立川駅(たちかわえき)は、東京都立川市曙町二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
立川市における中心駅であり、かつ総人口400万人を誇る東京都多摩地域最大級のターミナル駅である。「かいじ」「あずさ」「富士回遊」や「はちおうじ・おうめ」等の特急列車も全て停車する。
当駅周辺は北口を中心に全国有数規模の繁華街が広がっている。南口には飲食店が集積しており、歓楽街のような雰囲気を持つ。当駅北側の立川飛行場(立川基地)の跡地再開発や多摩都市モノレール線の開業により、駅周辺は元々多摩地域の中心都市であった八王子を凌ぐ商業集積地へと発展した。それに伴い利用者数も増加を続け、多摩地域においてはJR東日本八王子支社管内のJR駅の中で最も利用者数が多い(多摩地域における複数の鉄道事業者の利用者数も合算した場合、横浜支社管内の町田駅が最も多い)。
JR東日本中央本線・青梅線・南武線の3路線が乗入れている。このうち、中央本線は当駅の所属線であり、当駅を含む区間は、運行系統上は「中央線」と案内される(運転形態の詳細については該当記事を参照のこと)。また、大月・甲府方面へ向かう中距離列車運転区間東端となっている。
青梅線は一部電車が中央線新宿・東京方面への直通運転が行われている他、拝島から合流する五日市線の一部電車も当駅まで乗入れる。また、中央本線国立から国立支線経由で武蔵野線へ直通する「むさしの号」も乗入れている。
当駅には中央線・青梅線にJC 19、南武線にJN 26の駅番号が設定されている。
JR以外の路線への乗換として、当駅西側を多摩都市モノレール線が縦断しており、立川北駅及び立川南駅と接続している。
島式ホーム4面8線及び、貨物線・留置線・引上線4線を有する地上駅。中央線は2面4線であり、青梅線直通列車とでは同一ホームで乗り換えが可能である。2008年3月15日ダイヤ改正で「スーパーあずさ」の一部列車(後述)と、同一車両で運行する「中央ライナー」(17日月曜から運行)が停車するようになったため、中央線上下本線3・6番線ホーム有効長は12両編成分となった。他のホームは青梅線用1・2番線が10両編成分、中央線待避線4・5番線が11両編成分、南武線用ホームが6両編成分である。
JR中央線と青梅線当駅 - 青梅駅間は、2020年代前半(2021年度以降の向こう5年以内)を目途にオレンジ帯の電車に2階建てグリーン車を2両連結させ12両編成運転を行う。そのためオレンジ帯の電車が停車する1・2・4・5番線は、ホームの12両編成対応改築工事や信号設備改良・構内配線の一部変更などが実施される。
立川統括センター管内の直営駅(駅長配置)であり、管内には直営駅(いずれも駅長配置)として府中本町駅と東所沢駅が、委託駅としては中央線西国分寺駅、国立駅、青梅線西立川駅、南武線の西国立駅 - 分倍河原駅、南多摩駅 - 矢野口駅、武蔵野線の北府中駅と新小平駅 - 新座駅があり、これら全駅を管理する。なお、当駅駅長が立川統括センター所長を兼任する。
(出典:JR東日本:駅構内図)
(出典:今尾恵介『JR東日本全線【決定版】鉄道地図帳vol.8 八王子支社管内編』学研プラス、2010年7月17日。ISBN 978-4-05-605769-0。 )
「スーパーあずさ」の一部が2008年3月15日から、「あずさ」と「かいじ」全列車が2005年12月10日から停車するようになった。なお、2012年3月17日ダイヤ改正より、「スーパーあずさ」は最速達列車の上り14号、下り19号を除き全列車が当駅に停車。2019年3月ダイヤ改正から、当駅通過の特急「あずさ」は下り11号(新宿11時発)・上り12号(松本10時発)に変更され、旧来の上り14号・下り19号は当駅に停車する形となった。また同日運転開始した「富士回遊」も、臨時列車を含めてあずさ17・18号以外全列車停車である。2022年3月12日ダイヤ改正により、特急列車は全列車停車となった。尚、臨時特急は全列車停車化には含まない。
南北自由通路を挟んで、東側の従来からのコンコースと西側のエキュート立川に分かれている。
東側は広いコンコースを有し、東改札とグランデュオ改札に繋がっている。各ホームとを連絡するエレベーターや上下エスカレーターも完備しているほか、売店などが立地する。
西側はエキュート立川(改札内・改札外の双方に立地)となっていて、飲食店などが出店し、西改札と南改札につながっている。7・8番線以外のホームとを連絡する上下エスカレーターも設置されている。
2007年9月30日に西改札口が供用を開始し、これまでの改札を東改札口とした。さらに同年10月5日にはエキュート立川のオープンと同時に西側コンコースの南側に南改札口が供用を開始し、翌2008年4月からは南改札口の正面(エキュート内)から直接多摩都市モノレール立川南駅方面のデッキに出られるようになった。
また、かつては駅西側に乗換専用跨線橋があったが、エキュート立川の中に移動している。なお、移転後、西改札口完成前の一時期は乗り換え専用通路として使用された。
後述するが、当駅には多くの乗客が利用するにもかかわらず、以前は改札口が2ヶ所(現・東改札とグランデュオ改札)しか無く、各ホームからコンコースへの階段も1組2本ずつのみだったために、混雑が著しかった。このため、「立川駅ステーションルネッサンス」として、自由通路西側に人工地盤を設置しての増床、みどりの窓口と旅行カウンターの機能を複合した新びゅうプラザ及び総合案内カウンター開設、改札口・トイレ・階段・エスカレーター増設、駅ナカ商業施設「エキュート立川」の開業、南北自由通路改修などの大規模な駅舎改良工事を行った。
エキュート開業に先立ち、2007年9月9日に新しいびゅうプラザを開設し、同月30日に西改札の供用開始と発着番線の表示変更が行われ、同年10月5日にはエキュート立川の第1期部分が開業し、同時に南改札口の供用を開始した。エキュート立川は大宮駅・品川駅に続く最大規模の駅ナカ商業施設で、場所は南北自由通路と乗り換え専用跨線橋(改札口設置でコンコース化)との間で、各ホームを覆う形である。エキュートとしては初めて脱「駅ナカ」を目指し、乗降客に加えて近隣住民の利用を見込み、駅周辺まで商圏を広げる脱「駅ナカ」戦略の試験ケースとするものである。そのため、同じ「エキュート」と言う名前の施設が改札内・改札外に立地している。開発面積は約11,500m2(II期開業時、ホテル部除く)で、先に開業していた大宮・品川の2倍強である。ホーム上の空間を利用して、改札内及びそれと連絡する2階部分とその上の3階が主な店舗スペースとなっている。4階には通勤客の利便性を考慮して保育所やクリニックを設けている(クリニックのみ2008年6月2日に開業)。さらに2008年10月7日には第2期部分の開業として駅南口に面した複合ビルが完成し、1 - 4階に店舗が、4 - 12階にJR系列のホテルメッツ立川が開業した。その後、2009年2月11日には、東改札内に、エキュート立川のショッピングゾーンである「T-tee ecute」が開業した。
しかし、乗降人員増加が著しく南北自由通路の混雑が解消しないため、安全性・利便性・回遊性向上を目的として、立川駅西側新自由通路が2016年8月4日に供用開始された。これは、JR東日本が事業主体となり立川市と国も費用負担して、駅西側(モノレール高架下)に南北のペデストリアンデッキを結ぶ形で建設されたもので、新設された北改札が接続している他、商業施設や広場も設けられた。また、同日の新自由通路の供用をきっかけに、エキュート立川が、「エキュート立川 osoto」(独立店舗棟)、「エキュート立川」(改札外)、「エキュート立川 エキナカWEST」(改札内西改札側)、「エキュート立川 エキナカEAST」(改札内東改札側)の4つのえらへの分類がなされた。
その後、2019年5月10日には、日本郵便、JR東日本、タリーズコーヒーが連携した「JJ+T」がエキュート立川3階に開業した。
主な駅弁は下記の通り。
近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
駅周辺は東京でも有数の商業地・繁華街として発展しており、その規模は多摩地域最大である。北口を中心に百貨店・ファッションビル・専門店などが集積している。南口は飲食店を中心とした歓楽街になっている。立川駅は多摩地域における商業・交通の中心地として機能している。吉祥寺、町田、八王子と合わせて多摩地域の4大商業地であり、北多摩・西多摩地区の拠点である。駅の北側には大規模な立川飛行場(かつては在日アメリカ軍の基地)が位置しており、現在は返還され、跡地の一部は立川広域防災基地・昭和記念公園・ファーレ立川等の大規模な公共施設・商業施設に再開発された。
北口(2階部分)を出ると駅前広場である。駅前広場を覆うようにペデストリアンデッキがあり、伊勢丹などの百貨店に直結すると共に多摩都市モノレールの立川北駅やファーレ立川方面へも通じている。また、駅前広場の地上部分(デッキ下)はバスターミナルである。モノレールの開通や北口の再開発が始まってから利用者が増えたため、休日になると構内のデッキにつながる通路は混雑を呈する。駅周辺は中・高層のビル街。
南口も、北口同様各ビルとペデストリアンデッキで結ばれている。1990年代の駅前は東武ストア マインの商業ビル(現在は閉店し、別テナント)以外は目立ったビルなど無く反対側の北口と比べて開発が遅れていたものの、2000年代以降には多摩モノレール(立川南駅)開通や新しいビルなどもオープンして、賑わっている。2008年4月にエキュート立川と南口デッキが直結した。WINSや各種公共施設の多い南東方面には、飲食店を中心に商店が多い。
北口・南口から立川バス・西武バス・京王バスによって市内や近隣の市町へ多数のバス路線が運行されている。各駅までを結ぶ路線の他、住宅地域や団地、郊外の各種拠点までの輸送を担っている。多摩都市モノレールの開通による利用者の流出や、路線の改廃、道路の拡幅・改良、自動車使用の傾向変化に伴って周辺道路の渋滞が少なくなったことに伴い、運行の定時性は向上している。
ペデストリアンデッキ下のバスターミナルへの集約が進んだため、以前に比較して雨天時などでもスムーズな乗換が可能になった。特に南口乗り場は従来は駅から離れた場所に設置されていたが、自由通路出入口の直前に面積も広げて新設されたため、利便性が向上している。北口の14 - 16番乗り場は、以前と変わらず駅前通りの歩道上に設置されている。
また、北口からは羽田空港や成田空港への空港連絡バスや軽井沢・草津温泉方面への高速バス、京都・大阪・神戸・鳥羽方面への夜行高速バスも運行されている。
立川バスは、多摩都市モノレールが開通するまでは下記以外にも福生駅(福生市)、南街(東大和市・2020年現在も運行している西武バス「南街」行とは別ルート)、国学院大学(八王子市)、北野(埼玉県所沢市)、そして短距離路線であった東緑川(立川市内)などへの路線が存在していたが、いずれも多摩都市モノレール全通までに廃止された。また、モノレールと路線が重複している西武拝島線玉川上水駅以北への路線は開業時に整理・減便され、芋窪(東大和市・西武バスと都営バスの停留所とは別位置)行は系統自体が短縮(立川駅 - 玉川上水間廃止)された。村山団地を結ぶバスも朝夕の便のみ立川直通となっており、昼は玉川上水で分断された(ただし、玉川上水経由イオンモール行が村山団地南部を通る)。
武蔵村山市や瑞穂町方面への路線もかつて砂川七番経由だったが、米軍立川基地跡地の再開発に伴い国立病院(国立病院機構災害医療センター)や立川警察署を経由し、中央南北線を走行するルートに変更されている。
拝島・瑞穂両営業所廃止と福生営業所開設に伴うダイヤ改正に伴い当駅発着路線では、拝島操車場(旧拝島営業所)行の一部は牛浜駅入口まで延伸されている他、村山団地線の立川玉川上水駅間の昼間廃止、玉川上水駅分断と玉川上水経由イオンモール行開設、砂川三番経由イオンモール行増発等が行われた。
西武バスは、2020年現在、久米川駅行、東村山駅西口行、イオンモール行など多数の路線が運行されている。以前、西武球場前経由所沢駅行(現・所沢駅西口)が定期運行され、その後西武球場前行に短縮されて野球開催時の運転となっていた。これも短縮の上、多摩都市モノレールの上北台駅発着に変更されていたが、2014年西武プリンスドーム発の便が立川駅北口に乗入れるようになり、2015年7月には、立川駅北口発西武プリンスドーム行が立川バスとの共同運行と玉川上水駅乗り入れの上復活した。立川バス共々立川駅から所沢市乗り入れの復活である。また、2011年11月19日からは土・日曜、休日のみだが三井アウトレットパーク入間への直行バスを立川バスとの共同運行の上運行を開始し、立川バス共々立川駅から埼玉県入間市への乗入を開始した。
京王バスは、立65・立66が運行されている。2018年までは立65高幡不動駅行のみが通常中型車で運行されていた。廃止まで立73として乗り入れていた日野駅へは、高幡不動駅行が立64から立65へ改変した際に市民センターふれあいホール経由で乗り入れている。かつては日野橋付近の渋滞に巻込まれることが多かったが、日野バイパスの完成により、定時性は高くなっている。2018年以降は殆どが立66の日野駅行に変更され、立65高幡不動駅行は夜間1本のみとなった。かつて府中駅へ行く立62、甲州街道経由で日野駅へ行く立73があったが廃止された。
都営バス(東京都交通局)は、1985年まで八王子駅北口行(立73系統)が運行されていたが、慢性的な交通渋滞等によって路線は廃止、管轄の八王子支所も閉所された。廃止後は京王バスの立73・日50系統が運行されている。立73は2015年3月29日限りで廃止された。
2010年5月14日からは、青梅線終電後の帰宅に対応するため、西東京バスにより河辺駅北口行「深夜ご帰宅バス」が運行されている。西東京バス営業エリア外の拝島駅以東は無停車である。
なお、立70・立71系統は立川バスと西武バスの共同運行となっている。
北口ルミネ東側に、立川バス・西武バスの案内所が設置されている。
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