GINZA SIX(ギンザシックス)は、東京都中央区銀座六丁目にある複合商業施設。ハイブランドを中心とした商業施設、業務施設(オフィス)、能楽堂などの文化・公共施設、地域冷暖房及び駐車場から構成される。
計画地は都市再生緊急整備地域(東京都心・臨海地域)に指定され、建物は多くが老朽化や防災上の課題を抱えた旧耐震基準の建物だった。このため、それらの課題解決と周辺地域に寄与する施設整備を目指し、閉店した松坂屋銀座店(銀座最古参の百貨店)の跡地を含む銀座六丁目10番街区(4,600m2)と隣接する銀座六丁目11番街区(4,400m2)約1.4haにわたる2つの街区を一体的に整備する再開発事業が決まり、2011年(平成23年)12月に都市計画決定し、2017年(平成29年)1月に竣工した。総事業費は約861億円。
参加組合員であり、再開発のコーディネーターや設計のプロジェクトマネージャーとして複数の立場で森ビルが参画し、設計は鹿島と谷口設計事務所(谷口吉生)による設計共同体(JV)、施工は鹿島が担当した。管理運営は、大丸松坂屋百貨店、森ビル、Lキャタルトンリアルエステート(LVMHグループ)、住友商事が共同で出資したGINZA SIXリテールマネジメントが担う。
建物は地下6階・地上13階建てで、高さは約56m。中央通りに面する間口は約115mに及び、商業施設とオフィスなどをあわせた延床面積は約14万8,700㎡と、銀座エリアで最大規模を誇る。施設には商業やオフィスのほか文化・交流施設として「観世能楽堂」を地下3階に配置。拡幅された三原通り側には、観光バスの乗降所やツーリストサービスセンターを設け、銀座に不足していた観光の機能も持たせた。また巨大施設であるがゆえに、地域の人々は、街を歩く人の回遊性を妨げないように、開発側に配慮を求めていたことから、廃道されたあずま通りを敷地内通路として残し、中央通りから三原通りへ通りぬけられる「銀座パサージュ」も設置した。17年12月には銀座駅からGINZA SIXに通じる地下通路が開通し、地下レベルでも歩行者ネットワークが強化されている。このほか、制振構造の採用や非常用発電機などを備え、地震の際には地下3階の観世能楽堂等は帰宅困難者のための一時滞在スペースとして開放される。
銀座最大の建築面積という特徴を表現するために、建物全周には、階ごとに「ひさし」が設置された。「ひさし」はステンレスのヘアライン仕上げで、周囲の光を映し込み、時間や天候の変化を建築に与える。また先端には繊細なLEDライン照明が組み込まれ、ファサードの統一性を表現している。
高さ31mの従来の街並みを形成する商業施設には、「ひさし」を吊り下げるかたちで、銀座の街の賑わいを演出するための「のれん」が設置された。この「のれん」は、建物を垂直方向に分節化して銀座の路地空間を繋げるスケール感を表現する。ラグジュアリーブランドの店舗や地権者の店舗は、「のれんルールブック」に基づき、それぞれの設計者が自由にファサードをデザインすることができる。「のれん」は、外壁の止水ラインの外に設けられているので、店舗の営業を継続しながら「のれん」の交換が容易なシステムであり、店舗の変更への対応はもとより、時間の経過によるファサードの陳腐化を防ぐことも可能にしてくれる。
商業施設としては銀座最大級の規模を誇り、銀座の地に相応しいハイブランドの旗艦店が数多く入居する。それらのラグジュアリーブランドは複数階に跨ったメゾネットタイプが採用されている店舗もある。商業エリアの中心に4層吹き抜けアトリウムを配置。内装デザインは、キュリオシティのグエナエル・ニコラが担当した。
開業当時、20代による売り上げは全体の10%台だったが、今日では売り上げの半分を20〜30代の働く若者が占めている。2020年(令和2年)12月から21年1月にかけて、20店舗が閉店した。GINZA SIX広報担当者によるとこれはコロナ禍の影響ではなく、開業4年目から計画していたリニューアル計画に沿ったものであり、21年には開業以来初の大規模リニューアルを実施。約40テナントを入れ替えた。22年は約20テナントの入れ替えを予定し、秋には新たなラグジュアリーブランドもオープンする。
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