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SARSコロナウイルス2-イプシロン株


SARSコロナウイルス2-イプシロン株


SARSコロナウイルス2-イプシロン株(サーズコロナウイルスツー イプシロンかぶ、英語: SARS-CoV-2 Epsilon variant、別名: 系統 B.1.427/B.1.429CAL.20C)は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の原因ウイルスとして知られるSARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) の変異株である。2020年7月にアメリカ合衆国カリフォルニア州で最初に検出された。カリフォルニア型変異株と呼称されることもある。

世界保健機関 (WHO) は注目すべき変異株 (VOI) に指定し、WHOラベルではイプシロン株 (Epsilon variant) に分類していたが、2021年7月にVOIから除外された。

経緯

イプシロン株は、2020年7月にカリフォルニア州ロサンゼルスで確認された変異ウイルスで、同年11月には収集された検体のサンプルの全体の36%を占めるようになった。また、2021年1月までにイプシロン株の割合は、カリフォルニア州で50%に上っている。カリフォルニア大学などは、声明で、北カリフォルニアの複数の郡でもイプシロン株が検出されたことが発表されている。2020年11月から12月にかけて、北カリフォルニアでは、イプシロン株の割合が、3%から25%にまで上昇しているなど、アメリカ西海岸を中心に感染が拡大している。ただ、アメリカ全体では2021年1月の時点で、アルファ株が感染のほとんどを占め、イプシロン株の確認は少ない。しかし1月を過ぎてから、ヨーロッパ・アジア・オーストラリアで相次いでイプシロン株が検出されている。ただし、同年2月からカリフォルニア州でイプシロン株の感染割合は、急速に低下し、その後、4月ごろに世界中で殆ど感染が確認されなくなり、事実上姿を消した。ウイルスが消滅したとみられる原因は、75%以上当初から占めていたアルファ株の更なる置き換わりと、デルタ株の出現とされている。

分類

命名

2020年3月、アメリカのカリフォルニア州で初めて記録され、後に系統 B.1.427 (lineage B.1.427) および系統 B.1.429 (lineage B.1.429) と命名された。2021年5月末、WHOは懸念される変異株 (VOC) や注目すべき変異株 (VOI) にギリシャ文字を使用する新しい方針を導入した後、系統 B.1.427/B.1.429に対しイプシロン (ε:Epsilon) のラベルを割り当てた。

変異の特徴

イプシロン株は、I4205VとD1183Y・L452Rという遺伝子の変異が著しいとしていて、遺伝子変異の一つである、L452Rは、デルタ株にもみられる変異である。また、この変異株は、従来株と比べて、感染力が高まっている可能性があるとされているが、これを確認するにはさらなる研究を要する。アメリカ疾病対策センター (CDC)は、感染率や重症化率が20%程度増加した可能性があるとし、この変異株は、承認されている治療薬で、重症化するリスクを低減することができるとした。

また、以前にウイルスに感染したことがあるか、新型コロナウイルス (COVID-19) のワクチンを受けたことがある人でも感染する可能性があるともしている。

統計

脚注

出典

関連項目

  • 懸念される変異株
  • SARSコロナウイルス2の変異株
    • SARSコロナウイルス2-アルファ株
    • SARSコロナウイルス2-ベータ株
    • SARSコロナウイルス2-ガンマ株
    • SARSコロナウイルス2-デルタ株
    • SARSコロナウイルス2-イオタ株 - 最初にアメリカのニューヨークで確認された株。
    • SARSコロナウイルス2-オミクロン株
  • 南北アメリカにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況
    • アメリカ合衆国における2019年コロナウイルス感染症の流行状況

外部リンク

  • Tracking SARS-CoV-2 variants(英語) - 世界保健機構 (WHO)
  • Variants of the Virus(英語) - アメリカ疾病予防管理センター (CDC)
  • Lineage B.1.427/Lineage B.1.429(英語) - Cov-Lineages
  • Epsilon Variant Report(英語) - outbreak.info
  • 新型コロナウイルス感染症について - 厚生労働省
    • 新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料 変異株 - 厚生労働省
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報 - 国立感染症研究所

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: SARSコロナウイルス2-イプシロン株 by Wikipedia (Historical)