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全身小説家


全身小説家


全身小説家』(ぜんしんしょうせつか)は、原一男監督による1994年の日本のドキュメンタリー・ドラマ映画である。晩年の井上光晴に取材している。第7回東京国際映画祭の「アジア秀作映画週間」部門にて上映された。

内容

井上光晴の晩年の5年間を追ったドキュメンタリーで、井上が作った「文学伝習所」での講義や講演が描かれている。「全身小説家」とは埴谷雄高が井上を評した言葉で、「存在そのものが小説家、骨の髄まで小説家」の意味とのこと。その井上が89年にがんの告知を受ける。生前の井上ががんと闘いながら講演と創作に励む姿が描かれ、死後、彼の経歴を調べ直した結果、今まで彼が述べてきた経歴や生い立ち、初恋の人のことなど全て虚構だったことが明かされる。 そもそも私小説を否定する立場にあったし、「小説に書いたこと=実話」とは解さないまでも、自分の経歴まで詐称し、それを死ぬまで貫いたということは、まさに「全身小説家」といえるだろう。

井上の娘である作家、井上荒野の小説「あちらにいる鬼」(2019年刊行)には、井上ら家族に密着する撮影の場面が描かれている。

キャスト

  • 井上光晴
  • 井上郁子
  • 埴谷雄高
  • 瀬戸内寂聴
  • 野間宏
  • 金久美子 - 母・たか子
  • 山本与志恵 - 祖母・サカ
  • 磯春陽 - 崔鶴代
  • 窪田匡亨 - 光晴(少年時代)
  • 杉山裕哉 - 光晴(幼年時代)
  • 大矢玲美衣
  • 金泳三
  • 趙裕美
  • 河玉蓮
  • 李淑子

受賞

  • 第4回日本映画批評家大賞 - 作品賞
  • 第19回報知映画賞 - 作品賞
  • 第49回毎日映画コンクール - 日本映画大賞
  • 第18回日本アカデミー賞 - 特別賞
  • 第14回藤本賞 - 藤本賞・特別賞(小林佐智子)
  • 第68回キネマ旬報ベスト・テン - 日本映画監督賞
  • 第68回キネマ旬報ベスト・テン - 日本映画 第1位

脚注

関連文献

  • 原一男『全身小説家 もうひとつの井上光晴像 製作ノート・採録シナリオ』キネマ旬報社、1994年。ISBN 9784873761053。 
Collection James Bond 007

外部リンク

  • 全身小説家 - allcinema
  • 全身小説家 - KINENOTE
  • 全身小説家 - 日本映画データベース
  • Zenshin Shosetsuka - IMDb(英語)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 全身小説家 by Wikipedia (Historical)