『魔犬ライナー0011変身せよ!』(まけんライナーゼロゼロワンワンへんしんせよ!、英題:Go Get Team 0011)は、東映動画製作の長編アニメ映画。「東映まんがまつり・へんしん大会」の一作として1972年(昭和47年)7月16日に公開された。
カラー、シネスコ、50分。
制作当時、東映は冬・春・夏休みの子供向けプログラムとして、アニメ・実写の新作中編映画と、テレビ本編を抱き合わせにした「東映まんがまつり」を定期興行していたが、前年から同社制作の『仮面ライダー』(毎日放送)が巻き起こした全国的な「変身ブーム」を受け、この夏興行ではこれを「へんしん大会」と銘打っての公開となった。その名の通りに実写新作『仮面ライダー対じごく大使』をメインとし、同社制作の変身ヒーロー番組が3本組み入れられたうえ、アニメ新作のメインとして変身キャラクターを題材とした本作がこれに加えられたのである。
原案となったのは、当時タツノコプロの演出家であった笹川ひろし(現:同プロ顧問)が漫画家時代に『週刊少年キング』(少年画報社)に連載した『魔犬五郎』で、当時は他社の演出家の作品をモデルにするのは非常に珍しかった(そのため、笹川は製作に参加しなかった)。しかし、その内容は『魔犬五郎』よりもむしろ、本作の6年前に同じ東映動画で制作された石森章太郎作品『サイボーグ009』(1966年)により近い。それはエースの能力が透視力(『009』の003)、ジャックの能力が火炎攻撃(同じく006)、ジョーカーの能力が変身能力(同じく007)であること、そしてジョーカーの声が『009』の1966年劇場版・1967年劇場版・1968年TV版で007を演じた曽我町子、林博士の声が前述の映画版『009』でブラックゴースト団のボスを演じた山内雅人であることなどからも、顕著である。
企画は飯島敬、脚本は辻真先と芹川有吾、演出は田宮武と、テレビアニメでお馴染みのスタッフが揃っているが、異色なのは、現在放送中の『パネルクイズ アタック25』や、『クイズタイムショック(第1期)』・『霊感ヤマカン第六感』などで著名な山下毅雄が音楽を担当。山下は『丸出だめ夫』・『悪魔くん(実写版)』・『ジャイアントロボ(実写版)』などの東映特撮作品は多いものの、東映動画作品は、一部制作を担当した『佐武と市捕物控』以来である。
なお、仮題は単に『魔犬ライナー』(『0011変身せよ!』がない)で、公開前の「タテ長ポスター」にはこのタイトルで表記されていた。
ときは1980年代、昆虫型宇宙人「デビル星人」の地球侵略が始まった。林博士の研究所が襲われ、林博士は死亡。しかし、博士は息子ツトムが可愛がっていた四匹の犬をサイボーグ化し、「ライナー」としてツトムに託していた。ツトムは変身能力を持ったこのサイボーグ犬とともに、デビル星人に立ち向かうのだった。
2010年(平成22年)2月21日に東映ビデオよりDVDソフトが発売されたが、「復刻! 東映まんがまつり」バージョンは未発売である。
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