留萌市(るもいし)は、北海道北部(道北地方)の市。留萌振興局の振興局所在地。
留萌地方の中心の都市である。 主な産業は貿易などの商業、土木業、水産加工業である。留萌港では現今においてもニシンが水揚げされ、その魚卵であるカズノコの国内最大の加工地である。
現在の留萌川を指すアイヌ語に由来するが諸説ある。中でも「潮汐が・静か・でいつもある・もの(川)」、すなわち「汐が奥深く入る川」を表す「ルㇽモオッペ(rur-mo-ot-pe)」が自然な説とされ、市でもこの説を取っている。
留萌振興局南部、日本海沿岸に位置する。
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている。
ケッペンの気候区分によると、留萌市は湿潤大陸性気候または亜寒帯湿潤気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されている。
幌糠では冬季に-30℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、近年でも2020年12月31日に-30.5℃を観測している。
1960年代までの人口は4万人以上であったが、ニシン漁の衰退や炭鉱の相次ぐ閉山により減少に転じた。
近年、税収や人口の減少の影響で留萌市の財政は悪化している。
定数は14人。
(2019年6月3日現在)
1900年代まではニシン漁にのみ頼る漁業の町で、定住人口は4万人弱、出稼ぎ労働者は3万人以上いて、歓楽街は大いに賑わっていた。
1910年代から周辺の炭鉱開発が進み、鉱業の占有率が年々高まった。また1950年のニシン資源の枯渇からは、水産加工業者向けに三井物産などが海外から魚卵などを輸入し、さらに市内の木材加工業者も1950年代から北洋材の輸入を始めたため、1950年以降は市の経済は貿易と鉱業の2本柱となった。
また、このころ市内の水産加工業者が数の子を黄色く加工し、贈答用に売り出したところ、空前の大ヒットとなり、1950年代の留萌港の国内における数の子輸入のシェアはほぼ100%であった。 この成功から稚内市、岩内町、紋別市などの道内の漁港に貿易船を派遣し、国内交易によりタラコを集積した上で、真っ赤に加工し、贈答用に売り出した。こちらも大ヒットし、1950年代のタラコ加工の国内における留萌市内の水産加工会社のシェアは60%を超えていた。
1960年代に炭鉱が閉山となり、私鉄も相次いで解散し、1960年代以降は貿易と工業の2本柱となった。
しかし、大消費地に近い札幌や首都圏の工場に数の子、タラコのシェアを奪われ、市内の水産加工業は年々衰退したため、1970年代には地場企業の首切り、賃金カットが進み、歓楽街の衰退、小売店の閉店、企業の支店の撤退を招いた。 その頃より市の行政は「官依存」に傾倒して行き、政界も革新から保守へのシフトが進み、中央への陳情による土建行政が始まった。
1980年代には市内の失業者を受け入れるために港湾、道路、ごみ処理場の整備をはじめ、高額所得法人の上位を土建業者が占めるようになり、市債の発行が急激に膨らんだ。
1990年代には木材加工業者が廃業、あるいは海外進出し、市内での経済活動がほとんどなくなり、木材輸入業者も市内から撤退した。頼みの「官」も留萌海運局の旭川への移転、留萌海上保安局の小樽への統合など撤退が相次ぎ、商店街はかつてない不安定な状況に立たされた。1990年代以降の市内の経済は公務員の給与と、公共工事に依存する典型的な官依存の都市となった。
2000年(平成12年)の国勢調査による従事者数の割合は公務員を含む第三次産業だけで全従事者数の7割以上を占め圧倒的に高く、第二次産業が3割。第1次産業は3%余りを占めるに過ぎない。
細目ではサービス業26.28%、卸売・小売・飲食店20.28%、建設業16.42%、製造業12.04%、その他(分類不能)公務員11.78%、運輸・通信業6.23%、金融・保険業2.50%、農業1.76%、漁業1.18%、電気・ガス・熱供給業0.61%、林業0.55%、工業0.16%の順となっている。
うち公務員について「その他公務員」11.78%に各産業別公務員(市立文化センター職員は「サービス業」に分類など)の合計10.55%を含めると全体の22.3%を占めている。
農協・漁協
2023年4月1日に北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線の石狩沼田駅 - 留萌駅間が廃止されたのを最後に市内からすべての鉄道路線が消滅した。
現在の最寄り駅は、留萌本線石狩沼田駅。
かつて存在した路線
札幌市と留萌市を結ぶ高速バス路線が複数運行されているほか、旭川市への高速バスもある。
以下すべて昼行運行(当市を発着する夜行高速バスはない)。太字は留萌市内の停車地。
市内の元川町2丁目交差点は、国道231号( - 起点・札幌市)、国道232号( - 起点・稚内市)、国道233号( - 起点・旭川市)が集まる国内でも珍しい連番3国道の終点となっている。
チェンナイ、ウィック、留萌
平成28年に留萌市名誉市民条例が制定され、それまでの特別功労者は名誉市民と認定された。
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