UEFAネーションズリーグ(英: UEFA Nations League)は、欧州サッカー連盟(UEFA)の主催で西暦偶数年の9月から翌年の6月にかけて行われる、ナショナルチームによるサッカーの国際大会である。第1回大会は2018年から2019年にかけて開催された。
2013年にノルウェーサッカー協会会長(当時)のイングヴィ・ハレンにより、FIFAワールドカップ(の予選)・UEFA欧州選手権(UEFA EURO)に次ぐ第三のUEFA主催の国際大会として提案され、2014年3月27日に開催されたUEFA総会(アスタナ)で満場一致で採択された。
UEFA加盟の全55協会の代表チームをランキングに基づいて4つのカテゴリ(リーグ)に分け、さらにそのリーグ内でグループに分かれてリーグ戦を戦い、その結果によって上位リーグへの昇格、或いは下位リーグへの降格を行うというものである。試合開催日はFIFAカレンダーに基づいて設定されるため、FIFAワールドカップ予選やUEFA EUROの日程に影響しないとされた。
国際サッカー連盟(FIFA)会長のジャンニ・インファンティーノは、この大会が「(国際親善試合を組みにくい)成績下位の協会にとって、代表チームの強化の鍵になる」と歓迎する意向を示している。また、ベルギーサッカー協会事務局長のスティーブン・マルテンスは、本大会の創設により、UEFAとのテレビ契約が一元化されるため、成績下位の協会は経済的に利益を得るだろうと語った。加えて、FIFA国際試合カレンダーに設定される国際親善試合の日程がネーションズリーグに置き換えられることにより、多くのサッカークラブやサポーターの抱える「シーズンが国際親善試合(=非公式試合)で分断される」という不満が軽減されるという目的も果たされると言及されている。
その一方で、UEFA加盟国が(真剣勝負が求められる)ネーションズリーグが代表強化に有益であると考えることにより、FIFAカレンダー(国際Aマッチデー)の中でUEFA非加盟国(AFC加盟国、CONCACAF加盟国など)がUEFA加盟国との間で代表強化のための国際親善試合を組むことが困難になっており、UEFA非加盟国でも対応が求められている。
UEFAネーションズリーグ2018-19では、以下の大会フォーマットが採用された。
UEFAネーションズリーグ2020-21を前に、UEFAは大会フォーマットの一部修正を行うこととした。具体的には、リーグ構成について、リーグA・リーグB・リーグCを全て16チームとし、リーグDのみ7チームに変更した。これらは前回大会からの昇降格の変更(全てのリーグについて降格を無くし、リーグC・リーグDからの昇格枠を拡大)で対処した。
このフォーマット修正の目的として、リーグ戦の対戦数を増やす(138試合から162試合)ことで試合の商業的価値と視聴者の魅力を高めることを狙い、さらにグループ内のチーム数を偶数とすることで、最終節を全チーム同時に行えるようになり、リーグの公平性が促進されるものとされた。
ネーションズリーグの結果は、直後に行われる UEFA EURO の予選並びに予選プレーオフに大きな影響を与える。具体的には、10のグループに分かれて行われる UEFA EURO の予選グループステージで本大会出場を逃したチームのうち、ネーションズリーグの各リーグ上位の4チームずつが予選プレーオフに進み、4枠の本大会出場枠をかけて争う(すなわち、予選プレーオフ進出に当たって予選グループステージの結果が一切考慮されない)方式に改められている。
また、FIFAワールドカップのヨーロッパ予選においても同様のレギュレーションが導入されており、2次予選に進出するチームについて、グループステージ2位のチームにネーションズリーグの各リーグ1位から選考した2チームを加える方式となっている。
これらの UEFA EURO 予選並びにW杯予選のレギュレーション変更について、ネーションズリーグ上位リーグの下位チームよりネーションズリーグ下位リーグの上位チームが優遇されるレギュレーションとなっていることから、弱小チームが通常の予選プロセスではなくネーションズリーグ経由で予選を通過できるようにするものではないかとの批判もある。
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