JR西日本207系電車(JRにしにほん207けいでんしゃ)は、1991年(平成3年)に登場した西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流通勤形電車である。
片町線と福知山線を連絡する地下線の片福連絡線(現・JR東西線)に対応する通勤形車両として開発され、JR東西線に乗り入れる各線での共通運用および老朽化した103系の置き換えのため増備された。
運行路線の大半が私鉄と並行していることから、221系近郊型電車を基本として内外装のグレードアップを図った。製造当初から半自動ドア機能や耐雪ブレーキといった寒冷地対策が施されており、JR西日本アーバンネットワークの直流電化区域全域での使用が可能となっている。
製造は川崎重工業・近畿車輛・日立製作所が担当し、一部は自社の後藤総合車両所・鷹取工場で製造され、12年にわたって484両が増備された。
本節では原則登場当時の仕様を記述する。
20 m 級片側4扉車体を有し、オールステンレス構体で構成されている。前頭部の前面は普通鋼製、側面および屋根面は FRP 製となっている。車体幅は在来の通勤形電車が車体幅 2,800 mm だったのに対し、本系列は車内空間にゆとりを持たせるために近郊形電車と同様の2,950 mm のワイドボディが国鉄・JRで初めて採用された点が特徴である。
国鉄・JRの通勤型車両では初めて前面に新造時からスカートが装備された。スカートは2004年までに全車強化型に換装されている。
前面は中央に非常用貫通扉が設けられた半円筒形状で、中央が膨らんでおり、横から見ると扇型に見える形状で、事故時の衝撃吸収の役割を持たせて厚めに造られている。前照灯と尾灯は四角型のものが横に合計4灯並べられている。
塗装は側面窓下に、JR西日本のコーポレートカラーと琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線のラインカラーを表す濃淡ブルーと、境目に白色が入った帯を採用した。濃いブルーの帯は前面窓下にも入れられている。
妻面には、妻壁外面に設置された消火器を車内に取り込む経路として、また非常時の換気用の開口面積を確保する目的で大型の一枚下降窓が備わっている。このため、車両間同士を繋ぐ客用貫通路が中央からJR神戸線走行時で北寄りにオフセット設置されており、左右非対称になっている。また、妻面壁の上部に通気孔が設けられている。
転落防止幌は2002年(平成14年)の2000番台の1次製造分から装備されており、2006年より1000番台のS18編成を除いた全編成に設置された。2003年の2000番台2次製造分から緊急列車停止装置(EB装置)を装備するようになり、2003年より非装備車への追加設置が始まった。
種別・行先表示器は221系と同様に種別を幕式、行先をLED式とした。
客用ドアの室内側は化粧板仕上げで、室内照明である蛍光灯にはカバーが設置されている。座席は従来より座面高さ、奥行き、クッションの最適化を図り、座り心地改善が図られている。腰掛表地は従来のナイロンモケット地を使用し風合いと耐久性に配慮している。登場当初の座席は青色のモケットを採用していたが、2010年(平成22年)以降緑色の座席へと交換が順次進められた。
また、腰掛両サイドには、仕切りを兼ねた肘掛袖パネルを設置、仕切りパイプを高い位置まで伸ばすことで、立ち客への握り棒を兼ねている。袖仕切りのスタンションポールは他の関西私鉄の通勤形車両と同様、車内見附を重視することから省略されている。一部編成には、7人掛けの励行を促すべくバケットシートが試験導入されていた。また、1993年(平成5年)3月以降に製造された車両は、座席が片持ち式となっている。
そのほか、側扉には半自動ドアスイッチを設け、夏季および冬季での車内温度維持のため閑散区間および停車時間の長い一部の駅で使用されている。半自動ドアスイッチは、車内側は開閉可能であるが、車外側は配線を簡略化するため開スイッチのみとした。
側窓は空調効率や防音効果、冬季の結露防止のため複層ガラスの固定窓が採用された。その結果、緊急時に必要とされる換気量が側窓から確保出来なくなり、開閉可能な大型妻面窓が設けられた。これにより妻面の貫通扉が偏心している。大型化した妻面窓により、連結車両間の見通しが良くなるとともに、この車両のインテリアの特徴ともなった。
またバリアフリーへの対応として、ドア付近へのつり革設置およびJR西日本の車両では初のドアチャイムが設置された。また、ドア上部にLED 式の車内案内表示装置が千鳥配置で1両あたり計4か所設置されている。停車駅の案内のほか、広告媒体としても使用される。 車椅子スペースは、2000番台のみクハ206形の車端部に新製当時より設置されている。0・1000番台については体質改善工事施工時に編成の両先頭車に新設された。
一部の編成では定期的に盲導鈴が鳴動しており、2009年度内までに枕木方向につり革を追加している。
運転台のマスコンは221系と同様の横軸ツインレバー型を採用した。力行ノッチ6段、常用ブレーキ8段は、後継の321系と共にJR西日本の電車として最多である。2000番台と体質改善車をのぞき、圧力計などの各計器類はデジタル表示となっている。運転台右横に設置された液晶モニタ装置では、車両の様々な状態の監視と空調等の各設定を行うことが可能で、運転・車掌業務をサポートしている。JR西日本の新系列車両にはこの207系以降から一部の例外を除き、補助警笛としてミュージックホーンを標準装備するようになった。
運転台背面の仕切りには窓が3枚並び、そのうち中央は仕切り扉である。車掌スイッチは221系と同様に間接制御式(リレー式)を採用した。
主回路制御にはJR西日本の車両で初めてVVVFインバータが採用された。製造期間が約10年の長期にわたっているため、VVVFインバータの制御素子はパワートランジスタ(PTr)、ゲートターンオフサイリスタ (GTO) 、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ (IGBT) などの差異がある。
パンタグラフはJR東西線内の剛体架線区間での離線対策で、下枠交差式の WPS27 形をクモハ207形およびモハ207形1両あたり2基搭載する。JR東西線以外では第1パンタグラフのみを上げて走行し、尼崎駅と京橋駅で第2パンタグラフの昇降を行っている。
駆動装置は国鉄・JRを通して在来線電車としては初のWNドライブが採用され、JR西日本の新系列在来線車両は本形式以降、WNドライブが標準採用されている。歯車比は14:99(7.07)である。最高速度は登場当時の通勤形では初の120 km/h対応となった。
空調装置は221系を踏襲した集約分散式冷房装置2基を全車に搭載している。
「ユニット」とは隣り合う電動車同士で別々の機器を搭載し、2両で1組の機構とする方式。それまでの形式ではユニットの2両は検査などがない限り切り離されなかったが、207系は機器を集約することでモハ207形またはクモハ207形単独での使用も可能な設計にされている。
片町線(学研都市線)で使用された103系の代替として147両が製造された。
制御装置 (WPC1) は、GTOサイリスタの昇降圧チョッパ回路+パワートランジスタ素子(PTr)による3レベルインバータで構成され、台車単位の制御を行っている。
補助電源装置はトランジスタインバータで構成され、定格容量 122 kVA を備える WSC28 を、空気圧縮機にはレシプロ式の WMH3093-WTC2000A を搭載する。
主電動機は出力 155 kW の WMT100 を搭載する。
1991年にMT比3M4Tの7両固定編成(当時はC1編成)として近畿車輛で3両、川崎重工業で4両が落成し、淀川電車区(現・網干総合車両所明石支所放出派出所、以下同じ)に配置された。同年4月30日から片町線(学研都市線)片町 - 松井山手間で運用を開始した。
試作車であるが、国鉄の試作車の多くに付されていた「900番台」とはされておらず、量産先行車と呼ばれることもある。
当初は客用両開き扉のガラスにD字形の左右非対称の物が、丸みの無い側が左右で向かい合わせとなるように使用され、両者の間は窓周りが黒く塗装され、大型一枚窓風に見えるような工夫がなされていた。運転台右横に設置されるモニタ装置がカラー表示ではなく、221系に準じた橙色の単色表示かつ非タッチパネル式で下部に10個のボタンがあった。運転台に「デスク型」と呼ばれる独特な形状のマスコン・ブレーキハンドルが採用されるなど、試作編成独自の装備を有していたが後に量産車に合わせた改造が行われた。また、冷房装置は221系と同じ集約分散式の WAU701 が採用された点も異なる。7両固定編成のため、前頭部に電気連結器は装備していない。
1本のみ在籍し、片町線(学研都市線)は2010年3月12日まで京田辺駅 - 木津駅間は4両対応であったことから、7両固定編成である本編成は東海道本線・山陽本線(JR京都・神戸線)で限定運用で充当されていた。
後継車の321系がある程度出揃った2006年3月18日のダイヤ改正より、321系と共通運用されるようになったが、2008年3月15日のダイヤ改正で321系のJR東西線・学研都市線(京橋駅 - 松井山手駅間)での運用が開始されたのに伴い、JR東西線・学研都市線でも運用されるようになり、学研都市線内のみの運用も復活している。その後、2012年3月17日より他の207系とも完全な共通運用となった。
2022年4月6日に吹田総合車両所に回送され、翌7日付で廃車された。
1991年から製造が始まったグループ。このグループからは4両編成および3両編成での製造となり、日立製作所が製造に加わっている。試作車が1からの番号を付されているので、2(モハ207形は3)以降の車体番号が与えられている。140両が製造された。
運用範囲が片町線全線と関西本線(大和路線)木津 - 奈良まで拡大された。4両編成単独のほか、3両編成を2本連結した6両で運転されることもあった。なお、松井山手 - 木津間はホーム有効長が4両編成対応であったため、7両編成は松井山手駅で増解結が行われていた。1993年には宮原電車区(現・網干総合車両所宮原支所、以下同じ)にも4両編成が配置され、同年3月18日から福知山線(JR宝塚線)大阪 - 新三田間で運用を開始した。
所属は淀川電車区・宮原運転所から吹田工場高槻派出所を経て、2000年までに全列車が網干総合車両所に変更された。現在は編成番号の変更が行われ、新製時から4両編成だった編成はZ編成、新製時は3両編成だった編成はH編成と称する。
製造開始当時、4両編成のクハ206形と、3両編成のクハ207形およびクハ206形は自動解結装置・電気連結器を装備して100番台として区分されていたが、JR東西線開業前に4両編成のクハ207形 (2 - 17) にも同装備が追加されたため、仕様差はなくなった。
製造当初、JR東西線開業前に同線以外の区間でもパンタグラフを2基使用していたことがあったが、2023年時点では他の番台同様、JR東西線区間のみの使用となっている。冷房装置は集約分散式のWAU702を1両につき2基搭載している。
東海道本線(JR京都線)、山陽本線(JR神戸線)の103系の置き換えおよびJR東西線開業準備を目的として1994年(平成6年)から製造されたグループで、同年3月1日から営業運転を開始した。
このグループから電動車ユニット方式が廃止され、同時に0番台には存在しなかったクモハ形式が設定され、一部の車両が後藤総合車両所で製造された(S54・S55編成)。0番台では電動車両に走行機器を集中搭載していたが、本番台では、クモハ形式設定による床下機器設置スペースの都合から電動車両(クモハ207形・モハ207形)には、VVVF 制御装置・補助電源装置を搭載し、付随車(サハ207形・クハ206形)の一部に空気圧縮機などの補機類を搭載する。これらの組み合わせでMT比1:1となるように組成された。
制御装置 (WPC3A) には、パワートランジスタ素子の VVVF インバータ制御装置を搭載した0番台とは異なり、東芝製の GTOサイリスタ素子が採用され、1台のインバータで1基のモーターを駆動する個別制御とした。この制御装置は同じ1994年登場の281系や223系0番台でも採用された。
補助電源装置はGTOチョッパ+IGBTインバータで構成され、定格容量 122 kVA を備える WSC31 を、空気圧縮機には0番台と同様のレシプロ式 WMH3093-WTC2000A を搭載する。
急勾配の多いJR東西線に対応するため、主電動機は出力 200 kW の WMT102 、3次車および4次車は出力 220 kW の WMT104 にパワーアップしている。運転台パネルの計器配置も変更された。冷房装置は集約分散式の WAU702B を1両につき2基搭載している。角に丸いカバーが追加された点が外観上の変更点となっている。
集電装置は、耐寒・耐雪性能に配慮し、耐雪用カバーと架線追従性向上を目的としたダンパー取り付けが施された WPS27D 下枠交差式パンタグラフを電動車両に1基搭載する。ただし、2基搭載できるように準備工事が施されており、JR東西線開通に合わせて2基搭載に変更された。
JR東西線開業前に組み替えと追加製造が行われ、T編成4両×19編成計76両とS編成3両×55編成計165両となっている。この時、片側(加古川・篠山口側)にしか設置されていなかったパンタグラフが、0番台と同じ2個設置に変更された。その後、0番台同様に全車網干総合車両所に移管されている。
また、0番台に組み込まれ車両番号に500をプラスされた1次車のモハ207形奇数車はパンタグラフを撤去している。ただし、既存の車両では0番台2両が余剰となるため追加で2両新造されているが、屋根上の機器配置は他の1000番台と同様である。
学研都市線の輸送改善と103系置き換え目的とし、2002年(平成14年)から製造されたグループである。車両外観には大きな変化は見られないが、機器艤装は基本的に223系2000番台をベースとしている。そのため、電動車の戸袋部分に機器冷却のための風洞が設けられた。T編成4両11編成44両とS編成は3両12編成36両の合計80両が在籍し、編成番号は1000番台の続番となっている。
電動車両(クモハ207形・モハ207形)には、車両制御装置を搭載し、付随車(サハ207形・クハ206形)に空気圧縮機などの補機類を搭載する。
車両制御装置 (WPC13) は、IGBT 素子を使用した3レベル電圧形 PWM インバータである。1基の装置中にインバータを5基(主回路部4基+補助電源部1基)搭載し、主回路部はインバータ1基で1台の主電動機を制御する 1C1M 制御方式を採用している。補助電源部は三相交流 440 V 、150 kVA の容量を有しており、主回路部と同じく IGBT を用いた2レベル電圧形 PWM インバータを CVCF 制御し、補助電源部が故障した際には主回路用インバータを CVCF 制御することで補助電源のバックアップとしている。主電動機も同車のものと同型の WMT102B を搭載している。電動空気圧縮機 (CP) は従来のレシプロ式から除湿装置一体型の低騒音型スクリュー式 (WMH3098-WRC1600) に変更され、クハ206形に搭載する。のちに登場する225系や287系にも採用されている。台車は軸バネ部が乾式円筒案内式とされたWDT62(電動車両)、WTR239B(付随車)となった。
それまでのグループは運転台パネルにデジタル計器が使用されていたが、本番台では223系1000番台以降に準じたアナログ計器に変更された。
内装ではドアが開く際もドアチャイムが鳴るように改良され、試作車を除く全編成も変更された。車端部に車いすスペースを設置している。
この番台から転落防止幌が製造時から設置され、2006年(平成18年)より稼働中の全編成に設置された。また、落成時からATS-P保安装置を搭載している。
1994年8月から1995年3月にかけて、0番台量産車のクハ39組78両(クハ207-2 - 17, 101 - 113, 130 - 139・クハ206-101 - 139)に対してATS-P保安装置の取り付けが吹田工場で行われた。
1995年12月25日に福知山線藍本駅で0番台4両が雪によるブレーキ不具合で停止位置を行き過ぎ安全側線に進入し脱線する事故が発生。これ以降、0番台に耐雪ブレーキ装備などの耐寒耐雪改造が行われた。
開業前に運用されていた298両については次のような改造が施工された。
高速運用時の蛇行を防止する台車のヨーダンパが途中から追加装備されるようになり、当初準備工事だけであった初期車にも装備され、2003年までに取り付けが完了した。
2005年11月より321系の導入に合わせて車両のイメージチェンジが行われることとなり、塗色が従来の濃淡青から紺とオレンジの組み合わせに変更され、2006年3月に完了した。
東海道本線(JR京都線)、山陽本線(JR神戸線)を走行していた201系と205系は、321系導入による転属が決まっていたため対象外であったが、205系に関しては再度同線の運用に戻る際、同様の帯色に変更された。
2010年12月17日に舞子駅で発生した乗客転落死亡事故により、その対策として編成中間となる先頭車のみ、2014年から2015年にかけて全編成への設置が完了した。
2011年10月19日から、本系列と321系の吊り手が225系仕様のものに順次交換および増設が行われている。
本形式の中でも最初に投入された0番台と1000番台は新製から20年以上が経過しているため、接客設備の改善および安全性向上を目的に体質改善工事を行っている。第1陣として網干総合車両所明石支所所属の0番台Z22編成が施工され、2014年11月17日に営業運転に復帰した。2022年12月施工のZ20編成をもって、Z編成のリニューアル工事が完了した。
2010年12月17日にJR神戸線舞子駅で旅客が列車の先頭車同士の連結部から転落し、列車に轢かれ死亡する事故が発生した。この事故の対策で、一部の車種や他社線に乗り入れる列車をのぞき本系列を含めた全車種で、先頭車同士を連結した部分の前照灯を終日点灯させる取り組みを2011年5月1日から始めたが、ハード面での対策として207系1編成(3両+4両)の先頭車に転落防止カバーを取り付け、試行を行っている。転落防止カバーは前照灯の下に合計4か所取り付けられ、約半年間効果を検証するとしている。転落防止カバーの取り付けに合わせて音声警報装置も取り付けられた。なお転落防止カバーは、本採用されなかった。
2014年より開始された体質改善工事を前に、同年1月からH9編成(モハ207-511)に試験品の制御装置と補助電源装置を搭載した。なお、2022年4月にH9編成が体質改善工事を受けたことで事実上終了している。
2005年4月25日の午前9時18分頃、福知山線尼崎駅 - 塚口駅間で宝塚発同志社前行上り快速5418M(7両編成)が右カーブで7両中5両が脱線し、うち先頭2両が進行方向左側の線路沿いにあるマンション1階に激突、大破する事故が起きた。
事故当該編成は、Z16編成(4両)とS18編成(3両)である。2編成は、Z16編成を先頭に途中の京田辺駅まで併結して運転した後、京田辺駅でS18編成を切り離し、Z16編成のみの4両が同志社前駅まで向かう予定だった。Z16編成の同志社前方の2両は原形が全く残らないほどに大破した。3両目、4両目もすべての台車が脱線し、車体が歪むほどの衝撃を受けている。後方に連結されたS18編成も、半数以上の台車が脱線した。
脱線した車両のうちZ16編成の4両については事故当日に車籍を抹消され、鉄道線復旧時に事故現場で解体された。S18編成は塚口駅へ人力回送された後、DD51の牽引で宮原総合運転所に搬入され、4両目がぶつかったため前面が破損していたクモハ207-1033にはブルーシートが掛けられた。この3両は重要証拠として兵庫県警に押収され、県警の施設で前4両の台車などと共に保管された。
鉄道書籍によると、これら3両は警察の指示で返却または除籍許可が出るまでは車籍抹消ができないため車籍こそあるものの、車両が破損していること、事故の証拠として今後の裁判に使用される可能性があること、また事故を風化させない目的から、JR西日本では警察から返却され次第廃車とし、大阪府吹田市にある社員研修センター敷地内の鉄道安全考動館に保存する予定とされていた。2011年2月2日神戸地方検察庁は保管していた同編成を同年2月1日付でJR西日本に返還した。これを受けて2018年(平成30年)11月17日、事故の風化防止および社員教育活用のため事故当該の7両を保存する意向を明らかにした。解体された4両に関しては、復元が困難だとして、部品ごとに2024年秋に社員研修センターに設置される専用設備(鉄道安全考動館とは別施設)に保存される予定である。
この7両が使用不能となったことにより森ノ宮電車区から103系が貸出され、さらに予備車確保のためにJR東日本から103系8両を購入し、代走車とした。その後は321系を予定より3編成21両多く投入して車両不足を補った。
2023年3月18日現在、在籍する全車両473両が網干総合車両所明石支所に配置されている。2023年3月18日現在の定期運用は次の通りで、321系と共通運用されている。
和田岬線には103系の代走で運用されることがあったが、2023年3月19日からはT3編成の5-7号車と、T18編成の4-6号車を組成した6両固定編成のX1編成が103系を完全に置き換えて定期運用に充当されている。
2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故の影響でZ16編成は事故当日に廃車となった。
2022年4月6日、量産先行車のF1編成が網干総合車両所明石支所から吹田総合車両所に回送され、同年4月7日付で廃車された。
背景色が■黄緑の車両 (7両編成の5号車) は女性専用車両である。なお、学研都市線松井山手経由の区間快速・快速と、2023年3月17日以前のおおさか東線・大和路線王寺経由の直通快速では、奈良駅基準で編成の向きが反転していた。T3編成の5 - 7号車と、T18編成の4 - 6号車を合わせて6両固定編成のX1編成となり2023年3月19日から和田岬線で運用されている。
日本国有鉄道(国鉄)が導入し、民営化後の東日本旅客鉄道(JR東日本)で2009年まで運用された同名の207系は、4ドアのVVVFインバータ制御車であることを除き設計が大きく異なるものの、『鉄道ファン』や『鉄道ゼミナール』等の鉄道趣味媒体では同形式として扱われている。これは、国鉄時代の形式を継承しつつも民営化後にJR西日本が別設計で導入した183系や211系、415系と同様のケースであった。
なお、JR西日本の207系には900番台が存在しないため、車両番号の重複は発生していない。
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