将棋のアマチュア棋戦(しょうぎのアマチュアきせん、アマチュアの将棋大会)について説明する。
上記の参加資格を満たすものは誰でも参加できる棋戦である。
オープン棋戦のうち下表の6大会の優勝者(支部名人戦の場合は東西決戦の勝者)は、優勝から1年以内に希望すれば奨励会三段リーグ編入試験を受験できる(2007年からの制度) 。
また、22歳以下で下表6大会および学生名人戦、学生王将戦で優勝または準優勝した者は、奨励会の初段受験ができる(1997年からの制度)。
また、参加の権利を得たプロ棋戦でプロを相手に相当の活躍をすれば、プロ編入の道がある。
これら6大会の歴代優勝者は、末尾の主要な個人戦の歴代優勝者一覧 を参照。
読売新聞社・日本将棋連盟共催の大会。「読売アマ将棋日本一決定戦」を発展させる形で始まった。全国大会のベスト4以上はプロ棋戦である竜王戦6組への出場資格を得る
例年1月から5月にかけて都道府県単位で予選が行われ、6月に代表者56名による全国大会が行われる。全国大会の予選リーグはアマ名人戦同様、14組4名ずつによる2勝勝ち抜き制となる。ただし3回戦は同一ブロックではなく、1勝1敗となった全員を再度抽選して対戦相手を決める。
優勝1回でアマ七段、第19回以降の大会での優勝通算3回でアマ八段が授与される。
2020年・2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会自体が中止となったが、ただし2021年については代替大会として「2021アマチュア竜王戦特別大会 -35期竜王戦出場者決定戦-」として、直近5大会でのベスト4進出者および主催者推薦により選ばれた16名が参加して行われた(ベスト4進出者が竜王戦6組ランキング戦に出場する)。
日本将棋連盟主催、全国地方新聞社後援、共同通信社協賛で行われる大会。全国大会の優勝者は棋王戦コナミグループ杯予選への出場資格を得る。また、プロ名人と記念対局を行う(プロ名人の角落ち)。
例年1月から6月にかけて都道府県単位で予選が行われ(複数の代表が選出される地区もある)、8月ないし9月に予選勝ち抜き者と前年度のアマ名人などによる64名で全国大会が行われる。全国大会は4名ずつ16ブロックに分かれた予選リーグと決勝トーナメントからなる。予選リーグは2勝勝ち抜き制で、
という形で行われる。
2020年は新型コロナウイルスの影響で中止。
優勝1回でアマ六段、優勝3回でアマ七段が授与される。
日本将棋連盟主催、囲碁・将棋チャンネル後援の大会。全国大会の優勝者と準優勝者はプロの公式棋戦銀河戦本戦(ブロックトーナメント)への出場資格を得る。
例年9月から10月にかけて地区単位で予選が行われる。この予選は他のアマチュア大会と異なり、居住地による出場地区の縛りがないため、参加者にその意思があれば予選を通過しない限り1人で全ての地区予選に参加することも認められている。12月に予選勝ち抜き者と招待選手(前年度の優勝者、他大会の優勝者)21名による全国大会が行われる。全国大会の予選は前年度の優勝者を除く20名で行われ、
の勝ち抜き者と前年度の優勝者の16名による決勝トーナメントが行われる。 以前は毎日新聞が共催していた。
日本将棋連盟主催の大会。
参加できるのは、同連盟の支部会員および個人会員のみ。支部会員は所属支部のある都道府県予選、個人会員は居住地の都道府県予選に出場できる。最初に地区大会を行う都道府県もある。東地区代表と西地区代表の1名ずつが対戦(例年4月ないし5月)し、勝者が「支部名人」となる。第33期竜王戦までは「支部名人」に竜王戦6組への出場推薦枠が設けられていた。
朝日新聞社主催の大会。朝日アマ名人と全国大会ベスト8以上の9名が朝日杯将棋オープン戦の予選への出場資格を得る。
例年9月から12月にかけて予選が行われ、予選を勝ち抜いた32名によって翌年3月に決勝トーナメントが行われる。主要なアマチュア棋戦では唯一のタイトルマッチ形式であり、全国大会の優勝者と前年度の朝日アマ名人が三番勝負を戦い、2勝した者が新たな朝日アマ名人となる。このため、他の大会に比べて連覇が発生しやすいという特徴がある。また、日本アマチュア将棋連盟が開催協力となっているため、予選からの全ての対局に於いて同連盟のレーティング対象となる。
朝日アマ名人のうち、第29期の吉田正和および第37期の今泉健司の二人は、朝日アマ名人となった1年以内に奨励会入りしたため、次期全国大会(第30期および第38期)ではトーナメント優勝者がそのまま朝日アマ名人となった。優勝1回でアマ六段が授与される。2015年の第38期より女性選抜枠が新設されたが僅か2年で廃止され、2017年の第40期よりその年の女流アマ名人が招待選手として参加することとなった。
しんぶん赤旗が主催する大会で「初心者から強豪までだれでも参加できる大会」をうたう。通称「赤旗名人戦」。将棋の優勝者は新人王戦への出場資格を得る。
例年8月から10月にかけて日本全国の250カ所以上で地区大会、10月に都道府県大会が行われ、11月に都道府県代表と招待選手計56名による全国大会予選リーグ(4名ずつの2勝勝ち抜き制)が行われ、勝ち抜き者28名による決勝トーナメントが行われる。
色付きは、後に棋士(プロ)となった者。
朝日アマ名人戦以外の5棋戦では年度と決勝年が一致しているが、朝日アマ名人戦だけは、年度は決勝を行う年の前年とされている。たとえば、第1期朝日アマ名人戦は1977年度であるが、決勝は1978年である。
その他説明は、上述のオープン棋戦 を参照。
囲碁・将棋チャンネル、全国各地のケーブルテレビ局が主催する大会。優勝者と準優勝者はアマチュア王将戦全国大会への出場権を、また優勝者は銀河戦本戦トーナメントへの出場資格を得る。
2011年に第1回ケーブルテレビ局選抜将棋選手権大会として開始された。2012年の第2回大会より、大会を真のアマチュア一流棋戦に育てるという目標のもと、メインタイトルを将棋アマチュア銀河戦に改称。
主催者として参加している各ケーブルテレビ局主催の大会で優勝した者によって、将棋倶楽部24のインターネット対局によって実施される「ケーブルテレビ局選抜将棋選手権大会」が本大会の本戦を兼ね、これを勝ち抜いた2名が囲碁・将棋チャンネル「竜星スタジオ」で収録される決勝戦を戦う。決勝戦は後日囲碁・将棋チャンネルで放映される。
2014年の第4回大会までは全国各地のケーブルテレビ局の所在地で開催する「各ケーブルテレビ局大会」およびネット対局で行われる「ひかりTV杯」の優勝者により、11月にネット予選(第3回までは将棋倶楽部24、第4回は将棋ウォーズでの開催)が行われ、勝ち抜いた上位者が東京・将棋会館で行われる全国大会に出場した。2014年の第4回大会よりひかりTVが主催に加わり、2018年の第8回大会まで将棋ウォーズで行われる「ひかりTV杯」が予選の一つとして開催された。予選がすべてインターネット対局に変更された2015年の第5回大会は、ケーブルテレビ杯から3名、ひかりTV杯から1名の計4名が全国大会に進出した。
また、第1回から第5回までは全国大会出場4名がアマチュア王将戦全国大会出場権、第2回から第5回までは優勝者と準優勝者2名が銀河戦本戦トーナメントに出場した。
囲碁・将棋チャンネルが運営する会員制ネットサービス「将棋プレミアム」が主催する大会。2016年開始。出場資格は将棋プレミアムの会員であること(出場登録後に退会しても出場可)。
出場者は自己申告した棋力により、銀河クラス(5段以上)、段位クラス(初段〜4段)、級位クラス(1級以下)の3クラスに分かれ、将棋ウォーズで本戦対局を行い、順位を決定する。銀河クラスのみ、本戦の上位8名により囲碁・将棋チャンネル「銀河スタジオ」でリアル収録対局による全国大会を行い、優勝者は銀河戦本戦トーナメントへの出場資格を得る(ただし、優勝者は同時に同年のアマチュア銀河戦出場資格を喪失する)。全国大会の模様は将棋プレミアムで放送される。
日本将棋連盟、加古川市、加古川市ウェルネス協会主催で行われる将棋の大会。プロの加古川青流戦第3期(2013年)より、付随してアマチュア大会も行われるようになった。
参加資格はアマチュア四段格以上の実力者で、応募者多数の場合は前回のベスト8、四段以上の免状取得者の高段位順に優先される。勝ち残り式トーナメントだが、A、B2つのブロックに分け、それぞれ優勝者を決める特徴がある。ブロックごとの優勝者は、加古川青流戦への出場資格を得る。
日本アマチュア将棋連盟(アマレン)が主催する全国大会。元は1989年に大阪で開始した平成アマ最強戦を始まりとし、1992年より日本アマチュア将棋連盟が運営を担当することとなった。全国レーティング選手権とは違い予選大会や事前エントリーはない。過去には1月に東京都、8月に大阪府と年に2度開催されていた時期もあったが現在は年に1回、8月に東京で行われているのみである。レーティング選手権と違い無差別級のみしかないにも関わらず優勝賞金が高額のためか毎年200人前後の参加者がある。参加者やそれを取り巻く将棋ファンの間では「平成最強戦」または「最強戦」で定着しているが、年に2度開催されていた時代はそれぞれ「平成最強戦=東京」、「平成最強戦=大阪」という名称で区別されていた。大阪大会が廃止となった後もその名残から「平成最強戦=東京」が正式の大会名称でありアマレン機関誌や公式HPではそのように案内されていた。平成から令和への改元に伴い、アマレンのウェブサイトでは「令和○年アマ最強戦」という表記に変更され、通称としては「令和最強戦」となる。
「最強戦」という大会名だが優勝者に対し称号や段位の授与はなく、全国大会でありながら三段リーグ編入試験の受験資格は得られない。1度も大会に参加したことのない強豪も多数存在していると思われ、優勝しても必ずしも最強とは言えない。
2013年から「平成最強戦ジュニア」が新設され、こちらはA級、B級の他に女流戦もある。かつては大会当日にイベントとして1Dayトーナメント形式の「ミニ最強戦」が行われていたが現在は廃止。2014年大会より復活したが、翌2015年に開かれたアマレン会報誌300号到達記念大会が「アマレン将棋ファン交流会」として2016年以降も継続されることになり、これに代わる形でミニ最強戦は終了した。
日本アマチュア将棋連盟主催の大会で、同連盟事務局のある三重県四日市市で開かれる。通称、全国「R」選手権。全国大会だが、優勝しても三段リーグ編入試験受験資格は得られない。
招待選手30人(先着順で、同連盟公認レーティング2050点以上の希望者。別途エントリー料が必要)、ブロック大会(北海道・東北・関東・東京・北陸・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄の各地区で定められた有資格者)を勝ち抜いた代表選手30人、毎年本大会直前に四日市市で開かれる特別予選会を勝ち抜いたゲスト選手4人の計64人が対象。代表選手の交通費は主催者負担。スイス式トーナメント5回戦を行い、上位16人で決勝戦を実施する。ベスト16まで賞金がある。
同時にA級戦(レーティング1950点〜1601点で、2050点以上未到達者対象)、B級戦(レーティング1600点以下で、1750点未到達者対象)も行われる。かつてはC級戦があった時期もあり、ブロック大会を勝ち抜いた代表選手16人、特別予選会を勝ち抜いたゲスト選手4人の計20人が対象だった。スイス式トーナメント4回戦で各級3位まで賞金がある。公認レーティング対象で交通費などは自己負担となる。近年はこれらの級の予選をやるブロックが減っており、かつては当日飛び入り参加を認めていたものの、それでも交通費などが自己負担のため、遠方からの参加者は伸び悩んでいた。そのため、最近ではA級やB級でも招待選手の制度を採り、先着順で別途エントリー料を納付すれば予選に出なくても当日参加出来る。それでも年々高くなるエントリー料と自己負担である点がネックとなり、定員割れとなる年もあるなどしており、また遠方からの参加は少なく、どちらの級も地元および近隣の参加者で占められることが多い。
なお、日本アマチュア将棋連盟の主催であるが、同連盟の会員でなくとも参加資格さえ満たしていれば誰でも予選に出場でき、勝ち抜けば会員と同様に代表の資格を得ることが出来る。また、上記A級戦およびB級戦への当日飛び入り参加も会員であるか非会員であるかに関わらず可能である。
2015年よりB級の招待選手枠が廃止され、代わって選手権級の招待枠が40人に拡大された。2017年の第39回大会からエントリー料納付による招待選手は有資格者発表の時点での会員のみに限られることとなった。しかしエントリーと同時に入会することを条件にエントリーが認められている。
2019年より増枠され、前年の女子アマ王位戦優勝者が女流枠として招待される、前年の選手権優勝および準優勝者が招待されるなど、大幅な改革が行われた。
2020年より12月の有資格者発表までに基準点未満でも、3月末の大会までに基準点に達せばエントリーの資格を追加で得ることが出来るようになったが、新型コロナウイルスCovid-19の影響により創設以来初の中止となった。既に決定している代表者およびエントリーに依る招待選手は翌年に繰り越される事となったが、翌2021年も大会は行われなかった。
略称GC戦。その年の最強アマを決定する棋戦である。日本アマチュア将棋連盟主催。7〜8月ごろに大会が開催される。スイス式トーナメント方式(2006年は6回戦まで実施)で行われ、規定に従って順位が決定される。ここ数年は行われていない。
将棋は一般の人々(アマチュア)にも広く知られたゲームであるが、段級位制はアマチュアとプロでは異なる基準を採用しており、伝統的にはアマチュアの三段〜四段クラス(主要アマチュア棋戦の県代表争いレベル)がプロ予備軍(奨励会)の6級に相当するとされていた。ただし、最近はアマも最新の将棋情報を手に入れやすくなったこと、元奨励会員のアマチュア参加やプロアマの対局など、プロ、奨励会との交流が盛んになったこと、また通信対局が普及し、遠隔地にいる強豪者どうしの練習対局が簡単にできるようになったことなどにより、現在ではアマの最上級者(主要アマ棋戦優勝争いクラス)はプロの底辺(順位戦C級2組下位またはフリークラス)と同等に近い実力があるとされる。
過去にもアマチュアながらプロに匹敵する実力を持つ者が現れることがまれにあり、彼らの中には真剣師として賭け将棋を生業とする者もいた。花村元司は、真剣師として生計を立てたのち、1944年にプロ編入試験を受けて棋士となった。後に名人戦で大山康晴名人に挑戦するほどまでの実力だったが、タイトル奪取はならなかった。
また、1948年の第3期順位戦には、アマチュア枠が設けられ(第5期までで廃止)、1958年の第9期九段戦予選にも、アマチュア選手が招待された。順位戦(C級2組またはC級乙組)では勝ち越す者も出るなど、トップアマの実力は侮れないものがあった。しかし、1961年の第12期九段戦を最後に公式戦のアマチュア枠は廃止され、公の場でプロとアマチュアが対等に戦うことはなくなった。
1978年、非公式戦ながら『将棋世界』誌の企画で若手棋士とアマチュア選手の対局企画が実現。この時は棋士の全勝だったが、花村と同じく真剣師であった小池重明が飯野健二相手に初勝利を挙げた。小池はプロとのお好み対局で数々のプロを連破し、またアマ名人を2期連続で獲得するなど、実力はアマチュア界で頭1つ抜きん出ていた。その後、当時の大山康晴将棋連盟会長の計らいもあり、プロ入りを棋士総会の票決に掛けられたが、素行などが懸念材料となりプロ入りは否決された。プロ入りこそ実現しなかったが、死後、小池の生涯を扱ったTV番組や書籍が放送・出版されている。
かつてはアマチュアとプロとの対局は、新聞や雑誌の企画としてのお好み対局や、将棋教室やイベントの中で指導対局が行われたりする程度であったが、1988年の竜王戦で、プロ公式戦のアマチュア枠が復活した。現在では、アマチュア棋戦の成績優秀者が参加可能なプロ公式戦は複数存在している(竜王戦、叡王戦、棋王戦、朝日杯、銀河戦、新人王戦、YAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦)。小林庸俊、天野高志、桐山隆、遠藤正樹、山田敦幹、吉澤大樹、石井豊など、先述の公式戦でプロに対して勝利するアマ強豪も複数現れ、2000年以降では加藤幸男、清水上徹といった大学棋界で実力を磨いた新しい世代のアマチュアが活躍している。近年では町道場や支部、職場で腕を磨いた強豪以外に、インターネット将棋からアマ強豪の仲間入りをした浅田拓史を代表とするアマも出始めている。
また、奨励会を退会した者がアマチュア選手として活躍する例も増えてきている。過去には元奨励会員がアマチュアの大会に出ることを好ましくないとする風潮もあったが、近年は下火になっている。加部康晴、桐山隆、秋山太郎、小牧毅、池田将、加來博洋、稲葉聡などは全国大会でも常連である。加來は赤旗名人戦優勝の資格で出場した2010年の第41期新人王戦で決勝に進出し、阿部健治郎相手の三番勝負に1勝2敗で優勝こそならなかったものの、史上初の公式棋戦でのアマチュアの準優勝を達成した。稲葉は2015年の第5期加古川青流戦で決勝に進出し、増田康宏相手の三番勝負を2勝1敗で制し、史上初の公式棋戦でのアマチュアの優勝を達成した。
瀬川晶司は奨励会を年齢制限で退会したが、アマチュア選手としてプロ棋戦に参加し、特に銀河戦においてめざましい活躍を残し、プロ相手に一時7割を超す勝率をあげた。2005年、瀬川はプロ編入を希望する嘆願書を日本将棋連盟に提出、特例として六番勝負の編入試験を経て、奨励会を退会した者としては初めてプロ入りが認められた。元の職場であったNECとはスポンサー契約を結んでおり、これも将棋界初のできごとである。瀬川のプロ編入を受け、翌2006年、将棋連盟はアマチュアおよび女流棋士のプロ(正棋士)への編入制度を正式に導入し、四段(順位戦はフリークラス)および奨励会三段リーグへの編入試験の要項を発表した。
瀬川と同じく奨励会を年齢制限で退会した今泉健司は、瀬川のプロ入り後に整備されたアマチュアからの奨励会およびプロへの編入試験制度を活用してプロ入りへの再挑戦を続けた。2006年にアマチュア竜王戦で優勝し、その資格で奨励会三段編入試験を受験して合格し、同制度による初の三段編入を果たしたが、規定となる三段リーグ2年4期の間に四段昇段を果たすことはできず、二度目の奨励会退会となった。その後もアマ主要大会で上位入賞を続けプロ公式戦に出場して勝利を重ね、2014年の朝日杯将棋オープン戦で、「対プロ棋士戦績で10勝かつ勝率6割5分以上」を達成し、プロ編入試験の受験資格を得ると受験を表明した。同年9月から実施された編入試験では四段のプロ棋士5人との五番勝負に3勝1敗と勝ち越し、制度化されたプロ編入試験(現・棋士編入試験)における第一号の合格者となった。その一方で加來や稲葉の様に編入試験の受験資格を得ながら行使(受験)しなかった者もいる。
折田翔吾も奨励会を年齢制限で退会した後、主要アマチュア棋戦での優勝こそなかったが、銀河戦に2期連続で出場しプロ相手に10勝2敗の好成績を上げて棋士編入試験の受験資格を得て受験した。2019年11月から実施された編入試験でプロ棋士との五番勝負に3勝1敗と勝ち越し合格した。折田は奨励会退会後、自らのオンライン将棋ゲームの対局や他者の棋譜の解説をインターネットの動画配信サービスで配信するYouTuberとして活躍しており、棋士編入試験の対局料50万円もクラウドファンディングによって募集し目標額の6倍弱の資金を集めることに成功するなど、2010年代後半に一般化したインターネットサービスを通してアマチュアとしての活動を盛んにアピールした。
小山怜央は主要アマチュア棋戦のうち朝日アマ名人を除く大会で優勝歴を持ち、2022年9月に棋士編入試験の資格を得て受験。2022年11月から実施された編入試験でプロ棋士との五番勝負に3勝1敗と勝ち越し合格した。奨励会の受験歴はあるが不合格で、現行の規定では史上初めて奨励会在籍経験のないプロ棋士となった。
社会人代表チームと学生代表チームによりアマチュア将棋団体日本一を決める大会。前年の職域団体対抗将棋大会(職団戦)S級総合優勝チームと学生将棋団体対抗戦(学生王座戦)優勝校とで争われる7人制の団体戦である。持ち時間は各75分(対局時計使用)で、切れたら1手1分以内。
リコーが主催、日本将棋連盟・朝日新聞社・全日本学生将棋連盟が後援している。かつては週刊将棋も後援していた。1989年創設。第20回大会(2008年)よりリコー杯の名を冠した。[5]
朝日新聞社と日本将棋連盟が主催する職域別の団体戦。職団戦と略される。職場(会社、工場、役所など)を同じくする5名で編成されたチームが参加する。前回大会の成績により、S級とAからF級の計7クラスに分かれ、それぞれクラス優勝を争う。最上級のS級優勝チームには内閣総理大臣杯が授与される。毎年2回、春と秋に開催されている。
日本将棋連盟の主催で、日本将棋連盟の支部のみ参加資格がある。同一の支部でアマチュア三段以下の支部会員3名1チームで参加し、各都道府県ごとの予選を勝ち抜いたチームが東西2ヶ所で大会を行う。
東京アマチュア将棋連盟(東将連)が主催している。職域団体対抗戦とは異なり、1チーム7人であればどのようなチーム編成でも参加できる。「社会人」と付くが、7人全て小学生や中学生のみのチーム編成も可。
毎日新聞社と日本将棋連盟が主催。同じ市区町村に在住・在勤・在学の一般2人、シニア(60歳以上)・女性・高校生・中学生・小学生各1人の計7人で団体戦を行う。2005年から4回行われたが、不況の影響で、2009年の第5回大会が休止に追い込まれた。
参加資格を学生に限った棋戦もある。基本的には学校の種別ごとに棋戦が行われるが、すべての学生に参加資格のある棋戦も存在する。
全国を地区別のブロックに分けて個人戦と団体戦がそれぞれ年2期、春と秋に行われている。その中で成績の優秀な選手、または大学が全国大会に進出する。
現在は北海道・東北・関東・北信越・中部・関西・中四国・九州の8地区に分けられている。
※なお、学生王将戦および学生王座戦は日本アマチュア将棋連盟も協賛のため、レーティング対象にはならないが、同連盟の公式HPにて一定期間、王将戦優勝者の顔写真および王座戦優勝大学の集合写真が掲載される。
※高専生も、3年生までは高校棋戦に参加できる。
男性が参加できるプロ公式棋戦は、アマチュア大会の優勝者などでない限りアマチュアは出場できないが、女流棋戦の場合にはアマチュアが直接出場できるプロ棋戦も存在する。申し込めば誰でも出場できる女流王座戦のアマチュア予選、有段者であれば出場申込みできるマイナビ女子オープンの「チャレンジマッチ」がこれに該当する。特に後者は、アマチュアと現役女流棋士が同じトーナメントに出場していた時期もあり、アマ大会での実績が特になくてもプロと対局できる可能性があった。
この他に、プロ棋戦とは関係なく行われる女性向けのアマチュア大会が存在する。以下は女性のみを対象にしたアマチュア棋戦である。
2023年6月、学生名人戦の決勝戦で勝利した人物が、対局中にAIアプリを使用していたことが発覚し、失格処分となった。
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