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サクラクエスト


サクラクエスト


サクラクエスト』(SAKURA QUEST)は、P.A.WORKS制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品。2016年12月7日に制作が公表され、2017年4月より9月まで2クール(全25話)で放送された。

田舎町の観光大使に就任したヒロインたちを中心に、廃れた「ミニ独立国」を再興するために奮闘する物語である。『花咲くいろは』『SHIROBAKO』に続く、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」第3弾。

制作

監督を増井壮一、シリーズ構成を横谷昌宏、キャラクター原案をBUNBUN、キャラクターデザインを関口可奈味が担当する。

脚本は横谷昌宏と入江信吾の2人体制で書かれた。入江によれば、題材が題材だけに「実写も書けるライター」として声をかけられたという。作中のサンダルさんの絵はすべて監督の増井壮一が書いている。堀川憲司は、P.A.WORKSのお仕事シリーズについて『花咲くいろは』は新人アニメーターがぶつかる問題を温泉旅館で働く女の子に置き換えた記録、『SHIROBAKO』は大変だと言われる物作りの仕事でクリエイターが何に喜びを感じて続けているか、『サクラクエスト』は共同体が何を武器にどう戦うかを考えた作品、と述懐している。

あらすじ

就職活動に苦戦していた木春由乃は、以前アルバイトで登録した派遣事務所からの依頼をよく知らずに引き受け、田舎町・間野山で1年間ミニ独立国の国王を務めることになる。間野山はかつて観光客で賑わっていたが、今では寂れていた。由乃は間野山で出会った四ノ宮しおり、元女優の緑川真希、商店会会長の孫の織部凛々子、WEBデザイナーの香月早苗たちと共に間野山を再び活気づける町興しを企画していく。

試行錯誤の末、由乃は町興しは間野山に住む人のためになるものでなければならないと思い至る。由乃は50年前に途絶えた「みずち祭り」を復活させようと提案。5人の努力に住民たちも賛同し、ついに祭りを成功させる。

間野山を放浪するアーティスト・サンダルさんは5人の勇者の物語を『SAKURA QUEST』として書き留める。国王の任期を終えた由乃は間野山を去り、新しい町へと降り立つ。他の4人もそれぞれの道を歩んでいく。

登場人物

主要人物

木春 由乃(こはる よしの)
声 - 七瀬彩夏
本作の主人公。20歳の短大生。4月26日生まれ。身長153cm。港町の安住ヶ浦出身。「特別な何かになりたい」と東京での就職を希望し、卒業を控えて就職活動中、登録していた派遣事務所からの依頼を受け、田舎の間野山にある「チュパカブラ王国」の二代目国王に就任する。自分自身が「警察署の一日署長」のような単発のバイトと勘違いしていたことと、なにより町から必要とされていたのが自分ではないことを知り、当初は国王を辞めて東京に帰ることばかりを考えていたが、しおりや真希たちと仕事をこなす内に間野山の内情を知って考えを改め、しおりたち4人と一緒ならと、国王として頑張ることを決意する。幼いころに王様のように扱われた記憶があったが、これは昔チュパカブラ王国を訪れた時のものと判明した。みずち祭後は国王の任期を終えるも、新たに別の町で町おこし事業を始める。
四ノ宮 しおり(しのみや しおり)
声 - 上田麗奈
観光協会の女性職員。6月29日生まれ。身長158cm。保守的な一面もあるが、基本は明るくおっとりした世話好きな性格で、生まれ育った間野山に愛着を持っている。国王に就任した由乃を支える。彼女の台詞に時折出る「だんないよ」という言葉は、富山弁で「大丈夫・問題ない」といった意味。実家は農業を営み、祖父母と両親、姉としおりの6人家族。凛々子や千登勢からは「しーちゃん」と呼ばれている。料理も得意。普段は裏方に徹し、自分から行動することは少ないが、観光協会のイベントで商店会の間でトラブルが起きた時は、国王代理として「大そうめん博」を企画、成功させる。その後由乃から、間を取り持っていい感じにする「とりもち大臣」に任命される。
緑川 真希(みどりかわ まき)
声 - 安済知佳
小劇団にいた元女優。8月8日生まれ。身長168cm。女優をあきらめ東京から、間野山へと帰ってきたが、実家に戻らずログハウスで寝起きしている。2時間ドラマ「おでん探偵気休め事件簿」に脇役で出演したことから、間野山では「おでん探偵」としてそこそこ有名。今までの職歴豊富なバイト経験から、裁縫やテントの組み立てなどを一通りこなすことができ、「ガテン大臣」として町興しに加わる。大学を辞めて芝居の道に進んだことから父親と不仲になっていたが、後に弟から誤解だったと教えられる。観光協会主催の母校の閉校式での演劇を経て劇団を設立した。
織部 凛々子(おりべ りりこ)
声 - 田中ちえ美
商店会会長である千登勢の孫で、しおりの幼馴染。9月12日生まれ。身長158cm。高校卒業後は引きこもり気味で、普段は主に自分の部屋でネットサーフィンをしている。オカルト情報に詳しいため「UMA大臣」として町興しに加わる。祖母を焚き付けて映画撮影に協力させるなど、頭が回る。母親は余所から織部家に嫁いだが、間野山に馴染めずに父親と町を出たものの、凛々子を産んで間もなく離婚。その後、父親が海外赴任したため、祖母の千登勢に預けられて育った。子供のころから孤立しがちで、人との関わりを苦手としていた。間野山にまつわる「龍の唄」を発見、人前で披露してからは、少し積極的になり、真希の劇団にも参加する。みずち祭で「龍の唄」をうたったことで決心を固め、千登勢の了承も得て世界を見て回るために間野山を出る決意をした。
香月 早苗(こうづき さなえ)
声 - 小松未可子
東京から Iターンで間野山へと移住したWEBデザイナー。5月27日生まれ。身長163cm。虫が嫌い。田舎暮らしに馴染めず、荒れた生活をしていた。そろそろ東京へ帰るつもりでいたが、由乃たちからのホームページ作成などの依頼に協力したことで考え直し、「IT大臣」として町興しに加わる。間野山彫刻に関わった際は、由乃に過労で入院したのをきっかけに間野山へ来たことを明かし、町興しから離れたが、由乃や辰男たちの行動に触発され復帰した。みずち祭後は商店街で地域コンサルティングの事務所を開設した。

間野山観光協会

門田 丑松(かどた うしまつ)
声 - 斧アツシ、江口拓也(高校生)
観光協会の会長。チュパカブラ王国の初代国王でもあった。町興しのために大ファンだったアイドル「椿由乃(つばきよしの)」を呼ぼうとするが、彼女は既に亡くなっていたため、苗字違いで派遣されてきた木春由乃を仕方なく受け入れ、国王の座を譲る。頑固な性格と思いつきで先走る性格のせいでよくトラブルの原因を作ったり、由乃に面倒事を持ちこんだりするが、間野山への思いは熱い。時には真面目な意見を述べることもある。50年前はドクや千登勢と組んでバンド活動を行っていた。後にわだかまりのあった千登勢とも和解し、みずち祭を経て間野山の文化を尊重するためにチュバカブラ王国の解散を決意した。
山田 孝(やまだ たかし)
声 - 下野紘
観光協会の職員。茶髪の男性。美濃と共に会長に振り回されている苦労人。
美濃(みの)
声 - 濱野大輝
観光協会の職員。眼鏡の男性。既婚者。
信楽(しがらき)
声 - 小林操
観光協会の事務局長。いつもしかめっ面でいる。

間野山商店会

織部 千登勢(おりべ ちとせ)
声 - 伊沢磨紀、日笠陽子(高校生)
商店会の会長で、凛々子の祖母。「おりべ菓子処」を営む。丑松とは犬猿の仲であり、顔を合わすだけでも喧嘩を始めるほど。間野山に対する思いは丑松と同じだが、地元の伝統を第一に考えているため、好き勝手に振る舞う丑松をよく思っていない。息子が余所から嫁いだ女性と離婚した経緯から、町の人間でない余所者には厳しい。凛々子については過保護気味で、由乃たちについても本気で嫌っているわけではないが、余所者で観光協会所属なことから気難しい態度を取る。自分と商店会の考えが古いことを自覚し、商店会解散を提案したが、みずち祭り実行委員会に加わってからは、由乃たちにも協力的になる。
アンジェリカ
声 - 森なな子
喫茶店「Angelica」を営む女性。店名は子供の「エリカ」と「杏志」の名を合わせたもの。本名は「鈴木 知子(すずき ともこ)」。占いが趣味で、店のメニューにも「占いセット」がある。時には由乃たちの相談にも乗る。どこか浮世離れした性格で、エリカの家出も早苗たちに教えられるまで気づかなかった。
鈴木 エリカ(すずき エリカ)
声 - 黒沢ともよ
アンジェリカの娘で杏志の姉。中学二年生。態度や口調はぶっきらぼうで、田舎の間野山を嫌う。真希の弟の浩介に対して、密かに思いを寄せている。母と喧嘩して家出し、東京に行こうとしたが、由乃達に説得されログハウスで数日過ごす。杏志の家出騒動のあと、家族と和解し帰宅した。
野毛(のげ)
声 - 上田燿司、青木瑠璃子(少年)
本屋の店長。子供時代に通っていた本屋の店主が店を閉める際に店と建物を譲り受けたが、経営はあまりうまくいってない。高見沢や金田一とは幼馴染で、小学生時代に3人でシャイニングドラゴンを公園に埋めたことがある。女優の澤野萌のファン。当初は間野山が変わることを望んでおらず、由乃達の町興しも冷めた目で見ていたが、徐々に感化され、廃校を利用したブックカフェの開設を発案する。
一志(かずし)
声 - 興津和幸
間野山彫刻に携わる彫刻師。北海道出身。自身の仕事に誇りを持っている一本気な芸術家肌。亡くなった師匠の作品を引き継ぎ、注文主の逝去により注文がキャンセルされた後も彫り続けていた。
辰男(たつお)
声 - 野瀬育二
一志と同じ彫刻師。大阪出身。職人は稼げなければ意味がないと考えており、由乃たちには協力的。みずち祭りの神輿の飾り彫りを製作した。
熊野 克己(くまの かつみ)
声 - 羽多野渉
フランス料理店「ビストロ・ルルス」のオーナーシェフ。しおりの姉のさゆりの同級生。高校生だったころに、家庭科の料理で作ったフレンチトーストをさゆりに褒められて、フランス料理の道を目指し、高校卒業後にフランスへ渡航して修行した後に帰国、元・蕎麦屋であった父の店を改装して開業した。その後さゆりとは旅行に行くなど関係は進展している模様。
三浦 進(みうら すすむ)
声 - やまむらいさと
時計店を営む老人。
布部 雅美(ぬのべ まさみ)
声 - 所河ひとみ
ブティックを営む女性。
岩下 孝蔵(いわした こうぞう)
声 - 松田健一郎
畳屋の店主。
八木沼 節子(やぎぬま せつこ)
声 - 上田ゆう子
薬局の店主。
秋山(あきやま)
声 - 佐々木省三
八百屋の元店主で、現在は店を畳んで郊外で暮らしている。由乃たちからの洋菓子店に空き店舗を貸す依頼を断る。過去に店舗を若者に貸した上、借入金の保証人にまでなったが、夜逃げされた経験がある。商店会の余所者に対する風当りが強くならないように、会長の千登勢以外には事情を伏せていた。

間野山青年会

高見沢(たかみざわ)
声 - 小西克幸
路線バスの運転手。既婚者。野毛や金田一とは幼馴染。若いころは王国で王子役をやっており、昔間野山に来た幼少期の由乃と一緒に写真も撮っている。アンジェリカの店の常連客で食事をしていることが多い。
金田一(きんだいち)
声 - 野川雅史、樺山ミナミ(少年)
間野山の交番に勤務している警官。野毛や高見沢とは幼馴染。独身であり、青年会のお見合いツアー「どんと恋 間野山」に率先して参加する。
緑川 浩介(みどりかわ こうすけ)
声 - 小林裕介
真希の弟。高校3年生。由乃の町興しに期待し、彼女を応援する。エリカからは好意を持たれている。姉とは普通に話せる仲であり、実家に帰ってくるよう勧める。その後隣町の音大の打楽器科に合格した。
渋川(しぶかわ)
声 - 下妻由幸
フードファイター志望の元寿司屋。お見合いツアー「どんと恋 間野山」の参加者。
柿村(かきむら)
声 - 徳本英一郎
米やカブラなどを作っている農家の男性。お見合いツアー「どんと恋 間野山」の参加者。
平 一平(たいら いっぺい)
声 - 杉崎亮
団体職員。お見合いツアー「どんと恋 間野山」の参加者。厄年だったが、自己紹介でサバを読む。

間野山の人々

サンダルさん
声 - ヴィナイ・マーシー
ウクレレやハーモニカなどの楽器を持ち歩いている、金髪の外国人。次回予告のナレーションも担当。本名は「アレクサンドル・シーナ・デイビス・チェリビダッケ」。由乃たちからは変人と思われていたが、その正体は世界を放浪するマルチアーティストで、絵画や音楽など芸術の分野においては有名。曾祖母は間野山出身の日本人女性・椎名トキ子。曽祖父のアルベルト・デイビスと共に桜池の建設に携わり、池の畔にある功労碑には2人の名前も刻まれている。ミドルネームは曽祖父と曾祖母の名字である。
ドク
声 - 山路和弘、上田燿司(高校生)
「毒島(ぶすじま)製作所」の主人。丑松の旧友で、千登勢とも旧知である。東京の大学に進学した経験があり、パワードスーツや変形する自販機など日々発明品を開発している。発明品は変わった物ばかりだが、実用性に優れている物が多い。「間野山大そうめん博」の際は、由乃の依頼で「流されそうめん5DX」の製作を行った。
四ノ宮 貴之(しのみや たかゆき)
声 - 楠見尚己
しおりの父親。農家を営む。しおりに将来は家を継がずともいいので、好きに生きるよう諭す。
四ノ宮 千賀子(しのみや ちかこ)
声 - 今井詩子
しおりの母親。
四ノ宮 さゆり(しのみや さゆり)
声 - 能登麻美子
しおりの姉。隣町の病院で看護師を務めている。担当は小児科。自室のカレンダーが1年前の物だということに気付かないなど、どこか抜けている面がある。同級生だった熊野に好意を抱いていた。互いの勘違いから当時は告白できずにいたが、再会後は一緒に旅行に行くなど関係が進展している。
四ノ宮 雁十郎(しのみや がんじゅうろう)
声 - 古川伴睦
しおりの祖父。妻と共に孫娘の嫁ぎ先を気にしている。
四ノ宮 チヨ(しのみや チヨ)
声 - 有川知江
しおりの祖母。
緑川 巌(みどりかわ いわお)
声 - 星野充昭
真希の父親。小学校の教頭をしている。役者の道を選んだ娘と衝突したが、実は心配していた。
緑川 澄子(みどりかわ すみこ)
声 - 進藤尚美
真希の母親。よく衝突する夫と娘の仲を取り持っている。
門田 絹(かどた きぬ)
声 - 槇原千夏
丑松の妻。
鈴木 杏志(すずき あんじ)
声 - 巽悠衣子
アンジェリカの息子でエリカの弟。エリカが家出した際には、何とか戻って来てもらおうと願いがかなうと言われるシャイニングドラゴンを探しに家を出て騒ぎになった。
石川 玲香(いしかわ れいか)、三好 琴美(みよし ことみ)、岡田 多英(おかだ たえ)
声 - 斎藤楓子(石川)、榎吉麻弥(三好)、平良綾野(岡田)
真希が高校時代に所属していた演劇部の先輩たち。「血まみれサンタ」の劇に協力する。

蕨矢集落

鈴原 廉之介(すずはら れんのすけ)
声 - 中博史
文化人類学の元大学教授で、著作もある老人。20年前に山奥にある蕨矢集落へと移住し、独り暮らしをしている。由乃たちを「タヌキ」と呼んで、思わせぶりな言動で翻弄する。集落におけるバス路線問題の解決後に倒れ、帰らぬ人となる。その後に、鈴原らしき人物が残した掲示板の書き込みから、家の蔵の中から三種の祭具の一つ「剣鉾」が発見された。彼は移住者が地元に根を下ろして生きることを身をもって示し、早苗に感銘を与えた。
雅爺(みやじい)
声 - チョー
蕨矢集落の独居老人。若い女性のお尻が好き。
シゲ爺(シゲじい)
声 - 堀越富三郎
蕨矢集落の独居老人。きゅうりを作っている。
ゴロ爺(ゴロじい)
声 - 佐々健太
蕨矢集落の独居老人。
ヒデ爺(ヒデじい)
声 - 小林操
蕨矢集落の独居老人。元大工で引退した今も毎日道具の手入れを欠かさない。みずち祭りの新しい神輿を製作した。
美智代(みちよ)
声 - 横田砂選
蕨矢集落の独居老人。趣味はラジオ体操。
キヨ
声 - 仲村かおり
蕨矢集落の独居老人。

映画関係者

澤野 萌(さわの もえ)
声 - 水瀬いのり
映画「ふたたびの森」の主演女優。真希の後輩にあたる。明るい性格で、駆け出しながら役作りのためセミのから揚げを食べるなど、挑戦的で努力を欠かさない。その甲斐もあり、現在は若手売れっ子女優となっている。
葉山 大雅(はやま たいが)
声 - 松風雅也
映画「ふたたびの森」の主演男優。映画内で澤野にプロポーズするが、直後にゾンビに襲われてゾンビ化してしまった。
園田(そのだ)
声 - 浦山迅
映画「ふたたびの森」の監督。よく気まぐれで台本を変えるため、周囲からは迷惑がられている。
藤原(ふじわら)
声 - 古川慎
映画「ふたたびの森」の助監督。序列はサード。

報道関係者

久米 朋治(くめ ともはる)
声 - 一条和矢
北陸きときとテレビ局のアナウンサー。国王に就任した由乃を取材する。ぬるキャラ選手権地方大会の司会も務めた。選手権の時の由乃の演説を聞いて密かに彼女に注目しており、後に雨宮を連れて再び間野山へとやって来る。由乃達の町興しに注目してはいるが、あくまで視聴率優先のため、建国祭の取材を行った際には独断で番組の編集を行った。その後みずち祭開催にあたり、龍の唄の芝居にテレビ局発のアイドルを出演させようと観光協会に企画を持ち込むも、丑松に一蹴される。
雨宮 幸也(あまみや ゆきや)
声 - 加藤将之
北陸きときとテレビ局の報道部ディレクター。人気番組「放熱山脈」の担当で、間野山出身。「正直〜」と言葉に出すのが口癖。間野山と由乃たちを題材に番組を製作しようと考え、町を盛り上げようと事務所と交渉し人気ロックバンド「Ptolemaios」を呼ぶ。建国祭の特番が久米の独断で編集されたことに責任を感じており、みずち祭にテレビ局のアイドルを出演させる企画が持ち上がった際には、久米が持ち込むよりも先に企画を由乃達にリークした。

由乃の家族

木春 惣一郎(こはる そういちろう)
声 - 西谷修一
由乃の父親。地元である安住ヶ浦の町と家族を愛している。みずち祭りの際は家族の皆で間野山を訪れた。
木春 八重(こはる やえ)
声 - 仲村かおり
由乃の母親。しっかりした性格で、由乃を心配し、地元での就職を勧めている。
木春 汀(こはる なぎさ)
声 - 洲崎綾
由乃の妹。高校一年生。姉との仲は良い。彼氏持ちで地元愛もあり、将来は地元で就職・結婚を考えている。

その他

柊 聖美(ひいらぎ きよみ)、中津川 彩菜(なかつがわ あやな)、小山 泉(こやま いずみ)
声 - 桑谷夏子(柊)、安野希世乃(中津川)、櫻井浩美(小山)
間野山青年会のお見合いツアー「どんと恋 間野山」に参加した女性3人組。
菅 正樹(すが まさき)
声 - 最上嗣生
聖美の元彼。未練がある彼女を追いかけて間野山へやってくる。
Ptolemaios(プトレマイオス)
声 - 鳥海浩輔(Kinoshita)、手塚ヒロミチ(Tokichiro)、綿貫竜之介(Hideyoshi)
Kinoshita、Tokichiro、Hideyoshiの3人による人気ロックバンド。雨宮に呼ばれ、建国祭の目玉として間野山でライブを行った。マネージャーは北野寧々が務める。
工藤 将晴(くどう まさはる)
声 - 片山公輔
隣町の富蔵市にある株式会社「アゾレス」の代表取締役。間野山二中のOBで、3つの支店を構える人気洋菓子店「ベレン」を営んでおり、間野山商店街での4つ目の店舗開業を計画し、観光協会に話を持ちかける。
ナウマン市長
声 - エリック・ケルソー
サンダルさんの故郷の市長。たまたま観光で金沢の兼六園を訪れていたところ、姉妹都市の提携を思いついた丑松に連れられ、間野山にやってくる。ノリが良く、間野山では神輿を担いだり丑松と意気投合したりしていた。

用語

地名・施設

間野山(まのやま)
本作の舞台となる田舎町。かつては観光業で賑わっていた。今は住民の少子高齢化が進み、商店街もシャッター通りと化している。もっとも、観光協会の意向に反して、住民の多くは現状維持を希望し、あまり町の変化を願っていない。しかし、由乃たちの様々な活動やみずち祭りの復活を経て住民の意識も変わり始めている。
チュパカブラ王国
間野山のミニ独立国。8月27日が建国日。桜池の前に王宮がある。かつての名前は「カブラ王国」で、カブを全面に押し出し、「カブラ君」というマスコットもいたが、丑松の手で「チュパカブラ王国」へと改名された。現在は廃れてしまっている。最終話にて、王国の解散が丑松によって宣言された。
蕨矢集落(わらびやしゅうらく)
間野山においてかなり山奥の方に存在する集落。三種の祭具を探すため由乃たちが訪れた際には、バス路線廃止決定の問題が浮上していた。後に由乃たちの活躍で、住人にネット環境を整えさせ、デマンドバスを導入することで問題は解決した。
安住ヶ浦(あずみがうら)
由乃の故郷。漁業が産業の中心である港町。間野山同様、シャッター商店街と人口流出が問題となっている。船神輿を担ぐ「安住祭り」が毎年行われており、最近では有名になったためか、祭りを見に県外からやって来る人も多い。
間野山第二中学校
10年前に廃校になった中学校。再来年取り壊しが決定している。真希は最後の卒業生。存続か廃校で揉めたあげく正式な閉校式が行われず、校舎は閉鎖されていたが、10年遅れの閉校式が行われたあと、地域住民のために開放されることになった。物置からは、祭具の吊太鼓が発見されている。事故にあったサンタクロースが校内をさまようという「血まみれサンタ」の伝説があり、閉校式の真希の演劇のテーマになった。
桜池
チュパカブラ王国の目の間にある大きなため池。周囲には美しい桜並木が広がり、間野山の住民の憩いの場となっている。みずち祭りの際、この水上を神輿が渡るのが伝統となっており、池の水を全て抜いた時に50年前に会長が沈めた当時の神輿の残骸が発見されている。付近には龍の祠と共に、桜池の工事に関わった功労者の名前が刻まれた石碑が置かれている。モデルはP.A.WORKS本社に隣接する「桜ヶ池」。

間野山関係

間野山彫刻
国の伝統工芸にも指定されている由緒ある彫刻で、仏像や欄間が多い。現在、後継者不足に悩んでいる。町興しの一環として「桜池ファミリア計画」の題材に選ばれる。
そうめん
間野山では小麦が取れることから、そうめんが町の名産品であり、住民も好んで食する習慣がある。観光協会企画の「間野山大そうめん博」は多くの来場者で賑わった。
間野山踊り
間野山に古くから伝わる踊り。女子ならば全員が子供のころに習うといわれる。昔、間野山の池に恐ろしい龍の娘が住みついたが、賑やかなことが嫌いなため、音と踊りで賑やかせることで町に近づけさせないよう考案されたという伝承があり、実際に龍の石像が祭られている。知恵のある龍と仲良くなろうとするためだったという言い伝えもあったが、そちらは「龍の唄」と共に忘れられてしまった。
瑞池祭り(みずちまつり)
かつて間野山で行われていた祭事。神輿を乗せた筏で桜池を渡るという、水上で行われる祭りだったが、50年前に丑松がおこした騒動で神輿が池に沈み、その後は神輿も引き上げられることはなく、その年で祭りは終了となった。現在では祭りは過去のものとなり、必要となる三種の祭具「剣鉾」、「吊太鼓」、「黄金の龍」も全て行方不明になっている。後に、蕨矢集落の鈴原家の蔵で「剣鉾」が、間野山第二中学校の物置で「吊太鼓」が発見され、未発見の黄金の龍はシャイニングドラゴンで代用することとなり、観光協会の協力や住民たちの支援の下で、祭りの復活がなされた。

その他の用語

ふたたびの森
俳優の澤野萌や葉山大雅が出演した低予算ホラー映画。間野山でロケが行われ、観光協会の面々が撮影に協力し、町民もゾンビ役などエキストラで出演した。
クリプティッド12(クリプティッドトゥウェルブ)
未確認生物を調査・研究する、自称・「選ばれし12人」の外国人の若者たち。スペイン語を話す。メンバーはリーダーのセルジーニョ、ルシア、コンステンサ、カルロスなど。チュカパブラの目撃例を知り間野山にやってくる。当初8人が来日し、間野山に一軒だけある民泊登録されていた空き家に泊まっていた。さらに4人が来日したため、由乃たちは旅館業法に触れないように無料で泊まれる空き家を紹介した。桜池の池干しを見届けたあと、町を離れた。
ザ・ガレージバンド
50年前、高校生だった丑松(ボーカル・ギター)、千登勢(ボーカル・ベース)、ドク(ドラム)の3人が組んでいたバンド。千登勢の発案で、ドクの大学進学にあわせて上京しようと計画。みずち祭りの夜、駅で待ち合わせるが、丑松は間野山から逃げることを拒否し、祭りで騒動を起こしたため、上京はかなわなかった。当時のあだ名は丑松が「ビフ(丑=牛のビーフから)」、千登勢が「オリーブ(織部のもじりから)」、ドクが「ポイズン(毒島の毒から)」だった。
シャイニングドラゴン
小学生時代の高見沢・金田一・野毛が桜池の裏山で発見した黄金の龍。願い事を一つだけ叶えてくれる伝説の秘宝という噂があった。3人で願い事を決められる時まで公園に埋めると約束し、埋めた場所は暗号文にしていた。祭具の黄金の龍ではないかと思われたが、実は龍の形のおもちゃだった。その後、由乃の提案でみずち祭りの新しい神輿の屋根飾りになった。

スタッフ

  • 原作 - Alexandre S.D. Celibidache
  • 監督 - 増井壮一
  • シリーズ構成 - 横谷昌宏
  • キャラクター原案 - BUNBUN
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 関口可奈味
  • プロップデザイン - 鍋田香代子
  • 美術監督 - 佐藤歩
  • 美術設定 - 宮岡真弓、塩澤良憲、小木斉之
  • 色彩設計 - 中野尚美
  • 撮影監督 - 横山翼
  • 3D監督 - 小川耕平
  • 編集 - 高橋歩
  • 音響監督 - 飯田里樹
  • 音楽プロデュース - (K)NoW_NAME
  • 音楽 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki
  • 音楽プロデューサー - 三上政高
  • プロデューサー - 齋藤雅哉、小林宏之、相馬紹二
  • ラインプロデューサー - 山本輝
  • アニメーション制作 - P.A.WORKS
  • 製作 - サクラクエスト製作委員会

主題歌

オープニングテーマ
「Morning Glory」(第1話 - 第13話)
作詞 - (K)NoW_NAME:eNu / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - (K)NoW_NAME:NIKIIE
「Lupinus」(第14話 - 第24話)
作詞 - (K)NoW_NAME:Genki Mizuno / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:R・O・N / 歌 - (K)NoW_NAME:Ayaka Tachibana
エンディングテーマ
「Freesia」(第1話 - 第13話、第25話)
作詞 - (K)NoW_NAME:Genki Mizuno / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:R・O・N / 歌 - (K)NoW_NAME:Ayaka Tachibana
「Baby's Breath」(第14話 - 第24話)
作詞 - (K)NoW_NAME:eNu / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Shuhei Mutsuki / 歌 - (K)NoW_NAME:NIKIIE
挿入歌
「はじまりはいつもミステイク」(第3話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - 椿由乃[(K)NoW_NAME:eNu]
「thyme」(第7話)
作詞 - (K)NoW_NAME:AIJ / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - (K)NoW_NAME:NIKIIE
「龍の唄」(第11話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - 織部凛々子(田中ちえ美)
「Alcedo Atthis」(第13話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
「gravity」(第13話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
「Ptolemaic system」(第13話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
「薔薇が咲きやがった」(第16話)
作詞 - 横谷昌宏 / 作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - 門田丑松(江口拓也)& 織部千登勢(日笠陽子)
「瑞池祭「龍の唄」演劇 -急-」(第25話)
作詞・作曲・編曲 - (K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki / 歌 - 織部凛々子(田中ちえ美)

各話リスト

放送局

BD / DVD

Web番組

動画番組『間野山観光協会作戦報告会議』が、2017年2月15日から9月27日までニコニコ生放送にて配信された。全16回。出演は七瀬彩夏(木春由乃 役)、上田麗奈(四ノ宮しおり 役)、安済知佳(緑川真希 役)、田中ちえ美(織部凛々子 役)、小松未可子(香月早苗 役)。

キャラクターラジオ『チュパカブRADIO』が、2017年4月6日から9月27日までサクラクエスト制作委員会が作成したウェブサイト「間野山観光協会」にて平日に配信されていた。全122回。木曜は木春由乃(キャラクターボイス〈cv〉:七瀬彩夏)、金曜は香月早苗(cv:小松未可子)、月曜は緑川真希(cv:安済知佳)、火曜は四ノ宮しおり(cv:上田麗奈)、水曜は織部凛々子(cv:田中ちえ美)が担当。

漫画

古日向いろはの作画によるコミカライズがまんがタイムKRコミックス(芳文社)より刊行されている。単行本第1巻第1話の内容は、芳文社の漫画雑誌『まんがタイムきららフォワード』2017年6月号(2017年4月24日発売)に「特別掲載」と銘打って先行発表された。

また、まっくすめろんによるスピンオフ漫画『サクラクエスト外伝 織部凛々子の業務日報』が、描き下ろしでまんがタイムKRコミックス(芳文社)より2017年7月12日に刊行された。単行本第1巻第1話から第2話までの内容は、本編コミカライズ版と同様『まんがタイムきららフォワード』2017年7月号(2017年5月24日発売)に「特別掲載」として先行発表された。

  • 古日向いろは(漫画)・Alexandre S.D. Celibidache(原作) 『サクラクエスト』 芳文社〈まんがタイムKRコミックスフォワードシリーズ〉、全5巻
    1. 2017年5月12日発売、ISBN 978-4-8322-4834-2
    2. 2017年6月12日発売、ISBN 978-4-8322-4845-8
    3. 2017年9月12日発売、ISBN 978-4-8322-4871-7
    4. 2018年3月12日発売、ISBN 978-4-8322-4928-8
    5. 2018年10月11日発売、ISBN 978-4-8322-4984-4
  • まっくすめろん(漫画)・Alexandre S.D. Celibidache(原作)『サクラクエスト外伝 織部凛々子の業務日報』、芳文社〈まんがタイムKRコミックスフォワードシリーズ〉、全2巻
    1. 2017年7月12日発売、ISBN 978-4-8322-4853-3
    2. 2018年2月9日発売、ISBN 978-4-8322-4919-6
  • Alexandre S.D. Celibidache(原作)『サクラクエストアンソロジーコミック』、芳文社〈まんがタイムKRコミックスフォワードシリーズ〉、2017年8月10日発売、ISBN 978-4-8322-4864-9

小説

P.A.BOOKS(P.A.WORKS)から電子書籍として全6編が2019年9月7日に一斉配信。表紙イラストは全て古日向いろはが担当。

  • サクラクエスト エピソードゼロ 東京の星(著:横谷昌宏)
  • サクラクエスト エピソードゼロ 火ノ川温泉殺人事件(著:入江信吾)
  • サクラクエスト エピソードゼロ 森の木Bは白雪姫の夢を見るか?(著:横谷昌宏)
  • サクラクエスト エピソードゼロ 早春の闖入者(著:入江信吾)
  • サクラクエスト エピソードゼロ 限界集落プロブレマティカ(著:入江信吾)
  • サクラクエスト エピソードゼロ 薔薇が咲きやがった(著:横谷昌宏)

タイアップ

2017年8月29日、本作の舞台である間野山市のモデルとされる富山県南砺市は、架空の都市である間野山市と姉妹都市提携することを発表した。10月9日に行われた調印式には、東宝のプロデューサー・斎藤雅也と木春由乃役の七瀬彩夏が登壇した。P.A.WORKSの菊池宣広は、南砺市と連携した新プロジェクト「桜ケ池クエスト」を発表した。詳細は『サクラクエスト』公式サイトなどで随時公開される。

出典

関連項目

  • 地域おこし
  • ミニ独立国

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 間野山観光協会
  • TVアニメ「サクラクエスト」公式 (@manoyama_PR) - X(旧Twitter)
  • TVアニメ「サクラクエスト」|水曜アニメ<水もん>|朝日放送

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: サクラクエスト by Wikipedia (Historical)