株式会社エフエムナックファイブ(NACK5、英: FM NACK5 CO., LTD.)は、埼玉県を放送対象地域とするFMラジオ放送の特定地上基幹放送事業者である。
1988年(昭和63年)10月31日に「エフエム埼玉」(エフエムさいたま)として開局。当初から愛称は「NACK5」。2001年にはエフエムナックファイブが正式名称となった。
関東においては、横浜エフエム放送に次ぐ、特定の系列に属さない独立系FMラジオ放送である。
名前の由来は、周波数の79.5MHzの語呂合わせである【7(な)・9(く)・5(Five=ファイブ)】。一部のパーソナリティは番組内で「79点5、だからNACK5」とコメントする場合がある。なお、当初ラテ欄では「FM795」と表記されていた。多くは「NACK5」であるが、さらに略して「NACK(ナック)」とも呼ばれる。
キャッチフレーズは、2024年4月1日から、「No.1 HOT STATION FM NACK5」(ナンバーワン・ホットステーション・エフエムナックファイブ)を使用している。2016年10月1日から2024年3月31日までは、「make the future FM NACK5」(メイク・ザ・フューチャー・エフエムナックファイブ)を、2016年9月までは「Challenge for the future FM NACK5」(チャレンジフォーザフューチャー・エフエムナックファイブ)だった。
開局当初から受信環境の悪かった埼玉県北西部の聴取環境改善のため、1998年(平成10年)6月に、本局の送信所を浦和市(現・さいたま市)の平野原送信所から、比企郡都幾川村(現・比企郡ときがわ町)の飯盛峠に移設し、送信所アンテナの地上高が高くなったことで、可聴エリアが関東平野一円に広がった。また送信所を移転してからは、ビデオリサーチの聴取率調査の首都圏対象地域も可聴エリアに入ったことから、調査の対象になった。
5月から8月頃に発生するスポラディックE層により、同じ周波数であるエフエム長崎の電波と混信する場合がある。
20歳代をコアターゲットとしたコンテンポラリー音楽のヒット曲を中心とする編成(CHR)は基本的に維持しつつ、隣県他局と差別化を行っている。
声優・アニメ系番組やバラエティ要素の強い番組が多く、若者向け総合放送局の色彩が濃い。また、電波がほぼ関東地方全域に行き渡るほどの放送エリアの広さから、CM・スポーツを除くと埼玉ローカル色は抑えた内容にされている。
全曜日午前5時基点であり、平日と土日の時報スポンサーの切り替わりも午前5時であるが、かつては基点をまたぎ、午前6時まで放送する番組が多いのが特徴であった。しかし、2013年4月からは平日深夜の『STROBE NIGHT!』が1時間短縮され『NACK5時ラジ』が開始、また2016年10月からは金曜深夜『FANTASY RADIO』が短縮され『Startup Saturday』が開始し、『手賀沼ジュンのウナンサッタリ・パンツ』も2018年春改編で短縮され『THE SONG OF MIND』『ディスカバー彩の国』が開始されたことで、基点をまたぐ番組は消滅した。
独立局では珍しく報道局「ニュースルーム」(旧称「報道情報センター」。2010年秋より改称)を持ち、ニュース・天気予報や埼玉県の道路交通情報が多い。また、「MORNING LINE」、「AFTERNOON LINE」、「NACK5経済情報」などのミニニュース番組を放送しているのも特徴である。また、気象警報や鉄道運行情報も、番組中に頻繁に随時挿入される。
独立局であるため、改編期以外に小規模な改編が行われる場合がある(放送時間の5分から10分程度の短縮・拡大、番組の枠移動など)。他局でも見られる傾向はあるが、NACK5は小規模改編が多め。
埼玉県に本社を置く企業や、西武鉄道が筆頭株主の関係上、西武グループの企業が多く占めている。可聴範囲が広いことから東京都区部・多摩地域や栃木県・群馬県・茨城県ローカルの企業(パチンコ店・不動産業者・結婚式場・自動車販売店など)・私立学校のスポットCMも流れる。冬場はスキー場のCMが多く流れ、移動体通信事業者や飲料企業・石油元売企業といった大手企業のCMも多い。ラジオ時報CMは一社提供、平日と休日で出稿社が異なる(→#時報スポット)。
通常のステーションジングルの他に、夏季シーズン(毎年7月半ばから8月中)は「夏の風景バージョン」(風鈴、ししおどし、鳥の鳴き声、ホラー調など。5秒バージョンが多い)、秋は鈴虫バージョン、12月1日から25日まではクリスマスジングル(「赤鼻のトナカイ」がBGMの5秒バージョンと、「恋人たちのクリスマス」がBGMとクリスマスメッセージ「Marry Christmas, from NACK5.」の10秒バージョン2種類の計3種類)が流れる。
オープニングアナウンスの後は「This is NACK5♪」というジングルがある。
『FUNKY FRIDAY』のジングルは通常とは異なり、銀座スタジオのスタッフが選んだものである。
2008年4月から10月は開局20周年記念ジングル(「Happy 20th Anniversary FM NACK5~♪」と歌うもの)が流れていた。さらに2013年6月24日から10月は開局25周年記念ジングル(「25th Anniversary FM NACK5~♪」「A Happy Thanks Year FM NACK5~♪」)が流れている。
2005年に本社移転に伴い記念ソングが作成された。ステーション・イメージソングとしてaccessが起用され「CATCH THE RAINBOW」がテーマソングとして起用された。
2006年には、かかしによる「We are the NACK5」という楽曲が作成され、当時のNACK5のほぼ全ての番組パーソナリティが参加した。「様ソニ」というNACK5のカウントダウンイベントのテーマソングとして作成されたこの楽曲は、2006年・2007年・2008年と3つのバージョンが存在し、年末年始の日中やプライムタイムを中心として流された。
2008年に開局20周年記念ソング「NACK 5」(DOMINO & KAIOH)が制作された。この楽曲では、2008年秋改編時点で放送されていたワイド番組名・NACK5・キャッチフレーズであるChallenge for the futureというフレーズが数多く織り込まれており、20周年特番「STAR RADIO」前には大量オンエアされ、「STAR RADIO」の終わりにDJ・リスナーらがアルシェ前にて踊った。ちなみにSUPER EUROBEAT VOL.192 〜LET'S PARTY〜に収録されている。
2013年、開局25周年記念イメージソングとして「25」が決定した。2013年でファイルレコード設立25周年になるのに合わせてラッツ&スターの鈴木雅之、佐藤善雄、桑野信義、ゴスペラーズの村上てつや、黒沢薫、酒井雄二、AJIのメンバー全員が集まり「FUTURE FILE 25 ALL STARS」というスペシャルユニットを結成して作成した楽曲となっている。
NACK5イメージソングは、1988年の開局に合わせて作られた曲である。開局前の試験電波発射時、コールサイン読み上げの後に曲をずっと流していた。
イメージソングは2曲存在する。
J-WAVEとともに、関東地方でFM局聴取率1、2位を争うFMラジオ局である。2004年4月期・2006年12月期・2009年6月期・2012年2月期・2012年12月の聴取率調査(首都圏35キロ圏)にて、NACK5はFM全局での聴取率首位を獲得している(2004年はJ-WAVEと同率、2006年12月・2009年6月はM1層+F1層の平日平均で単独、2012年2月期はM1層、M2層+F1層、F2層で単独。さらに2012年12月期はAM、FM局の首都圏全ラジオ局中、M1・M2、F1・F2層で単独首位だったことに加え、月曜日 - 木曜日のすべての生ワイド番組が単独首位を獲得している)。近年の2018年6月でもFM全局でJ-WAVEに0.1%差で2位を獲得しており、AM局を入れてもニッポン放送と同率で3位である。2018年4月度では首都圏35キロ圏でM1・F1層首位、2020年6月度では1都3県でM1・F1層首位、2020年8月期では首都圏AM・FM全局中、M1・M2、F1・F2層で平日平均・週平均ともに単独首位を獲得しており、若年層のシェアは盤石なものとなっている。
公式キャラクターとして「らじっと君」が制定されている。モチーフはウサギで、水色の体をしている。名前の由来は「ラジオ+ラビット(ウサギ)」の造語である。
ラジオキャラなのに無口で愛想がない変わり者だが、根は優しく、コミュニケーション力は抜群。座右の銘は「足で稼ぐ」。誕生日は3月3日 (桃の節句・耳の日) 、出生地はときがわ町。
週間番組表などでは、基本的にNACK5パーソナリティの写真が掲載されるが、一部のパーソナリティにおいて、所属事務所の方針で写真の使用が認められていない、代役のパーソナリティが担当するなどの事情で写真が用意できない場合は、「らじっと君」に差し替えられる。
2019年2月22日公開の映画『翔んで埼玉』では、NACK5のキャラクターとして着ぐるみ姿で登場した。
開局25周年のコンセプトは「A Happy Thanks Year!」で、様々な企画が行われた。
NACK5が2013年で開局25周年を迎えることに伴い、2012年より100周年記念イベントを実施している西武鉄道とコラボレーションしたラッピング電車。運行期間は2013年4月27日 - 10月31日。出発セレモニーは4月27日に行われ、中継レポーターとして小笠原聖が参加した。
NACK5の開局25周年と富士山の世界遺産登録を記念して開設した特設スタジオ。2013年7月13日 - 9月1日の間、金曜日を除く毎日、レポーターの大西蘭が富士山の天気や登山情報、富士山のうんちくなどを放送する。なお、スタジオはニコニコ動画と兼用で使用される。放送時間などは「使用スタジオ」を参照。
また、スタジオ開設に合わせて、『The Nutty Radio Show おに魂』火曜パーソナリティーのきっくん、水曜パーソナリティーの夏江紘実、『GOGOMONZ』パーソナリティーの三遊亭鬼丸など、NACK5パーソナリティが富士山への登山に挑戦した。
企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの。出典:
2024年4月改編でのタイムテーブル。
★印のある番組は「STUDIO ARCHE」から、▲印のある番組は「GINZA STUDIO」から生放送。▽印は内包番組を示す。
放送機材メンテナンスのために設けられている枠を使い、特別番組を行うことがある。2020年春改編よりほぼ毎週メンテナンスを行うようになったが、それ以前はメンテナンスを伴う放送休止は月に1〜2回程度でそれ以外の週では、後述の番組に加えてレギュラー番組の特別版や単発の特別番組を放送している。日曜日に終夜放送を頻繁に行う放送局は珍しく、関東広域圏の他の放送局ではbayfmが毎週、ニッポン放送・TBSラジオで各々月一回放送を行っている。例えば、特別番組が3時間で終わる場合、日曜28:00-29:00の1時間分が放送休止時間帯となる。
地上波番組と同内容の配信、連動企画などは除く。
2023年11月現在、局所属のアナウンサーはおらず、主に事務所所属のフリーアナウンサーを曜日や時間帯ごとに起用する形をとっている。
月 - 木曜日ワイド番組「Smile SUMMIT」「GOGOMONZ」(どちらの番組でも祝日・年末年始期間は休止)・日曜日午前のワイド番組「Sunday Audio Show〜アナと日曜のパーマ〜」に内包の「FM Radio Shopping NACK5版」に出演。堂尾のみ2週連続で担当。担当サイクルは堂尾→堂尾→下角→吉村となる。
気象予報会社ウェザーニューズと契約しているフリーアナウンサーが天気情報を伝える。主な出演者は以下の通り。
交通情報は以下のセンターから、一定時間を置いて(21時以降はコーナーがない)放送。
TRAFFICの現在のBGMは3代目である。(FUNKY FRIDAYでは独自のBGMが流れる)
開局当初は「NACK FIVE 道路交通情報」の名称で放送され、BGMも別のものが使用されていた。毎年12月1日から25日は、BGMが「赤鼻のトナカイ」のピアノアレンジになる。ただし、日曜6:55の交通情報は通常のBGMが流れる。
いわゆるラジオ時報CM。
開局以来、平日は一貫して埼玉銀行および後身の協和埼玉銀行→あさひ銀行→埼玉りそな銀行が提供を行っている。また、開局の頃は以上の会社だけでなく、昭和シェル石油や、テンポラリーセンターなど、人材派遣会社の時報スポットもあった。
平日の午後2時と午後4時、土曜日・日曜日の午後1時や、スポーツ中継の番組中、時報および時報スポットは入らない。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で、同年6月頃まで、埼玉りそな銀行およびサイサンによる時報スポットがなくなり「○時です。」や「○○が○時をお知らせします。」の案内がなくCM明けに突然時報だけが流れるといった状態があった。
2017年5月頃から、土曜日・日曜日のサイサンのCMでは新バージョンが放送されている。
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