『ひらけ!ポンキッキ』は、フジテレビ系列局ほかで放送されたフジテレビ制作の幼児、子供向けテレビ番組。制作局のフジテレビでは1973年(昭和48年)4月2日から1993年(平成5年)9月30日まで放送。
1969年に誕生し、日本ではNHKが放送していた『セサミストリート』の高視聴率に刺激を受けたフジテレビの当時の社長であった鹿内信隆が、1971年から同社の総合研究所に高度の幼児教育番組開発を依頼。研究が一定の成果を収めた1973年4月から、3歳 - 6歳児向けの番組として放送を開始する。
番組内容は、自然・社会・言葉・数・しつけ・リズム・感覚の7つのカリキュラムで構成。『セサミストリート』と同様に物語性を重視せず、テンポの速いアニメーションや歌、踊り、人形や出演者の一人語り、対話、絵などを組み合わせながら、知らず知らずの内に教育効果を上げる目的で製作しており、カリキュラム作りには、大学教授を含む児童心理学や保育学などの専門家11人がブレーンとして参加。他にも、幼稚園の教師や学生、医者など50人が随時意見を述べながら、番組作りに参加していた。
ゴールデンタイム以外の児童向けレギュラー番組(30分枠)の製作費が一本あたり30~40万円だった時代に、破格の100万円以上を投じた教育番組であり、フジテレビの報道番組部長でもあった五社英雄がチーフ・プロデューサーに就任。演出は野田宏一郎(現:野田昌宏)ディレクターが担当。レギュラー出演者はペギー葉山以外にも、三波伸介を予定していた。
番組開始の2年半前から下準備をし、当時まだ無名だった高田文夫が開始初期ほとんどの企画と構成台本をひとりで発案した。その後高見映(高見のっぽ)が構成作家になる。
1973年4月の放送開始時には月曜日 - 金曜日の午後2時からの放送だったが、この枠は、開局時から主婦向けの帯バラエティ番組だった。1975年より朝8時台の放送となり、以来長年にわたり「朝の顔」として親しまれるようになる。朝の8時台に移ってからの視聴率は平均5%と決して高くはなかったが、後に一部時間帯で競合して裏番組となった日本テレビの『おはよう!こどもショー』の視聴者が本番組に移行したことで視聴率が激減した同番組を終了に追いやった以降は、朝の時間帯では民放ではほぼ唯一の子供向け番組としての地位を確立した。
現在に至るまで放映された日本のすべてのテレビ番組中でもっとも受賞が多い番組である。
主に発達心理学を駆使したミニコーナーなど幼児教育、情操教育を中心に、5歳児以降(ガチャピンとムックは5歳である。2人は4月2日生まれ)をターゲットに製作されている。メイン司会の「おねえさん」(数年ごとに交代する)と番組キャラクターのガチャピン、ムックが出演。また「おにいさん」が出演していた時期もある。
ペギー葉山が出演していた1988年3月までと、放送時間が拡大しうしろ髪ひかれ隊が主題歌に起用された同年4月以降の時期とでは内容にも多くの変化があり、後者では当時人気絶頂期にあった光GENJIなどのアーティストが楽曲を歌ったり、英語教育コーナーの導入、イギリスで放送されていた『きかんしゃトーマス』が開始される大幅なリニューアルが行われた。会長がこのリニューアルと同時期に逝去した鹿内春雄から鹿内宏明へ交代した後もフジテレビの看板番組として親しまれ、20年半・5000回以上に渡り続いた。
番組開始20周年を迎えた1993年の秋改編でネットニュース枠の『FNN おはよう!サンライズ』と子供番組の『ウゴウゴルーガ』以外の朝帯の番組を大幅に刷新し、5時台と7時台に生放送の情報番組新設が決まった。その情報番組は、5時台に高齢者向け情報番組『オルトレ・イ・チンクワンタ』(『オルチン』)、7時台に関しては『ひらけ!ポンキッキ』としての放送を9月で終了させたうえで放送時間を1時間に拡大し、視聴者層を小学生・中学生まで拡大した幼児・児童向けの情報生番組『Super Kids Zone ポンキッキーズ』として大幅リニューアルする事となった。しかし、前者は半年で終了し、後者も半年後に放送時間を夕方に移動した際に情報番組の要素を排除し、元の収録番組に戻している。『ポンキッキーズ』移行後も幼児教育・情操教育の基本姿勢は崩されなかった。
かつてフジテレビ系『なるほど!ザ・ワールド』にて出題された問題で「『ポンキッキ』の名の由来」を問うものがあり、正解は「当時のフジテレビ社長の浅野賢澄(元郵政省事務次官)は小説を書くのが趣味で、自作の小説内に登場させた『ポンキッキ博士』の語呂が良かったので、そのまま番組名に採用した」と社長本人が出演して語っていた。
当番組は、方向性は異なるもののアメリカの教育番組『セサミストリート』をモデルに作られており、『ひらけ!』の部分は『セサミ』と同じく『アリババと40人の盗賊』のセリフ「ひらけ胡麻」(Open Sesame)から採られている。
没タイトルにも「ごま横丁」という案があった。
おねえさんとガチャピン、ムックの掛け合いを描いたシーンの合間に以下のコーナーが挿入される。スポットや歌など一部は『ポンキッキーズ』になった後も2018年のシリーズ終了まで放送され、2006年からの『ポンキッキ』からはBSフジの放送に限り、左右にサイドパネルをつけたり、上下をカットして16:9にアップコンバートして放送されていた。
ほぼ全てがこの番組のために制作された。シングルレコード450万枚以上を売り上げ(オリコン調べ)、日本におけるシングル盤売上記録1位作品の「およげ!たいやきくん」(企画をしたのは当時構成を担当していた高田文夫)をはじめ、「いっぽんでもニンジン」「パタパタママ」「ホネホネ・ロック」「はたらくくるま」「まる・さんかく・しかく」「カンフーレディー」といったヒット曲も出た。「NINJIN娘」の田原俊彦などの歌手の他、俳優やタレントとして知られている著名な芸能人が歌っている歌も多い。
『ひらけ!ポンキッキ』から市販されたシングルレコードの1作目は1975年発売の「たべちゃうぞ」(キャニオン CX-101、歌:ガチャピン(矢沢邦江))である(2作目は「およげ!たいやきくん」)。それ以前にも非売品の『ポンキッキレコード』(フェデップシリーズ)なるシングルレコードが、フジテレビ総合研究所(キャニオン・レコード)からいくつか発表されていた。『ひらけ!ポンキッキ』から市販されたLPの1作目は1973年発売の『ひらけ!ポンキッキ』(キャニオン E-1012)である。番組関連の音楽作品は後の「P-kie'sメロディ」などを含め、シリーズの多くがポニーキャニオン(旧:キャニオン・レコード)からの発売であるが、1975年発売のLP『ひらけ!ポンキッキ』(キング SKM-2229)はキングレコードからの発売であった。
長らくポニーとキャニオンレコードで本番組の音楽担当だった小島豊美ディレクターは1980年代前半頃から関与しない楽曲(「NINJIN娘」など)が増え、1986年発売の「からだ元気?/はたらくくるま」(キャニオン 6G0086)を最後に番組から離脱した。続いて出された1987年発売の「さすらいのカメ・ハメハ/はたらくくるま2」(キャニオン 6G0087)では渋谷優子ディレクターが担当した。
中期オープニングの「青い空白い雲」とエンディングの「かもめは空を」 は、奈良橋陽子が作詞、ゴダイゴのタケカワユキヒデ(本名の「武川行秀」名義)が作曲を手がけ、元ザ・タイガースのかはしかつみが歌っていた(後の『ポンキッキーズ21』で20th Centuryの井ノ原快彦とブラザートムがカバー)。
2004年にはベスト盤である『ポンキッキーズ30周年記念アルバム ガチャピン&ムックが選ぶポンキッキーズ・ベスト30』が発売された。しかしOP・ED曲で人気の高い「青い空白い雲」「かもめは空を」は収録されなかった。「青い空白い雲」ののこいのこ版の音源は、2012年発売の『のこいのこ大全リターンズ』に収録された。
なお、「青い空白い雲」「かもめは空を」のオリジナル音源が収録されているメディアは、かつて通信販売限定で発売されていた『ひらけ!ポンキッキ』の教育セット『ひろがるせかい』(1979年発売)付属のカセットテープのみである。
文字や数字の意味、数の概念、色の名前などを15 - 30秒程度で紹介するというコーナー。(リトルスタジオインク社が制作)映像はアニメーション(特にクレイアニメ・スキャニメイトなど)が多い。
BGMとして使用された曲は、イントロや、ワンフレーズである。邦楽ではピンク・レディー、キャンディーズなどのアイドル歌謡曲や民謡、ロックンロール、コミックソングも使用されていた。洋楽ではロックンロールやソウル、オールディーズと多岐にわたって使われている。特にビートルズの楽曲はイントロやアレンジなど含めて頻繁に使用されている。ナレーションは田中真弓など。
ペギー葉山が登場し、子供達に「好き嫌いをせずにんじんを食べましょう」「花火は大人と一緒にしましょう」などと告げ、望ましい行動やしてはいけない行動といった道徳をやさしく諭す。
はせさん治、パンチョ加賀美のコンビが、コント仕立ての寸劇を行う。内容には数や記号などの紹介も含んでいる。中には、強盗が縛った被害者に刺したナイフを「一本、二本」と数えるというブラックなものもあった。また、「料理番組」のパロディもあったが、1、2回程しか放送されなかった。
実写映像で動物や植物、自動車をはじめとした乗り物などを紹介するコーナー。海の生物を紹介する際はガチャピンが海に潜ることもあった。
番組内で独立して放送されたアニメや人形劇など。
(五十音順、レコードメーカーはリリースしたレコード会社を記している曲以外は全てポニーキャニオン)
他多数。
詳細の無いものは第一回から最終回まで放送されたネット局。系列はネット終了時のもの。
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