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必殺剣劇人


必殺剣劇人


必殺剣劇人』(ひっさつけんげきにん)は1987年8月7日から9月25日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全8話。主演は近藤正臣。

必殺シリーズの第29作で、『必殺仕掛人』以来、15年にわたって続いた土曜および金曜22時台放送枠のTVシリーズとしては最終作となった。

概要

必殺シリーズ(金曜22時台の連続テレビドラマ枠)の終了は前作『必殺仕事人V・風雲竜虎編』の放送中に決まっており、本作は当時のシリーズ最終作という位置付けで制作、放送された。

モノクロの無声剣劇映画を彷彿とさせる異色の作風で、これまでのシリーズとは様々な部分で一線を画する。殺陣シーンは劇場映画『必殺4 恨みはらします』に参加した、ジャパンアクションクラブ (JAC) が協力している。「剣劇人」の正体は幻の世直し三人組で、彼らは殺し屋ではなく、義賊である。娘のお七に頼まれて悪人を殺しはするが、毎回の仕事を「娘の夢を叶えるために行う裏稼業」として認識している。そのため、他の必殺シリーズのような「金を取らなければ、ただの人殺しだ」というような暗い自己批判性は一切持っていない。

最終回は中村主水(藤田まこと)が登場し、殺しのシーンは過去のシリーズへのオマージュを捧げるなど、必殺シリーズ全体の(ひとまずの)総決算という側面を持っていた。ラストシーンでは主水、せん、りつが一列に並び、「必殺シリーズが始まって、今年で15年」「これからも末長く宜しく」と視聴者に挨拶した。

本作のために作られた楽曲は殺しのテーマのみ。主題歌も『風雲龍虎編』の挿入歌が使われた。

この後、特番として本作の出演者に藤田を主演に加えた『必殺仕事人新春ワイド TANTAN狸御殿に恋が散る』が企画されたが、藤田の物言いにより話が流れ、その代わりに1989年2月11日に近藤・田中・工藤・二宮など本作の主要出演者による現代劇『謎のダイヤモンドを求めて日本縦断! 東京~金沢~尾道・黒幕の女は別れた女房』が、本作と同じ朝日放送と松竹の制作で『土曜ワイド劇場』で放送された。

あらすじ

前作『必殺仕事人V・風雲竜虎編』最終回で、江戸城から一万両が奪われる御金蔵破りが起こる。これは義賊「世直し三人組」の仕業で、彼らはその半分の五千両を市井の人々にばらまいた。

それから数年後。3人の元義賊 カルタの綾太郎、早縄の清次、すたすたの松坊主の元に、かつて3人が愛した女性 お百の娘を名乗るお七という少女が尋ねてくる。八丈島で生まれ育った自由奔放な彼女は、江戸に渦巻く非道な悪に率直過ぎる怒りを表す。3人はお七のために、かつての衣装を引っ張り出し「幻の世直し三人組」として立ち上がる。

登場人物

剣劇人

カルタの綾太郎
演 - 近藤正臣
表稼業は賭場のカルタ札撒き。御家人ムシリに着流しで、腰の刀は竹光にして、悠々自適の生活を送っている浪人。
お七の願いを叶えるためにかつての「世直し三人組」仲間たちとともに「剣劇人」を結成する。
「世直し三人組」「剣劇人」ともにリーダー格で、剣術で敵を葬る。
早縄の清次
演 - 田中健
表稼業は町火消し。三人組の中では年齢が一番若いらしい。江戸っ子らしく竹を割った性格で、南蛮渡来の尺八に似た楽器「けぇな」を吹くのが趣味である。
年齢的にお七と近いことから、お七の悩みや相談事を聞いてやれる優しい兄貴のような存在である。
すたすたの松坊主
演 - あおい輝彦
表稼業は「すたすた坊主」と呼ばれる大道芸人。「すたすた踊り」と称し、「あ、すたすたや〜、あ、すたすたや〜」と髑髏模様の紫の羽織を着て、家々の入り口で家内安全を祈って踊る。
一見、軟派に見えるが、お七に対し、生きる上での知恵や心構えを諭して聞かせるなど、真面目な姿を見せる時もある。
最後の見得を切る時に使う大蝦蟇のハリボテに空気を入れて膨らましたり、目眩ましの煙幕を張るのは彼の役目である。

その他

お七
演 - 工藤夕貴
三人組が八丈島に流罪となっている時に共通の恋人であった女流人 お百の娘。お百が病で死ぬ際、「江戸に父親がいる」と聞かされ、三人組を頼って、江戸にやって来た。
3人のうちの誰かが実父らしいが、実際に誰かはわからない。3人を「父ちゃん」と呼び、3人も自分らの娘として、大事に扱う。
正義感が強く、無鉄砲で、事ある毎に江戸で出来た友人たちが悪人たちに惨殺され、そのたびに報復を企てる。それを止めさせるのが、剣劇人の基本行動である。
基本的に本作は全て、お七が頼み人ということになっており、彼女の願いを叶えるという形で、3人が悪人たちを葬る。
3人は自分たちが剣劇人であることを彼女に隠していたが、最終回で「とっくに知っていた」と告げられた。
お歌
演 - 二宮さよ子
三人組の行き付けの一杯飲み屋の女主人。お七の願いを汲み取り、3人に三途の川の渡し賃である、十二文(一人当たり、四文)を渡し、殺しを依頼する。
面倒見のいい性格で、普段はだらしのない三人組に何かと世話を焼いたり、お七の話し相手となっている。
中村主水とは旧知の仲であることを窺わせるシーンがあり、かつては裏稼業の仲間として、主水と組んでいたと思われる。

ゲスト

殺し技

本作の殺しは他の必殺シリーズとは異なり、芝居のような派手な衣装を着た剣劇人が悪人の屋敷などに正面から、正々堂々と現れる。3人は手下たちは殺さず、峰打ちなどで退けながら、殺害する悪人に近付き、武器を抜き、相手を仕留める。その後は煙幕とともに松坊主の妖術「大蝦蟇の術」で残った手下たちを驚かせ、腰を抜かしているところを脱出する。

これはタイトルにもなっているモノクロの剣劇時代劇映画を彷彿させるようなシーンで、従来の必殺シリーズのような殺し方ではなく、三人組の殺陣を見せ場とした華やかなものになっている。

最終回で江戸が大地震に見舞われ、3人が住んでいた長屋も被害に遭い、盗んだ小判や仕事に使っていた道具全てが地割れに飲み込まれ失ってしまったため、この最終回のみ別の衣装や道具を用意した過去作のオマージュとなっており、決め台詞は相手を仕留めた後で、静かに発声した。

カルタの綾太郎
腰に差した大刀で峰打ちを行った後、「寄らば、斬るぞ!」の決め台詞と共に背中に背負った赤鞘の長刀を抜いた二刀流で、悪人を斬り倒す。衣装は白装束と宗十郎頭巾。
最終回は、勇次と同じ技と衣装を披露し、その際に花札で弦を鳴らし、糸を切った。この時の決め台詞は「やったね!」。
早縄の清次
表稼業の火消しの時と同じ、鳶口と鈎縄を使用し、縄で悪人を絞め殺す。鳶口を悪人の急所に刺す(第3、8話)。衣装は彫り物が描かれた襦袢。決め台詞は「おととい来やがれ!」
最終回は、秀と同じ技を披露。頭に黒いターバンを巻いていた。
すたすたの松坊主
錫杖に仕込んだ槍で、悪人の急所を刺す。頭に挟んだ小柄小刀を投げて相手を威嚇する事もある。衣装は朱色の着物。決め台詞は「むふふ〜、ぁバァ〜カァ〜めぇ〜!」
最終回は、『暗闇仕留人』の村雨の大吉と同じ技を披露。胡桃割りの演出の代わりに素手に湯気が出る演出がなされており、レントゲン映像は『仕留人』の物が流用された。

スタッフ

  • 制作 - 山内久司(朝日放送)
  • プロデューサー - 奥田哲雄(朝日放送)、辰野悦央(朝日放送)、櫻井洋三(松竹)
  • 脚本 - 吉田剛、篠崎好、田上雄、保利吉紀
  • 音楽 - 平尾昌晃
  • ナレーター - 加賀まりこ
  • 協力 - エクラン演技集団、ジャパンアクションクラブ(現:ジャパンアクションエンタープライズ)
  • 監督 - 石原興、津島勝、水川淳三、山根成之
  • 製作協力 - 京都映画撮影所(現・松竹撮影所)
  • 制作 - 朝日放送、松竹

主題歌

  • テン・リー「ついて行きたい」(リバスターレコード)
    作詞・作曲:たきのえいじ、編曲:桜庭伸幸

放送日程

  • サブタイトルのフォーマットは最後の「!」。
  • 最終回は中村主水、中村せん、中村りつ、筆頭同心 田中、与力 鬼塚が登場。

ネット局

※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。

系列は放送当時のもの。

朝日放送・テレビ朝日を始めとする、テレビ朝日系フルネット局では必殺シリーズ終了後、『ニュースステーション』が金曜日も22時スタートとなるまでの約半年間、金曜21時の連続ドラマ枠を22時へ移動させ、現代劇を2作放送した。

脚注

前後番組


Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 必殺剣劇人 by Wikipedia (Historical)



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