羽田空港第3ターミナル駅(はねだくうこうだいさんターミナルえき)は、東京都大田区羽田空港二丁目にある、京浜急行電鉄(京急)・東京モノレールの駅である。
東京国際空港(羽田空港)の西側に位置し、国際線の発着する第3旅客ターミナル(第3ターミナル)への最寄り駅である。
京急の空港線と、東京モノレールの東京モノレール羽田空港線が乗り入れる。駅番号は京急空港線がKK16、東京モノレール羽田空港線がMO 08である。なお、当駅における両線間での連絡運輸の取り扱いはない。
東京国際空港は2010年(平成22年)10月21日にD滑走路を供用開始した。これによって発着枠が増加し、国際線定期便の就航が可能になった。
これにより、国際線のキャパシティが現行の第2旅客ターミナルビル南側に設置されていた旧国際線ターミナルビルよりも増大するため、多摩川と東京都道311号環状八号線に沿った区域に国際線旅客ターミナル・貨物ターミナル・駐車場などの新国際線区画が東京国際空港ターミナル等によって建設され、その旅客ターミナルの開業に合わせて両路線の駅の開設がなされた。
なお、2002年(平成14年)に羽田再拡張が国土交通省によって策定された当初は、2003年(平成15年)度までに滑走路を着工の上、2009年(平成21年)12月に国際線ターミナルの開業が見込まれていた。しかし、港湾上の構造問題から滑走路の設計変更などが生じて2007年(平成19年)5月に着工したため、国際線新ターミナルの着工も順延し、2010年10月21日の開業とされた。
京急の駅は仮称を「国際ターミナル駅」としていたが、同年5月14日に「羽田空港国際線ターミナル駅」(はねだくうこうこくさいせんターミナルえき)と発表された。一方、東京モノレールの駅の仮称は「国際線ターミナルビル駅」としていたが、同年2月10日に正式な駅名は「羽田空港国際線ビル駅」(はねだくうこうこくさいせんビルえき)と発表された。なお、両駅とも英文名称は Haneda Airport International Terminal Station とされた。
京急では、羽田空港駅(現:羽田空港第1・第2ターミナル駅)駅開業10周年を迎えた2008年(平成20年)11月18日に、初めて報道陣に工事の様子を公開した。
建設中の2010年3月27日に、電気工事をしていたターミナルビル1階部分から出火。作業員1人が負傷、駅舎など約500平方メートルが延焼する事故が発生した。
当初は2009年12月に開業する予定であったが、ターミナルの開業が延期されたことから、両駅とも2010年10月21日に開業した。
京急では2010年5月16日、京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進捗に伴って実施されたダイヤ改正において、品川・都営浅草線方面 - 羽田空港(当駅開業と同時に羽田空港国内線ターミナルへ改称)間に設定された「エアポート快特」、品川・都営浅草線方面 - 羽田空港間もしくは横浜方面 - 羽田空港間に設定された「エアポート急行」、および快特・特急・普通が当駅の開業以降に停車することを前提としたダイヤとなり、当駅の開業後は空港線全列車の停車駅となった。
東京モノレールでは同年7月29日に、当駅に全列車を停車させるとしたダイヤ改正を発表した。
開業前、一日の乗降人員は京急では約10,000人、東京モノレールでは約8,500人と予測していた。
2018年から京急創立120周年を記念して、小学生に駅名の名前を募集していた。当駅と羽田空港第1・第2ターミナル駅は対象だったため、(小学生は決めていなかった)2020年3月14日に「羽田空港国際線ターミナル」から、「羽田空港第3ターミナル」と名称を変更した。
相対式ホーム2面2線を有する地下駅である。地下2階にホームおよび下り線用改札口が設置され、上り線用改札口は第3ターミナル到着ロビーと同じ地上2階に設置されている。近年に設置された駅としては珍しく、改札内での1番線と2番線の往来ができない構造になっている。自動改札機はすべて幅広型のものが設置されている。当駅の総工費は約150億円とされている。
1番線改札出場後に第3ターミナル出発ロビー(3階)および到着ロビー(2階)に直通するエスカレーターとエレベーターが設置されている。
当駅ではターミナルから荷物用カートをホームまで持ち込めるように、ホームの幅員が14メートルと広くなっている。また、カートの線路への転落を防ぐため、京急の駅で初めてホームにホームドアが設置された。このため当駅開業以降、4扉でありホームドアに対応できない800形は、空港線に営業運転で入線しなくなった。
外国人利用客への対応として、改札口付近に4か国語対応の「ご案内カウンター」を設置するなど、日本の玄関に相応しい設備とサービスを提供している。案内サインも4か国語表記で、視認性の高い位置や素材を検討の上設置されている。
2019年1月28日、当駅上りコンコースにて、目の錯覚を利用した「錯視サイン」が全国の駅で初めて導入された。床に貼り付けた案内サイン(エレベーターへの誘導表示)が浮かび上がるように見え、通行を邪魔せずに目立たせる工夫をしている。
開業当初から接近メロディが導入されており、これまでに以下の曲が使用されている。
メロディは全てスイッチの制作で、編曲は塩塚博が手掛けた。
相対式ホーム2面2線を有する高架駅である。曲線上に位置するため、1番線ホームにはホームドアと連動する可動ステップが設けられている。改札口は2階コンコースと3階下りホーム前に設置され、ともに第3ターミナルの到着ロビー、出発ロビーに直結する。両ホームは改札内で往来可能である。
当駅の設置にあたり、天空橋 - 新整備場間の高架軌道のうち、東京都道311号環状八号線上の一部(約900メートル)を撤去し、代わりに国際線ターミナルビル(当時)寄りにS字状に湾曲した高架軌道を新設した。これに伴い、2010年4月10日午後から全列車をモノレール浜松町 - 昭和島間の折り返し運転とし、同年4月11日にかけて切り替え工事を行った。
この措置により、中部国際空港駅、仙台空港駅に次いでプラットホームと出発ロビーが同じ階層となり、下りプラットホームのみシームレスな往来が可能になった。
2階改札横には、JR東日本びゅうツーリズム&セールスが運営する「JR東日本 駅たびコンシェルジュ羽田空港」(旧・JR東日本外国人旅行センター)があり、訪日外国人向けの特別企画乗車券「ジャパンレールパス」「JR EAST PASS」の引き換えや旅行相談などを扱っている。
京急と異なり、荷物用カートをホームへ持ち込むことはできない。
開業後の1日平均乗降人員の推移は以下の通り。
開業後の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
京浜急行バス(共同運行会社を含む)と東京空港交通(共同運行会社を含む)が第3ターミナルに乗り入れている。このほか、近接する羽田エアポートガーデンバスターミナルからも高速バスが発着する。
京急線の当駅 - 羽田空港第1・第2ターミナル駅間、東京モノレールの当駅 - 羽田空港第1ターミナル駅/羽田空港第2ターミナル駅間の運賃は通常有料だが、羽田空港において国際線・国内線、または国際線同士(第2ターミナル・第3ターミナル間)を乗り継ぐ乗客に限り、その間の運賃が無料となる。乗車する際には、ターミナルの案内カウンターにおいてパスポートと乗り継ぎ便の航空券を提示し、「乗り継ぎ乗車票」を発行して貰い、それを駅の改札口にて提示する必要がある。
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