more humor』をリリース。発売が告知された同年3月20日から24時間限定でリード曲である『ONE』の先行視聴が実施された。また6月からアルバムリリースツアー「more You more」を全国9都市10公演で開催。
1月23日にユニバーサルミュージック内の自主レーベル「NEHAN RECORDS」設立を発表。またこれまでに所属事務所をワーナー系のCENTROからユニバーサル系のユニバーサルミュージックアーティスツへ移籍している。
2月5日、配信限定シングル『まだら』をリリース。同曲は1月から放送のMBSドラマ特区「ホームルーム」(主演:山田裕貴、原作は千代による同タイトルのコミック作品)のエンディングソングとして書き下ろされたもので、バンドにとって連続ドラマのテーマ曲を担当するのは初めてのことである。
2月16日に結成十周年記念公演「EYE」(読み:いわい)を昭和女子大学人見記念講堂で開催。チケットはSOLD OUT。本公演はメンバー4名と佐藤謙介(Dr)のバンドメンバー5名に加え、室屋光一郎(1stVn)、柳原有弥(2ndVn)、島岡智子(Va)、水野由紀(Vc)の4名からなる弦楽カルテットや斎藤祥子(Perc)を迎えた編成での演奏が行われたほか、ゲストとしてHIFANAを招いての演奏も披露された。
5月5日、楽曲の歌詞およびすべての楽器の旋律がいわゆる「回文」となった楽曲『202 OTO 505』(読み:おと)をYouTubeで公開。これはこの日の日付8桁をデジタル標記(7セグメントディスプレイ方式)で表示すると線対称になっており、アルバムタイトルや歌詞などに回文を取り入れてきた同バンドとしてこの日に向けてなにかできないかというところから生まれたアイデアだという。また、同日にライブイベント「TUI」(読み:つい)を開催する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、予定していたセットリストをそのままに、リモート収録された音源を重ね合わせた「シミュレーションライブオーディオ」として配信した。
6月10日、ロート製薬「ロートジー デジタルMVフェス」という企画のコラボレーションソングとして配信限定シングル『真昼の夜』をリリース。この企画の第一弾アーティストとして起用された。
8月26日、配信シングル『SYNTHESIZE』をリリース。
9月9日にはUNIVERSAL MUSICによるオンラインライブプラットフォーム「LIVE-X」より自身初となるオンラインライブを開催。
10月16日、自主企画ライブ「AJIMI」を開催。これは2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症拡大後自身初となる有観客ライブであり、2部制かつ第2部に限り有料生配信を並行するという形式で実施された。
12月9日、6枚目のフルアルバム『synonym』をリリース。レーベル立ち上げ後初のCDリリースとなった。同作には先にリリースされた『まだら』『真昼の夜』『SYNTHESIZE』が収録されるほか、先述の『202 OTO 505』についてもタイトルを『oto』としたうえで収録されている。25日にはLINE CUBE SHIBUYAにて同作を提げたライブ「synonium」を開催した。
5月26日、配信シングル『グッド・バイ』をリリース。同作を引っさげ、7月3日から10日まで東名阪にてワンマンツアー「PSPE TOUR 2021 KAIKO」を開催。2019年の「more You more」以来約2年ぶりのツアー開催となった。
7月14日の『影たちぬ』を皮切りに、『ミュージック』『アンダスタンディング』『言わなきゃ』『見世物』『PLAYER』を配信シングルとして連続リリースする。 12月8日、本年リリースされた上記配信シングル7曲も収録される7枚目のフルアルバム『ニュイ』を発売。
2月に前年末リリースの『ニュイ』を引っさげ「PSPE TOUR 2022 ニュウ!」を開催。東京公演は成田の体調不良により4月に延期開催となった。
4月14日、配信シングル『もののけだもの』をリリース。
6月、バンド初となるBillboardツアー「PSPE Billboard Live Tour 2022 "table"」を東京・大阪で計6公演開催。また、同月8日にはMBS/TBSドラマイズム『ロマンス暴風域』のエンディングテーマとなる配信シングル『4×4』をリリースした。
8月、配信シングル『スピカ』をリリース。
10月、配信シングル『微熱』、『浮遊層』を同じ月にリリース。同時期にアルバム『ukabubaku』の発売も発表された。
11月、アルバム発売に先立って先行配信シングル『かはたれ時に』、『発色』をリリース
12月7日、8枚目のフルアルバム『ukabubaku』をリリース。通常盤、初回限定盤、PSPE盤の3種により発売された。
1月から2月にかけ、前年末発売の『ukabubaku』を引っさげ、『PSPE TOUR 2023 ugokubaku』が開催された。
4月19日、配信シングル『GOKKO』をリリース。
6月7日、配信シングル『バジリコ』をリリース。
10月11日、配信シングル『化石のうた』をリリース。
10月28日より、全国ツアー『PSPE 2023 TOUR ア・直・色』を開催。
12月6日、9枚目のフルアルバム『印象万象有象無象』をリリース。通常盤、初回限定盤の他にPSPE盤も登場。初回限定盤並びにPSPE盤には、『大胡田なつき』によるアートブックが付随。
2月16日、25日に、前年度末リリースアルバムを引っさげ、『印象万象有象無象現象』を開催。
3月14日、「SAYONARA HEAVEN」がABCテレビ制作ドラマ「あなたの恋人、強奪します」に起用されることが発表された。
5月11日、公式YouTubeチャンネルにて、『FREEdom』という無料生配信ライブを開催。その中で、15周年記念ライブ「15年鑑」の開催と新曲「避雷針」という楽曲を配信リリースすると発表された。
5月22日、15周年イヤー初となる配信シングル「避雷針」をリリース
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