金沢高等工業学校

金沢高等工業学校（かなざわこうとうこうぎょうがっこう）は、石川県金沢市に存在した旧制官立専門学校。1944年以降は金沢工業専門学校と称した。後の金沢大学工学部の前身で、現在の理工学域の前身の1つ。

概要

修業年限は3年で、土木工学・機械工学・応用化学・化学機械・電気工学の各科が設置されていた。

金沢市上野本町（現：小立野二丁目）に校地を置いた。校地は金沢大学に引き継がれ、小立野キャンパスとして工学部が使用した。工学部は2005年までに角間キャンパスに移転し、跡地には2022年に石川県立図書館が移転し、2023年に金沢美術工芸大学が移転する予定である。

卒業生により同窓会「金沢工業会」が結成され、金沢高等工業学校、金沢工業専門学校、金沢大学（工学部・大学院工学研究科、理工学域・大学院自然科学研究科の各一部）と継承されている。

沿革

• 1920年12月：文部省直轄諸学校官制が改正され、「金沢高等工業学校」が追加される。
• 1921年
  • 4月：授業開始。学科は土木工学科・機械工学科・応用化学科。所在地表記は石川郡崎浦村字上野新。
  • 10月：別科（修業年限1年以内）を附設し、授業開始。
• 1936年4月：金沢市が崎浦村を編入したことにより、所在地表記が金沢市上野本町となる。
• 1937年8月：臨時別科として工業技術員養成科を設置、10月に授業開始。
• 1939年5月：化学機械科・電気工学科を新設。
• 1943年4月：工業教員養成所を附設。
• 1944年4月：金沢工業専門学校と改称される。同日、学科が本科第一部の土木科・機械科・化学工業科・化学機械科・電気科と本科第二部の機械科に改められる。
• 1945年4月：本科第一部に電気通信科を、本科第二部に土木科を新設。
• 1946年4月：精密機械科を新設。1948年時点では機械科精密機械分科とされている。
• 1949年5月：国立学校設置法により金沢大学が設置され、金沢工業専門学校は金沢大学に包括される。各学科は土木工学科・機械工学科・工業化学科・化学機械学科・電気工学科と応用数学物理学教室に移行。
• 1951年4月：金沢工業専門学校が廃止される。
• 1954年：金沢大学工学部に工業教員養成課程が新設される。

歴代校長

• 初代：青戸信賢（1920年12月 - 1940年3月）
  • 1918年9月より創立事務取扱を嘱託される。名古屋高等工業学校教授より転じる。
• 2代：森慶三郎（1940年3月 - 1943年10月）
  • 山梨高等工業学校教授より転じる。
• 3代：横山盛彰（1943年10月 - 1951年3月）
  • 横浜高等工業学校教授（理学博士）より転じる。1949年5月から1955年3月まで金沢大学工学部長を務める。

出身者

脚注

参考文献

• 『金沢高等工業学校一覧』 自大正十年至大正十一年、金沢高等工業学校、1921年12月15日。NDLJP:941052。 
• 『金沢高等工業学校一覧』 自昭和十一年至昭和十二年、金沢高等工業学校、1936年11月30日。NDLJP:1710545。 
• 『金沢大学10年史』金沢大学、1960年3月31日。NDLJP:9580688。 
• 金沢市史編さん審議委員会 編『金沢市史』 現代篇 下、金沢市、1969年5月。NDLJP:9569470。 

関連項目

• 高等工業学校
• 師範学校

外部リンク

• 金沢大学
• 金沢工業会

1. 旧制専門学校
2. 高等工業学校
3. 師範学校
4. 東京工業大学
5. 金沢大学
6. 広島高等工業学校
7. 金沢市
8. 長岡高等工業学校
9. 第四高等学校 (旧制)
10. 国際高等専門学校
11. 早稲田大学系属早稲田実業学校初等部・中等部・高等部
12. 金沢市立工業高等学校
13. 金沢大学附属高等学校
14. 高等専門学校
15. 室蘭工業専門学校 (旧制)
16. 日本の工業に関する学科設置高等学校一覧
17. 高等中学校
18. 金沢高等師範学校
19. 崎浦村
20. 理工学部