のん(1993年(平成5年)7月13日 - )は、日本の俳優、ファッションモデル、歌手、芸術家、YouTuber。本名および旧芸名は能年 玲奈(のうねん れな)。兵庫県神崎郡神河町出身。株式会社non、および音楽レーベル「KAIWA (RE) CORD」代表。
2006年、第10回ニコラモデルオーディションでグランプリを獲得し、2010年まで専属モデルを務めた。当初は本名「能年 玲奈」で活動していた。2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でヒロインを演じる。2014年の主演映画『ホットロード』で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
2016年7月より女優・創作あーちすと「のん」として活動(改名の詳細は「芸名・肩書」に後述)。アニメ映画『この世界の片隅に』で主人公・すず役を務め、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞を受賞。2020年11月、映画『私をくいとめて』で第30回日本映画批評家大賞主演女優賞を受賞。2022年公開の主演映画『Ribbon』では自ら脚本・監督を務め、新人監督に贈られる2022年度「新藤兼人賞」の最終選考10名にノミネートされた。
2020年のジャパンSDGsアクション発足に伴い、SDGs people 第1号に選定された(運営:ジャパンSDGsアクション推進協議会)。
2023年7月13日、30歳の誕生日に、「のん」への改名の際に名乗った肩書「女優・創作あーちすと」を「俳優・アーティスト」に改める。
2010年、映画『告白』で俳優デビュー。2012年7月、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』のオーディションを受けヒロイン・天野アキ役に選ばれた。「憧れのアイドル」として薬師丸ひろ子を挙げていて、この劇中で薬師丸演じる「大女優・鈴鹿ひろ美」と映画共演を果たした。
2013年、『あまちゃん』により東京ドラマアウォード2013 主演女優賞を受賞、劇中のセリフ「じぇじぇじぇ」は2013年新語・流行語大賞の年間大賞を受賞した。第64回NHK紅白歌合戦では紅白PR大使を務め、『あまちゃん』特別編と題した企画ステージに出演した。
映画賞の初受賞は、2012年11月公開の映画『カラスの親指』により第37回報知映画賞新人賞。2014年、映画『グッモーエビアン!』および『あまちゃん』によりエランドール賞新人賞を受賞。8月公開の主演映画『ホットロード』で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
2016年公開の映画『この世界の片隅に』で、片渕須直監督からの「のんさん以外のすずさんは考えられない」との熱烈なオファーにより、主人公・すずの声を演じて劇場アニメ初主演。実写映画を対象とする映画賞においても、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞、第31回高崎映画祭ホリゾント賞、2016年度全国映連賞女優賞を受賞している。さらに第29回東京国際映画祭の特別招待作品として上映。制作チームは第65回菊池寛賞を受賞した。
2018年のLINE NEWSオリジナルドラマ『ミライさん』主演。2019年、主演映画『おちをつけなんせ』で監督デビュー。YouTube Originals制作の『のんたれ(I AM NON)』シリーズで配信された。2019年、秋の季節を追加した映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開され、12月19日に行われた本映画のチャリティー試写会を天皇ご一家が鑑賞され、片淵監督と同席した。2020年、ラサール石井らのユニット「星屑の会」による人気舞台『星屑の町』シリーズをベースに制作された映画『星屑の町』に歌手を目指すヒロイン役で出演、歌唱を披露した。
2020年11月、映画『私をくいとめて』で主演を務める。原作は綿矢りさの同名小説で、橋本愛とは『あまちゃん』以来の共演となった。本作品は第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門観客賞を受賞。翌年、第30回日本映画批評家大賞主演女優賞を受賞した。2021年1月に公開された映画『陶王子 2万年の旅』で語り(陶王子役)を務め、本映画は第95回文化映画部門キネマ旬報ベストテン3位を受賞した。
2021年、長編映画『Ribbon』で脚本・監督・主演を務め、特撮によるリボンアートで主人公いつかの感情を表現、第24回上海国際映画祭のGALA部門に選出された。2022年に入り劇場公開を前に日本外国特派員協会の記者会見に臨んだ。
2022年9月に主演映画『さかなのこ』が公開された。さかなクン初の自叙伝『さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜』(講談社)を沖田修一監督が映画化した。沖田監督が「性別は特に重要ではなく」と話しているように、のんが「ミー坊」(さかなクンの小学生時代の愛称)を演じる。同作で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、 第32回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞。同年10月、主演映画『天間荘の三姉妹』で三姉妹の三女・たまえ役を演じる。
2017年7月、LINEモバイルのCMでアカペラを披露し話題となった、キリンジの『エイリアンズ』をカバー。
8月には、自ら代表を務める音楽レーベル「KAIWA (RE) CORD」を発足。「WORLD HAPPINESS 2017」に出演し、限定500部の『オヒロメ・パック』を販売。
9月、EP盤『オヒロメ・パックEP』をリリース。
12月、MVを中心に配信する公式YouTubeチャンネル「のん OFFICIAL」を開設。
2018年5月、1stアルバム『スーパーヒーローズ』を発表。
2021年12月25日『のんザウルス in Zepp Tokyo 1st Last LIVE』を行い、念願のZepp Tokyoでのライブが実現した。
朗読にも取り組み、2018年に武満徹の楽曲『系図 - 若い人たちのための音楽詩』の語りを務め、アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団の演奏のもと、谷川俊太郎の詩を朗読した。同じく2018年の東京公演から坂本龍一が音楽監督を務める東北ユースオーケストラ演奏会に参加。
また、「のんとも。M」としても活動を行っており、2020年アルバム『ショーがはじまるョ!』を大友良英・Sachico Mとともにリリースした。坂本九『明日があるさ』のカバー曲を収録。『あまちゃん』で共演した小泉今日子、尾美としのりら多数の俳優陣がコーラスに参加した。
2017年、故郷の兵庫県・神河町の観光名所を巡るPR動画に出演。8月の第3回全国ふるさと甲子園2017に登壇し、神河町の「行きたいまち」第3位に貢献した。9月、主演したNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となった久慈市の「久慈秋まつり」に出演。11年経つ2022年も第二の故郷・久慈市にある久慈港のモニュメント「ケルン・鎮魂の鐘と光」を訪れた。
2021年に立ち上げたバラエティー番組『越境放送バリ』(読売テレビ)から始まった、YouTubeチャンネル「のんやろが!ちゃんねる」でさまざまな企画を配信。
当初はレプロエンタテインメントに所属していた。週刊現代の取材によれば2016年6月に契約を終了している。現在、Speedy社がエージェントとなっている。
自身が作詞作曲を務めた「この街は」という楽曲は「あまちゃん」の舞台である岩手県で流すTVCMの楽曲として使用されているが、のん自身は岩手県だけではなく東北地方全体のことを想って作曲をしたと語っている。
RCサクセションとそのボーカルである忌野清志郎を最も尊敬している大好きなアーティストとして挙げており、「清志郎さんのように、切なさも明るさも、そしておちゃらけも兼ね備えた存在にいつかなりたい、と常日頃思っています。」と語っている。
2016年の改名について、週刊現代はレプロエンタテインメントとのんの担当弁護士双方に取材し、「能年玲奈」の名前の使用はレプロの契約書にもとづき、双方の協議があれば使用できるが、係争がマイナスイメージになることを考えた能年側が改名を選んだと報じている。
エージェント契約するSpeedy社の社長は2023年のJ-CASTニュースの取材に対し、名前が使えないという契約書に驚き本人に伝えたところ、翌日「NON」と書いてきて「小文字にすると笑顔の絵文字に見える」と「のん」改名を本人から提案されたと語っている。
芸名の「のん」は友達からの呼び名からとった。カタカナ表記や名字をつける候補もあったが、ひらがな2文字に落ち着いた。
創作あーちすとを名乗る理由については、著書「創作あーちすと NON」の中で「ビシッとしたアーティストに憧れはありますが、自分が名乗るのはおこがましい。自由にはっちゃけるための胡散臭さを保つために『あーちすと』と言っています」と語った。
2023年7月13日、30歳の誕生日に、肩書「女優・創作あーちすと」を「俳優・アーティスト」に改めた。理由について「ちょっとハードルを下げて、自分の好きなように自由にやりたかったから、「創作あーちすと」と平仮名でおとぼけていた」が、その後の活動の中で「根拠のない自信が確固たる自信に変わった」から、としている。
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