湊 かなえ(みなと かなえ、1973年1月 - )は、日本の小説家。広島県因島市中庄町(現・尾道市因島中庄町)生まれ。武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。2007年には金戸 美苗(かなと みなえ)の名義で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞した。
現在、兵庫県洲本市在住。
広島県因島市の柑橘農家に2人姉妹の長女として生まれる。子供の時から空想好きで、小中学校の図書室で江戸川乱歩や赤川次郎の作品に親しんだ。因島市立因北小学校、因北中学校、広島県立因島高等学校を経て、武庫川女子大学家政学部被服学科へ進学。
大学卒業後アパレルメーカーに就職して1年半勤務の後、1996年から1998年の2年間青年海外協力隊隊員としてトンガに赴任、家庭科教師として栄養指導に携わる。帰国後淡路島の高校で家庭科の非常勤講師となる。27歳の時に結婚し、28歳の時に第1子を出産。第2子になかなか恵まれなかったこともあり自宅でできる「何か新しいこと」に挑戦したいと、雑誌『公募ガイド』を購入して、2004年より川柳、脚本の投稿を始める。結婚後「形に残せるものに挑戦したい」と創作を始めた。翌2005年に第2回BS-i新人脚本賞に佳作入選するものの、地方在住の新人がプロの脚本家を目指すのは難しいと授賞式でプロデューサーから指摘されて悔しさを味わい、次は脚本と小説のコンクールで一番になることを目標とする。
2007年に『答えは、昼間の月』で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞した後、同年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。そして「聖職者」から続く連作集『告白』が2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は共に史上初。本人はこの時のインタビューで、5年後に目指す姿として「まず、作家であり続ける。そして『告白』が代表作でないようにしたい」と話している。2010年に松たか子主演で映画化され、これが2010年度の日本映画興行収入成績で第7位(38.5億円)を記録。書籍の売上も累計300万部を超える空前の大ベストセラーとなり、作者の名とともに"イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)"というジャンルを世に広めた。2012年にはフジテレビ系『高校入試』でテレビドラマの脚本を手掛けた。
淡路島にて主婦業と並行して執筆活動を行い、昼間は主婦業をこなし夜間の午後10時から午前4時ごろまで執筆に励んで、朝家族を送り出してから睡眠をとる。初期の作品の作風が暗かったことから、当初長女の存在を公表していなかったが、長女の中学進学を機に2015年に公表。2016年には子育て中の著名人に贈られる第9回ベストマザー賞を文芸部門にて受賞している。
作品を執筆するにあたり、まずはじめに登場人物の1人1人についてどんな人物かという「キャラクター設定」を頭のなかで構築する。最初にきちんと「キャラクター設定」を決めておくと登場人物それぞれが動き始め、その中のどこを書こうかなと取捨選択しながら書き進める。サスペンスや女性の内面描写に定評がある一方で、「間口を広くしておきたい」「もっといろいろなものが書けることを見せたい」と語る。
趣味は登山。大学時代はサイクリング同好会に所属して自転車旅行で日本各地を旅し、社会人になっても続けられるアウトドアスポーツとして登山を勧められ、大学4年の時に登った妙高山で登山の魅力の虜になる。1999年夏から12年間のブランクを経て2010年に登山を再開。家庭、仕事、趣味を自らの三本柱としている。
「」内が湊かなえの作品
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