『鴨川食堂』(かもがわしょくどう)は、柏井壽の2013年発表の小説の連作短編集シリーズ。『STORY BOX』(小学館)連載を経て、小学館から2013年より刊行されている。既刊10巻。京都路地裏の食堂の奥にある探偵事務所を舞台に、所長である娘と食堂を営む元刑事の父が、依頼人の求める「思い出の食」を捜し出し再現する。
シリーズ第1作、第2作を原作としてNHK BSプレミアム「プレミアムドラマ」でテレビドラマ化され、2016年1月10日から2月28日まで8回シリーズで放送された。ドラマ企画は作詞家でもある葉山真理。1話、2話、8話 最終回の脚本も手がけた。
柏木圭一郎のペンネームでミステリー小説を執筆していた著者が「食をテーマにした小説を書いてみよう」と思い立ち、京都・東本願寺の近くにかつて実在した食堂をモデルに、「こういう店にはいろんなドラマがあるんじゃないか」と想像を膨らませて構想された。『鴨川食堂』第六話「肉じゃが」に登場する「牛肉の大和煮」の缶詰を用いた肉じゃがなど、各話のテーマとなる料理は必ず自分で作って研究を重ね、コンビニなどで一般に販売されている食品の市場調査も行いながら、どのような料理を描けば読者の琴線にふれるかを意識して執筆された。
将来映像化されることを念頭に登場人物やシーン転換を極力減らし、主人公の流(ながれ)および娘のこいしはそれぞれ和久峻三原作の『京都殺人案内』シリーズに登場する藤田まことと萬田久子をイメージして執筆されている。
京都市の鴨川沿い、東本願寺にある小さな食堂には、店の看板が存在しない。この食堂は鴨川流とこいしという親子2人が店を切り盛りしている。そしてこの食堂では、もう一度食べたいと考えている人たちの食べ物をわずかな手がかりを基として作るというのが売りもので、利用客は料理・グルメ雑誌に掲載される「"食"捜します。」の一行広告のみを頼りにしてこの場所に行きつく。
これまでに『鴨川食堂』と『鴨川食堂おかわり』『鴨川食堂いつもの』『鴨川食堂おまかせ』『鴨川食堂はんなり』『鴨川食堂まんぷく』『鴨川食堂もてなし』『鴨川食堂ごちそう』『鴨川食堂しあわせ』『鴨川食堂ひっこし』の10作が刊行されている(2023年10月現在)。
NHK BSプレミアム「プレミアムドラマ」にて、2016年1月10日から2月28日まで毎週日曜22:00 - 22:49に放送された。全8話。主演は本作がNHK連続ドラマ初主演となる忽那汐里で、本作が12年ぶりのテレビドラマ出演となる萩原健一が父役で共演する。
毎回、冒頭に、
と、鴨川こいしによるナレーションが放送される。
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