『大学』(だいがく)は、儒教の経書の一つ。南宋以降、『中庸』『論語』『孟子』と合わせて四書とされた。もともとは『礼記』の一篇であり、曾子によって作られたとも秦漢の儒家の作とも言われる。
朱子学において、自己修養から始めて人々を救済する政治へと段階的に発展していく基本綱領が示されているとして重要視された。その内容には「明明徳」「親民」「止於至善」の三綱領と「格物」「致知」「誠意」「正心」「修身」「斉家」「治国」「平天下」の八条目が提示されている。
四書に含まれたことにより、東アジア全域で広く読まれた。特に江戸時代後期の日本では、『経典余師』などの注釈書・訓蒙書が盛んに作られ、向学心のある庶民に広く読まれた。一説には、二宮金次郎が薪を背負いながら読んでいるのも本書であるとされる。また、パロディの対象にもなり、例えば関亭京鶴著『傾城情史 大客』などの戯作・洒落本や、古典落語の廓噺の演目『廓大学』などが作られた。
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