株式会社ティ・ジョイ(英: T-JOY CO.,LTD)は、東京都中央区に本社を置くシネマコンプレックスの運営や映画の製作・配給などを行う企業。
概要
東映系のシネマコンプレックスチェーン「T・ジョイ」を全国で運営している。
オープン当初からデジタルシネマシステム(DLP)を持つスクリーンを有しており、衛星配信を用いて複数の映画館へデジタルデータで配給するシステムも導入されている。
映画興行事業とともに映画配給事業も主力事業としており、2003年には日本初となるライブビューイングも実施した。
館内で販売される飲み物は、元々2011年夏頃まではコカ・コーラであったが、2023年現在は鹿児島ミッテ10を除いて基本的にペプシコーラを販売している。
子会社に、映画やテレビ番組などの映像コンテンツ・ゲームソフト・演劇・ビデオ等映像出版物の企画、製作、販売などを行う「アマゾンラテルナ」を持つ。
沿革
- 2000年 - 株式会社ティ・ジョイ設立。日本初のデジタルシネマ上映設備を整えたシネマコンプレックスとして事業開始。
- 2010年
- 4月 - 子会社のアマゾンとラテルナを経営統合し株式会社アマゾンラテルナを設立。アマゾンラテルナが韓国のエンタテインメント最大手CJ ENMと合併会社CJ Entertainment Japanを設立。ティ・ジョイもCJ ENMと業務提携を開始。
- 7月 - ディズニー、ピクサー、ドルビーの協力のもと、トイ・ストーリー3の公開に合わせて、運営する全15劇場にドルビーサラウンド7.1chを導入。
- 8月 - 日本初となる、運営する全劇場の全スクリーンの完全デジタルシネマ化を完了。
- 2011年 - 中国の映画会社ゴールデン・ハーベストとの業務提携を発表。
- 2013年 - 日本初となる、座席予約が可能なスマートフォンアプリ「キネパス」をリリース。
- 2016年 - プリンスホテルとシネコン事業で提携し、T・ジョイ大泉と品川プリンスシネマの2館をそれぞれ「T・ジョイSEIBU大泉」・「T・ジョイPRINCE品川」に改称した上で、共同運営すると発表。
- 2023年2月14日 - 代表取締役社長と親会社の東映の6代目代表取締役社長をそれぞれ務めていた手塚治が同年2月11日に死去したことを受け、代表取締役社長の後任を多田憲之が務める。
設備・サービス
ドルビーシネマ
- ドルビーラボラトリーズが提唱するプレミアムシネマの規格である。
導入劇場
- T・ジョイ博多 - 2018年11月13日導入
- T・ジョイ梅田 - 2019年6月28日導入
- T・ジョイ横浜 - 2020年6月24日導入
- 新宿バルト9 - 2022年12月1日導入。
IMAXデジタルシアター
- IMAXコーポレーションが手掛ける独自の上映システムである。
導入劇場
- 横浜ブルク13 - 2016年7月1日導入
- T・ジョイPRINCE品川 - 2016年7月1日導入
- 広島バルト11 - 2017年12月15日導入
- 鹿児島ミッテ10 - 2018年7月13日導入
MX4D
- MediaMation社によって開発された4D映画システムである。
導入劇場
T-LEX(ティ・レックス)
- ティ・ジョイによる独自規格のプレミアムシアターであり、コンセプトは以下のとおりである。
- 従来比135%の大型スクリーン
- JBL社の最高峰4ウェイ・シネマスピーカーを採用
- 高精細4Kデジタルシネマプロジェクターを採用
- 高級革張プレミアシート(追加料金500円)をスクリーン内に設置
導入劇場
- T・ジョイ久留米 - 2017年4月1日導入
- T・ジョイ長岡 - 2019年3月21日導入
- T・ジョイ蘇我 - 2020年2月14日導入
ドルビーサラウンド7.1
- ドルビーラボラトリーズが開発した7.1chサラウンド音声である。
- ティ・ジョイでは全ての劇場がドルビーサラウンド7.1に対応している。
3D上映システム
- ティ・ジョイでは「ドルビー3D」「XpanD」の2つの方式が採用されている。
- ドルビー3D:新潟万代、長岡、SEIBU大泉、京都、東広島、出雲、博多、久留米、リバーウォーク北九州、
- XpanD:新宿バルト9、横浜ブルク13、蘇我、こうのすシネマ、梅田、広島バルト11、パークプレイス大分
インターネットチケット予約システム・予約公式アプリ
パソコンまたはスマートフォンを使い、ティ・ジョイ予約公式サイト「KINEZO」または、公式アプリ「キネパス」内で映画チケットの予約・購入ができるシステム。
KINEZO会員またはamazon.co.jp会員から予約可能で、鑑賞日の2日前の午前0時から予約することができる。
チケットは予約番号と発券用パスワードの入力、もしくは会員QRコードによる認証の2種類から発券が行えるほか、全国19の劇場(新宿バルト9、T・ジョイ PRINCE 品川、T・ジョイ SEIBU 大泉、横浜ブルク13、T・ジョイ蘇我、こうのすシネマ、T・ジョイ新潟万代、T・ジョイ長岡、T・ジョイ梅田、T・ジョイ京都、広島バルト11、T・ジョイ東広島、T・ジョイ出雲、T・ジョイ博多、T・ジョイ久留米、T・ジョイリバーウォーク北九州、T・ジョイパークプレイス大分、鹿児島ミッテ10)ではチケットを発券せずにKINEZOおよびキネパスのアプリ内にて表示した会員QRコードのみでの入場も可能である。
支払いはクレジットカードの他に、現金(あとから決済)、U-NEXTポイント・モバイルSuica・Amazon Payが利用可能。
劇場一覧
他社との共同経営劇場
- T・ジョイ稚内(稚内市中央3丁目6-1、キタカラ 2階)<3スクリーン、2010年6月12日開館>
- 札幌シネマフロンティア(札幌市中央区北5条西2丁目5 JRタワー・札幌ステラプレイス 7階) <12スクリーン、2003年2月22日開館>
- 大阪ステーションシティシネマ(大阪市北区梅田3-1-3、大阪ステーションシティ ノースゲートビルディング 11階) <12スクリーン、2011年5月4日開館>
- なんばパークスシネマ(大阪市浪速区難波中2-10-70、なんばパークス 8階) <11スクリーン、2007年4月19日開館>
映画配給部門
エンタテインメント事業部として、国内での映画配給や海外への映像コンテンツ配給、シネアド配給、ライブビューイング配信などを手掛けている。
国内配給では主にアマゾンラテルナや東映、東映アニメーションなどのグループ会社が製作した小規模作品のほか、配給網を持たない企業による製作作品を受託配給している。参入以前から存在した東映ビデオの配給部門とはグループ内でありながら競合しているが、東映ビデオは同社からのソフト販売を前提とした配給なのに対し、ティ・ジョイ配給作品は東映ビデオからのソフト販売を前提としていない点では区別されている。東映の小規模配給部門としての性格が強いため、シネコンを運営する企業でありながら開始当初から運営館独占上映ではなく、東映直営の映画館である丸の内TOEIや他社の映画館チェーンでも上映されている。
『HK 変態仮面』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』など、ヒットした作品の続編(『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』など)は親会社の東映による配給に変わることがある。
また、配給部門設立当初よりライブビューイング事業にも注力しており、2003年には日本初となるライブビューイング作品髑髏城の七人をヴィレッヂとともに共同配給した。以降もヴィレッヂとともに劇団☆新感線の『ゲキ×シネ』を共同配給するほか、音楽ライブや2.5次元ミュージカル、アニメ作品の声優イベントなどのライブビューイングを継続的に手掛けている。
東映グループにおける小規模配給部門であるため、東宝映像事業部(TOHO Visual Entertainment、TOHO animation)の映画配給と競合する。
主な配給作品
2000年代
2010年代
- 攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D
- 放課後ミッドナイターズ
- 劇場版 TIGER & BUNNYシリーズ
- 009 RE:CYBORG
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
- HK 変態仮面
- 地獄でなぜ悪い
- 楽園追放 -Expelled from Paradise-
- 花とアリス殺人事件
- 幕が上がる
- 幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦
- ミスミソウ
- わたしに××しなさい
- LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘
2020年代
- 囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather
- その声のあなたへ
- 静かなるドン
- 阪神タイガース THE MOVIE2023 -栄光のARE-
関連会社
出典:
- アマゾンラテルナ
- 主要パートナー企業
- 東映 - 親会社
- 東映アニメーション
- 東急レクリエーション
- 佐々木興業
- ヒューマックスシネマ
- 武蔵野興業
- 大蔵映画
- 東映ビデオ
- ティー ワイ リミテッド
- スカパーJSAT
- バンダイ
- ティーズ
- アップフロントグループ
- 東北新社
- ぴあ
- 東映エージエンシー
- ベンチ
- カルチュア・コンビニエンス・クラブ
関連項目
- DOLBY CINEMA
- IMAX
- 東映が運営する直営の映画館
脚注
注釈
出典
外部リンク
- ティ・ジョイ
- KINEZO - 映画チケット予約・購入システム
- ティ・ジョイ【公式】 (@tjoy_cp) - X(旧Twitter)
- T・ジョイ大泉 - 「港町キネマ通り」サイト内(2002年1月取材の記事)
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