『キャプテン翼』(キャプテンつばさ)は、高橋陽一による同名漫画を原作とした日本のアニメシリーズ。
これまでにテレビアニメが4回、劇場アニメが4回、OVAが2回発表されている。1983年から放送された第1作目のアニメでは原作『キャプテン翼』の小学生編から中学生編まで、1994年から放送された第2作目のアニメでは原作の『キャプテン翼』小学生編から『キャプテン翼 ワールドユース編』のアジアユース編まで、2001年から放送された第3作目のアニメでは原作の『キャプテン翼』、『キャプテン翼 ワールドユース編』の一部、『キャプテン翼 ROAD TO 2002』の一部に相当するエピソードが描かれた。
1985年から1986年にかけて公開された映画は全てオリジナル作品。1989年から1990年にかけて発売されたOVAでは原作の『キャプテン翼』のジュニアユース編に相当するエピソードが描かれた。
2017年12月13日、4回目の新作テレビアニメの制作が発表され、2018年4月から2019年4月までシーズン1が放送された。シーズン2は2023年10月より放送中。
1983年10月13日から1986年3月27日まで、テレビ東京系列ほかにて全128話が放送された。土田プロダクション制作。
原作漫画『キャプテン翼』のストーリー構成に準じ、小学生の主人公・大空翼が元プロ選手であり師匠のロベルト本郷、チームメイトの若林源三や岬太郎らと出会い、全国大会優勝を目指しライバルの日向小次郎や三杉淳らと対戦、選手として成長していく。第57話からは中学3年生となった翼らの活躍が描かれるが、中学生大会決勝の南葛対東邦戦で作品を終えており、この大会の優秀選手を中心に結成されたジュニアユース代表がフランスの国際大会に出場するストーリーは描かれていない。その一方で、中学生編の最中の第98話から第104話では登場人物らの3年前に時間を戻し、小学6年生の翼らがヨーロッパに遠征するオリジナルストーリーが描かれている。
テレビ東京では当初同枠で『らんぽう』を放送する予定で既に制作がスタートしていたほか、当時『機動戦士ガンダム』に代表されるロボットアニメが全盛期であったことから「今更スポ根もののアニメなんて流行らない」という意見が局内でも大勢で、『キャプテン翼』のアニメ化には否定的だった。しかし、当時同局の編成部長だった金子明雄の強い主張により、急遽『らんぽう』の制作を中止して『キャプテン翼』を放送することになったという。また、それまでテレビドラマ制作に携わってきたテレビ東京プロデューサーの江津兵太は「子供に人気のある作品ということで交渉の末に『キャプテン翼』が選ばれたが、ヒットする確信はなく視聴率6〜7%を取ることができれば良い」と考えていたという。
これらの前評判と対照的に最高視聴率は21.2%を記録し、テレビ東京開局以来のヒットとも称された。日本国内にサッカーブームを巻き起こし、世界50か国以上でテレビ放送されるなど世界中で親しまれている。
この土田プロ版が火付け役となって登場人物ごとに特定のファンがつくなどの「キャプ翼ブーム」が起こり、ファン同人誌が多く作られてコミックマーケットの肥大化をもたらした。「東映まんがまつり」で劇場版が立て続けに公開されたのもこの時期で、視聴者層であった当時の男子小学生に加え、学生を中心とする若い女性も取り込んだ。当初、ナレーションは武田広が担当していたが、第5話「ライバルはどこだ」までで降板し、村山明に交代している。
2010年に南アフリカ共和国で開催された2010 FIFAワールドカップに向け、同年4月に『「キャプテン翼」DVD-BOX』が発売された際に、過去に視聴経験のある男女400人を対象にアンケート調査が実施された。「最も好きな登場人物」の質問では、主人公の大空翼(34.5%)が1位に選ばれたが、「登場人物の中で1人だけサッカー日本代表に選ぶとしたら誰か」の質問では、慢性的に日本代表が抱える「決定力不足」の問題を反映して日向小次郎が過半数以上の得票(53.8%)を集めて1位に選ばれた。
前述のアンケート調査の中で、「アニメ『キャプテン翼』の最も気になる点」という質問では以下のような回答が寄せられた。なおこのうちのいくつか(シュート時に変形するボール、地平線が浮かぶピッチなど)は、アニメ化を強く推進した編成部長の金子の指示による意図的な演出である。そのうち4.については第4作では話数削減によって改善されている。
その他、一つの見せ場においてフィルムを何度もリピートさせる演出(これは最初のオープニング映像にも見られる)、シュートのスローモーションや、高速シャッターカメラで撮影する一枚一枚がスローになるといった、特徴的な演出もある。
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レコードは全てCBS・ソニーより発売。
系列は放送当時、放送日時は個別に出典が掲示されているものを除き、1986年1月中旬 - 2月上旬時点のものとする。
最高視聴率:21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
『キャプテン翼J』(キャプテンつばさジェイ)のタイトルで、1994年10月21日から1995年12月22日まで、フジテレビほかにて全47話が放送された。スタジオコメット制作。
第1作の小学生編のリメイクと、原作漫画『キャプテン翼 ワールドユース編』の序盤を描いた作品。小学生編終了後に放送時間が平日の夕方に移動となり、一部ネット局では第33話の最後に「おわり」と表示され打ち切りとなった。第34話で石崎の視点による総集編「翼の夢 ワールドカップ」を放映後、第35話から本来の製作目的だったワールドユース編となり、16歳の葵新伍がイタリアに征くストーリーになった。
第38話からは-ワールドユース編-のサブタイトルが追加され、オープニングテーマのイントロのアレンジとバック映像が変更。アジア予選でタイユースに勝利し、葵の回想による第35話から第46話の総集編「めざせ!2002年」が最終回となった。
エンディングでは少年サッカー選手たちの写真に作品のキャラクターたちがオーバーラップするという演出を行っている。番組では全国の少年サッカーチームの集合写真を毎週募集しており、チーム名と都道府県名入りでラストカットに使用していた。
この作品以降、版権や商標登録上の関係からクラブ名をそのまま使わずもじるようになり、サンパウロFCはサンパスFCに、セリエAインテルはセリスAインテーナに変更されていた。2006年にスーパービジョン/アートポートから全話収録のDVDソフトが発売された。レンタル取扱いもされている。
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CDはポニーキャニオンより発売。どちらの曲もエンディングはテレビサイズと異なりフェードアウト。
同時ネットの出典は1995年9月時点。1995年9月以降はローカル枠降格のため、遅れネットとなった局がある。また、※印付きの局は第33話を以て打ち切っている。
最高視聴率:14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
2001年10月7日から2002年10月6日まで、テレビ東京系列にて全52話が放送された。制作会社が前作の土田プロの流れを汲むスタジオコメットからグループ・タックに変更された。
第1作のリメイク作品。青年となった翼が昔を振り返るストーリー構成で、原作漫画『キャプテン翼』、『キャプテン翼 ワールドユース編』の「サッカーサイボーグ サンターナの章」、『キャプテン翼 ROAD TO 2002』の序盤までが描かれる。声優陣では主人公の大空翼の少年時代を井上喜久子、青年時代を関智一が演じるなど前作と同様に一新されている。主題歌はavex所属アーティストとのタイアップ曲。版権や商標登録の関係上、サンパウロFCは「ブランコス」、FCバルセロナは「カタルーニャ」に、ハンブルグは「グリュンバルト」に、ユベントスは「ピエモンテ」に変更されている。FIFAワールドカップは「インターナショナルカップ」となった。その他、一部の登場人物の名前も変更されている。
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シーズン1は2018年4月3日から2019年4月2日まで、前作と同様にテレビ東京系列ほかにて全52話が放送された。新たにリメイクしてアニメ化。舞台を現代に移して細部の描写を変更しており、第1話から第28話までは小学生編、第29話から第52話までは中学生編が原作に忠実な内容で描かれた。アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを手掛けたdavid productionが担当。劇中音楽担当も松尾早人に、キャスト陣についても主人公・大空翼役を三瓶由布子が務めるなど、前作で若林役を務めた鈴村健一を除き総入れ替えとなったが、第2作(J)と第3作で行われた翼の成長による声変わりに伴う担当声優の交代はなかった。また、『キャプテン翼』のテレビアニメとしては初の深夜枠での放送となった。
2023年3月23日にシーズン1の続編に相当するシーズン2『キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編』(キャプテンつばさシーズンツー ジュニアユースへん)の制作が発表された。同年10月1日よりシーズン1と同様にテレビ東京系列ほかにて放送中。第3作以来となる夕方枠での放送であり、テレビアニメシリーズとしては初めてジュニアユース編が映像化される。なお、各キャストはシーズン1から続投するが、一部のスタッフは再度変更がなされ、監督は小野勝巳、アニメーション制作スタジオはスタジオKAIが新たに担当する。
また、テレビ東京(関東ローカル)では、本放送前の同年9月28日の木曜0時から0時30分(水曜深夜)に特別番組『「キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編」キックオフ直前特番』が放送された。出演は稲本潤一・佐々木竜太(南葛SC)、MAKIHIKA (YouTuber)、竹﨑由佳(テレビ東京アナウンサー)、VTRゲストは高橋陽一、三瓶由布子(大空翼役)、福山潤(カール・ハインツ・シュナイダー役)。
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2019年1月11日より4月12日まで、Webラジオ『キャプテン翼 日向小次郎の強引なラジオ!』が音泉にて配信された。不定期金曜更新。全6回。パーソナリティは日向小次郎役の佐藤拓也。
いずれも「東映まんがまつり」の1作として公開され、原作『キャプテン翼』の小学生編から中学生編までの時期を舞台とし、全日本選抜チームを主役格としたオリジナルストーリーとなる。登場する外国選手は原作とは名前は同じでも多少設定などが異なる。各作品は2006年6月21日に東映ビデオから販売されたDVD「キャプテン翼 THE MOVIE」Vol.1およびVol.2に収録。主要キャストはTVアニメ第1作と共通。
『キャプテン翼 ヨーロッパ大決戦』(キャプテンつばさ ヨーロッパだいけっせん)として、1985年7月13日公開。本興行では初めてのテレビ東京系アニメを映画化とした作品である。小学生の翼たちが、フランスのパリでヨーロッパ選抜チームと対戦する。西ドイツのシュナイダーやフランスのピエールが原作に先だって登場するほか、西ドイツのヘフナーやイングランドのスティーブ、全日本選抜のマネージャーを務める大沢理加などのオリジナルキャラクターが登場している。なお、小学生の翼らがヨーロッパへ遠征するエピソードはテレビシリーズの途中の98話から104話に再度描かれたが、こちらはヨーロッパ選抜との対戦ではなく、各国の選抜との対戦を描いた映画とは異なるストーリーとなっている。
東映まんがまつりにおける1985年夏休みの回は『Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!夢の都メカポリス』、『キン肉マン 逆襲!宇宙かくれ超人』、『電撃戦隊チェンジマン シャトルベース!危機一発!』に『キャプテン翼』が加わったことで、ファミリー映画がターゲットとしていない女性観客のみの鑑賞が目立ったため、東映まんがまつりでは史上初の配給収入10億円を突破した。この実績から1985年暮れ - 1986年正月における冬休みの東映まんがまつりは、『キャプテン翼 危うし!全日本Jr.』をメインに売る戦略を決定づけた。
翼や日向をはじめとした選手らで全日本選抜が結成され、フランスのパリでヨーロッパ選抜と対戦する。日本は開始早々に立花兄弟のプレーで先制するものの、皇帝・シュナイダーを中心としたヨーロッパのチームプレーの前に苦戦を強いられ、逆転を許す。敗色濃厚の日本だが、翼の言葉に奮起し反撃に転じる。
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『キャプテン翼 危うし!全日本Jr.』(キャプテンつばさ あやうし ぜんにほんジュニア)として、1985年12月21日公開。ヨーロッパ選抜との戦いから1年後、雪辱を誓うヨーロッパ選抜と全日本との再戦を描いた作品。新必殺シュートを編み出して勝負を挑むヨーロッパのシュナイダーに対して全日本は岬、若林、日向といった主力を欠いた状態で試合に臨む。配給収入は10億7000万円。
全日本選抜のヨーロッパ遠征から1年後、ヨーロッパ選抜が訪日し再戦を挑む。一方、全日本は岬が行方不明、若林はプロクラブの下部組織に所属する資格問題のため出場許可が下りず、三杉は病気療養中のため出場時間を制限、日向は選抜参加を辞退して吉良監督の下で猛特訓に励むなど、主力をほぼ欠いた状態で試合に臨む。試合に入るとシュナイダーの強力なシュートの前にキーパーの若島津や森崎が次々に負傷するが、若林と日向が加わり反撃に転じる。
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『キャプテン翼 明日に向って走れ!』(キャプテンつばさ あすにむかってはしれ)として、1986年3月15日公開。次作『世界大決戦!! Jr.ワールドカップ』のプロローグに当たる作品。テレビシリーズの総集編的な内容のため、新作カットは少なく、各登場人物が過去のエピソードを振り返る形式が採られている。配給収入は7億6000万円。
全国中学生サッカー大会の終了後、ヨーロッパ選抜との第3戦を控えた全日本選抜のメンバーは強化合宿に入る。合宿には西ドイツに留学中の若林が合流し紅白戦が行われるが、その試合の最中にフランスに渡っていた岬が現れる。
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『キャプテン翼 世界大決戦!! Jr.ワールドカップ』(キャプテンつばさ せかいだいけっせん ジュニアワールドカップ)として、1986年7月12日公開。東京でのヨーロッパ選抜との戦いから2年後、全日本選抜、南米選抜、アメリカ選抜、ヨーロッパ選抜のトーナメント戦を描いた作品。原作者が物語を書き下ろしている。ブラジルのカルロス・サンターナ、アルゼンチンのファン・ディアス、ウルグアイのラモン・ビクトリーノが原作に先だって登場するほか、ブラジルのゴンザレスやアメリカ合衆国のシルベスター・ルークなどのオリジナルキャラクターが登場している。
ヨーロッパ選抜との第3戦は中立地のアメリカ合衆国で行われる予定となっていたが、アメリカ側の提案により4チームによるトーナメント戦が行われることになる。1回戦は日本がアメリカを、南米がヨーロッパを下し決勝進出を果たすが、南米を率いるのは翼の師であるロベルト本郷だった。決勝戦は翼とサンターナというロベルト本郷の愛弟子同士の対決となる。
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『新キャプテン翼』(しんキャプテンつばさ)として、1989年7月1日から1990年7月1日にかけて発売。全13巻。
最初のテレビシリーズ終了後、原作の進行を受けて制作された続編。原作『キャプテン翼』のジュニアユース編が描かれている。VHSビデオとベータビデオで発売。土田プロの倒産により制作会社は変更されたが、作画監督と声優は一部を除いて、そのまま引き継がれている。予約特典は声優の顔出しコメントのビデオ。地方局やBS2でテレビ放送もされていた。2002年にDVDとして、BOXと単品(全4巻)でそれぞれ発売された。
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「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'95」上映作品として『キャプテン翼 最強の敵!オランダユース』(キャプテンつばさ さいきょうのてき オランダユース)が、1994年11月6日から全国各地で順次公開された。オランダユース編を原作にテレビ版の『キャプテン翼J』に先駆けてJ.C.STAFFが制作。主要キャストは『キャプテン翼J』の小学生編とほぼ同一であり、テーマソングもFACE FREEが担当。1995年にジャンプVIDEO(集英社)からVHSビデオソフトが発売されている。
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すべて歌はFACE FREEが担当。
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