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大江戸捜査網


大江戸捜査網


大江戸捜査網』(おおえどそうさもう)は、1970年10月から6期にわたって東京12チャンネル→テレビ東京・系列ほかで放送されたテレビ時代劇作品である。連続ドラマは全6シリーズ、全713話。

製作時期や配給形態で以下に分類されるが、本記事では全て説明する。

  1. 1970年10月から1984年3月まで途中2度の中断を挟み、土曜日の夜に日産自動車グループの一社提供による「日産劇場」として放送 のシリーズ。日活での制作当初はアメリカ合衆国のテレビドラマ『アンタッチャブル』のコンセプトで連続時代劇を作ろうと企画されたために、番組の初期の第1シリーズ第1話 - 第39話には『大江戸捜査網 アンタッチャブル』とサブタイトルがつけられていた。
  2. この番組では、後に時代劇の大看板俳優となった杉良太郎 → 里見浩太朗 → 松方弘樹が筆頭同心の演を務めた(杉;第1話(第1シリーズ#1) - 第130話(第3シリーズ#26)〔130話分〕、里見;第131話(第3シリーズ#27) - 第409話(第3シリーズ#305)〔278話分〕、松方;第410話(第3シリーズ#306) - 第640話(第3シリーズ#536)〔230話分〕)。ただし、これらの出演者達は、4-6人で演じ分けた複数主演の番組と述べている。なので、此の番組で主演と云う場合には、其の回でメインに活躍が描かれた役を演じた場合を云う。例えば十蔵がメインの時には瑳川哲朗が主演となり、小波がメインの時には梶芽衣子が主演となり、お吉がメインの時には江崎英子が主演となる。勿論、珊次郎、音次郎、清次郎がメインの時には杉良太郎、里見浩太朗、松方弘樹が主演となる。但し文面では解りやすくするため、筆頭同心を演じる俳優を主演とする時もある。
  3. 杉良太郎は、第1シリーズ、第2シリーズではどちらも全52話出演していたが、第3シリーズでは半分の第26話で次の者と交代し、降板している。
  4. 第1シリーズ、第2シリーズ、第3シリーズの話数は、各テレビ局での管理、解説等では、第1シリーズから通算で記している。映像ソフトとして発売されたDVDではそれぞれのシリーズ毎に#1話からにされている。以下には、テレビ番組の欄で使われている通算の話数と、それぞれのソフトでのシリーズ毎での話数とを並記する。
  5. 1984年4月から半年間、前シリーズに引き続き、第4シリーズとして並木史朗の出演で放送の『新・大江戸捜査網』が放映されたが、前作までとの差が多く、視聴率が低迷。打ち切りによって幕を閉じることとなった。
  6. 1990年度と、1991年度に、橋爪淳が出演のシリーズが、各年度の下半期半年間ずつ、金曜日夜に放送の計2シリーズ(平成版、第1シリーズ・第2シリーズ※第5シリーズ・6シリーズともされる)が製作放映される。
  7. 2015年1月に、テレビ東京開局50周年企画 YAMADA 新春ワイド時代劇として、前作から実に23年ぶりに、高橋克典ほかの出演で『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』が製作、放映された。それまで製作、撮影されてきた東京の時代劇撮影可能撮影所(日活調布撮影所、稲城撮影所、生田撮影所、三船プロダクション成城撮影所、生田オープン撮影所(移管)、狛江撮影所、多摩川堤防、奥多摩、青梅等)が閉鎖されているため、初めて本格的に京都の時代劇撮影所(東映京都時代劇撮影所)で撮影が行われた。
  8. 1979年に、第3シリーズの松方弘樹出演時のキャスティングで製作された映画『隠密同心・大江戸捜査網』が撮影公開された。

番組の概要

江戸時代の町奉行所所属の秘密潜入諜報捜査員の隠密廻り同心をモデルとして御庭番のエッセンスを加えて考え出された秘密潜入捜査員「隠密同心」たちが、変装、潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏にはびこる江戸の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。この中の隠密同心とは老中松平定信が極秘に作った組織で、彼の命を受けた幕臣(旗本寄合席、大番頭、御側御用等)が隠密支配となって統括している。第1話(第1シリーズ#1)では、本来の隠密廻り同心のように、犯人である娘お菊(演:町田祥子)を北町奉行所の定町廻り同心島田又五郎(演:深江章喜)へ引き渡し、市中引き回しが描かれた。ただし、共犯の侍、大目付・生田内蔵丞(演:須賀不二男)は斬罪をしている。話中では隠密同心であるが、放映話数によっては本来の名称であった隠密廻り同心 と、台詞で言われている回も存在している。本来の隠密廻り同心は、奉行所から貸与されている十手を所持しているが、この物語で描かれた隠密同心のメンバーは、普段は町人、浪人等として生活しているが、隠密支配 から賜った証である松平家(時により徳川家と言われる)の家紋である梅鉢紋、または三葉葵紋入りの懐剣を所持してもおり、ここぞというときに、犯罪者や下手人に見せつける場合もある。

テレビシリーズ本編で松平定信が直接隠密同心を統率したのは、橋爪編(平成版)の第1シリーズだけである。それ以前、松平定信が登場した時は、日活製作編では堀雄二、三船プロダクション編では黒川弥太郎、ヴァンフィル編では永井秀明がそれぞれが松平定信役を、劇場版では三船敏郎が演じている。

隠密同心の活動拠点(アジト)は、日活制作の第1,第2シリーズでは主に銭湯「桜湯」の2階、三船プロ(末期はヴァンフィル製作)製作の第3シリーズ杉編では浅草の小料理店で「矢場兼飲み屋桔梗屋」の地下である。その後里見編以降では「御料理桔梗屋」の奥座敷が使われていた。松方編は当初当店の雇われ板前であった清次郎が、店主に変わっている。話数によっては、少ないが空き屋敷等に集められ指示を受ける時があった。

劇中のナレーション

劇中のナレーション「隠密同心 心得之条」は、第105話(第3シリーズ#1)において、下手人である被疑者のところへ出向く場面に用いられたのが初出である。第1話から第104話(第1シリーズ、第2シリーズ)迄はこのナレーションは行われていなかった。第105話(第3シリーズ#1)以降の「隠密同心 心得之条」は、以下のとおりである。

  • 「隠密同心 心得之条 その一つ わが命わが物と思わず 武門之儀 あくまで陰にて 己の器量を伏し 御下命 如何にても果すべし 尚 死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし」(初出;第105話(第3シリーズ#1))
後(第113話(第3シリーズ#9)迄「その一つ」がアナウンスされて居る)に、冒頭の部分から「その一つ」の文言が取り除かれたものが使われた。

第3シリーズ以降に流されたもので、「その二つ」、「その三つ」はいずれも1回限りのものである。

  • 「隠密同心 心得之条 その二つ およそ悪はその実態を見極め その根源を断つべきこと 虎穴に入らば 己の肉を斬らせ しかる後 敵を倒すべし この定め 忘れることなかれ」(第106話(第3シリーズ#2))
  • 「隠密同心 心得之条 その三つ 行動は風のごとく速やかに いかなる窮地に陥るも みだりに狼狽することなく 一度 決すれば 必ず敵を斬るべし 一度 決すれば 必ず敵を斬るべし 一度 決すれば 必ず敵を斬るべし」(第109話(第3シリーズ#5))

劇中で死去したとされる隠密同心

第105話(第3シリーズ#1)から加わった被疑者の巣窟へ行進する場面で流される「隠密同心心得之条」アナウンスでは「尚、死して屍拾う者無し!死して屍拾う者無し!死して屍拾う者無し!」とあるが、実際に物語の中で死んだとされる隠密同心(または隠密廻り同心)は、第27話(第1シリーズ#27)に於いて敵に回った赤間伝七郎(演:小林勝彦)、第41話(第1シリーズ#41)で薩摩隠密党に倒され、小弥太の台詞で名を出された山科(演:中島正二)、第131話(第3シリーズ#27)に登場した山口太兵衛(演:左右田一平)、胡蝶(くれないお蝶)(演:安田道代)だけである。隠密であることを抹消するため、処刑の後も弔うのではなく、「存在自体も無とするための処分」として火葬される。 赤間伝七郎は、内藤勘解由から甲州金山の不正探索の命を受けたが音沙汰がなくなり、金山で酷使された採掘員が目安箱間近で殺された事件をきっかけに小弥太、十蔵、小波が再度探索した結果、隠し金山の金鉱石を横領している張本人が赤間と判明。説得にも応じず悪の道を薦め、3人に倒された。隠密廻り同心であったため火葬され、無とされた。 山口太兵衛は、初探索中に敵の浪人田尻(演;天津敏)に討たれ死去し殉職となった。土葬が主だった時代だが「心得之条」の通り存在を抹殺するため火葬となった。この際、音次郎(伝法寺隼人/演;里見浩太朗)は「家も無ければ身分も無い。これまで生きていた証し等の全てを、この世から抹殺しなければならない。隠密というのは、虚しいものだなぁ」と呟いた。 胡蝶は子供を庇って死去したが、一般人の目の前での殉職となったため、音次郎に故郷へ運んでもらうことができた。

指令・集合・成敗時

日活製作の第1シリーズ・第2シリーズでは、報告を受けて犯罪被疑者のアジトへ向かうシーンや心得之条のアナウンスはなく、犯罪現場に捜査の過程で着いていることが多い。 初期は、小波が変装した珊次郎(十文字小弥太)に代金を渡すときや釣り針の先に引っかけるなどして手紙を渡したり、下駄の裏に書かれた文章を読ませるなど周囲に解らないように指令を受けていた。中盤以降から毎回ではないが地蔵の鉢巻きでの集散合図が始まった。

第1シリーズでの集合の合図、斬罪方法

第1シリーズでは、小弥太と十蔵への指令の書状を、小波から普通のしぐさで何気無く渡され、「〇〇〇を探索せよ。『例によって探索行動は密成るを以て、速やか成るべし。此の文は直ちに処分隠滅の事』」など、『スパイ大作戦』の指令ような内藤の手紙を小波から受け取り、読み終わると破く、燃やすなどして隠滅していた。その後、二人が犯罪組織の潜入に成功すると、小波から内藤へ連絡をさせ、変装のまま犯罪現場で「とうとうこの目で見たぜ」や「ついに証拠を掴んだぜ」等といい、誰何されても名乗らず「さぁ、どこの誰かな」等とはぐらかして成敗をする。時には警護対象から下手人達の仲間と間違われ、共に捕われそうになったりして危険物等を取り除いたりする場面 もある。また、援助している者が自分自身で斬って倒しているように、物影から手裏剣や吹き矢等で敵を倒す等をしていたこともあった。第3シリーズ以降より出演回数が格段に多かった、内藤勘解由だけが「旗本寄合席内藤勘解由。御老中、松平定信様の命により、罷り越した。成敗致す」と宣言をし、隠密同心達に「それ!繋かれ!」と指図をしたり、相手が斬り掛かって来るのでそのままで斬罪成敗に入ったり、既に薄々正体が割れて居たり、また、正体を明かす場合でも第3シリーズのように紋付きに変えず、髷の調えも行わずに、その場合は刀剣はなく、遊び人姿や百姓のような姿、いわゆる乞喰での、探索をしていたままの服装で終盤近くで「幕府隠密同心、十文字小弥太。天に代わって成敗いたす」等と名乗ったり、町人姿や浪人姿のまま戦いながら「隠密同心井坂十蔵」、「隠密同心小波」と、比較的早口で名乗り上げ、第3シリーズの名乗りのように、身分と姓名の間を開けて一呼吸おいて名乗るようにはせず、続けてさっと言っていた。この衣装交換、決め台詞は“水戸黄門の印籠"のようなものでリアリティーはなくなる。後に順に名乗るようになる時とは異なり、順序も決まってはいない。小弥太(まれに十蔵も)が町人姿で忍び込んだ時には、大刀は所持せずに戦い、戦いの最中に敵の脇差し等を素早く抜き取り、それを用いて逆手斬りで相手を討ち果たす時も多くあり、時には、内藤、十蔵から「小弥太!」と叫ばれ脇差しを投げ渡され使用したりし、小波のみ忍装服を着用していることも多く見られた。内藤が松平定信から探索を依頼されていることが知られている身分の者が犯罪を犯していた時には、「内藤勘解由配下だな!」と言われると、「如何にも、内藤勘解由配下、十文字小弥太」 等と名乗ることもあった。第46話(第1シリーズ#46)では、レギュラーは全員出て居るが珍しく、瑳川哲朗演じる井坂十蔵のみが被疑者下手人役(演;潮万太郎)ヘ、「隠密同心、井坂十蔵。お前達は全て斬る!」と一人のみ名乗った回である。 初期に内藤が出向く時に首謀者を斬罪をするのは、内藤であることが多くあった。又、第14話(第1シリーズ#14)「初姿 花の喧嘩状!」では、黒幕の元北町奉行は、十蔵が斬罪を行なって居る。内藤が斬罪の場合が一番リアリティーはあったが、視聴者の好みに応えて行くので、長寿番組はリアリティーはなくなって行くのはどれも同じである。第1シリーズでは、名乗らないものの方が多く造られている。珊次郎/十文字小弥太(杉良太郎)が武家髷に紋付きで斬罪の実施も僅かであったが、無宿人の姿で現れ、紋付きの着流しに着衣と、武家髷に帯刀へ早替えが行われたものは、第42話(第1シリーズ#42)「夏祭り無法一代」が最初である。ただし、名乗り揚げは無い。また、小波はそれまでにも着物の中に忍装を着込み、さっと脱ぎ捨て戦っていたこともあった。

第2シリーズでの集合の合図、斬罪方法

第2シリーズになると衣装を斬罪の立回り前に紋付に衣装チェンジを行って刀剣を整え、髪形を町人髷から御家人髷に変えて下手人である被疑者の前に現れ名乗る場面が多い。名乗りの言い回しも「隠密同心、十文字小弥太」、「同じく、井坂十蔵」、「同じく、小波」、「旗本寄合席、内藤勘解由だ!」のように、第3シリーズに通じる演出が増えている。隠密同心ではない山猫お七も、集合の合図で内藤勘解由邸へ指令を聞きに集参、探索にも加わり、隠密同心の正式な手下として成敗に同行した時には小弥太、十蔵、小波の順に名乗りを上げた後、最後に「同じく、仲間の山猫お七だよ」と名乗りを言うようになり立ち回りのチャンバラシーンでは素早く建物の屋上等へ上ってから、犯罪者の眉間や首筋の動脈が表面に近い場所を通っている急所へ花札に見せ掛けの手裏剣を正確に撃ち込み、下手人を斬罪し、絶命させる手助けも行っていた。 第2シリーズからは内藤が出向いても、小弥太が首謀者の斬罪を実行することが多くなった。

第3シリーズでの集合の合図、斬罪方法

第3シリーズは、一番長期に渡っての放映が行われ、隠密同心の決め台詞、紋着きの綺麗な決め衣装等も統一化されて、被疑者の前に現れる方法も、行進を行いながら、心得之条がアナウンスされ、被疑者の前での罪状の羅列、ほぼ決められた順序での銘々の名乗り上げ等が整ったシリーズで、心得之条と各人の順序よく決まった名乗り上げ等、TBSの時代劇ドラマの水戸黄門の印籠 のようなものが全て整った人気シリーズである。第3シリーズでは、犯罪人の黒幕らの談合や、犯罪が成功したと思い込んでの宴席が最高潮に盛り上がる最中や、手先が実行に失敗をして逃げて行くと、後を付けて行き、犯罪人の首謀者の屋敷等へ逃げ込むのを確認したら、支配や、筆頭者へ「〇〇は、~へ逃げ込んだのを確認した」と報告を受けると、支配から「お前達解っていような。行ってこい。そら!」と、声を掛けられたり、筆頭同心から「行こうか」(※杉編では「行くぜ!」との台詞も多)と、罪人の巣窟に向かう時に先の心得之条のアナウンスが流され、隠密同心が並んで成敗する相手の屋敷等へ向かう。支配が成敗に同行の場合、行進の中央 に並び一緒に向かう時と、隠密同心だけが行進をし、支配は別に来ている場合がある。逃げ帰った手先等からの「何しろ凄ぇ強ぇ妙な奴に邪魔をされて」等の報告を受けて「馬鹿者!此処へ逃げ帰って来たりする奴があるか!、後を付けて来たらどうする!」、「手先きの貴様が死ねば、知っている者はいなくなる。死ね!」、「汚ぇぞ!約束が違う」等と内輪揉めを始めている時等に、身なりを整え、刀剣を所持して入り込み、急に襖を開けて「罪状」を順次云い上げる。「何を証拠に?記憶に御座らぬ!」等と、白を切る下手人達へ「証拠(または捕えた犯人主に女性隠密同心がその中の一人を差し出して、「証人」)はこれだ」と示しながら、後で斬罪を行う都合上犯罪者側へ渡す)と、後で斬られるのであるが、刀剣を構え向かい斬罪されることになる。犯罪者の黒幕が「御主達は、何者だ!名を名乗れ!」※士分(もしくはそれに類する台詞で、町人は「やい貴様等!何処の誰奴だ?名前を言え!!」※杉編は「貴様は珊次郎!」が多く「如何にも!又の名を隠密同心十文字小弥太」が多く創られた)等と問い返し、それに各自が順に名乗って行く。この際、基本的に筆頭同心(杉;十文字小弥太,里見:伝法寺隼人,松方:左文字右京.)から「(※例えば最初の杉編でいうと)隠密同心、十文字小弥太」と名乗り、以下順次「同じく、井坂十蔵」等と名乗っていく(※ごくまれに、その回の主演に回った者が、例えば「隠密同心、井坂十蔵」 と名乗った後で、改めて「隠密同心、伝法寺隼人」、「同じく、くれないお蝶」、等と続ける時や、「隠密同心、くれないお蝶」、「同じく、伝法寺隼人」、「同じく、…」となった場合も存在)していた。また、隠密同心達と共に隠密支配も斬罪成敗に出向いた時には、第1シリーズや第2シリーズでは、最初や、一人だけ名乗っている場合も多かった。第2シリーズでの後半から、名乗りの順序が最後に名乗ることが多く中村竹弥は「旗本寄合席、内藤勘解由だ」、大山克巳は「幕府大番頭、藤堂対馬だ。そしてまたの役目は、隠密支配だ!」 と名乗っている。幻の御前こと御側御用人土屋伊賀守の、立ち回りへの同行は無い。また、筆頭同心が名乗りを挙げる際に決め台詞(※下記参照)を言うパターンも存在する。杉良太郎編中版から後では「天知る」、「地知る」、「人ぞ知る」とお吉、十蔵、小弥太の順番で、言いながら順に現れることもある。最後まで名乗りが済むと、相手は「出合え!出合え!曲者ぞ!者共出合え!」と、手下、配下を呼び集め「曲者ぞ!者共構わぬ!斬れぇ!斬れぇ!斬って捨てぇい!」と刃向かい、戦いが始まる。時に一緒に出向いたゲスト(士分の役が主)に仇討ち等をさせる時等には、首謀者等の仇へ最後に刃を首筋等へ向けて動かせなくさせて、「〇〇、さぁ!止留めを!」等と呼び寄せ、討たせる時もあり、町人等へは「後の仇討ちは、きっと果たす。俺達に任せてもらおう」と言う時と、本当は仇討ちの許されていない筈の町人等にも「一緒に着いて来なせぇ」と連れて行き、仇討ちをさせている時 もある。

※第3シリーズと、第4シリーズに当たる新大江戸捜査網での筆頭同心の決め台詞は下記の通り。

  1. 杉良太郎(十文字小弥太):第3シリーズの初期で「俺達が知ったが最後、悪の華は咲かさん!」だけの場合と、この台詞の前に、先に記した「天知る!」、「地知る」、「人ぞ知る」を、十蔵(佐川哲朗)、お吉(江崎英子)、夕霧(古城都※此の台詞への参加は1回)が云い別けた後、十蔵(佐川哲朗),又はお吉(江崎英子)もしくは小弥太(杉)自身が「俺(私)達が全て知って居るんだ」の後に「俺達が知ったが最後、悪の華は咲かさん」が続く場合も多く有る。此の後に相手役が「貴様は珊次郎!」が多く「如何にも。又の名を隠密同心、十文字小弥太」との名乗りが多い。以降依り相手役の台詞の「貴様達は何者だ」が少ない。後の隠密支配藤堂対馬の名乗りに通じる点が窺える。
  2. 里見浩太朗(伝法寺隼人):第3シリーズでの、里見編の終盤で敵から「貴様達は何者だ?名を名乗れ!」と言われ、「聞きたいか!冥土の土産に聞かせてやろう!」此の後に「隠密同心、伝法寺隼人」と名乗りが始まる。
  3. 松方弘樹(左文字右京):「三途の川の渡し守」(以降、名乗り「隠密同心、左文字右京」へ。※この台詞は最後まで)、「鈴の調べは悪を斬る」、「許せねぇ、地獄の底へ叩き込んでやる」、「たとえ世間が黙って見逃したとしても、この懐剣が承知できねぇとよ」、「汚ぇ!反吐(へど)が出るぜ、てめぇらのような血も涙もねぇ人でなしに、明日のお天道様を拝ませるわけにはいかねぇ」(「三途の川」の前の台詞。松方編でも後期に用いられた)
  4. 並木史朗(新十郎):相手を斬り倒す際に「役儀により、冥土への速飛脚、ご案内仕る!」(※中期以降)

第3シリーズから、斬罪成敗にむかう隠密同心の行進のシーンをバックに、「隠密同心 心得之条」がナレーションで入るようになる。途中第169話、第195話、第216話、第269話、第290話、第311話(第3シリーズ#65、#91、#112、#165、#186、#207)と、第512話(第3シリーズ#408)以降では、斬罪成敗の名乗りが終わって悪人たちとの立ち回りチャンバラが始まってから心得之条が挿入されることが多くなり、心得之条をバックに歩く場面はあまり見られなくなっている。なお、第411話(第3シリーズ#306)から第434話(第3シリーズ#330)までは、成敗時に隠密同心は紋付きの白装束姿で現れた。

第4シリーズに当たる『新・大江戸捜査網』では、成敗時に隠密支配 日向主水正(演:瑳川哲朗)から、流し目のお紺(演:大関優子→佳那晃子 によって、あらかじめ敵に成敗書が投函される。大江戸捜査網と異なり、相手が1人であるなど数が少ない場合もある。悪人たちの間では、「御成敗書を受け取ったら最後、助かった者は一人もいない」と恐れられている。第1シリーズ・第2シリーズのように心得の条のナレーションがなく、隠密同心は名乗らずに成敗する。また、必殺シリーズばりに悪人を静かに成敗することもある。しかし中版から、前述のような、新十郎の決め台詞が入るようになった。 第3シリーズ以降では、筆頭同心を演じる俳優が、犯罪者の首謀者を演じる俳優の、斬罪を演じる事が略固定化した。稀に其の回の主演を行った俳優が行う場合がある時には、筆頭同心を演じる俳優が「(例えば江崎英子が演じる時には)お吉!」と呼び寄せられ、斬罪を行う様に変わって居る。

音楽

CD『大江戸捜査網アンタッチャブルオリジナルサウンドトラック』での作曲者玉木宏樹の解説に拠ると、「第1,2シリーズ」から「第3シリーズ」に変わると、「第3シリーズ」の開始時とメンバーチェンジごとに、新たな編曲と録音が実施されたという。この玉木宏樹作曲による『大江戸捜査網テーマ曲』は、複合拍子である8分の6拍子のスペイン舞曲のシギリージャを用いたフルオーケストラの中で金管楽器主旋律を奏でながらも軽快かつ緊張感に満ちたもので、立ち回りのチャンバラシーンでも用いられていた。前奏は、使用時期によって旋律が全く異なる複数のバージョンがある。前奏の後に主旋律に入ってからも、打楽器のリズムパターンが違うものなども存在し、オリジナルの第1シリーズのものから第3シリーズの「杉編等」初期のものでは木琴を使用している。演奏でも其の木琴の音色が聞き取れ、また、録音の都合で金管楽器ラッパの種類を増やされホルンだけではなくトランペットが併奏し、打楽器の部分を代わりに弦楽器であるコントラバスのピッツィカートの演奏で行っている 部分も在った。「日活と東京12チャンネルでの製作に能って作曲の依頼が来て、何をやっても自由にさせてくれて、東映の撮影所でも同じ様に作曲したら、『雑音しか作れない奴はクビだ!』と、出入り禁止になった」 とのことである。 初めての編曲が「第2シリーズ」の後半で実施されたが、大幅な編曲は行われてはいないようであり、僅かに短縮が行われた位であった。この時の演奏では編曲の状態が余り判らない状態であった。日活で撮影の「第1シリーズ」と「第2シリーズ」との大きな演奏の変更を伴った編曲が、三船プロで「第3シリーズ」の撮影開始で、始じめて聴いていて編曲が判る演奏となった。三船プロで杉編の「第3シリーズ」の撮影開始に能って、新しく編曲を実施したものを使用したのである。更に編曲がはっきり判る「里見編以降」での異なる打楽器での演奏が行われるように、編曲されるよりも前のものである無編曲の状態での演奏になる、「第1シリーズ」と「第2シリーズ」のものとは全く異なった状態で演奏される「第3シリーズ杉編」の前奏と、主旋律の演奏もそれまでの「第1シリーズ」「第2シリーズ」と異なっている「第3シリーズ」の杉編でのみ使用される編曲後のバージョンである。なお、「第1シリーズ初期(杉編第26話まで)」はエンディングでも、テーマ曲のエンディングバージョンが使用され、特に木琴の音色がはっきりと録音されていた。そのため、「第1シリーズ」、「第2シリーズ」の重厚な演奏での、効果音やナレーションが入っていない演奏は、一応ではあるがDVDで聴くことは可能である。

「第3シリーズで」、杉良太郎が引き続き演じるが、製作が変わるので、テーマ曲は編曲を行い、演奏の録音を再度行っているのである。また、立ち回り時チャンバラのBGMにはテーマ曲を流すようになって来ている。出演が里見浩太朗に交代した時にテーマ曲は極僅かにアップテンポに編曲され打楽器の木琴は、全てドラムスの太鼓へ変えられて録音を行っている。だが、立ち回りのチャンバラシーンに使われるBGMは、内容が里見編になった後にも、前奏がきちんとしていた、「第3シリーズの杉編」のテーマ曲が、そのまま里見編の立ち回りのチャンバラシーンでも使われている。BGMに使われるテーマ曲は、杉良太郎が演じていた時のものを、それまでの時に丁度時間が合う時にはそのまま使用し、余る時には、途中で止めて仕舞い、足りない時には、前奏を除いた部分をそのまま繋いで繰り返していたのであるが、里見浩太朗が出演を交代して演じ始めた時から2箇月位経てからは、立ち回り チャンバラが始まる時に、よく聴いていると、テンポと音程の変わる部分が判るのであるが、テーマ曲の主要部旋律を繰り返している部分は、新しく里見が交代した時に、編曲され再録を実施した音源に変えられたのである。其の、元々の、里見編のテーマ曲の前奏の部分でのオープニングの映像は、歌舞伎の獅子踊りである。其の画に併せた音楽になっているために、BGMとして使われるには、前奏の部分が立ち回りのチャンバラを始めるに能っては、似合わない曲であった。そこで、杉編の時に録音を行った前奏の再利用を行い、編曲がされた新たに録音のものとの継ぎ足しの時に、聴いていて一番違和感がないように継いでいる。少し音程も違っているため、1小節目の中程の位置継ぐと一番判りにくく、演奏の違いを感じさせないように、継ぎ足しているのである。他の編曲は、演じる俳優のメンバーチェンジ(主に女性俳優) が行われる時には、主要旋律部へ、新しく録音を行った前奏の部分が付け足され、始めの里見浩太朗編のオリジナルの演奏が聞けるのは、『「大江戸捜査網アンタッチャブル」オリジナルサウンドトラック』のCDで、である。立ち回りの時に流すテーマ曲のBGMには、「第3シリーズの杉編の前奏と最初の1小節」分を、「里見編の主旋律」部に付け足した形で利用されるようになっていた。

板前の清次郎(左文字右京)として松方弘樹が里見浩太朗の推薦で、松方弘樹が演じ始める回に能って、テーマ曲に新しく編曲がなされ、軽快ドラムスの音色の入った演奏へ編曲を行い従来の演奏に代えて録音がなされた。この「第3シリーズ松方編」用に編曲がされたものの演奏が録音された後には、「平成橋爪編第1シリーズ中版以降」、「平成橋爪編第2シリーズ」、他局バラエティー番組等で、この曲が使われる時には、当「第3シリーズ松方編曲版」が使われるようになっている。後年には他の放送局の別の番組(バラエティー番組等)ででも、この曲が使い回しをされて来るようになっており、時代劇で聴く以外にも多くの人々の耳へ馴染みの出ている曲の演奏となったのである。『大江戸捜査網』第3シリーズの主演が松方弘樹になった後でも、僅かの回数に留まるのではあるのだが、この松方編の立ち回りのチャンバラ時のBGMにも、里見編の時に行われていた「第3シリーズ初期の杉編」のテーマ曲がそのまま使われていたことや、「第3シリーズ杉編のテーマ曲の'前奏と始めの1小節」が、「第3シリーズ里見編のテーマ」曲の主旋律の部分に継ぎ足されているものが使われている回がある。演奏が全く異なるので、音楽の知識の無い人が聴いた場合でも、簡単に聞き分ける事が可能である。

Collection James Bond 007

大江戸捜査網の画像ソフトとテーマ曲のレコード

第1シリーズでは、主題歌「江戸の夜明け」他1曲で、シングルドーナッツ盤45回転EPレコード が発売。映像ソフトは、Aya Production+TV TOKYO-Medianetから、DVDBOXが発売された。第1シリーズの1話から19話までの収録で、原版破損で、欠番となった第11話を除いて18話分の収録での発売であった。其の後暫くしてから再び、第1シリーズが破損している第11話を含めた全話のDVDSetが、東映ビデオより発売された。破損している第11話の完全な修復は、出来なかったようで、映像の乱れの断り書きを添付の上で収録をしている。しかし、映像の乱れで欠番にされた前回と比べ慶ばれているという。

第2シリーズの映像ソフトがDVDSetが東映ビデオより発売となった。第2シリーズでは初のソフトの発売となった。シングルドーナッツ盤は、第1シリーズと同じため、再発売は行われていない。

第3シリーズでは、各主題歌のシングルドーナッツ盤45回転EPレコード(もどり橋,砂の枕,微笑みをすてる時,他,8曲,) 発売された。

第3シリーズの里見浩太朗編がVHSで発売、第3シリーズ松方弘樹編の『隠密同心/大江戸捜査網』の映画がVHSとDVDで発売された。ドラマは朝日新聞社+TV Tokyo MedianetからDVDブックで雑誌の付録として、第3シリーズの発売を行った。第3シリーズの第1話である、杉良太郎が出演した通算第105話から最終回までの選り抜きでの発売だが、第3シリーズで杉良太郎の出演が2クールのみで極端に少なかった。26話中から24話分が収録されていた。エンディングは杉編の「江戸の夜明け」はそのまま流せていたが、里見編と、松方編のエンディングは、全て先に発売された、「大江戸捜査網アンタッチャブルオリジナルサウンドトラック」の中に収録されていた里見編のテーマ曲に差し替えられている。

この曲『大江戸捜査網』の「オープニングテーマ」曲の、ステレオ録音での「フルバージョン」は、松方弘樹編の編曲演奏形態(大江戸捜査網のオープニングテーマ曲のフルバージョン自体が、松方編での編曲で創られているので、第1シリーズの時から、第3シリーズの杉編、里見編迄のバージョンではフルバージョンの譜面自体が存在がない)で入れられており、CD『ちょんまげ天国 ?TV時代劇音楽集?』(2002年ソニー・ミュージックエンタテインメント、MHCL-161)などで聴くことが出来る。 この時に編曲録音を行ったバージョンは、『平成橋爪淳編第1シリーズ(通算第5シリーズ)』の中期依り再開され『平成橋爪淳編第2シリーズ(通算第6シリーズ)』の最終回まで使用された。

放送時の、オープニングバージョンは、CD『大江戸捜査網 アンタッチャブル サウンドトラック』(2003年キングレコード)から里見浩太朗バージョンが録音されており、音楽として聞ける。初版の発売当時には、題名に“アンタッチャブル”が標記されていたので、第1シリーズの時に演奏、録音された音源が、入っていると思われたようで、多数の問合せがあったと後の重版時の解説に記されていた。 『大江戸捜査網サウンドトラック』「大江戸捜査網アンタッチャブルオリジナルサウンドトラック」の重版であるがオリジナルサウンドの音源を増大された。 最初期の、『大江戸捜査網アンタッチャブル』第1シリーズ、第2シリーズ時のオープニングテーマ曲は、「DVDBOX」で全話発売されたために、最初期のエンディングでも、オープニングテーマ曲が使用されていた時の分も含まれている。エンディングで使われたオープニングテーマ曲には、ナレーションや、効果音が入れられていないため、同バージョンを音楽として鑑賞が可能な状態での発売であった。

最初期の、日活と組んで製作していた『大江戸捜査網アンタッチャブル』「第1シリーズ」、『大江戸捜査網』「第2シリーズ」で、使われていた無編曲のオープニングテーマ曲はレコードに録音はされてい無かった。しかし、人気の高かった当番組は『大江戸捜査網アンタッチャブル』「第1シリーズ」は、『DVD-BOX.3話×6枚 - 18話(第11話はフィルム状態悪化で欠番扱い)分.AyaProductionーTVTOKYO-Media Net』が、早くに「DVDBOX」が発売されていた。此の製品は一時期廃盤時に価格が高騰していた。通算の『第5~6シリーズ』の『平成橋爪淳編第1シリーズ』、『平成橋爪淳編第2シリーズ』、又、『第3シリーズ』が朝日新聞社+TVTOKYO-Media Netから「DVDBOOKS」として発売され、最後に、オリジナルフィルムの状態が悪化し上映不能とされ、欠番扱いとなっていた第11話 を含む『大江戸捜査網アンタッチャブル第1シリーズ全52話』と『大江戸捜査網第2シリーズ全52話』が東映ビデオから発売された。杉編の作品は第3シリーズの2話分が削除されているだけで他は残り「全128話」全て発売された。製作話数の多い『第3シリーズ』のみ、選り抜きになっている。ただし、第3シリーズでは出演の回数が全26話と極端に少ない杉良太郎編の分は、半端になって仕舞う話数2話分のみ削除とされた。先に記した通り依り抜きのため、削除のされている話数があり、第3シリーズで杉が演じた編の削除は僅か2話のみであるにも係わらず、3人の中で一番少なく全26話の撮影で、2話の削除で全24話であり、他社製造の第1シリーズ、第2シリーズをも含めても少ない全128話の収録である。

『平成橋爪淳』編は「DVDBOX」で「全話」発売された。 別の曲になったのは、「第4シリーズ」に当たる、『新大江戸捜査網』並木史朗編と、「平成第1(通算第5)シリーズ」の橋爪淳編の初期のオープニングテーマ曲は、この馴染みのある曲ではない別の曲が使用された。

『大江戸捜査網』の昭和期の、番組打ち切りになった作品で、スタイルが異なったために、当時不人気で視聴率が下がって仕舞った第4シリーズの並木史朗編の「新大江戸捜査網」は映像ソフトの製作、発売が、2021年現在までにはされていない。

玉木宏樹自身の編曲・演奏の『ヴァイオリンのための“大江戸捜査網”』が、CD『玉木宏樹の大冗談音楽会!!』(1995年日本コロムビア、COCO-78584)に収録。シエナ・ウインド・オーケストラ演奏の、原曲にほぼ忠実な吹奏楽版((編曲:福田洋介))がCD『THE刑事☆究極の刑事ドラマ・テーマ集』ー(2009年エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ、AVCL-25459)に収録。その楽譜はウィンズスコアから発売。

玉木宏樹は、2010年にジェイムズ・スウェアリンジェン作曲の吹奏楽曲『インヴィクタ序曲』((1981年発表))が大江戸捜査網のオープニングテーマ曲に似ていることがツイッターで指摘され、「これは、完全にパクられましたね。短三度上の転調、そして変拍子、私は作曲家ですから、パクリかどうかはすぐに判断出来ます。唯一の救いは、向こうは、カッコ良くないと言うことですね」とコメントしている。。

2014年10月11日からテレビ朝日で放送中の『世界が驚いたニッポン! スゴ?イデスネ!!視察団』のオープニングにも、本曲が使われている。

番組の歴史

日時は東京12チャンネル、テレビ東京基準

  • 1970年
    • 10月3日 - 「時代劇版のアル・カポネ、エリオット・ネスのアンタッチャブル」のコンセプトで、杉良太郎(十文字小弥太/相模無宿の珊次郎)、瑳川哲朗(井坂十蔵)、中村竹弥(内藤勘解由)、梶芽衣子(小波)、岡田可愛(山猫お七)の主要キャスティングと、悠木千帆(樹木希林)(おとら)、野呂圭介(音吉)※第18話(第1シリーズ#18)まで → 交代、三ツ木清隆(仙吉)※第11話(第1シリーズ#11)より、白木マリ(おかん)、深江章喜(島田又五郎)※第17話(第1シリーズ#17)までのセミレギュラーの出演で『大江戸捜査網アンタッチャブル』 としてスタート。1970年当時は日活の所属であった杉良太郎が、他社が製作をしていたテレビ時代劇 で、時代劇俳優として頭角を著して来たため、自社で育てるという意味で、日活初のテレビ時代劇として東京の日活調布時代劇撮影所で製作が開始された。しかし、日活はノウハウを持っていなかったため、当時の東京12チャンネルと組むことにしたという。
  • 1971年
    • 7月3日 - この日に放映の第40話(第1シリーズ#40)より「アンタッチャブル」のサブタイトルがなくなった。オープニングのナレーションも変更され、新たに録音をした。
  • 1971年
    • 9月25日 - 『大江戸捜査網第1シリーズ』終了。後番組は『絵島生島』(製作は、東京12チャンネル,歌舞伎座テレビ室,京都映画 協力.瑳川哲朗出演;10月~12月)、土曜邦画劇場(第2期、1月~3月)
  • 1972年
    • 3月25日 - 『大江戸捜査網第2シリーズ』開始。主要配役は「第1シリーズ」と同じで、杉良太郎(十文字小弥太/相模無宿の珊次郎)、瑳川哲朗(井坂十蔵)、中村竹弥(内藤勘解由)、梶芽衣子(小波)、岡田可愛(山猫お七)※第78話(第2シリーズ#26)まで.周囲のセミレギュラーの配役、白木マリ(おかん)、太田とも子(おせん)※第79話(第2シリーズ#27)から.他の人物は多少入れ替え。悠希千穂(樹木希林)(おとら)→古今亭志ん駒(早耳の金太)、三ツ木清隆(仙吉、※エンディングの最後は第78話(第2シリーズ#26)まで出ているが其より後には別人役でのゲスト出演になる)は第54話(第2シリーズ#2)までで降板となった等である。ただし、他にも日活のポルノ以外の作品の時代劇等の制作を撤退することが決まったために、日活の所属であった岡田可愛 は事務所移籍のために第2シリーズの中盤の第78話(第2シリーズ#26)までで降板し、梶芽衣子は日活所属であった ために、第104話(第2シリーズ最終#52)で、一休みに出掛ける小弥太(珊次郎)と十蔵へ勘解由が「必要が生じたら、小波に呼びに行かせる」と台詞があったが、梶芽衣子は本作品「大江戸捜査網」は『第2シリーズ』をもって降板した為に同系の役を第3シリーズでは、古城都演じる夕霧(※但し、4回のみの出演)に交代した。
  • 1973年
    • 3月17日 - 『大江戸捜査網第2シリーズ』(日活製作版)終了。後番組は杉良太郎主演の『旅人異三郎』(制作は東京12チャンネル,三船プロダクション)。
    • 9月22日 - 『大江戸捜査網第3シリーズ』開始。この当時に当番組のスポンサーであった日産自動車から『大江戸捜査網』の番組を継続を望む意向が出されたのを受け、日活プロデューサーで、当番組の企画者の元村武が日活から三船プロダクションに移籍。東京の日活撮影所以外で、当時東京付近で時代劇が撮影可能な設備を誇っていた三船プロダクション制作会社を変更し、続編の製作を開始した。配役は、男性メンバーは杉良太郎(相模無宿の珊次郎/十文字小弥太)、瑳川哲朗(井坂十蔵)、中村竹弥(旗本寄合席 内藤勘解由)で代わらず、女性メンバーを江崎英子(不知火のお吉)、古城都(夕霧)に変更の上、セミレギュラーが古今亭志ん駒(早耳金太)、白木万理(おかん)、花ノ本以知子(おあき)を配し第3シリーズがスタート。
    • 12月29日 - 「第119話」・『第3シリーズ「#15」』の「大江戸残酷秘話」を、杉良太郎が脚本を担当して執筆をした。
  • 1974年
    • 2月 - 3月 - 番組スタート時からの出演メンバーの1人だった杉良太郎が「第130話」・『第3シリーズ「#26」』をもって十文字小弥太(相模無宿の珊次郎)の与力昇進という形で、そして出演回数が4回のみだったレギュラー・古城都(夕霧)が降板。杉良太郎(相模無宿の珊次郎/十文字小弥太)の最終出演回で、新メンバーくれないお蝶(芸者胡蝶)として安田道代を迎え、翌回新出演者里見浩太朗を新筆頭同心伝法寺隼人(新内流しの音次郎)として迎えた。音次郎と共に新隠密同心として入った,山口太兵衛(演;左右田一平)は、初日で殉職となり、物語り上隠密同心で初の殉職者(※斬罪された赤間伝七郎(演;小林勝彦)と薩摩隠密党に倒された山科(演;中島正二)は除き。)となった。赤間伝七郎は隠密廻り同心の、無い物として消すため、山口太兵衛は、一緒に加入した音次郎達が隠密であるので、一般的には土葬が中心であったが、無とするために火葬を行い完全な灰にし「家も無ければ身分も無い。此れ迄生きて来た全てを、無とされるんだなぁ、隠密とは。虚しいものだなぁ.」と音次郎の台詞があることで、弔いの火葬ではないことが判る。
    • 11月23日 - 山口いづみ(いさりびお紺)が新メンバーに加わり6人になったが、一堂に会する回がないまま、翌1975年3月に安田道代(くれないお蝶/胡蝶)が、殉職という形で降板となった。以後レギュラーにおける隠密同心の殉職者は出ず。役が芸者で被る安田道代、山口いづみの2人の共演は1回だけであった。
  • 1976年
    • 9月 - 10月 - 江崎英子(不知火のお吉)が被疑者から狙われている幼馴染み(演;久富惟晴)を救うために、敵から散弾銃の銃弾を受けたということで重傷を負ったとされ、其の怪我の治療,療養を行うために幼馴染みと一緒に旅立つということで降板し、山口いづみ(いさり火お紺)も将軍付き護衛になるということで降板したため、女性メンバーを、土田早苗(稲妻のお竜/芸者玉竜)、志穂美悦子(風/お新)に変更。立ち回りと、アクションが強化された。
  • 1977年
    • 7月16日 - 「第301話」・『第3シリーズ「#197」』に、第1シリーズからの、シリーズ「通算300話」記念作品に三船プロダクション代表・三船敏郎がゲスト出演(大滝幽玄役)。
    • 8月20日 - 第1シリーズ放映開始からの通算放送回数「300回記念」(第302話・第3シリーズ『#198』)長崎県雲仙地方ロケーション。
    • 9月 - 志穂美悦子(風)が『明日の刑事』(TBSテレビ)出演のため降板。後任に安西マリア(隼 お銀)が登板。
  • 1978年
    • 4月 - 安西マリア(隼 お銀)降板。三船プロダクション期待の新星だった、かたせ梨乃(片桐楓/流れ星おりん)が参入。
  • 1979年
    • 9月 - 里見浩太朗(音次郎/伝法寺隼人)がTBSの水戸黄門で助さんを続けながら、10月スタートのテレビ朝日『長七郎天下御免!』に主演するため、伝法寺隼人(音次郎)の上方栄転という形で降板。里見浩太朗が降板時に同じ東映所属であった事で推薦したことによって、3人目の出演者の1人に松方弘樹(板前の清次郎/左文字右京)が決まり、迎えた。第432話(第3シリーズ#328)から小者千代松親分(山田隆夫)が登場。以降早耳の金太(古今亭志ん駒)と、組んでコント的な小話に登場をしていく。
    • 12月1日 - 映画『隠密同心・大江戸捜査網』が封切り(松方弘樹,瑳川哲朗,土田早苗,かたせ梨乃,中村竹弥,古今亭志ん駒,三船敏郎,他。)。
  • 1980年
    • 3月 - 5月 - 高瀬春奈(火車おもんとして)が土田早苗の疾病休演代理メンバーとして短期出演。
  • 1981年
    • 5月 - 6月 - 第1シリーズから数えて、通算500話記念シリーズ。中島ゆたか(矢車お菊。芸者菊弥として)が土田早苗の疾病休演代理メンバーとして短期出演。
    • 5月16日 - 第1シリーズの開始から第493話(第3シリーズ#389)で、通算放送回数500回記念新潟県佐渡地方ロケーション敢行。この時期「心得の状」の口上が立ち回りチャンバラのシーンに流れるなど若干の作風の変化が起こり始める。第498話(第3シリーズ#394)で、早耳の金太と絶妙なコンビネーションを誇った小者千代松親分(山田隆夫)は降板となる。
    • 9月26日 -千代松親分山田隆夫に続いて 土田早苗(稲妻のお竜/玉竜)と、番組スタート時からの隠密支配であった旗本寄合席内藤勘解由役だった中村竹弥、第1シリーズの悠希千穂(樹木希林)(おとら)からお笑い要素を入れて,第2シリーズで交代して来た、古今亭志ん駒(瓦版売りの早耳の金太)が降板。
    • 10月3日 - 新隠密支配大番頭藤堂対馬役に大山勝巳を迎え、新メンバーに岡江久美子(吹雪)、南条弘二(九條新太郎)が加入。
    • また、同時期に制作局である東京12チャンネルがテレビ東京へ改称。これ以降サスペンスドラマ色が強まる。
  • 1982年
    • 9月 - 10月 - 女性メンバーをかたせ梨乃(片桐楓/ながれ星おりん)、岡江久美子(春香/吹雪)から、夏樹陽子(風車のお菊)、山田由紀子(はやてのおせん)に再び一新。番組制作は、社内の内紛騒動によるあおりから制作継続が困難になった三船プロダクションから、プロデューサー元村が自ら設立した制作会社、ヴァンフィルに移行する。
  • 1983年
    • この年に入ると『積木くずし』や『蒲田行進曲』など当時のヒット作をストーリーに取り入れたエピソードや、「悪女シリーズ」「衝撃事件シリーズ」などの集中したテーマ、さらには小森和子や大川栄策など当時のテレビの人気タレントや流行歌手等を出演させる等エンターテイメントを重視した路線になる。大山勝巳(大番頭藤堂対馬),山田由起子(疾風のせん)降板。
    • 10月1日 - 山田由起子(疾風のせん)降板の代役当シリーズ最後の主役の1人に新メンバーとして清原美華(つばくろの茜),黒沢良(幻の御前;御側御用人土屋伊賀守) が加入。
  • 1984年
    • - 3月一杯で、10年半に及ぶ第3シリーズが終了。続いて4月から第4シリーズとして、出演者を一新(並木史朗(新十郎/飛脚屋新十郎)、三浦浩一(銀次/お役者銀次)、大関優子(お香/流し目のお香)、橋幸夫(榊原長庵)、瑳川哲朗(日向主水正))した「大江戸捜査網の第4シリーズ」として『新・大江戸捜査網』がスタート。しかし、之までのスタイルと作向きが異なることで、視聴率が著しく下降を続け、番組の製作的に苦戦を強いられた侭で半年後に打ち切りが決定した。足掛け14年にわたる『大江戸捜査網』シリーズは一先ず之により製作が終了をした。
  • 1990年
    • 10月 - 橋爪淳(役;葉月裕之介)の出演で6年ぶりに第5シリーズが再開される。制作はプロデューサー元村武の新会社、G・カンパニー。隆大介(松原蔵人),田村高廣(松平定信),京本政樹(町奉行所書き役同心 秋草新十郎),中村あずさ(華乃小路お香),が出演。隆大介、田村高廣は当シリーズのみの出演。(※本来の隠密廻り同心は、町奉行所の町奉行直属であったため、仮の職種を、定町廻り同心では無い書き役と云え此れ等の隠密廻り同心以外の役職ヘは、潜入する悪徳組織へ、余計な情報が漏れる恐れのあるような、仮の職種を行うことはない)『※平成第1シリーズとして知られる』
  • 1991年
    • -『あばれ八州御用旅(第2シリーズ)』終了後に「第6シリーズ」が再開。前シリーズから橋爪淳(天龍寺隼人)、京本政樹(秋草新十郎)、中村あずさ(流星お蝶)、和崎俊哉(旗本寄合席小笠原甚内)、若林豪(松平定信)、荒井乃梨子(矢車お仙)(※京本政樹の役名は前シリーズと同一だが、町奉行所同心を解雇ということになっている。橋爪淳、中村あずさの役名は変更された。松平定信を演じているのは、前シリーズの田村高廣から若林豪へ交代し、隠密支配に和崎俊哉が旗本寄合席小笠原甚内として配役。当初3名であった隠密同心役に、当シリーズの第1話より出演の荒井乃梨子を、隠密同心の矢車お仙として、途中から加入された。オープニングの画像は撮影されなかったため、ゲストと共にエンディングでのクレジットとなった)が加入。
  • 1992年
    • 3月 - 第6シリーズで『平成第2シリーズ』として知られる連続ドラマシリーズが終了となった。
  • 2015年
    • 1月 - テレビ東京開局50周年企画YAMADA 新春ワイド時代劇として、高橋克典主演で『『大江戸捜査網2015!隠密同心、悪を斬る!』を放送。前作から23年ぶり。元村武は監修として参加。番組制作はユニオン映画と東映太秦映像。『大江戸捜査網』は、東京の日活と東京12チャンネルが作製を始めた『大江戸捜査網アンタッチャブル』第1シリーズから、東京都近辺で、撮影作製されて来ていた。三船プロダクション撮影所も東京都内であったので、京都撮影所を本格的に利用しての初めての撮影となった作品である。平成第2シリーズまでの撮影は、それぞれ、東京都世田谷区、狛江市、調布市、稲城市付近の日活撮影所、三船プロダクション世田谷調布撮影所、火災の撮影や、農村部や山中の撮影には、東京都西多摩郡奥多摩町、五日市町、檜原村、八王子市、町田市等の山間部で、実際に町家や武家屋敷、城の一部を建設して、消防車(消防団)をお願いしての撮影を行っていたという。

シリーズ一覧

昭和版

第1シリーズ

1970年10月3日 - 1971年9月25日放送(制作:日活、東京12チャンネル)。

第26話までのエンディングでは、オープニングと同じテーマ曲(エンディングバージョン)が使用されていた。第27話から、杉良太郎が歌う主題歌『江戸の夜明け』が使用されるようになった。

スタッフ
  • 脚本:山浦弘靖(11回)、大工原正泰(8回)、中野顕彰(7回)、蘇武路夫(同)、生田直親(3回)、松本孝二(同)、柴英三郎(同)、星川清司(同)、小川英(同)、胡桃哲(2回)、曽根義忠(同) 他
  • 監督:手銭弘喜(16本)、斎藤光正(7本)、松尾昭典(5本)、西山正輝(同)、柴田米幸(4本)、西村昭五郎(3本)、林功(同)、長谷部安春(2本)、遠藤三郎(1本)、樋口弘美(同)、江崎実生(同)、磯見忠彦(同)、曽根義忠(同)
  • プロデューサー:神山安平、岡哲男(東京12チャンネル)、元村武(日活)
  • 監修:川内康範
  • 音楽:玉木宏樹、川田靖一
  • 撮影:高村倉太郎、岩佐一泉、森勝、松橋梅夫
  • 美術:松井敏行、柳生一夫、土屋伊豆夫
  • 編集:井上親弥
  • 選曲:出川史郎、牧純一、山川繁
  • 助監督:田中登、曽根義忠、蔵原惟二、山口清一郎、藤井克彦、黒島横智、岡本孝二、小原宏裕
  • 殺陣:尾田義男、湯浅謙太郎、林成二郎(湯浅剣睦会)
  • 録音:木村瑛二、アオイスタジオ
  • 現像:東洋現像所
  • 風俗構成:林美一
  • ナレーター:黒沢良(ただし、第14 - 16話は糸博。糸博は第1シリーズの後半では、予告編の語りを担当することが多かった)
  • 協力:金剛プロダクション
主題曲
  • 『大江戸捜査網アンタッチャブルのテーマ』
    • 作曲・編曲:玉木宏樹
主題歌
  • 『江戸の夜明け』(第27話から):発売 コロムビアレコード
    • 作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎、コロムビア男声合唱団

・杉がコロムビアレコードから、CBSソニーに移籍してから録音したセルフカヴァー版は演奏、歌い方がかなり異なっている。ただし、ソニー・ミュージックのCDでは放送当時に録音の音源で、収録されている。

登場人物
  • 隠密同心 十文字小弥太:杉良太郎
普段は、「相模無宿の珊次郎」として活動。「珊次郎兄貴」、「珊次郎さん」等と呼ばれ、仲間内からの呼ばれ方は、里見浩太朗版以降と違い「小弥太」、または「十文字」と呼ばれ、小波からは「小弥太さん」である。髪型は、当初は町人月代だったが第6話でムシリになって以降、交互に使い分けるようになる。任務に対する非情さと江戸庶民を愛する人情を持ち合わせている。村育ちで佐渡帰りの筋者犯罪者の刺青刑罰で、2本の筋と佐渡へ流された印の、片仮名での文字が刺青で彫られている。 だが、内藤勘解由に拾われて隠密同心となる。初期には決まった紋付きの着流しではなく、密偵で入り込んだままでの衣装で短剣のみの所持で、敵の脇差し等を素早く抜き取り、それを使い斬罪成敗を行ったり、黒の忍装束を着て成敗をし、また、名乗るのは一緒に登場する内藤勘解由のみであることが多かった。日中の忍装束は薄い灰色を着用し、後期の隠密装束は黒の紋付きの着流しが増えてくる。
  • 隠密同心 井坂十蔵:瑳川哲朗
普段は、素浪人としての活動が多い。通称「十蔵旦那」または「井坂の旦那」と呼ばれ、仲間内からは「十蔵」または、「井坂」と呼ばれ、小波からは、「十蔵さん」である。髪型は、当初は御家人ムシリだったが第23話で総髪になって以降、交互に使い分けるようになる。珊次郎とは対照的に情にもろく、対立したりすることがある。椿の花を武器に愛用している。初期は紋付のつぎはぎの着物に袴姿が多かったが、次第に黒の着物に袴が多くなる。潜入時、日中は薄い灰色の、夜間は黒の忍装束の着用が多い。
  • 芸者 小波:梶芽衣子
勘解由配下の密偵で勘解由と小弥太、十蔵との橋渡し的な役割も務める。「小波姉さん」と呼ばれ、仲間内からは「小波」と呼ばれる。身分は隠密同心であり、懐剣も所持している。隠密装束は特に決まっていないが黒の忍装束が多いが、赤紫や、白色、薄い灰色の忍装束も着用。
  • 山猫お七:岡田可愛(第29,30,42,45,46,49,52話は休演)
男装の女摺り師。17歳。珊次郎たちが隠密同心であることを知らずにいたが、第4話で見破ってからは協力するようになる。珊次郎を「珊次郎兄貴」と呼び、好意を抱いている。天涯孤独の身の上で、生き別れになった兄(政吉。演;夏八木勲)がいるらしい(第7話)。その後第2シリーズで語られるように年上の姉(りえ姉さん;葉山葉子)と呼べる子を持つ摺擦稼業の父親(辰巳柳太郎)が引き取って技を仕込みながら育てられたらしい。武器として常に伸縮自在の釣竿を携帯している。
  • 旗本寄合席(隠密支配) 内藤勘解由:中村竹弥(第20,21,27,30,32,34,37,42,50話は休演)
四千石をたまわる旗本。無類の道楽 好きが祟り、無役となり、旧友でもある定信の頼みで、隠密支配という裏の職に就き、隠密同心に指令を送る。「御前」、「内藤のお殿様」と呼ばれる。
  • おとら:悠木千帆(樹木希林)(第4,18,20,23,26,27,31,36,38 - 44,46,49 - 51話は休演)
将棋の駒で占いをする占い師。何かとお七と行動を共にすることが多い。井坂に惚れている。
  • おかん:白木マリ(第1 - 17,21 - 27,34,37,38,40,42,46,47,49,51話に出演)
音吉の元・大工の師匠の女房。未亡人になり、居酒屋を営んでいる。どんな相手にも物怖じしない肝っ玉女将。
  • 音吉:野呂圭介(第1 - 5,18話の出演)
元大工でおかんの亭主の棟梁の下で働いていたが、酒の上の喧嘩で相手を傷付けたために、島流しの刑罰を終えて帰り着いた。刑罰で無宿人となったので、おかんの家に居候している飴売り。珊次郎が盗賊一味の探索のため接近してきたので最初は煙たがっていたが、彼の男気に惚れて、義兄弟の契りを交わし、探索などに協力する。珊次郎を「兄貴」と呼ぶ。※第19話以降、野呂はやくざの手先やチンピラ等の悪役等のゲスト出演に変わった。
  • 仙吉:三ツ木清隆(第11話以降の出演)
第11話、“殴り込み風来坊”で珊次郎へ弟子入り希望として登場し、お七の友人となった。17歳。やくざになっていた父親、伊三郎(演;内田良平)と巡り会ったのだが、小弥太が伊三郎にやくざの足を完全に洗うまで会うなと、会うことを遮られた。しかし十蔵は会わせようとして、刃を違えた時もあり、小波等が心を痛めた時もあった。彼も珊次郎を「珊次郎兄貴」と呼び、慕う。何かとお七を「姐御」と呼び行動を共にすることが多い。お調子者で減らず口を叩くことが多いが、友人のために命を捨てようとする一本気な面がある。
  • 島田又五郎:深江章喜(第1 - 3,5,6,8 - 11,14 - 17話に出演)
北町奉行所の定町廻り同心。事件の度に関わってくる無宿人の珊次郎を怪しんでいる。責任感が強く、真面目な性格。演じていた深江は、第18話以降では忠義者や、悪役でのゲスト出演に変わった。
  • 目明し:伊豆見英輔、水木京一(第1 - 3,5,6,8 に出演)
いつも島田又五郎と同行している。演じていた伊豆見と水木は、島田が登場しなくなった第18話以降はゲスト出演に変わった。
オープニング及びナレーション
第1話
第1話のみ、効果音のみでナレーションが入らず、各出演者に役名の表記もなく、物語の中でテロップとナレーションで紹介されるが、山猫お七は紹介されず、十文字小弥太・井坂十藏が隠密同心(話数によっては隠密廻り同心)とされ、小波は『内藤勘解由の個人的な人物か? それは追って判明するだろう』と語られていた。
第2話 - 第39話
「隠密同心 それは時の老中 松平定信の命により、無役の旗本 内藤勘解由が悪の砦に向けて密かに放った、過酷非情の男たちだ。変装、囮、様々な手段を使い、彼らは身を挺(てい)して犯罪者及び、その組織に挑戦する。相手を殺すのは自由だが、我が命を失っても省みる者はない。これは生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル。彼らに明日は無い」
第2話ー第26話は、オープニングテーマ曲にアナウンスと発砲音とお七役の岡田可愛の『危ないよ!危ないよ!……!』の音声のみであり、第27話からオープニングにテーマ曲にアナウンスの上に他の効果音も入り出し、梶芽衣子の紹介のシーンの映像が変わった。第40話まで、タイトルにアンタッチャブルサブタイトルの表示がついている。
第40話 以降
「隠密同心 それは旗本寄合席内藤勘解由に命を預け、何時の頃からか人生の裏道を歩まねばならぬ宿命を自らに求めた者達である。凶悪な犯罪者を追求する一方、法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の民衆を、ある時は炎の様な熱情を持って、又、ある時は影のように支えるこの男達。だが、彼等の生命を保証するものはない。」
オープニングの映像は第27話以降と変わらない。この回より、アンタッチャブルの文字が消える。
放送リスト(第1シリーズ)

放送局(東京12チャンネル→テレビ東京)では、以後の製作を通算で管理しているので、この第1シリーズでの話数の52を足した数が、第2シリーズの再放送時での話数となる。第2シリーズの第1話は通算第53話となる。

第2シリーズ

1972年4月3日 - 1973年3月17日放送(制作:日活、東京12チャンネル)。

スタッフ
  • 脚本:中野顕彰(10回)、山浦弘靖(9回)、山崎巖(8回)、小川英(4回)、胡桃哲(同)、武末勝(同)、吉岡昭三(同)、大和久守正(3回)、蘇武路夫(2回)、中西隆三(同) 他
  • 監督:斎藤光正(16本)、西山正輝(12本)、樋口弘美(9本)、小沢啓一(6本)、磯見忠彦(5本)、手銭弘喜(4本)
  • ナレーター:黒沢良
  • 協力:金剛プロダクション
主題歌
  • 『江戸の夜明け』:発売 コロムビアレコード
    • 作詞:川内康範、作曲・編曲:曽根幸明、唄:杉良太郎
登場人物
  • 隠密同心 十文字小弥太:杉良太郎
前作と同じく、「相模無宿の珊次郎」の通り名で活動している。成敗時の衣装も黒色紋付きの着流しになり、名乗ることが格段に増えてくる。
  • 隠密同心 井坂十蔵:瑳川哲朗
前作と同じく素浪人姿で活躍をするが、第1シリーズのようなつぎはぎの袴姿は減り、黒の着物に袴が多くなった。珊次郎には‘山猫お七’が(第26話〔通算第78話〕まで)いるが、十蔵の‘おとら’は早耳金太と交代でいなくなった。成敗に着用の衣装は、前半はそのままが多く、後半では、黒色紋付き(家紋は第3シリーズとは違っている)の着流しに代わっている。成敗時に名乗ることが増えたのは小弥太と同じである。
  • 隠密同心 (第26話〔通算第78話〕まで、芸者)小波:梶芽衣子
ポジションは前作と同じであるが、第27話(通算第79話)より隠密同心と正式に表記されるようになった。任侠一家の娘だった過去や当初から隠密同心であった(松平家の家紋入りの懐剣を所持)ことも、このシリーズで正式に明かされる。黒の忍装束の他、顔を隠さずに長髪ワンレングス姿の赤紫色の忍装束を着て参戦する。前2人と同じで、成敗時に名乗ることが増えている。
  • 山猫お七:岡田可愛
このシリーズでは内藤邸への出入りや、補佐として正式に捜査を担当したり、名乗りを上げるシーンにも登場するが、あくまで隠密同心ではなかった。花札を摸した手裏剣を武器に使用する。生まれて幼子の時に実の兄(夏八木勲)と生き別れになり、その後女児を持つ摺擦稼業の父親(辰巳柳太郎)が引き取り、実子のりえ(葉山葉子)と分け隔てなく技を仕込み乍ら育てた。双方とも足を洗ったが、技を使うところをお七に見られた。第26話(通算、第78話)を最後に、姿を消す。なお、岡田可愛は第3シリーズで、娘瓦版売りのお花として、ゲスト出演(小弥太を「珊次郎兄貴」と呼ぶ他、髪型も同一である等、お七と共通であり、復活したような演じ方であった)をした。
  • 旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥
前作と同じ旗本寄合席で、隠密支配をしている。第3シリーズ以降に比べ、出演話数も多かった。前作では1人で名乗ることが多かったのと、配下の名乗りがある時も最初に名乗っていたが、今作で、配下が名乗るのが増えると、最後に名乗るようになり、第3シリーズに演出が似て来た。
  • おかん:白木マリ
前作と同じく、居酒屋の女将である。ただし、居候の音吉は登場しない。
  • 早耳金太:古今亭志ん駒
珊次郎、十蔵、小波、お七 達と旧知の瓦版売りで、「珊次郎兄ぃ」と呼んでいる。前作のおとらに代わり登場。お七を「姉御」と呼んでいる。
  • おせん:太田とも子
第27話から、山猫お七と交代で出演の、桜湯の娘役である。
  • 萩乃:花ノ本以知子
内藤勘解由の(養女)娘。
  • 仙吉:三ッ木清隆
第1シリーズと同じであったが、第2シリーズでは初期の2話分のみの出演とエンディングの映像に留まり以降の出演はなく、演じていた三ッ木清隆は別の登場人物として、ゲストでの出演に代わった。
オープニング及びナレーション

「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の犯罪を憎み、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える男たち。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに、明日と言う日はない」第1シリーズでの変更があったが、僅か12話分で新なナレーションが創られている。完成形の第3シリーズでの文言と、殆ど変わらない口上になっている。

放送リスト(第2シリーズ)

テレビ東京での管理では、東京12チャンネル時の第1シリーズから第3シリーズまでを通算で製作を行って来た。放送回数的に第3シリーズになってからではあるが、放送回数の第300回や、第500回の記念製作が行われ、特別ゲスト(三船敏郎)を招いての製作や、地方ロケ(長崎雲仙、新潟佐渡)を行っていたが、第1シリーズからの通算放映回数で、話数は計上されている。そのために再放送や、CS通信衛星放送局の番組表などでは、このリストと違いテレビ東京(東京12チャンネル)の話数で表されており、第2 シリーズでは、第1シリーズからの通算話数(+52。※第1シリーズ話数を足した数)となっている。第2シリーズの第1話は通算第53話となる。

第3シリーズ

1973年9月22日 - 1984年3月31日放送。制作は三船プロダクションに移行するも、内紛分裂騒動の余波から、1982年10月より、ヴァンフィルに。2007年1月に発売されたパチンコ「CR大江戸捜査網」のモチーフになっているのは、このシリーズである。 なお、2003年にキングレコードから発売された「大江戸捜査網オリジナ ルサウンドトラック」はジャケットに「アンタッチャブル」と記されているが、収録されているメインテーマの演奏は第3シリーズ 里見浩太朗の主演時に編曲された時のものである。

スタッフ
  • 原案:日活株式会社(第1 - 305話)
  • 脚本:胡桃哲(126回)、山崎巌(123回)、中野顕彰(109回)、山浦弘靖(49回)、武末勝(24回)、小川英(22回)、大工原正泰(18回)、土橋成男(15回)、服部一久(12回)、中西隆三(10回)、 杉良太郎(1回)他
  • 監督:江崎実生(72本)、宮越澄(60本)、長谷部安春(55本)、斎藤光正(38本)、高橋勝(37本)、松尾昭典(35本)、手銭弘喜(30本)、小沢啓一(24本)、岡康季(20本)、外山徹(19本) 他
  • 企画:時崎克彦(東京12チャンネル→テレビ東京)、元村武(三船プロ→ヴァンフィル)
  • プロデューサー:岡哲男、小川清澄、小林尚武、石川博(東京12チャンネル→テレビ東京)、佐々木太郎、木村博人、内藤三郎、新藤次郎、田辺隆史(三船プロ→ヴァンフィル)
  • プロデューサー補:犬飼佳春
  • 音楽:玉木宏樹
  • 脚本協力:ジャック・プロダクション
  • 選曲:鈴木清司、合田豊
  • 撮影:岩橋秀光、原一民、山田一夫、村野信明、斉藤孝雄、小野進、坪井誠、森隆吉、有吉英敏、小泉一、笹木欣二、緒方博
  • 美術:川島泰造、福留八郎、筒井増男、上條文雄、石田良之、木村晃广
  • 録音:近藤克巳、吉沢昭一、大野久男、宮永晋、秋山一三、八木多木之助、浜勝堂、宮永サウンド
  • 照明:窪田彰、土井直之、遠藤克己、佐藤幸郎、釜田一、北爪勇、内田皓三、嶋田宜代士
  • 編集:岡田三知夫、井上親弥、岡村博也
  • 助監督:宮本淳郎、布施修、佐野正弘、宮越澄、鹿島章弘、下村優、北村武司、白井政一、岡康季、武内孝吉、大久保直実
  • 記録:中川節子、内田絢子、石川恵与、浅野秀子、照井鈴子、黒岩美穂子、森靖子、東紀子、沢田享子、福島勇子、堀北昌子、小池美智子、小島秀子、広川貴美子、椎塚二三
  • 演技事務:長崎洋二郎、石坂久美男、佐々木健一、前原満司、宮下博、真鍋和己、大場正弘、平林俊夫、松本清孝
  • 製作主任:力武敏彦
  • 製作担当:江成健、河井正一、守屋徹、平林俊夫、荻原静、高橋憲行、福塚孝哉、吉田由二
  • 殺陣:林成二郎、渡辺高光、山口博義、伊奈貫太、上野隆三、三好郁夫、高倉英二
  • 効果:東洋音響、宮田音響
  • 整音:星一郎、アオイスタジオ、トリッセン・スタジオ、黒丸治夫
  • レーザーサウンド:横浜シネマ(第513 - 536話)
  • 現像:東洋現像所、東京現像所
  • 装置:三船プロ、トリッセン、美建興業
  • 小道具:高津映画装飾
  • 装飾:三度屋美術工房
  • 衣裳:京都衣裳
  • 美粧:山田かつら店
  • 協力:三船芸術学院(第409 - 510話)
  • ナレーター:黒沢良
  • 製作協力:金剛プロダクション、六本木オフィス、松プロダクション、三船プロダクション(第460 - 510話)
主題歌
  • 『江戸の夜明け』(第1 - 26話)/音源は発売用レコードより。
    • 作詞:川内康範、作曲:曽根幸明、唄:杉良太郎、発売:コロムビアレコード
  • 『ながれ橋』(第27 - 78話)
    • 作詞:葉方八郎、作曲:玉木宏樹、唄:若子内悦郎
  • 『砂の枕』(第79 - 131話)
    • 作詞:菅野さほ子、作曲:遠藤実、編曲:斉藤恒夫、唄:里見浩太朗、発売:ポリドールレコード
  • 『微笑みをすてる時』(第132 - 305話)
    • 作詞:石原信一、作曲:竜崎孝路、編曲:小谷充、唄:里見浩太朗、発売:RCAレコード
  • 『燃えよ夕陽』(第306 - 408話)
    • 作詞:柴田陽平、作編曲:玉木宏樹、唄:たきまさと、発売:CBSソニー
  • 『落日』(第409 - 442話)
    • 作詞:なかにし礼、作曲:浜圭介、編曲:竜崎孝路、唄:南条弘二、発売:コロムビアレコード
  • 『漂流者たち』(第443 - 510話)
    • 作詞:大津あきら、作編曲・唄:ノーザン・ライツ、発売:東芝EMIイーストワールドレーベル
  • 『陽だまり』(第511 - 536話)
    • 作詞:山上路夫、作曲:平尾昌晃、編曲:馬飼野俊一、唄:西尾ふじ美、発売:東芝EMI
挿入歌
  • 『愛しいバラのように』
    • 作詞:大津あきら、作曲:小田裕一郎、編曲・唄:ノーザン・ライツ
登場人物
隠密同心(レギュラー)
  • 十文字小弥太:杉良太郎
前シリーズ同様普段は佐渡帰の遊び人,相模無宿の珊次郎として活動。捕らえられ佐渡送りの島流しの刑を受けて、江戸へ帰って来ていた。流刑の付属刑左腕へ刺青で2本の筋と片仮名のサの文字も彫られているが、隠密廻り同心として内藤に入れて貰えたことを感謝し、熱心に仕事を続けていることに、丁度良く刺青刑を利用して悪人の組織に見せて入り込んだり、逆に不要な時には、化粧で完全に見えなくしたり、業と手拭いで巻いて隠す程度にし、同情を買って貰う等の作戦で潜入を成功に以て行く作戦等にしたり利用をしている。周囲からは「珊次郎兄貴」や、「珊次郎さん」と呼ばれ、仲間から「小弥太」、「十文字」と呼ばれていた。第7話(通算112話)以降、能面をつけて悪人の前に現れることがある。野性味あふれる太刀さばきが特徴。第3シリーズでの隠密装束は、黒や紺の紋付き着流しを着用する。第26話(通算130話)で、松平定信を失脚させようとした若年寄の堀田(佐々木孝丸)と北町与力の森川(勝部演之)の野望を阻止し、吟味役与力に任命(200石加増)され一旦は「私だけ与力にはなれません、生きるも死ぬも一緒にと誓った仲間とは離れません」等と固辞したが、勘解由より「上様のお声掛かりだから、断ることは出来ぬ」と云われて仲間の前から去った。
  • 伝法寺隼人(でんぽうじ はやと):里見浩太朗
小弥太の後任として、第27話(通算131話)から登場した。表向きは音次郎として、新内流しや遊び人風体で活動、仲間からは「音さん」と呼ばれ、成敗等で本名を名乗っている時に、危険等を知らせることが出来て呼ぶ時にも「音次郎」や、「音さん」と呼ばれており、表向きに刀を捨てる前に付き合いが在った、旧知の知り合いからは「隼人」や、「伝法寺様」等と呼ばれている。一刀流が中心だが、、実は二刀流の達人。元々は200石の旗本出身。第38話(通算第142話)の時点から8年前までは、矢作二刀流道場で親友の小早川(川地民夫)と共に竜虎の異名をとるほどで、しばしば二刀流で戦うことがある(第27、28、30~32、38、46、53、54、62、80、116、127、178、194、205、220、243、300話(通算第131、132、134~136、142、150、157、158、166、184、220、231、282、298、309、324、347、404話)など)。その太刀さばきは華麗。遊び人では素手や鎖(第29、31、37、46、47、51、55話(通算第131、135、141、150、151、155、159話)または仕込み煙草入れ(第47話、第52話(通算第151、156話)、新内流しでは棹や撥に刃を内蔵した仕込み三味線で闘うこともある。隠密装束は青や紺、紫(第60・273話(通算第164・377話)の紋付き着流しを着用。リーダーシップに長け、使命感に強い。第305話(通算第409話)で、爆破事件の黒幕が将軍家御家門である筆頭若年寄の菅沼将監(菅貫太郎)だったため、切腹を覚悟で成敗するが、定信の計らいで菅沼は病死となり、上方に新設される隠密同心組織の隠密支配に任命され、旅立って行った。
  • 左文字右京(さもんじ うきょう):松方弘樹
隼人の後任として、第306話(通算410話)から登場。表向きは板前・清次郎で、向島の料亭で板前をしていたが、その店が火事でやけたため内藤勘解由に雇われ桔梗屋で働くことになった。普段は「清さん」の愛称で呼ばれる。表向きに、刀を捨てる前に付き合いが在った知り合いからは「左文字様」等と呼ばれるが、「左文字様は止してくれ」と応えている。御家人の次男坊であったが、武士の仕組みに嫌気がさして刀を捨てた。だが、内藤勘解由にその腕を見込まれ、1年間、隠密同心としての修行を積んだ。直心影流の使い手で、野性味と華麗さを併せ持った太刀さばきを見せる。隠密装束は306話(通算第410話)の初登場から白の紋付き着流しで二刀流での立ち回りも多い。左投げでの目打ち投げで危機介入することが多い。第331話(通算第435話)からは毘沙門亀甲柄の浅葱色(水色)の着流し。さらに終盤は紗綾柄の紺の着流しで一本差になる。家紋鷹の羽紋。茶目っ気ある気さくな性格で江戸庶民との交友関係も幅広いが、許せぬ悪人に対しては荒っぽい言動をするほど直情的になる。第536話(通算第640話)で幻の御前の死と旧知の町人たちを自らの暗殺計画に利用された怒りから、隠密同心の証の懐剣を返上。全ての黒幕である将軍家御家門・・立花左馬介(宮内洋)を成敗した後、いずこともなく去っていった。
比較的初期には「鈴の調べは悪を斬る」と言って成敗に乗り込み、罪状を暴きながら赤房の鈴をリレーする。その後罪状を述べた後に葵(または松平家の家紋)の紋付き懐剣を示し「たとえ世間は黙って見過ごしたとしても、この懐剣が承知出来ねえとよ」と言うと、大体、下手人の頭が「貴様等一体何者だ」と問い掛けると順次名乗りをあげるが、殆ど「者共出合え!曲者ぞ!構わぬ!斬れ斬れ!斬って捨てぇい!」等と刃向かうと成敗に入る。
名乗りは「三途の川の渡し守、隠密同心左文字右京」と名乗る。
  • 井坂十蔵:瑳川哲朗
前シリーズ同様、虚無僧や同心などの活動が多いが、第122話(通算第226話)で寺子屋の先生を始めてからはシリーズ後半の表向きとして定着するようになる。第27話(通算第131話)から椿の花の代わりに、太刀の柄と鞘を組み合わせた即席の長巻を武器とし(第27、29、31~34、39、40、48 ~ 50、53話(通算第131、133、135~138、143、144、152~154、157話)、髪型も総髪の他に第1シリーズ初期の御家人ムシリや)(第27~39話(通算第131~143話))、月代の武家髷に一時期変更されていた。小弥太以外の仲間からは「旦那」と呼ばれる。剣の流派は神明一刀流。かつて父親は普請方に勤めていたが、上役の賄賂による不正に巻き込まれ切腹し、お家断絶で天涯孤独となり、神明一刀流道場主の脇坂玄藩(加藤嘉)に育てられた(第122話(通算第226話))。脇坂藩家中の女性と恋仲だったが、隠密同心としてスカウトされたため別れた過去がある(第34話(通算第138話))。にわかながら医術の腕もあるようで、負傷した仲間や町人の手当てを行ったこともある、隠密装束は初期は薄い灰色、第27~305話(通算第131~409話)は黒の紋付き着流し。第306~330話(通算第410~434話)は白の紋付き着流しに黒白の帯。第331話(通算第435話)からは薄い灰色や濃い灰色の紋付き着流しを着用。吹雪と新太郎が参入した後半辺りからは黒の着流し、終盤は紗綾柄→毘沙門亀甲柄の黒の着流しを着用。職人に化けるときは丸に十の半纏を着用。
家紋は浮線片喰。第536話(通算第640話。最終回)で清次郎らと共に江戸から姿を消した。第1シリーズから最終回まで出演した唯一のレギュラーである。
  • 夕霧:古城都(第1、17、18、23話(通算第105、121、122、127話))
第1話(通算105話)から登場。芸者、武家女中、男装の剣士などの顔を持つ女隠密。小波の後任。演じた古城のスケジュールの影響か、わずか4回の出演回数にとどまり、特に説明のないまま姿を消した。隠密装束は赤紫の忍装束。
  • 不知火のお吉(しらぬいの おきち):江崎英子(第132話(通算第236話)から江崎由梨に改名)((第32、34 ~ 36、42、49、60、71 ~ 75、157話(通算第136、138~140、146、153、164、175~179、261話)を除く)
第1話(通算第105話)で隠密同心に加入。立場的には、お七の後任の位置だが正式の隠密同心である。初代魚屋隠密。盗賊・・不知火吉兵衛の娘。9歳の頃から掏りをしていたことがあった。幼い頃、内藤勘解由に拾われ、鞍馬山のぜんこう和尚に預け、修行させた。隠密装束は初期は半袖の黒地上着に、黒のショ-ツと網タイツ、髪型はポニーテール。名乗りが「不知火お吉」であった。中期からは下半身はパンツになり髪型も下ろした簡単な一つ結びになり名乗りも「不知火お吉」となった。後期は黒地に朱色の墨流し模様柄の革製半袖上着に左手に手甲を装着、終盤は赤と黒の墨流し模様襟の黒地の長袖上着、赤と黒の墨流し模様の細い帯に両手首に黒のリストバンドを装着(装着していない回もある)、第158話(通算第262話)で、幼馴染の新吉(久富惟晴)を救おうとして、屋形船で銃弾を浴びる。重傷の身でどうにか事件の黒幕を成敗した後、内藤勘解由の計らいもあり、新吉(久富惟晴)の故郷で治療するため、彼と共に江戸を去った。
  • くれないお蝶:安田道代(第26~30、32 ~ 36、38、42~47、49、59、60、66、67、69 ~ 73、78話(130~134、136、140~142、146~151、153、163、164、170、171、173~177、182話))
戦力補充のため、第26話(通算第130話)から登場。普段は胡蝶((こちょう))という名の芸者で活動。成敗時は、唯一紫色の仕込み和傘の刀を逆手持ちで戦う。初期の傘はやや太目の長い仕込み傘。傘の頭ろくろに刃が仕込んである。隠密装束は青の着物に赤地に白の胡蝶柄の帯。髪型はやや丸みのある結髪。第78話(通算第182話)で、敵の仕掛けた罠から少女を庇い、爆発に巻き込まれて死亡。屍は拾われて火葬された遺骨は、音次郎によって故郷へ連れ帰された。
  • いさり火お紺:山口いづみ(第66、67、69、70、78、110、114、125、137話(通算第170、171、173、174、182、214、218、229、241話)を除く)
第62話(通算第167話)から登場。これにより女性隠密がシリーズ唯一の3人体制になる(が、女性隠密が3人同時に出演することはなかった)。基本的にはお蝶の代役だが、第71話(通算第175話)では同じ芸者で諜報するお蝶(胡蝶)と唯一コンビを組んでいる。表向きは芸者で「お母さんに聞いてみないと」が口癖。酒豪で壷振りの名手でもある。隠密装束は、初期は桃色の着流しに髪はポニーテールで鍔ありの青い柄の刀だったが、第76話(通算第180話)からは鍔無し朱色の鞘の合口の小太刀を使用。第86話(通算第190話)からは真紅色の着物に髪は結髪に変更される。第158話(通算第262話)を最後に将軍の護衛につくため、隠密同心の任を退いた。
  • 稲妻のお竜(名乗りは「稲妻お竜」。第203話(通算第307話)からはクレジットも稲妻お竜となる):土田早苗
第159話(通算第263話)から登場(第328話(通算第432話)から第336話(通算第440話)の間は急病のため、出演していない)。表向きは芸者玉竜(たまりゅう)として活動する。花札占いを得意とし、鉄火肌で男相手にも引けをとらない性格の持ち主。元々は武家の娘。隠密装束は、初期は黒の折り返し袖に白の紐飾りの付いた半袖の赤紫色の忍装束に両手首に赤紫色のリストバンドで、紫色の柄の刀を逆手(順手の時もあり)で使用。髪型は三人官女風の結髪。第203話?第305話(通算第307~409話)からは青の着物→紫の着物に白の帯に赤い帯紐(337・338話も紫色着用(通算第441・442話))を着用、髪はキッチリした結髪に変更、刀は鍔無しの紺色鞘の刀を使用。第306話(通算第410話)からは白の着物に紫白の帯で鍔無し黒の鞘の刀、第339話(通算第話)からは青紫色地に白い胡蝶柄の着物。対外的に玉と名乗っていることがあり、其の場合には、「お玉」、「お玉姉ちゃん」、「お玉小母ちゃん」等と呼ばれていた。第408話(通算第512話)で、事件に巻き込まれた少年の目を治すため、亡くなった母親に代わり、少年に付き添い共に長崎へ旅立った。
  • 風(かぜ):志穂美悦子(第165話、第185話、第186話、第199話、第201話(通算第269、289、290、303、305話)を除く)
第159話(通算第263話)から登場。幼少時より、武術の心得がある和尚(加藤嘉)の指導の下、山奥で兄弟子佐元太(郷瑛治)と修行に励んでいたが、和尚の命にて江戸へ発ち隠密同心に。風では呼びづらいこともあり、勘解由からお新の通り名を与えられ、二代目魚屋隠密として活躍。第159話(通算第159話)で、自身よりも先に江戸へ出て道場破りを行っていた兄及び黒幕だった和尚を成敗。空手と男勝りの大胆なアクションで、新風を巻き起こす。隠密装束は背中に風の文字が書かれた赤い袖なしの忍装束で、両手と下半身は紺のタイツ、髪型はポニーテール、刀は背中に差している。第202話(通算第306話)で、身分を明かしてまで恋仲になった友吉(寺田農)の娘おさきを救出する際、爆風によって失明寸前になるが、自力で敵を討ち、友吉親子と共に治療のため、江戸を旅立った。
  • はやぶさお銀:安西マリア(第206話、第215話、第218話、第222話、第227話(通算第310、319、322、326、331話)を除く)
三代目魚屋隠密。第203話(通算第307話)から登場。年齢19歳。抜荷の疑いをかけられ死罪になった、長崎の回船問屋南海屋の娘。その仇を探し求めていくうちに、女郎屋の下働きとして売り飛ばされた過去がある。身請け寸前に手裏剣の師匠と出会い、その際に手裏剣技を会得。普段から目印・護衛用にくない型手裏剣を隠し持っている。隠密装束は上半身、赤色地の縦横白線一本線模様で、下半身は黒のレオタードスパッツ姿の岡っ引き風、髪型はポニーテール。左手首に棒手裏剣を携帯している。第230話(通算第334話)で、自分と似た境遇の千太(酒井修)との出会いが縁で、役目を退いて彼と共に旅出った。
  • 流れ星おりん:かたせ梨乃(第326話(通算第430話)を除く)
第231話(通算第335話)から登場した、四代目魚屋隠密。お竜との女性隠密最強コンビは、シリーズ全盛期を支えた。松平定信の身代わりとなって、地雷の犠牲となった側近片桐十郎太の娘で、本名は片桐楓。亡き父の願いで、隠密になるべく修行を重ねていた。(時々、幼少期の時の幼馴染みが、「おりんちゃんと昔よく遊んだね」と内藤勘解由から名付けられた筈の、通り名での幼馴染みでは、あり得ぬおかしい設定の時がある)初期の武器は赤鞘の刀だが、第254話(通算第358話)で赤い短槍と脇差に変更、槍の先に鞘が付いていたが、数話で省略された。隠密装束は初期は、上半身赤色地の縦白線の二本線模様で、岡っ引き風の上着に黒の帯、両手に黒のリストバンドを装着。254話?305話(通算第358~409話)と331話?408話(通算第435~512話)は、真紅色地に細い不揃い花弁の花模様の、岡っ引き風上着に黒の帯に、両手首に黒のリストバンドを装着し、、前髪を下げたポニーテールから、整髪されたポニーテールに、第306話(通算第410話)からは、白の岡っ引き風上着で赤白の帯に、両手に黒の手甲当てを装着。第409話(通算第513話)からは真紅色地に六枚花弁模様の、岡っ引き風の上着で、黒の帯に両手黒色の手甲当てを装着、下半身は黒ショ-ツに膝下黒の足当て姿。。終盤では白頭巾に扮して活動することも多かった。。第459話(通算第563話)で、、私情から隠密同心の肩書を捨てた上に、敵の証拠を手に入れるため、吹雪と共に敵地に乗り込んだが、公儀御庭番・天馬一真たちの襲撃を受け、重傷を負う。それでも、自力で桔梗屋まで戻り、証拠を入手した。新太郎がおりんと吹雪の治療に当たり、清次郎、十蔵、新太郎、藤堂対馬が敵地に乗り込みに成敗して、二人のために、最後の真の黒幕を、半ば傷が回復したおりんと吹雪に成敗させた。そして治療のため春香と共に江戸を離れた。
  • 吹雪:岡江久美子
第409話(通算第513話)から登場。隠密支配の座を退いた、内藤勘解由の置き土産という形で加入。表の顔は芸者春香として、情報収集などに活動。新太郎とは対照的に金にはうるさいが、芸者の仕事は好きではない様子で、「違う方法での探索をしたい」と言っていたが、「やることが出来るのはお前だけだ」と説得され、渋々引き受けた。本当の名はお春で、材木問屋の娘だったが、幼少の頃に両親を賊に殺され、危ういところを根来忍者の残党だった疾風の源次に助けられ、妹同然に育てられたが、江戸の父の知り合いによって引き取られた(第434話(通算第538話))。隠密装束は、紫の着物に黒の藤巻合口の刀で、着物の右の袖を外して、緑地に白の花柄の、肌襦袢を見せて立ち回る。第459話(通算第563話)で、おりんとともに負傷。涙ながらに隠密同心を引退した。
  • 九條新太郎:南条弘二
第409話(通算第513話)から登場。吹雪と同じ理由で加入。伊豆国韮山(現、静岡県伊豆の国市)で代々続く医家の出身で、実家を飛び出し江戸に遊学中に、隠密同心としてスカウトされた。後に、母親佐和(演:馬淵晴子)が実家へ帰るよう江戸へ説得しに来たが、患者に慕われているところを見て理解を得ている(第430話(通算第534話))。表の顔は小石川養生所の見習い医者だが、表の仕事に積極的でなく、養生所にもあまり顔を見せないため、先輩達を困らせている。しかし腕は確かなようで、検視官役を買って出たり、仲間や町人の治療や手術を行う場面もあり助けられた町人から 「九條先生」 と慕われる時も。清次郎(左文字右京)や春香(吹雪)からは「新の字」と呼ばれる。女性に目がなく、女郎屋に足繁く通い、清次郎(左文字右京)に前借りをすることもしばしばで、それが原因で、トラブルを起こしてしまうこともある。自分の身代わりで捕縛された左文字右京を、処刑寸前の危機に晒してしまう事態に発展したこともあった(第518話(通算第622話))。髪型は総髪髷だったが第423話(通算第527話)からポニーテールに変わり、普段の着物も灰色だったが、第423話から緑色、第511話(通算第615話)から紺色に変わった。成敗時の装束は、前半は青色の紋付き着流しで、太刀を武器を持つ。家紋は唐木瓜紋。第460話(通算第564話)からは紺色の半袖忍装束、白色の布帯に左腕に手甲を装着、武器も忍者刀に変更され、蹴りなどのアクションを多用。さらに終盤は緑色の半袖忍装、黒色の布帯に左腕に手甲を装着。第536話(通算第640話)で、左文字右京らと共に、江戸から姿を消した。韮山の実家にみよという妹がいる。
  • 風車のお菊:夏樹陽子
第460話(通算第564話)から登場。 吉賀衆出身の忍者崩れで、風車が装飾された簪を手裏剣代わりに使用する。忍者狩りの命を受け村を訪れた藤堂対馬の温情により、父の仲間の猿(ましら)の右源太によって実の娘同然に育てられ、成長した後隠密同心に任命された。普段は芸者菊丸として、情報収集などに活動。隠密装束は藤色(薄紫色)地に白の白鷺柄の着物。帯は黒地に金の花柄。得物は紫の組紐の飾りの付いた鍔無し白い藤巻合口拵えの刀。吹雪という雑賀衆(さいかしゅう)の忍である双子の妹(夏樹陽子二役)がいる。第536話(通算第640話)で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
  • 疾風のおせん:山田由紀子→山田由起子
五代目魚屋隠密、第460話(通算第564話)から登場。左腕に昇り鯉の刺青を施している。孤児であり、軽業師一座にこき使われていたところを、薬種問屋の信濃屋に引き取られて育てられた。その後信濃屋夫婦に実の娘が誕生したため、身を引くべく刺青を入れて店を飛び出すが、信濃屋に相談を受けた藤堂対馬の計らいにより魚河岸で働きながら武芸を習得した(第461話(通算第565話))。直情的な面があり、若さと感情に任せて発言・行動することが少なからず見受けられ、仲間から指摘されることもある。また、その姿勢が原因で敵に捕らえられ新太郎と共に処刑寸前の危機に発展してしまうこともあった(第477話(通算第581話))。悪党に名のる際の手を打つポーズは他の隠密同心には見られない彼女特有のものである。隠密装束は袖なしの黄色の忍び上着に黄色のショーツ、髪型はポニーテール、額は鉢巻代わりの三色三つ編みの組紐、オレンジ色の細い組紐が付いた特殊な小太刀とアクロバット戦法を得意とする。第499話(通算第603話)を最後に、プライベートな事情から降板。
  • つばくろ〔燕岳〕の茜:清原美華
第511話(通算第615話)から登場。幻の御前の命を受けて密かに御子神の動向を探り、その過程で清次郎たちと知り合う。幻の御前の隠密支配着任に合わせて隠密同心に加入。魚屋隠密ポジションではあるが、男装の遊び人が表向きの模様。かなりの酒豪で、渡り髪結いや桔梗屋の女中として働くこともある。3年前に不良集団の一味として荒んだ生活を過ごしていた過去が明かされているが、隠密同心にスカウトされた経緯が明かされることはなかった。隠密装束は赤地に金色の牡丹柄の岡っ引き風長袖に、黒の一本線入りの茶色とベージュの帯に、黒のショーツ姿に黒の足当てを着用、髪型はポニーテール。刀は逆手持ち。赤房付の短剣を投げて戦うこともある。第536話(通算第640話)で清次郎らと共に江戸から姿を消した。
隠密支配
  • 旗本寄合席 内藤勘解由:中村竹弥
第51話(通算第155話)で、7年前に勘定奉行に任命されるが爆薬で妻子を殺され、政に対する自責の念から、勘定奉行の役職を退いた過去が判明している。同回で再び勘定奉行に推挙されるも「庶民を犠牲にする政には興味がない」との一念から拒否している。名乗りの際は初期の「旗本寄合席?」パターンと「そして隠密支配?」のパターンがある。隠密装束は特に決まっていないが、第306、307話(通算第410、411話)のみ白の着流し、後半は紫の着流しが多い。鳥を飼うのが趣味(第77話(通算第181話)ほか)。第404話(通算第508話)が最後の出演となったが、特に理由を説明されないまま姿を消した。井坂十蔵によれば家紋は「源氏車に八枚笹」とのこと(第124話(通算第228話))。
  • 大番頭(おおばんがしら) 藤堂対馬(とうどう つしま):大山勝巳
第409話(通算第513話)から登場。内藤勘解由より隠密支配を引き継いだ。隠密同心の雇い主。清次郎たちには「頭(かしら)」と呼ぶよう頼んでいる。第416話(通算第520話)で、佐竹藩藩主小池左馬介の義理の弟であることが明かされた。隠密装束は紫の着流し。名乗りの際は「そして大番頭、またの名を隠密支配?」などがある。前の大番頭だった中津川隼人の推挙によって大番頭に就いたが、その中津川が隠し金山に絡む悪事に加担していた疑惑で、良心の呵責から犠牲になった人足夫婦の仇討ちに躍起になっていた春香とおりんに手を引くよう警告した結果、2人に懐剣を返上させてしまう事態を招いたこともある。第497話(通算第601話)が最後の出演であるが、第511話(通算第615話)で御子神安房守から大坂城代となったため、隠密支配の職を辞したことが語られた。
  • 影の支配 幻の御前(声):黒沢良
第511話(通算第605話)から登場。本名や素性などは一切公表無し。普段は顔も編笠で隠したり、姿を見せず声だけだったりと正体不明の存在。御側用人・土屋伊賀守 なる人物が正体であることを仄めかす描写がある(第513、525話(通算第607、629話))が、真相は不明。指令は大概口頭で行なうが、時に文書で事情を伝えることもある(第519話(通算第623話)など)。清次郎との初顔合わせでいずれ正体を明かすことを語ったが、その日が来ることなく、最終回にあたる第536話(通算第640話)で、清次郎たちの素性を立花左馬介(宮内洋)の息のかかった若年寄・津島大膳に洩らし、それが敵の隠密同心抹殺計画に利用されたことを苦に切腹し、果てた。
サブメンバー
  • 山口太兵衛:左右田一平
音次郎とともに隠密同心に加入。いささか堅物の武士で、隠密としては掟違反ながら、おはま(中村玉緒)という情妻とその間にできた赤ん坊がおり、この点は内藤勘解由も黙認している。あかねこ探索中に事件に関わっていた浪人(天津敏)の不意打ちを受け殉職。第27話(通算第131話)のみの出演。死後、音次郎、井坂、お吉、お蝶の4人が墓を掘り暴いて、棺桶から死体を取り出して焼く。この当時は棺桶をそのまま埋め込む土葬であるが、敵に掘り出され探られるのを防ぐための火葬のために、骨も残らないように完全に灰に成るまで焼き切っている。ただし、この世からの抹殺で、音次郎の台詞にそれが現れている。「折角この世に生まれながら、隠密としての全てが消される。隠密とは虚しいものだなぁ」と。之が火葬との違いを現している。内縁の妻の下へ帰すことが出来ないことも、音次郎の台詞に現せられていた。
  • 火車おもん:高瀬春奈
実の父親は、南町奉行所与力で勘解由の将棋仲間だったが、抜荷の犯人に撃たれて死亡。勘解由の計らいで、町火消し「は」組の頭(かしら)辰造の娘として育てられた。辰造が殺された復讐を果たすべく、勘解由に懇願して隠密同心に加入した。芸者のときは染香名義。
土田早苗の急病で、第331~336話(通算第435~440話)の短期間の出演。隠密装束は赤紫色の地に白色の車輪と纏の柄の着物で、赤い鞘の刀(第331、332話(通算第435、436話))と紺の鍔なし鞘の刀(第333~336話(通算第437~440話))を使用。
  • 矢車お菊:中島ゆたか
根来忍者の生き残りで、菊弥という名前で芸者をしている。内藤勘解由が隠密同心に入れようと育てていたが、悪阻で倒れていた所を町医者・高木新之助(河原崎長一郎第356話(通算第460話))に救われ、彼に恋をしてしまい、隠密同心の申し出を一度は断った。しかし、高木新之助の死をきっかけに、隠密同心に加入する。隠密装束は赤紫色地に矢車柄の着物。おもん同様お竜の代理による臨時参加で、第388話~390話・第401、402話(通算第492話~494話・第505、506話)の短期間の出演だった。
  • 御子神安房守:葉山良二
若年寄。藤堂対馬が大坂城代となったため、後任が決定されるまでの間、暫定的に隠密支配の座に就いた。だがその実態は木暮藩に絡む砂金横領の黒幕で、差し向けた隠密を手にかけた兵助の抹殺を清次郎に指示するが、逆にからくりを知った隠密同心たちの刀の前に散った。第511話(通算第615話)のみの出演。
その他のレギュラー・準レギュラー
  • 早耳金太:古今亭志ん駒
瓦版屋。第2シリーズより引き続き登場。事件解決のために貢献するが、大麻入りの煙草を吸わされたり、囮にされて殺されかけたりとロクな目に遭わない。いつも「桔梗屋」にいる珊次郎や音次郎、清次郎、井坂らの正体が隠密同心であることは知らない。第401話(通算第505話)までの出演。
住まいは「ほうづき長屋」(第53話(通算第157話))
  • おまさ:花ノ本以知子
当シリーズ初期における「桔梗屋」の雇われ女将。珊次郎たちの正体を知っている。
  • おかん:白木万理
「桔梗屋」の女将。第1シリーズより引き続いて登場する。
  • お春:立花かおる
「桔梗屋」の女中。
  • 松吉:南道郎
中期の第239話(通算第343話)『“泥沼に咲いた女郎花”』で登場当初は地回りであったが、第246話(通算第350話)『“音次郎を狙う狼の牙”』で、十手捕り縄を預かることとなり、御用聞きを勤め出したが、音次郎の考えを聴いてから「いやぁ俺もそうじゃねぇかと思っていた処だったんだよ」と、自分の考えのように言ったりしているお調子暫く出て来ていたが、いつの間にか出なくなるキャラクターの1人であった。
  • 千代松:山田隆夫
中期より後期に掛けての第328話(通算第432話)『“夫婦十手一番手柄”』で、孤児であった左官職人である千代松が、子供時分から自身の親代わりとなって育ててくれ、親代わりと慕っていた正式に奉行所から十手を授かった小者(目明かし)の親分(稲葉義男)が下手人捕縛の際に死亡したが、その時に本当は手助けをした井坂を、余計な手出しをしたために、自分の親代わりと慕っていた目明しの親分の死を招いた仇と思っていたが、後に違っていたことがわかり、その目明しの親分の娘おしずとの祝言の仲人を依頼するに至る。千代松自身ものちに奉行所から小者(目明し)として召し抱えになり十手捕り繩を授かる。俸給は安く何時も清次郎に「今度の手柄を立てればお手当を頂戴するから、今日は付けで」とたかり、お調子者で清次郎達に大きなことを言っては空回りをするが、憎めない存在。手柄を立てることは、既に清次郎達隠密廻りが斬罪しているから、千代松親分に捕縛は出来ないことを承知で、「親分!親分!お手当頂けたんでしょ?付けを払ってよ!」と清次郎に何時もからかわれ、千代松は「いやぁ大判小判をザクザク」とまで言った処で、清次郎に「じゃあ払って」と言われたら、「の予定だったんだけど、いつの間にか退治されちゃったんだよね。だからこの次。今日は付けで!」等清次郎と漫才をやるような出方だったが後に、早耳金太と共に姿を見せなくなる。(第394話(通算第498話))姫君七変化道中で、丈姫(風美圭)を亀山藩へ送る途中で立ち寄った茶店で、姫が娘姿から川屋で侍姿に着替えて目の前を通り過ぎた時には、影で見ていた清次郎とおりんに姫の姿を「あれで変装したつもりかしら」と言われる状態だったが、気付かずに「長えなぁ。うひひひ」と言っている間に置いてきぼりにされ、そのまま姿を見せなくなった。松吉と同じようなキャラクターであった。
  • 瓦版売り:鹿島信哉、石山かつみ
  • おみつ:小堺寛子
第409話(通算第513話)?。「桔梗屋」の女中。
  • お夏:早瀬さとみ
おみつに代わって登場した「桔梗屋」の女中。清次郎と昔知り合ったことがある。491話(通算第595話)までの出演。
  • おたね:丹阿弥谷津子
第508話(通算第612話)?。ある盗賊団の探索中に行方不明になった目明しの夫を探すため自らも十手を授かった小母の女目明しで、肝も据わっており、情に厚い。清次郎とは親子同然に仲がいいが、清次郎が只者でないことに勘付いている節がある。
  • 松平定信:黒川弥太郎→永井秀明
内藤勘解由と旧知の幕府老中で隠密同心の創設者。
第71話(通算第175話)では実弟が鉄砲密輸に加担しているらしいことを知り、隠密同心たちに捜査解任を通告するも、懐剣を返上しながらも探索に乗り出す胡蝶の執念に心動かされた勘解由の「隠密同心は我が子以上の存在」という言葉に絆され、実弟の成敗の許可を下す。
第536話(通算第640話)では立花左馬介の陰謀に利用され、責任を取る形で自害した幻の御前の切腹に立ち会った。
  • 第109話(通算第213話)「火花散る隠密七変化」で、美空ひばりが元隠密同心「葉隠れお雪」役で出演し、仇討ちを果たしている。
  • 稲妻お竜役の土田早苗は、2回、長期病欠している。そのため、芸者隠密同心のピンチヒッターとして、火車おもんと矢車お菊が登場しているが、それぞれ約2?3か月しか登場していないため、オープニングには登場せず、エンドクレジットのゲスト扱いである。
オープニング及びナレーション

「隠密同心 それは旗本寄合席 内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

※隠密支配の変更に合わせ「大番頭 藤堂対馬に命を預け」(第409話 ~ 第510話(通算第513~614話))、「影の支配 幻の御前に命を預け」(第511話 ~ 第536話(通算第615~640話))、平成第1シリーズは「老中 松平定信に命を預け」と言い回しがそれぞれ異なっていた。

放送リスト(第3シリーズ)

テレビ東京の管理では第1シリーズから第3シリーズまでを通算で管理しており、第300回や第500回の放送回数の記念は、通算での計上によって、放送回数300回記念別ゲストに、当番組製作会社の三船プロダクションの社長でもあった三船敏郎を招いての製作を行い、記念地方ロケ(300回は長崎雲仙、500回は新潟佐渡)を行って来ていた。このため、再放送時や、CS通信衛星放送の番組表などでは、このリストと違い第2シリーズ同様、第1シリーズからの通算話数となっていることが多い。朝日新聞出版から発売されている第3シリーズDVDコレクションの、杉良太郎のインタビュー映像内で示されるフリップにも第1シリーズから通算での105話、106話…と話数が記載されているのが確認が出来る。それは第3シリーズまでの管理を通算で行っているからである。放送での話数は、第1シリーズと第2シリーズの放映回数を足した数104を、更に足すと表せる。

※テレビ局で、第3シリーズが再放送される場合、番組表No.#○○○ から第1シリーズの話数の52話分と、第2シリーズの話数の52話分を足した104話を引いた数字がこのリストの各話の数字と一致する。逆にこのリストの話数に第1シリーズと、第2シリーズの話数を足した104話分を足せば、テレビ局での管理している話数となる。

1974年

1975年

1976年

1977年

1978年

1979年

1980年

1981年

1982年

1983年

1984年

新 大江戸捜査網

  • 企画:時崎克彦(テレビ東京)、元村武
  • プロデューサー:石川博(テレビ東京)、田辺隆史
  • 音楽:玉木宏樹
  • 主題歌:「信じますか」日本クラウン
    • 作詞、作曲:松本ひでき
    • 編曲:松井忠重
    • 唄:松本ひでき
  • 選曲:合田豊
  • 撮影:村野信明、北泉成、小野進、伊佐山巖
  • 美術:木村晃广
  • 録音:秋山一三(宮永サウンド)
  • 照明:嶋田宜代士
  • 編集:井上親弥
  • 助監督:大久保直実、宮崎寿一
  • 記録:石川恵与、小島秀子、椎塚二三
  • 演技事務:碓井義徳
  • 制作主任:平林俊夫
  • 制作担当:吉田由二
  • 殺陣:高倉英二
  • 効果:宮田音響
  • 整音:黒丸治夫
  • レーザーサウンド:横浜シネマ
  • 現像所:東洋現像所
  • 装置:美建興業
  • 小道具:高津映画装飾
  • 装飾:三度屋美術工房
  • 衣装:京都衣装
  • 美粧:山田かつら
  • ナレーター:日下武史
  • 協力:84プロモーション
  • 脚本:山崎巖、小川英、胡桃哲、和久田正明、土橋成男、大工原正泰、下飯坂菊馬、富田富美
  • 監督:長谷部安春、猪崎宣昭、岡康季、小澤啓一、手銭弘喜、宮越澄、白井政一、山城新伍、吉田啓一郎、大久保直実
  • 製作:テレビ東京、ヴァンフィル
オープニングクレジット(レギュラー出演者)
  • 隠密同心 新十郎:並木史朗
表稼業は飛脚だが、雇われているわけではなく、住まいである長屋の軒先に「手紙・送金、戀の橋渡し、文の代筆、その他よろず引受候」と掲げ、入り口には「飛」と大書してあり、自営のようである。備後福山藩の隣国の、取り潰された浅尾藩藩主の落胤(妾腹)で、備後福山藩の下級武士の娘であるお袖と恋仲になるも、身分の差で引き裂かれ、山寺に1年間閉じ込められたあと、武士の身分を捨て江戸に来た(第17話)。第26話(最終話)で、敵(松平定信を逆恨む尾張藩江戸家老 南原守膳)に正体がばれ、知り合いの子供が人質に取られる。また、瓦版に新十郎が隠密同心であり、子供が人質に取られたことを書き立てられ窮地に陥る。日向主水正から、御三家たる尾張藩へ乗り込むことを止められたため、隠密同心を返上、敵を成敗し江戸から姿を消した。
  • 隠密同心 銀次:三浦浩一
楽天家で「お役者銀次」を自称しているが、定職に就いておらず、いてふ屋につけをためている。そのためいつも、松五郎の斡旋で、さまざまな仕事を請け負っているが、いずれもまともなものではない。「お役者」を自称するだけに、さまざまな変装をする。第26話(最終話)で、敵を成敗し江戸から姿を消した。
  • 隠密同心 お紺:佳那晃子(大関優子)
表稼業は、「流し目のお紺」という通り名のはぐれ芸者。主に情報収集と、日向主水正から受け取る成敗書を敵に届けるのが役目で、成敗には参加しないことが多いが、第7話では簪で成敗したり、第26話(最終話)では、新十郎たちとともに成敗し江戸から姿を消した。また、成敗書を矢文にして飛ばす際に敵を倒すこともある。なお、演じた佳那晃子は、「大江戸捜査網」時代には大関優子名義で多数ゲスト出演をしていた。
  • 松五郎:ガッツ石松
隠密同心の行きつけのめし屋「いてふ屋」(いちょうや)の主。喧嘩っ早い性格で、時折、感情的になると相手を殴ってしまうことがある。いつも、銀次に仕事を斡旋している。新十郎たちが隠密同心であることは知らない。第26話(最終話)で、新十郎のことが瓦版に書き立てられたことで、裏切られた気になり冷たい態度をとる。しかし、最後に人質の子供を救い出した新十郎に、そのことを謝罪している。
  • お清:甲斐智枝美
松五郎の妻。松五郎との仲は良く、喧嘩をすることもあるがすぐに仲直りする。たまに新十郎に気があるかのようなことを口にする。
  • 隠密支配 日向主水正:瑳川哲朗
新十郎たちから御支配と呼ばれているが、表の役職は不明。老中 松平定信からの、丸に三つ葉葵の紋が入っている、罪状を記した成敗書を紺に渡している。新十郎たちと繋ぎを取る場面で出ることが多く、成敗には参加せず、立ち回りもしない。第26話(最終話)で、敵に正体がばれた新十郎及び他の隠密同心に手を出さないよう命令するが、隠密同心を返上されてしまう。
  • 隠密同心 榊原長庵:橋幸夫
長屋に居を構える医師で、貧しい人からは治療代を取らず、患者からの信頼も厚い。その反面、悪人には厳しく、口より先に手を出し、手荒なことも厭わない。人差し指で相手の体を貫通したり、関節を外したりする秘術の使い手でもある。第26話(最終話)で、敵を成敗し江戸から姿を消した。
準レギュラー出演者
  • 三太:岩瀬威司
長庵の手伝いをしている子供。両親は亡くなっており、代わりに育てている長庵を父と慕っている。
  • おとき:江崎洋子
いてふ屋の女中。第1回と第2回の役名クレジットは小女であるが、劇中ではときと呼ばれていた。

オープニングナレーション

「風が鳴る、殺気が走る、きらめく刃が闇を裂く。大江戸八百八町が眠る頃、隠密同心、推参仕る」

放送リスト

1984年

大江戸捜査網(1990年度版)

  • 制作:遠藤慎介(テレビ東京)、元村武(G・カンパニー)
  • プロデューサー:江津兵太(テレビ東京)、小川治(テレビ東京)、真鍋和己(G・カンパニー)
  • 音楽:玉木宏樹
  • 主題歌:「めぐり逢い」
    • 作詞:たかたかし
    • 作曲:小椋佳
    • 編曲:川口真
    • 唄:野中二郎(ビクター音楽産業)
  • 選曲:合田豊
  • 撮影:川崎龍治、森勝、松村文雄、林兆、伊佐山巌、中間政治
  • 美術:望月正照
  • 録音:川田保、高木勝義、井家眞紀夫、澤田敏春、大庭弘、菊地信之
  • 照明:三荻国明、井上幸男、鎌田靖男、前原信雄、佐野政美、島田忠昭、嶋田宣代士、沖田秀則、清水達己
  • 編集:河原弘志
  • 助監督:荒井俊昭、藤田保行、大久保直実
  • 記録:森靖子、石山久美子、石川和枝、長谷川幸子、田畑光代、井上一枝、福島勇子、杉原温子
  • 制作担当:松本洋二、土肥裕二、小久保良男
  • 殺陣:宇仁貫三
  • 演技担当:小久保良男
  • 俳優担当:小久保良男
  • 効果:宮田音響
  • 整音:映広
  • 現像:IMAGICA
  • 装置:美建興業
  • 装飾:しみず工房
  • 衣装:京都衣装(社名変更のため、第9話より東宝コスチューム)
  • 衣装協力:いちこし
  • 美粧:奥松かつら
  • 刺青:霞涼二
  • 舞踊指導:川原緑濤
  • 琴指導:加澤喜美子
  • スタジオ:東宝ビルト
  • 車輌:マエダ・オート
  • ロケ協力:根津神社
  • 協力:根津神社
  • ナレーター:黒沢良
  • 脚本:小川英、中野顕彰、胡桃哲、山崎巖、大西信行、石川孝人、武末勝、大平洋、いずみ玲、杉昌英、久保田圭司
  • 監督:江崎実生、居川靖彦、長谷部安春、関本郁夫、岡康季、白井政一、宮越澄、大久保直実、山城新伍、杉村六郎
  • 製作:テレビ東京、G・カンパニー
オープニングクレジット(レギュラー出演者)
  • 隠密同心 葉月裕之介:橋爪淳
本作品の主役。浪人。万福寺の山門の前で拾われた捨て子。小判3枚を縫い付けられた立派な産着を着せられており、身分の高い武士ではないかと推測されている。8月に拾われたので、葉月とされた。真善和尚に育てられ、寺子屋を開いているが、義憤から悪人狩りをしている。そのことは真善和尚も承知しており、葉月裕之介に殺された者の供養をしている。うち一件は、松平定信に目撃され、言葉を交わしている。ある悪徳商人を成敗し、町方に追われているところを、松平定信と敵対する元老中田沼主殿頭意次配下の、元秋月藩剣道指南役で道場主である大山勘助に助けられ、悪の元凶(松平定信)を絶たねばならぬと吹き込まれ、入門し小鈴と知り合う。しかし、未遂に終わった松平定信襲撃時の違和感と、教え子の父親である花火職人が、大山勘助たちに騙されて、松平定信襲撃のための爆弾を作らされた挙句、口封じに殺されたことで、自身の間違いに気付き、大山勘助とは袂を分かつ。そして小鈴にもさらなる襲撃から手を引かせようとする。親代わりの真善和尚が大山勘助配下の川辺に襲われ、死に際に自分に対し「友を持て。1人で地獄を行くのはもうやめろ。友を持て。」と言い残したことを、看取った光から伝え聞き、隠密同心に加入した。隠密装束は青色の着流しを着用し、髪型も総髪に変わる。家紋は真向き月に星(左)月に星(右)。
  • 小鈴:沢口靖子
第1話と第23話(最終話)のみ登場した松平定信の娘。大山勘助の道場に通っている。葉月裕之介同様に松平定信暗殺に加担していたが、松平定信の用人である西澤半兵衛と、育ての親である山中忠次郎から実の父が松平定信であること、田沼主殿頭意次との戦いで危害が及ぶのを避けるために預けられたことを知り、松平定信とのわだかまりが解けた。しかし、最終回(第23話)で松平定信は「小鈴はのう、幼い時に母親を亡くして、わしが育てて参った」と発言している。同じく最終回(第23話)では、業平町に家を借り、踊りを教えている。
  • 隠密同心 秋草新十郎:京本政樹
当初の設定は、南町奉行所の高積み見回り役同心(材木改めとも。材木(荷物)の高さを監視し、荷崩れ事故を防止する役目。)であり、上司の南町奉行所与力たる白壁桂馬から、定町廻のようなことをするなと言われていたが、途中からその咎めがなくなり、定町廻のようになっている。うだつの上がらぬ様子を演じているため、「与太郎」と白壁桂馬から揶揄されている。隠密同心結成前から松平定信の隠密として働いていた。同心のため、過去の事件の洗い出しにはもってこいの切れ者で、女形役者、太鼓もち、若旦那などに変装する。十手術や居合を得意とする。灰色の着流し着用。
  • 隠密同心 松原蔵人:隆大介
剣道場の主。隠密同心結成前から松平定信の隠密として働いていた。腕は立つが道場が火の車なので、道場破りや傘張りで小銭を稼いでいる。浪人故か、家柄やしきたりにとらわれる武家を嫌っている節がある。隠密装束は、黒色の着流しを着用していたが、途中から茶色の着流し着用。槍も使用する。家紋は笹竜胆。
  • 隠密同心 花小路お光:中村あずさ
渡世人「花の小路一家」の娘。徳川家ゆかりの血筋である桑原家に見初められ、嫁ぐも夫に先立たれる。徳川家にゆかりがあったため、否応なしに出家させられ、公儀の監視の下、夫の菩提を弔う身となる。また、生活のため賭場荒らしを行う。2年の喪が明けたのを機に、密かに習い覚えた小太刀の技と、捨て身の度胸を旧知の松平定信に買われ、光明尼から光と名を変え隠密同心となる。探索時には、芸者として振舞う。隠密装束は薄紫色の尼頭巾に紫色の着物、手には数珠を携帯。刀は黒色鍔無しの鞘の刀を、普段は逆手持ちで戦う。刀の柄の下部と鞘の下部は接続でき、薙刀のようにすることが可能。
なお、隠密同心4人は成敗時には、額に正の一文字の入った金属性の額当て鉢巻を巻いている(光は尼頭巾に縫いつけている)。
  • 老中 松平定信:田村高廣
老中着任後、田沼政権がもたらした悪政を根絶やしにし、江戸庶民に平和と安らぎを与えるべく、伝説の存在だった隠密同心を結成。自らその支配として直接、隠密同心たちを束ねている。
準レギュラー出演者
  • 六助:小松政夫
「一膳めし屋六助」の主人。義賊と謳われた盗賊「霞小僧」だったが、町方与力 小野寺作左衛門に捕縛された際、情けを掛けられ足を洗う。やくざを成敗し、町方に追われていた葉月裕之介を助け匿い、彼の悪人狩りのための情報収集をするようになる。葉月裕之介が隠密同心となった後は、隠密同心たちの情報収集などの補佐を担当する。
なお、六助の過去にまつわる話は、第11話で語られている。
  • おちか:辻沢杏子
六助の妻。たまには喧嘩もするがおしどり夫婦である。隠密同心の素性は知らないが、六助同様に何かと世話を焼いてくれる。
  • 白壁桂馬:龍虎
秋草新十郎の上司の南町奉行所 与力であるが、評価は低いようである。お姉言葉な上に訛ってしゃべる男色家、あるいは両刀使いのようである。秋草新十郎に「相撲取りみてぇな体形しやがって」と陰で言われている。
  • 隠密補佐 お七:吉野真弓
魚の行商を営む。隠密同心結成前から松平定信の隠密として働いていた。松平定信と隠密同心との繋ぎ役。その他情報収集。
  • おはる:新城めぐみ
六助の女中。
  • おちよ:森下桂
葉月裕之介の寺子屋で助手を務める。
  • 菊池:高崎隆二
松平定信の用人。

オープニングにおけるナレーション(第1話を除く)

「隠密同心 それは、老中 松平定信に命を預け、人知れず、人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を、自らに求めた者たちである。極悪非道の悪に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く、大江戸八百八町の人々を、ある時は助け、励まし、また、ある時は影のように支える彼ら。だが、身をやつし姿を変えて、敢然と悪に挑む隠密同心に、明日という日はない」

劇中におけるナレーション(隠密同心 心得之條)

「隠密同心 心得之條 我が命、我がものと思わず、武門之儀、あくまで陰にて、己れの、器量伏し、御下命、如何にても、果す可し。尚死して屍、拾う者なし。死して屍、拾う者なし」

放送リスト

1990年~1991年 このシリーズから、金曜日21:00~21:54

大江戸捜査網(1991年度版)

  • 制作:江津兵太(テレビ東京)、元村武(G・カンパニー)
  • プロデューサー:鈴木一巳(テレビ東京)、藤原幣吉(G・カンパニー)、真鍋和己(G・カンパニー)
  • 音楽:玉木宏樹
  • 主題歌:「恋花火」
    • 作詞:たかたかし
    • 作曲:弦哲也
    • 編曲:前田俊明
    • 唄:大石加奈子(テイチク)第12話、第24話にゲスト出演
  • 選曲:合田豊
  • 撮影:中間政治、片岡二郎、伊佐山巌
  • 美術:松井敏行、田中孝男、吉見邦弘
  • 録音:秋山一三
  • 照明:村沢浩一
  • 編集:原桂一、境誠一
  • 殺陣:高倉英二、中瀬博文
  • 助監督:金祐彦、荒井俊昭、野崎邦夫
  • 制作担当:土肥裕二
  • 広報:島田政明(テレビ東京)
  • 記録:石川和枝、加藤八千代
  • 効果:宮田音響
  • 整音:星一郎(アオイスタジオ)
  • 現像:東映化学
  • スタジオ:東宝ビルト、生田スタジオ
  • 装置:ケイエッチケイアート
  • 装飾:小林和美(しみず工房)
  • 衣裳:東宝コスチューム
  • かつら:アートネイチャー
  • 車輛:マエダオート
  • 衣装協力:なんば愛染蔵
  • 舞踊、三味線指導:川原緑濤
  • 尺八指導:阿部章謡
  • 琴指導:加沢喜美子
  • 獅子舞:池上囃子保存会
  • 刺青:霞涼二
  • 協力:根津神社、北口本宮浅間神社、成城芹生、パシフィックコーラル、富士浅間神社、百 園
  • ロケ協力:相模原市
  • ナレーター:黒沢良
  • 脚本:山崎巖、中野顕彰、いずみ玲、大平洋、久保田圭司、胡桃哲、武末勝、大工原正泰
  • 監督:関本郁夫、白井政一、大久保直実、長谷部安春、小澤啓一、岡康季、金佑彦、猪崎宣昭
  • 製作:テレビ東京、G・カンパニー
オープニングクレジット(レギュラー出演者)
  • 隠密同心 天竜寺隼人(てんりゅうじ はやと):橋爪淳
本作品の主役。料理屋「桔梗」の板前直次郎(なおじろう)として働く。親切で面倒見がよく、女子供に慕われていると評判。元は忍の出身で、いち丸が本名。隠密装束は白い着流しを着用。家紋は月に星。
  • 隠密同心 秋草新十郎(あきくさ しんじゅうろう):京本政樹
前作より引き続き出演。呑む打つ買うの三拍子で、南町奉行所を馘になり、浪人となる。女には滅法弱い。易者や虚無僧に変装する。情報収集の際、元上司の与力 白壁桂馬から聞きだしているが、相変わらず詰め寄られている。隠密装束は濃紫の着流しを着用。家紋は丸にニ引き紋。
  • 隠密同心 流れ星お蝶(ながれぼしおちょう):中村あずさ
辰巳の自前芸者として、常磐津、三味線、踊りの諸芸に通じ、気が強くて、気に入らぬ客には、粋な啖呵を切る。小太刀の名手。7歳の時に両親を亡くし、父親の知り合いの源蔵に引き取られる。源蔵は紀伊国根来衆忍者の頭で、蝶は2つ年下の妹分で、同じく両親を亡くした、はなと共に修行させられていた。しかし、源蔵亡き後、頭になった佐平太は、大金を積まれ、蝶を武家に養女に出す。隠密装束は、赤の着物。刀は濃い茶色の鍔無し竹鞘の刀。
準レギュラー出演者
  • 矢車お仙(やぐるまおせん):荒井乃梨子
魚屋。第19話までは、情報収集と小笠原甚内との繋ぎ役の隠密補佐を務める。第20話で、幼馴染で将来を誓った、飛脚の庄吉の父親の遺体の傷を見た時、かつて女中奉公していた、相良藩江戸屋敷にて目撃した、側用人 向井竜太郎を怪しむ。そして、小笠原甚内からの打診を受け、隠密同心になる。隠密装束は黄色地に赤い風車柄の岡っ引き風の上着に、黒のショートパンツに膝下は黒の足当て。成敗時は、手槍を使用して戦う。
  • 旗本寄合席(隠密支配) 小笠原甚内(おがさわら じんない):和崎俊哉
第1話では、都築という姓の浪人として、隠密同心たちに内密で、敵に潜入し内偵していた切れ者。
  • 筆頭老中 松平定信:若林豪
前作より引き続き隠密支配を兼任していたが、その役目を小笠原甚内に譲った。なお、演者は変更されている。
  • お涼:山本リンダ
直次郎が働く「桔梗」の女将。酒癖が悪く第1話では、山本リンダの持ち歌である「狙いうち」を十八番として熱唱する。直次郎に好意を持っている。
  • 白壁桂馬:龍虎
前作より引き続き出演。南町奉行所与力。キャラクターは前作と同じ。秋草新十郎とは、依然つながりがある。
  • お千代:北原歩
「桔梗」の女中。博打で50両の借金を作った兄がいる。駕籠留の駕籠かき、草太と恋仲であるが、草太は、譜代大名5万石奥州山代藩の世継ぎの双子の弟として、家来の下男に里子に出され江戸へ来たことが判明し、前述の兄が行方をくらませたことも相まって、騒動に巻き込まれる。
  • おそめ:古手川伸子
流れ星お蝶の芸者仲間。

放送リスト

1991年~1992年

映画『隠密同心・大江戸捜査網』

放送していた東京12チャンネルの開局15周年企画として、1979年12月1日に劇場版が公開された。配給は東宝。併映は岡本喜八監督『英霊たちの応援歌 最後の早慶戦』。

物語は将軍の御落胤を巡る、松平定信失脚を図る鳴神鉄山と、松平定信・隠密同心達の暗闘を描いている。芦田が鉄山を、三船が松平定信を演じた。

ストーリー

  • 寛政11年、秋、10数人の侍たちが、武州小牧村を襲い、村人達を斬殺した。そのころ、江戸では、老中松平定信の邸に、将軍家斉の御落胤と称する徳川信吾と用人・稲村重兵衛が訪れ信吾は2年前に亡くなった家斉側室・お牧の方の子で、18歳だと言い、将軍との対面を6日以内に取りはからうように申し入れた。

出演者

  • 松方弘樹 - 清次郎 / 左文字右京
  • 瑳川哲朗 - 井坂十蔵
  • 土田早苗 - 玉竜 / 稲妻お竜
  • かたせ梨乃 - おりん / 流れ星おりん
  • 中村竹弥 - 内藤勘解由
  • 古今亭志ん駒 - 金太 / 早耳金太
  • 伊吹吾郎 - 天馬八郎太
  • 三林京子 - 菊弥
  • 大和田獏 - 徳川信吾(信吉)
  • 岡田奈々 - 都大路高子
  • 青木義朗 - 稲村重兵衛
  • 浜田晃 - 北見一堂
  • 折原啓子 - お牧の方
  • 船戸順 - 佐平次
  • 日野道夫 - 徳右衛門
  • 村松英子 - 敬秀尼
  • 芦田伸介 - 鳴神鉄山
  • 三船敏郎 - 松平定信

テレビ放送

  • 1981年1月3日(土曜)に東京12チャンネルで放送。放送時間は20:00 - 21:48(JST) で、21:00以降は本作を休止して放送した。

新春ワイド時代劇『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』

大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』(おおえどそうさもう2015 おんみつどうしん あくをきる)のタイトルにより、テレビ東京系で毎年正月に放送されている「YAMADA新春ワイド時代劇」で、同局の開局50周年記念特別番組として2015年1月2日に放送された。

従来の時代劇に見られた、松平定信=善、田沼意次=悪という設定を逆にし、田沼意次を国の将来を案じ、民のために改革を行った善人に、松平定信を自らが将軍になり、権力を握ろうと暗躍する悪人として描かれている。

次作『信長燃ゆ』の放送時間が3時間に縮小、枠名も「新春時代劇」に変更されたため、2015年作品の本作が「新春ワイド時代劇」の通称で放映された最後の作品となる。

キャスト

本作での隠密同心は、歴代のシリーズに登場した隠密同心の名前を再利用している。

  • 十文字小弥太:高橋克典
    • 表向きは珊次郎(さんじろう)として、粋な江戸の遊び人を名乗っているが、その腕前を内藤勘解由に見込まれて隠密同心となる。
    • 元々は、名字帯刀を許された豪士(豪農ともいう。多くの土地を所有する地主で、小作人をに貸与したり、作業員を雇って大規模農家を経営し、世話役を兼ね、庄屋を務めたりすることが多い。)の出だったが、凶賊に一家を惨殺された際に侍が役に立たなかったことから、侍嫌いとなり無宿人になる。剣の腕前も一流であり頭脳明晰な、隠密同心の筆頭格である。
  • 井坂十蔵:村上弘明
    • 剣の腕も確かな実直な人情肌の浪人。元々は、歴とした侍だったが、目付の人足締め上げによる暴動の責任を取らされ、お家は断絶され妻も自害した。そのため浪人となった過去があるため、幕府を毛嫌いしている。
  • 稲妻お竜:藤原紀香
    • 剣術も学んだ御家人の家の娘だが、貧しい暮らし故に芸者となる。
    • 表向きは玉竜(たまりゅう)という芸者として、情報探索の役目を負う。
  • 不知火お吉:夏菜
    • 父は義賊の不知火吉兵衛であり、内藤勘解由の計らいで減刑された恩義から、いち早く隠密同心となる。錠前破りもお手の物で、普段は男勝りの鯔背な魚屋である。
  • 榊原長庵:柄本時生
    • 飄々とした若者だが、杉田玄白に師事した優秀な蘭学医であり、優れた検死官でもある。元々は内気な性格であり、町道場で稽古に励んでいた。お結に思いを寄せていた。
  • 秋草新十郎:松岡昌宏
    • 御家人の冷や飯食いだったが、養子に出された先の義父が同心株を買ったことから、同心となって北町奉行所勤めとなる。陰口を叩かれる辛さから逃れたい一心で剣の腕を磨き、問答無用で悪人を斬りまくっていた。当初は何かと珊次郎と対立するも、北町奉行の町村に裏切られたことで隠密同心となる。
  • 田沼早苗:波瑠
    • 意次の娘。並外れた記憶力(瞬間記憶能力)を持ち、珊次郎に惹かれる。
  • 平賀源内:小林稔侍
    • 表向きは死罪となっていたが、田沼意次の計らいで生きており、早苗を匿っている。
  • 春朗(後の葛飾北斎):永井大
    • 源内と早苗と行動を共にする若者。元は、田沼意次に仕える間者であった。絵師としての腕も確かである。
  • 松平定信:加藤雅也
    • 田沼意次に代わって老中となり、内藤勘解由に隠密同心を結成させた。
  • 内藤勘解由:里見浩太朗
    • 旗本寄合席で隠密支配。江戸の治安を守るべく、珊次郎達を集めて隠密同心を結成した。
    • 表だって感情を露わにすることはないが、誰よりも珊次郎達を案じている。
  • 田沼意次:瑳川哲朗
    • 経済と文化を活性化させたが、賄賂が蔓延る政治をもたらしたとして、老中の座から失脚した。
  • 松島(御中﨟):かたせ梨乃
    • 御台所付き。家斉の女癖の悪さを案じ、憤りこぼしていたが御台所に窘められた。
  • お栄:山口いづみ
    • 病のため、代わりに年頃である娘のお道を奉公に向かわせたが、悪党達の襲撃でお道を失ってしまう。
  • 一橋治済(御三卿一橋家当主):西村雅彦
    • 松平定信と手を組んで田沼を失脚させたが、次の老中を狙い松平失脚を画策する。
  • 伊兵衛(隠密同心の集合場所 わび助の主人):笹野高史
    • 元は吉兵衛の配下で、お吉をお嬢と呼ぶ初老の主人。隠密同心の集合場所としてわび助を提供する理解者。
  • 町村典膳(北町奉行):榎木孝明
  • 巴屋忠兵衛(吉原の楼主):鶴田忍
  • 蔦屋重三郎(版元):山田純大
  • お結(伊兵衛の孫娘):新川優愛
    • わび助の看板娘。珊次郎に惚れているため、長庵の気持ちに気づいていない。
  • 山川喜八郎(十蔵の元部下):宮川一朗太
  • 近衛寔子(家斉の正室(御台所)):小芝風花
    • 家斉の御台所となるが、夫は女癖が悪くあまり省みられていない様子。
    • 松島が家斉の女癖の悪さに憤っていたが、「将軍家には跡継ぎが必要です」と窘めた。
  • 五十鈴屋の女将:滝沢沙織
  • 山川智寿(喜八郎の娘):谷花音(子役)
    • 幼くして女衒に連れていかれ、五十鈴屋に売られていた。父が亡くなったことを知らないまま祈り続けていたが、それを新十郎から聞いた時は涙を流していた。五十鈴屋が焼かれた後は、新十郎によって身を寄せることになる。
  • 善太(瓦版屋):林家三平
    • 珊次郎達の知り合いの瓦版屋で、情報提供者である。
  • 平太(瓦版屋):スギちゃん
    • 善太と何かにつけて張り合うライバルの瓦版屋。
  • 田沼意知:高知東生
    • 意次の嫡男。江戸城内で、佐野(後述)に斬殺された。
  • 佐野善左衛門:佐野圭亮
    • 江戸城内で、田沼を斬殺。その後、江戸市民から「世直し大明神」と褒め称えられた。
  • 川路左太夫(根来衆の棟梁、治済の配下):小沢和義
  • 孫六(寄場の人足):近藤芳正
  • 島津重豪(寔子の父、薩摩藩第8代藩主):伊吹吾郎
  • 徳川家斉(江戸幕府11代将軍):小澤亮太
    • 先の将軍・家冶の後を継ぎ、征夷大将軍となるが女癖が悪い。そのせいか『オットセイ将軍』と渾名された。
  • 中瀬彦十郎:和田聰宏
  • 松原裕之介:嘉島典俊
  • 切見世の遊女:宮地真緒
  • お道(お栄の娘):松本花奈
    • 幼い弟妹が4人いる年頃の娘。病の母の代わりに奉公へと向かっていたが、母と弟妹達を残して悪党達に斬殺される。
  • 海原かなた、増田修一朗、ひろみどり、白井滋郎、峰蘭太郎、稲田龍雄 ほか

スタッフ

本作は、シリーズ開始以来東京のスタジオとスタッフで作られた過去作と異なり、東映京都サイドがプロダクション、しかしシリーズ生みの親の元村武が監修し、プロデューサーの元信克則はかつてGカンパニーの所属だった。

  • ナレーション:山寺宏一
  • 企画監修:元村武(Gカンパニー)
  • オリジナルテーマ:玉木宏樹
  • 脚本:山本むつみ
  • 監督:猪原達三
  • 音楽:沢田完
  • 技斗:清家三彦(東映剣会)
  • VFX:クロフネプロダクト
  • 題字:中塚翠涛
  • 技術協力:アップサイド
  • 音響効果:メディアハウス・サウンドデザイン
  • 編集・MA:映広
  • プロダクション協力:東映太秦映像
  • 制作プロダクション:ユニオン映画
  • チーフプロデューサー:岡部紳二(テレビ東京)
  • プロデューサー:山鹿達也・佐々木彰(テレビ東京)、内堀雄三・元信克則(ユニオン映画)、進藤盛延(東映太秦映像)
  • 製作著作:テレビ東京

隠密同心の組み合わせ

時期ごとの隠密同心の組み合わせを以下に記す。なお、1980年3月22日と1980年5月3日には高瀬春奈演じる火車おもんが、1981年5月9日 - 1981年9月26日には中島ゆたか演じる矢車お菊が(それぞれ約1月分で6日づつ位)出演して来るが、これは稲妻お竜:土田早苗の一時的な(疾病に拠る)休演による代役であり、OPにはクレジットされていないためこの表からは除外した。

ネット局

このシリーズはTXN誕生前からの放送だったこともあり、TXN系列局でも同時ネットしていない回が多いという特徴がある。このため、各地域ごとに解説する。

関東広域圏
東京12チャンネル→テレビ東京(制作局、1973年11月以降は同一法人。1981年10月1日社名変更)
  • 昭和期:土曜 21:00 - 21:56→21:55→21:54(『新‐』並木編を含む)「日産劇場」の字幕は、提供スポンサー表示テロップベースでオープニング画面から後付けされて表示された。
  • 平成期:金曜 21:00 - 21:54
  • その後同時ネットに移行した地域は上記時間で放送。
近畿広域圏
毎日放送(MBS、当時12ch系列の準キー局。1981年末まで)→一時休止→TXN テレビ大阪(開局は1982年3月)
  • MBSでは、日曜15:00 - 15:55→土曜13:00 - 13:55の枠で放送していた。ネットチェンジ前は日産自動車提供の「日産劇場」としての放送だったが、ネットチェンジ後はローカルスポンサーによる放送だった。
  • 再放送は朝日放送(ABC)で実施されることが多かった。
    • 1975年4月編成では、ABCで平日の16:00 - 16:55に帯放送されていたが、同局で同時期に放送されたNET・TBSの再放送番組と異なり(再)マークがないため、MBSから一時的に初回放送を移譲されたのか、過去の再放送を実施したのかは不明。
  • MBSの打ち切り後、テレビ大阪が土曜夜のサービス放送を開始するまでは放送が無かった。
中京広域圏
中京テレビ→TXN テレビ愛知(1983年9月開局)
  • 中京テレビは系列外にもかかわらず、当時出資していた日本経済新聞との関係や、当時の名古屋テレビとの変則クロスネットの名残から、12chとは準系列局的な関係があったことから、初期は日曜20:00に放送。土曜の同時間帯を経て木曜21:30に変更となる。
  • 第3シリーズから土曜22:00の放送となり、1975年4月に日本テレビで放送を開始した『ウィークエンダー』を当初同時ネットせず、深夜枠での放送としていたが、半年後に『ウィークエンダー』を同時ネットしてからは、金曜19:00に移動。その後、1977年4月から金曜22:00での放送となり、中京テレビでの末期は土曜23:55からの放送となった。
  • 中京テレビではキー局と同じく「日産劇場」として、冒頭の『世界の恋人』入りの提供クレジットも含めての、日産グループの一社提供という形でネットしていた。後に継承したTXN系のテレビ愛知も同様。なお岐阜放送や三重テレビへの継承はなかった(版権が切れた後は放送)。
岡山県・香川県
山陽放送(RSK)→テレビせとうち(平成橋爪編のみ放送、1985年10月開局)
  • 山陽放送では1970年10月18日から1971年10月10日まで第1シリーズを、1972年4月16日から1973年4月8日まで第2シリーズを、1973年10月28日から1978年3月19日(第222話)まで第3シリーズをそれぞれ日曜15:00 - 15:55の枠で放送していた。1978年4月15日からは土曜15:00 - 15:55の枠に移って、1979年3月31日(第276話)まで引き続いて放送された。1979年5月8日からは火曜23:35 - 24:30枠に移動して第279話から放送し、1981年9月22日まで放送。1981年10月3日からは土曜14:00 - 14:55枠に移動して第396話から放送し、土曜日の中で枠移動を繰り返しながら1985年3月30日(第531話)まで放送した。編成の都合により飛ばされた回も多い。
  • 岡山放送(OHK)でも再放送されていた。
  • テレビせとうち開局後は、昭和編を1990年代半ばまで平日14:00から放送していた。2013年2月より朝のドラマ再放送枠【おはようドラマ】にて、杉良太郎出演版を再放送。2014年12月から2015年8月21日まで、松方弘樹版を再放送していた。
  • 2015年8月24日から、里見浩太朗版を再放送していたが、2016年9月26日に終了。現在は『名奉行 遠山の金さん』を放送している。
  • 現在は瀬戸内海放送(KSB)が平日4:35 - 5:25に再放送している。
北海道
北海道放送(HBC、第1シリーズのみ水曜日10:00から放送)→北海道文化放送(uhb、昭和編のみ放送)→TXN テレビ北海道(TVh、平成橋爪編のみ放送、1989年10月開局)
  • 放送開始当時、HBCで毎週土曜日の午後に放送されていた。
  • uhbでは、水曜(1976年9月まで)と木曜(1982年3月まで)の22:00 - 23:00の時間帯をローカルセールス枠としていたため、昭和編を1976年まで木曜22:00 - 22:54の枠で放送し、水曜日のフジ系列同時枠化に伴い、同じく東京12チャンネル制作の『金曜スペシャル』を水曜から移動させたため、土曜正午からの放送に移行した。スポンサーは、北の誉酒造とダイヤグロ紋付だった。この関係で、関西テレビ制作の全国ネット番組『凡児の娘をよろしく』→『恋のトリプルチャンス』→『三枝の爆笑美女対談』が、土曜午後に遅れネットとなっていた。
  • uhbでの昭和編ネットが終了した後、HBCが再放送扱いで平日の17時に放送していた。
  • テレビ北海道は平成編をフルネットしたが、全道ネットワークの整備が困難だったため見られない地域の方が多かった。
福岡県
RKB毎日放送(RKB、昭和編のみ放送)→休止→TXN TVQ九州放送(TVQ、最終シリーズのみ放送、1991年4月開局)
  • 昭和編放送期間中、福岡県苅田町に日産九州工場(現:日産自動車九州)が開業したという事情があり、RKBが開始時期不明ながら昭和編を最後まで日産自動車をメインスポンサーとして日曜10:00 - 10:55→日曜23:56 - 月曜0:51→金曜深夜→土曜13:00 - 13:55(里見編の途中まで金曜日の深夜での放送。2週遅れが基本。松方編は場合によって1ヶ月遅れ)に放送していた。
  • TVQ開局が平成橋爪編第1シリーズ終了後のため、同時ネットは最終シリーズのみで、ほかは朝9時台のアンコールドラマ枠で放送した。
  • TVQ開局後の再放送で杉編に関しては、日曜日の早朝に放送されていた。これは『眠狂四郎シリーズ』でも同様の再放送となった。
  • 昭和50年代後半には、午前中に杉編を九州朝日放送とテレビ西日本で時差放送されていた時期もあり、一方のRKBでは、昭和60年頃から昭和61年夏ごろに里見編を平日9:55 - 10:55枠や17:00 - 18:00枠で再放送。昭和60年代には福岡放送でも、平日10:30 - 11:30枠で第1シリーズのみを再放送している。
  • 2017年7月13日から2018年1月26日までTVQで月 - 金16:00 - 16:54枠で131話から268話まで放送。
その他地上波
  • 青森県では、青森テレビが第2シリーズは約11ヶ月遅れの日曜22:30から、その後は土曜夕方に放送。「…2015」は、青森朝日放送が2015年6月の平日9:55 - 10:55に分割して放送。
  • 宮城県では、12ch時代からの作品を1970年11月から1982年頃まで仙台放送で放送(水曜深夜0:00 - →日曜15:00 - →土曜13:00 - )していた他、東日本放送が1980年代に初期作品(杉,里見編)の再放送を平日10:00から行っていた。なお、橋爪編については、東北放送で2009年4月から5月にかけてpart1を、2009年8月からはPART2を『ドラマシアター』枠(9:58 - 10:50)で放送。
  • 秋田県では、秋田放送が第1シリーズを約9ヶ月半遅れの土曜22:30から放送。
  • 岩手県では、IBC岩手放送(当時:岩手放送)が、第1シリーズを、水曜日16:00から本放送、水曜日23:40から再放送を行っていた。その後、時期は不明だがテレビ岩手に移り、土曜22:00から放送された
  • 群馬県では、1990年代と、2000年代に群馬テレビで放送をしていた。
  • 埼玉県では、テレビ埼玉では、1986年頃第1シリーズから第3シリーズ通算第130話までの杉良太郎編を繰り返し放送を実施していた。後年は2012年6月から2021年10月にかけて、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送されていた。
  • TOKYO MXでは2009年8月から、杉良太郎出演の昭和編第1シリーズより順次継続して放送されていた。
  • 新潟県では、12ch時代から新潟総合テレビで日曜15:15(1983年10月以降は15:00)から約2ヶ月遅れで放送。
  • 長野県では、12ch時代から長野放送で第1シリーズは日曜13:00、第2シリーズ以降は日曜14:00から放送
  • 静岡県では、静岡放送(SBS)が当初、里見編の途中まで水曜16時台に放送していたが( - 1979年6月)、同年7月に静岡第一テレビ(SDT)が開局するのを受けて、それまで火曜日22時台のローカルセールス枠で放送されていた「グランド劇場」が、SDTの土曜21時台に移動するのに伴い、SBSでの同番組の後番組として火曜日22時枠に移動し、放送した。なお、平成橋爪編は第1・第2シリーズともに、土曜10時30分から放送していた。ちなみに1986年から1987年に掛けて、杉編の第1・第2シリーズがSDTの平日10時30分からの時代劇枠で放送されている。
  • 富山県では、12ch時代から富山テレビで日曜12:45から放送。
  • 石川県では、石川テレビで放送。
  • 福井県では、福井テレビで放送。
  • 奈良県では、奈良テレビでは2012年1月から、杉良太郎出演の昭和編第3シリーズより順次継続して放送。
  • 広島県では、中国放送が土曜午後に放送していた他、広島テレビ・広島ホームテレビ・テレビ新広島が、初期作品(杉,里見編)の再放送を行っていた。
  • 山口県では、12ch時代からテレビ山口で日曜0:30(土曜深夜)から放送。
  • 愛媛県では、南海放送が木曜深夜に放送していた。
  • 長崎県では、テレビ長崎が土曜深夜に放送していた。
  • 沖縄県では、沖縄テレビが昭和編第1シリーズのみを土曜深夜に放送していた。
  • 神奈川県では、テレビ神奈川が1988年頃杉良太郎編第1シリーズから第2シリーズを繰り返し放送していた。2022年に昭和杉良太郎編第1シリーズを金曜12時から放送している。
衛星波
  • 『時代劇専門チャンネル』では、2004年9月7日から2007年7月11日まで、第11話を除く、全715話 が再放送された。同チャンネルでは、2007年9月18日から2010年9月30日にかけて再び、第1話から再放送された。なお、第11話は原版が腐食して破損のため、現在では放送できない。また、保存状態が比較的良くない作品を放送するときは、冒頭及び末尾にその旨を説明するテロップが挿入されている。
  • テレビ東京系列のBSデジタル放送局・BSジャパンでは、出演者の肖像権問題により(BSジャパンの当該項参照)開局以来放送できずにいたが、2010年4月4日から放送を開始。当初は日曜正午枠で毎週1話ずつ放送し、その後、月 - 木曜の正午枠で2011年12月5日まで連日放送されていた。視聴契約が必要な有料系専門局での放送を除くと初めての全国放送で、BSデジタルの受信に対応した受信機器があれば、日本全域で視聴可能だった。
  • 2014年1月6日から里見編第3シリーズ第27話から月 - 金曜の朝に再放送が開始された。2014年の1月から3月まで、月初めの1週間は2話連続で放送された。開始日は後述のDVDコレクション発売日の前日である。
  • 2015年12月下旬から大江戸捜査網の後枠で新大江戸捜査網(並木編)が放送。更に2016年1月20日からは大江戸捜査網(平成版橋爪編)が放送される。
  • 2017年1月より松方編シリーズから月 - 金曜の朝に再放送が開始された。主演の中の1人松方死去に伴い、2017年1月24日の放送回では冒頭に追悼テロップが表示された。
  • 2022年3月26日に開局したBS松竹東急にて、3月28日から9月22日にかけて、杉良太郎主演の全話(第1話から第130話)が放送された。また、同年12月16日からBSフジにて、その続きとなる里見浩太朗主演のシリーズ(第131話 - )の放送が開始され、2023年3月6日(第182話)まで放送された。
  • 2023年2月20日より『時代劇専門チャンネル』にて里見浩太朗主演のシリーズ(第131話から)の放送予定。

パチンコ

藤商事からパチンコ台『CR大江戸捜査網』がリリースされ、2007年1月より、全国のパチンコ店に設置されていた。

制作の事情

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日産自動車の当時の宣伝部長の石原俊(後の日産自動車社長・会長・相談役)が、大の時代劇ファンで「土曜日の夜に時代劇を見たい」という後押しもあり、14年のロングランとなった。
番組開始冒頭では日産のコマーシャルソング「世界の恋人」(シンガーズ・スリーバージョン。作曲:芥川也寸志/編曲:大野雄二)が30秒流れ、最後の数秒で「人とクルマの明日をめざす、技術の日産グループの提供でお送りします」のあとに、オープニングとなった。また、(キー局での)本放送時のオープニング冒頭に『日産劇場』というテロップを挿入していた時期もあった。
『大江戸捜査網』の後輩番組(『テレビあっとランダム』など)は、日産が筆頭スポンサーになっているが、複数社提供になっている。
題名
放送開始時の時代劇ドラマは股旅物や主人公が単独のものが主流であり、複数人の主人公による集団捜査劇は異例である。そのため、初期はエリオット・ネス率いる捜査チームがアル・カポネを追い詰める、米国の集団捜査テレビドラマアンタッチャブルのタイトルを借りて、「大江戸捜査網 アンタッチャブル」という題名だった(杉編・第1シリーズ 第1話 - 第40話まで)。当時の日活は現代劇中心の制作体制を取っていたために、時代劇の制作ノウハウがなかったので、それを逆手に取り、現代劇の手法で時代劇を作ることを狙ったのが背景にあったという。
OP(横書き)では「捜査網」の下、台本(縦書き)では右に「アンタッチャブル」の文字があった が、それをルビと解釈している関係者もいる。杉良太郎へのインタビューによると、「初めは『大江戸アンタッチャブル』であり、世間から『時代劇にアンタッチャブルとは何事だ』と言われ、大江戸捜査網に変更をした」と語っている。また、作曲家の玉木宏樹も最初は大江戸捜査網に「大江戸アンタッチャブル」のルビがあったと述べている。ただし、初期から次回予告では単に「大江戸捜査網」と読まれていた。
日活と杉とテレビ局
杉良太郎はもともと、日活での映画出演歴がありながらも、他社で時代劇スターとしての知名度が上がりつつあった。この番組は、彼を再び自社制作で育てるために企画された、日活初のテレビ時代劇である。日活はテレビ時代劇の制作では後発だったために、東京12チャンネル(現:テレビ東京)に放送を依頼せざるを得なかった。
生みの親
『大江戸捜査網』の生みの親は元村武である。日活のプロデューサーとして本作を企画した元村は、日活の事情で製作が打ち切られた後も、東京12チャンネルと日産自動車の意向で放送復活が決まると、三船プロダクションに移籍して『大江戸捜査網』の制作を続けた。その後、三船プロダクション重役にまで登りつめた元村は1981年、伊藤満らとともに、自ら制作会社・ヴァンフィルを設立し独立。三船プロの実質製作は松方弘樹版で終了し、ヴァンフィルに移行した。半年で終了した『新・大江戸捜査網』から数年後にヴァンフィルは解散したが、1988年に新会社「Gカンパニー」を設立。1990年から平成復活版を手がけた。
スタッフ
本作は東京を本拠にして制作された。日活調布撮影所、東宝ビルト、自社所有の時代劇のオープンセットをもった三船プロ、同様のオープンセットをもった国際放映、生田スタジオの各所が使われた。火事のシーン等は奥多摩の山奥に、実際の家屋を建設の上ガソリンを撒いて火を着け炎上させて、火消しや証拠捜しのシーンが撮影されていて、消防車も来ていてもらっていたと、朝日新聞のDVDマガジンの第2巻の附録のDVDへ収録されている、杉良太郎が特典映像のインタビューで、述べている。隅田川とされる川は多摩川であるので、江戸の町から眺める大川~隅田川とは、流れる向きが逆さであるのも川面をよく見れば判る。山越え等も五日市(現;あきる野)~檜原村,青梅、奥多摩の東京都内の山岳地帯での撮影といわれ、京都撮影所での撮影の作品とは、風景が異なるのもよく見れば判る筈である。時代劇の量産体制が整っている京都の撮影所とは違い、東京の撮影所では見合うロケ地やスタッフが限られている中ではあるのだが、黒澤組のスタッフ、東宝・大映のスタッフたちが集結して、東京に於いて京都での撮影に依る時代劇の作品に、決して劣らない良質の時代劇の作品を作り続けていた。
出演する俳優
流れ星おりん役のかたせ梨乃は売れっ子のCMモデルだったが、役者になりたい、大江戸捜査網に出たいと売り込みに来て出演することになった。胸が大きいため激しく動くとさらしがずれて胸が露出しそうになることが良くあり、何か所もピンで留めさせられた。
設定年代
作中の設定年代は、松平定信の老中在任期間から1787年(天明7年)-1793年(寛政5年)となる。当時の東京12チャンネル側プロデューサー・神山安平(映画製作部長)は、番組開始当初「歴史的背景、出演者が使う小道具など時代考証はきちんと守りますが、セリフ回しやアクションなどは現代風に」と語っている。ただし、設定年代より後の1830年代に実用化されたリボルバー式拳銃 が登場するなど、必ずしも時代考証は徹底されてはいなかった。

ソフト化

第1シリーズ
2004年にポニーキャニオンから発売。欠番の第11話を除き、第1話から第19話まで次回予告を含め収録。各巻単品の発売はされていないが、DMM、ぽすれんで宅配レンタルは行われている。
2020年にベストフィールドが発売し、東映、東映ビデオが販売する、HDリマスター版が第11話を含めてリリース [1]。
第2シリーズ
2020年にベストフィールドが発売し、東映、東映ビデオが販売する。
第3シリーズ
2000年にバップビデオから里見浩太朗主演期の厳選エピソードを2話ずつ収録したVHSが3巻発売。
2014年1月7日より、第3シリーズを厳選し各号4話ずつ収録した『大江戸捜査網DVDコレクション』(分冊百科)が、朝日新聞出版から月2回刊行された。全75号。次回予告は収録されておらず、DVD冒頭の断りの通り一部の台詞の音声がカットがされている。
平成シリーズ
2013年に全話収録したDVD-BOXがエイベックス・マーケティングから発売。
映画版
2001年にキングレコードからDVDが発売。

サウンドトラック

  • 2002年にキングレコードからCD『大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック』(KICS-2376)が発売。ジャケットに「アンタッチャブル」の文字があるが、第3シリーズの里見編製作の際に新録されたBGMを収録。これは、玉木が曲の注文は「俺が注文を受けたときは、大江戸アンタッチャブルだったからつけよう」といったからであると、2回目のCDの解説に書かれている。全曲モノラル。オープニングテーマはTVサイズ1種のみ収録し、エンディングテーマは未収録。エンディングテーマ『ながれ橋』のアレンジBGMは「挿入歌いろはにほへと バリエーション」と誤って表記されていると思われていたが、2回目のサウンドトラック解説によると、現場では<いろはにを使おう>などと言われていたため、初めのCD制作時に、「いろはにほへとバリエーション」と、玉木自身が命名したと書かれている。
    • ブックレットには玉木宏樹(作曲)と合田豊(選曲)のメッセージを掲載。チャンバラシーンで多く使用された曲 などが未収録のため、選曲の不備にファンから不満の声が上がっている。2014年10月に、これに新たに発掘された音源を20トラック追加して再発売された(KICS-3083)。
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)の監督として知られる庵野秀明がテレビ東京ミュージック社長(当時)の金子明雄と飲んだ際、「金子さん!是非とも大江戸捜査網をLD化してくださいよ!それが駄目ならせめて番組音楽のCDだけでも出してください。お願いします!」と懇願し、金子が真剣に検討したという逸話がある。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 世界の恋人:日産自動車のテーマ曲。『大江戸捜査網』で初めて放送された。

外部リンク

  • 大江戸捜査網 - ドラマ詳細データ - ◇テレビドラマデータベース◇
  • テレビ東京『大江戸捜査網2015?隠密同心、悪を斬る!』特設サイト
  • テレビ東京『大江戸捜査網2015?隠密同心、悪を斬る!』facebook
  • 時代劇☆大江戸捜査網 BSジャパン

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 大江戸捜査網 by Wikipedia (Historical)



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